潮留と築地の中間地点(実際の地理より距離感は詰まっていた)で、小さな女の子を連れた老人に呼び止められる。老人も子供も身なりがいいというか、服が高そうだ。
老人に「恐縮ですがタバコを一本いただけませんか」と言われる。ルーシアとキャメルのメンソールを持っていたが、どっちもD-specだしメンソールだしシトラスだナッティだと香料も特殊な感じのタバコなので「それでいいか」と説明して、と思ったが、要素が複雑でめんどくさい。
「急いでいますのですみません」と断った。我ながらひどい理由だと思いながら。
「地球の重力が少し弱まり、人々のジャンプ力が上がった」という設定からこの夢は始まっています。
で「そうなると各種スポーツのルールや機材なども変わってくるだろう、ならその前にプロっぽい気分を味わってみよう」ということでバスケットをすることになりました。普通の体格の人でも上手く飛べたらダンクができる、ぐらいの重力の減り、という感じだったので。で、人数がそう居たわけではないので、1 on 1でやることに。以下メモ的に書きます。
・なんか別のからみの夢
某アイドルさんとタクシーの運転手と自分の家族(夢の中の)と割とどろどろした話(離婚だ慰謝料だ相続だとか) いう話がありまして(某アイドルと私の父が夫婦だと) んでまあ、なぜか着ているものを洗っていけ、という話になりまして。で、自分の服を探すんですが、スポーツウェア系しかないんですね。しかも「誰が買ったこれ?」というようなセンスのものばかり。比較的マシなものを、というのを選んで着たんですが、なぜか「着てからタグを外そう」と思ったと。で、ハサミで切ろうとしたら服まで切れそうなので、困っていたんですが、知恵の輪的動きで外せることに気が付きました。が、2つほど外したらなぜか頭髪とか頭皮にたくさんタグがついていて。
「これは取れないな」と言っていたら大柄な男性(友人役)がやってきて「それ取らないほうがクールだぜ!」とか言って。で、歩いているうちに下記遊技場的なところに場面が変わり「んじゃリムに届くか試してみようぜ」というところからバスケットに話題が移りました。
また、その上のからみの中で、通路を通っていくと空母のカタパルトみたいのがありまして。私用塗装他特殊なカナードと偏向ノズル仕様のF-15がありました。なんか「模擬戦ワールドカップ」みたいなのの前日でも飛行があるんで云々だとか、上記実家のなんかの商売をやっているおじいさん(外国人)の国のパイロットを最初に落としてやるとか言って家族にたしなめられるとかそういうくだりもありました。
※F-15まわりのくだりはあまり覚えてないんですが、他のパイロットは外国人というよりエイリアンみたいのもたくさん居ました。パイロット同士は非常に和気藹々としたムードなのですが、クルーやら監督やらが「前回優勝パイロット(私)にはハンデがあり、カナードによる特殊軌道ができない仕様になっているが大丈夫か」、とか周りがぴりぴりしていました。カタパルトに上がるところは急激な坂道というか三角形の鉄板(脇に階段とエスカレータ)になっていて、車で上る人も居れば、滑り台みたいに降りてくる人もいたりとかなり「事故がいつ起きても不思議では」というような混雑ぶりでした。
さて、そんなくだりの後、バスケットが始まります。
・このゴールは使えないね
体育館というより「遊技場」のような天井高さや広さが体育館ほどでは、という場所に集まりまして。で、最初に見つけたゴール。なぜか上に棚みたいのが付いています。ボール1個半ほどの空間があり、上に棚、という感じ。これではダンクはできないと。で、奥のほうから普通のゴールを引っ張り出すことになりました。どうも「正確なレイアップ練習用」らしいのですが、実際は意味が無い練習でしょうね。
・特殊ルール1 リムを1.6mの位置まで下げる場合
ボールが凄いデカイぶにょぶにょしたものを使わないといけません。ドリブルもとてもむずかしいし、リムに無理やり押し込まないと入らない。なのでダンク以外ノーゴール。シュートはすべて1点扱い。
・特殊ルール2 リムが通常位置(確か3.05m)の場合
1-攻撃側はシュートで終えるまで、1度だけ「ノー・トラベリング」という「ボールを保持して3歩以上歩いていい」ものを使える。いわゆるダブルドリブルは適用されるため、必ずシュートで終わらなくてはいけない。ノーゴールだった場合、いずれかのゴールが入るまではもう使えない。
↑これもはやバスケではない気もしますが、そのほうが飛びやすいということで出てきたんでしょうね。
2-点数
ダンク-3点、その他-1点(いわゆる3ポイントも無い)
とにかくダンクを狙わざるをえない、という縛りのためのルールなんでしょうね。
3-ずっと俺のターン
うろ覚えですが、1 on 1系のルールは「ゴールが入ったら攻守入れ替えでセンターから開始」だったはずですが、今回は「シュートしたボールがコート内に落ちている限り、シュートした側がボールを取ったらそのまま攻撃を継続できる」というものすごいオフェンス有利のルールとなってました。入れられた側が取ったりコート外にボールが出たら通常の開始になりますんで。
で、バウンド中のボールを再度ジャンプしてキャッチしてそのままドーン! という「1人アリウープ」も何連続でもOKと>無茶だなおい
ただ、リムにぶら下がった状態でバウンドしたボールをキャッチしてドーン!は反則、5点減点扱いと。まあ、やりたければやれ、ということでしょうね。
そんなこんなで始まりまして。で、通常リムで使う通常ボールに空気があんま入ってないね、というので入れたところ、重力の関係もあってか跳ねる跳ねると。これなら1人アリウープも行けるんじゃね? という感じで。
で、5点減点をやるやつがいたり、私他1人アリウープも何度か決まりと盛り上がりつつある中、私とある女性のゲームになりました。
この段階で「1ゲーム中最多ゴール」「優勝(総当り勝数および得失点差)」がかかっておりましたので、女子相手でもやっちゃいますよ、ということで連続1人アリウープなどをやっておりましたところ、ブーブーと非難(笑ってるけど)などがあり、まあそこをいじっていたところ、突然対戦相手が背後からチョークスリーパーをかけてきました。これは!?
4-相手をギブアップあるいは失神させた選手がその段階で優勝
これは首を絞められながら「何だこれ?」と困惑する私に周囲が説明したのですが「全ゲーム中1度のみ、守備側は攻撃側に対して関節技、締め技を使うことができる」というルールがあったと。私はトイレに行っていたのでそこを聞いてなかったんだろう、という話で。んでまあやっていいのは5秒までとか、その中でも3秒ルール(制限区域内に3秒以上留まれない)は有効と。
首絞めてもいいけど3秒ルールは有効ってのがかなり滅茶苦茶ですね。
結局首絞められた状態で夢は終了しました。
※今回はブツ切りの記憶となります。また、ディテールがおかしいところが多かったので解説的なものも書きます。
○競輪
「競輪場に行く。なんかコースが小さい気がする。最初は普通の競輪をしている。おかしなメールが届く。そのうちレース内容が“ママチャリ部門”とかバラエティっぽくなってくる。“50ccレーサーレプリカ(12インチ限定)”とかいうのが始まりそう。“完全ノーマル”ということなので、ならばサスが強いNSRが優位か、と2-5、5-2の裏表を買う。1000円のつもりが間違って1万円ずつ買ってしまう。実は大穴で万車券となる。金額がえらいことになるので後日友達と取りに行くことにする。おかしなメールがまた来る」
・競輪場の場所
東京ドームの外側にありました。ご存知の通り、現在の東京ドームは「後楽園競輪場」跡地にあります。確か現在のドームにも競輪をできる設備もあるはずです(地下にあるんだか組み立てるんだか忘れましたが)
ここだけ妙にリアリティというか関連性がありました。
・おかしなメール
これは「昔の知り合いに似た人がいたのでメールをしてみる」ということなのですが、私は実際はその方のメールアドレスを知りません。また、一度送ったあとに何度か返信が来るのですが、最初は「いえ競輪場には来ていません」という普通の内容でしたが、その後なぜかそのアドレスからおかしな広告メール的なものが届き始めます。現在の仕様ではありえないものすごいデコメール的な。なぜかダイヤルキーのあたりまで表示が広がるという。気持ち悪い映像でした。
・50ccのレース
もう競輪じゃないですよね。かといってオートレースとも違うんですが。実際そうだったかは覚えていないのですが夢の中では「ノーマルならホンダ(NSR50)だろう。サスが違う」という判断をして、それが当たります。
・車券
これがおかしかったですね。まず、2-5、5-2という買い方は確か今は無かったんじゃないかと思います。で、まあそれはいいとして車券にガムがついてくるんですね。2-5とか包み紙に書いてあるソレが。
で、当たったんですが、夢の途中で「2つのレースを当てた」ことに状況が変わっているのですが、車券に有効期限か書いてある。で、それが24時間以内と12時間以内の2つ。高い配当のほうが12時間でした。
で、なんか旅館みたいなところに帰る(東京ドームからなのに)んですが、そこのおばちゃんが換金できるところを教えてくれるんですね。なぜか郵便局とローソンでOKということでした。
で、金額が金額だというので友達が数人ガードマン的役割で付いてきてくれるんですが、なぜか払い戻しがスムースじゃないと。「これ、本当にあなたが買ったんですか?」とか聞かれる。実際の競馬や競輪ではそんなこと聞かれないですよね。で、結局「本人証明」の決め手になったのが貰ったガム。食べてなかったんですね。それを見せたら「あーご本人ですね」ってなんだそれは、という。
○キャリア表示
「洋服の肩口か胸元に何かの階級章かのようなもので通信インフラのキャリアなどを表示することを義務付けられる。加入電話からISP、携帯、SNSなど。あまりに多いとなんか恥ずかしい」
これなんですけど、前日に「ISPも整理したほうがいいかなあ」などと思ったからかもしれません。現状ISPが3つ(法人ドメイン、CATV、ブログ等用)、SNS系が2つ、携帯まわりが2つ、加入が1つ、IP電話がひとつ(全然使って無い)とかあるんですよね。それの影響かもしれません。義母は携帯を持っていないのでNTTのものを1個だけつけて夢に出てきたのがおかしかったですね。「1個の人」というのを夢の中で意識したということなんでしょう。
変わった形のアパートに住んでいる。
高さは20階建て。4本の丸い塔のような形。外壁の内側には通路がある。ひとつひとつのフロアはけっこう広い。1フロア3世帯から1世帯の構成(上に行くほど1世帯比率が上がる)地上階、10階ぐらい、そして最上階はそれぞれ4本の塔は渡り廊下的なものでつながれている。下のほうの渡り廊下にはスーパーマーケットやレンタルDVD店などがある。上はほとんどが飲食店。
E,W,N,Sと呼ばれるそれぞれの塔の最上階はEは閉鎖されていて、Wがフリースペースのようになっている(一部に小さい飲食店が壁際に並び椅子や机が無造作に並べられている)、N,Sは大型のレストランが入っている。
私はこの塔のEとWをすべて所有していた。知り合いの資産家が持っていたものだったが、亡くなる前になぜか私にくれたのだ。「食うには困らないだけの家賃収入はあるから、あまりがめつく生きないように。なにより借主を守るように」とだけ言われた。なので、他のオーナーと相談をしてWの最上階をフリースペースにした。Eの最上階だけで生活には困らないのだが、なにかに使うかもしれないので、Eの上から3フロアは人には貸していない。
テナント料や家賃で生活にはまったく困らない。その収入で他の物件も買って貸したりしているし、この塔が老朽化してしまっても他で生きていくためのお金は手に入るだろう。
そんなこともあり、また、100世帯近くに貸し出しをしている大家というのは割りと忙しい(不動産屋とのやりとりとか)ので、私は会社勤めをしていない。一応飲食店のコンサル業というものの名刺を持っていたりはするが、年に1度その仕事をするかしないかという程度。なので、表札も出していない。郵便物は管理会社がまとめて持ってきてくれる。Eの17階以上は誰も上がって来れなくなっているので、私がそこに住んでいることを、いや、私が誰であるのかも知っている人はほとんど居ない。
大家としての仕事がひと段落すると、いつも私はWの最上階に行っていた。なにをするわけでもない。壁際の椅子に寄りかかって外を眺めながらビールを飲んだり軽く食事をしたりタバコを吸ったりするだけだ。基本的に誰とも話はしない。
その日も夕方になったので、Wに向かった。E最上階からW、Sへの渡り廊下は6割程度が封鎖されている。飲食店の匂いが入ってくるのを防ぐためだ。逆に言えば残りは全て飲食店。E→Wの渡り廊下、フリースベースの一部にある飲食店の一部は私が直接経営しているものもある。が、家族の名義を使っているので、やはり経営者が私であることを知らないテナントのほうが多い。
フリースペースには近隣の店で買ったもの、あるいは自宅から持ってきたものの持込など、飲食については完全に自由だ。ここで火を使って調理をすることだけが禁止されている。また、飲食店従業員、居住者、オフィスフロアの社員以外はWの20階に入ることができない。IDタグを持っていない「動くモノ」は警備員に連れ出されてしまう。逆に言えば「住んでいる猫」でタグが付いていれば追い出されはしない。昼間は勉強をしている学生なども多いが、食事時や夜はやはり人が多い。
ふとカレーの匂いがすることに気が付いた。見るとも無くそちらを眺めると、私と同世代ぐらいの男性が鍋を前に携帯で話をしている。
「…ああ。例の空き地に居る。カレー食いに来いよ。皿とか持って来いよ」などと。
服装やカレーの鍋を持っていることからして居住者なのだろう。どこかで見たような気がする顔だが、思い出せなかった。それにしても彼らはこの場所を「空き地」と呼んでいるのか。
猫を抱きかかえている小さな女の子が居る。小学生ぐらいだろうか、先ほどからうろうろというかきょろきょろしている。と、もう一人同じように犬を抱えた女の子がやってきた。と、猫の子が
「遅いよ!」
「ごめんごめん! この子がなかなか見つからなくて!」と犬の子。
「しっ! 声が大きいって!」と猫の子。
もしかして、と思う。
・猫や犬が比較的暴れる
・それでも下に絶対に下ろさない
・犬が居なくて遅れた
このすべての条件を満たす理由は、この子たちがタグを持っていないということではないだろうか。現状の警備のシステムでは、抱えた犬や猫とこの子たちを「1人と1匹」とは分離して認識できないはずだ。
一応警備員を呼んでみるか、と思う。私と他の塔の所有者2名が持つタグは特別なもので、警備員を呼び出せる機能および「オーナーのいずれか」であることを向こうが認識できる機能が付いている。
ボタンを押そうか、と思ったとき、先のカレーの男性の友人らしき人物が入ってきた。手に食器と缶ビールを持っているからまあ、間違いないだろう。そして彼もどこかで見たような気がする顔をしていた。
と、犬猫の子たちが、その彼を見てささっとこちら側に逃げるように移動してきた。と、男性がそれに気づき「おい! またお前らか!」とちょっとイラついたような声で言っている。
鍋を持ってきた男性が「いいよ…ほっとけよ」と。
「でもよ。決まりは決まりだぜ? また誰かカモられるんじゃないのか?」
なるほど。子供たちがタグを持っていない、つまりこの塔の住人ではないことはもう間違いないだろう。しかし、どういう理由なのだろうか。
「ちょっといいですか」と食器の男性がやってきた。と、子供たちが私の後ろに隠れるような形になった。
「あなた、ときどきお見かけしますが、こちらにお住まいで?」と男性。
「ええ。まあ」と私。
「ならご存知のようにタグが必要ですよね。この空き地には。で、この子らは外部の人間です。どこかの家のペットを捕まえてきてここに入り、で、お遣いをするから、と金を預かって買い物してつり銭をちょろまかしたり、買ったものから抜いて食う、ということの常習犯なんですよ」と。ああ、そういうことなのか。
「空き地だって。センス無いね」
「広場だよねどっちかっていうと」
まあ、センスはともかく、この場はなんとかしないといかんな、と思う。と鍋の男性もやってきて
「あの。失礼ですがあなた●●じゃないですか?」と。
「あ! そうだどっかで見たと思ったら。俺は××で、こいつは△△だよ!」と。
どこかで見たと思ったが、小学校の同級生だった。
「いえ。違います。私は■■というもので…」
彼らはどうもE,Wの住人ではないようだ。だとしたら貸主の名前は私の本名なので、その段階で気が付いたかもしれない。私は今は仕事用の名前を使っているのでその名を言った。いつのころからだろうか、私は自分の本名を知られることがいやになっていた。私がどこの誰であるのかを含めて。
「…そうですか。よく似ていたもので失礼しました」と鍋の男性。
「で」
「この子たちは私のほうで。警備に知り合いがおりますので」と私。
ああではそれで、という感じで男性たちは自分の席に帰っていった。
子供たちは「警備」という言葉の意味がわかるらしく、おびえている。
「まあ、かけて」と椅子をすすめるとおずおずと腰掛けた。まだ犬猫は放さない。
「手を出して」と言い、不審がりながらも差し出した彼女らの手に小さいシールを貼った。
「もう放していい。このシールはお客さん用だから、見つからないよ」というが信じないようだ。ちょっと危ないが仕方が無い。
「ペットが居なくなったことに気が付いたら、警備会社や警察に連絡が行くかもしれない。飼い主ならどこにいるか調べられるし、普段はそうはしていないが、探そうと思えば、警備会社でも誰がどこに居るかはタグでわかってしまう。つまり、君たちが犬猫を誘拐したことになってしまう」
「でも…このシール本物なの?」と猫の子が小さい声で言った。
「本物だ。この建物の中で3人しかこれは持って居ないし、滅多に使わないものだが大丈夫だ」実はお客さん用ではなく、緊急対応用のシールなのだが。2時間でタグの代わりをする機能が切れる。
「おじさんはその3人なの? どうして持っているの?」と。
「それは」と一息置いて言う。「おじさんがここの持ち主の知り合いで、管理を頼まれているからだ」まあ、この程度ならギリギリいいか。
へーすごいね〜などと言いながらやっと犬猫を下に下ろした。よほどイヤだったのか、両方とも走ってどこかに行ってしまった。いずれ警備会社か飼い主が見つけるだろう。
「君たちはなぜこの塔に、このフロアに入り込んでいるんだい?」と聞いてみた。
と、どうも遊ぶ金欲しさ、というよりは食べるものに困って先の男性が言ったような行為を繰り返していたらしい。
「バベルの塔はお金持ちが住んでいるから、って周りの大人が言ってたから」と。へぇ。バベルと呼ばれているのか。
「バベルには2つの塔を持っている老人が居て、タグの無い人を見つけると八つ裂きにして食べちゃうんだって。おじさん知ってた? っていうかおじさんの知り合いがその老人なの?」と犬の子が。
こりゃ酷いウワサがたってるもんだ、と思いつつ「いや、知り合いじゃないけど。まあ似たような話は少し聞いたな」と乗ってみた。
「私が聞いたのは」と猫の子。
「老人は一度死んで、真っ赤な髪の毛になって幽霊として蘇った。ときどきWのこの部屋に居るんだけど赤い髪の人なんて居ないから誰にも分からないんだって。タグの無い人を見つけると必ず呪い殺す。バベルの亡霊って呼ばれてるんだって」と。かなり近い。前のオーナーもあまりこの塔を私に与えたことはあまり人に言っていなかったから、死んで生き返ったという説があっておかしくはない。まあ、頭は赤くないが。オレンジ色ではあるが。
「へえ」と私。「いろんなウワサがあるんだな」と。
「今日はどういたしましょうか?」と若い女性がやってきた。私が経営している飲食店の店長の娘だ。店長は他の飲食店も統括して管理していることもあり、私の正体を知っている数少ない家族のひとつだ。
「あ。そんな時間か」と私。たまにここで彼女になにがしかの料理を頼んで買ってきてもらって食事をしているのだ。
「いや、腹は減っていないな」と、女の子たちががっかりしているようだ。ああ、何か食べたくて今日は来たんだな、と気が付いた。
「君たちは?」と聞いてみる。
「え、別に…」と。まあ、照れがあるというか、目的を見透かされた感じがするのだろう。
「タンドリーの類をいくつか。あまり辛くしないように。あ、鶏肉は大丈夫か?」と子供たちに聞く。と、先の娘の制服を見て「あ!」と言った。カレー屋なのだが、お遣い詐欺で行ったことがあるのだろう。
「美味しいんだよねここの!」とか言い合っている。そして娘に
「お姉さんはこの塔の持ち主のことを知っている?」と聞きはじめた。
「お会いしたことはありますよ」とくすりと笑って娘は言った。
「怖いの? 老人なの? 髪は赤いの?」と立て続けに聞いている。
と、娘はちらりと子供たちの手の甲を見た。正式な客であれば、オーナーだけが持っているゲストタグを付けているはずだが、シールということは緊急の何かである、ということに気が付いたのだ。
「あまり怖い方ではありません」ほっとしたような子供たち。
「ですが」と娘。
「間違ったことや、同じミスを繰り返すことをお嫌いになる方です。少なくても、そちらのオーナー代行ほどお優しい方ではありません。食事をしたら帰りなさい。今度タグなしで入ったところを見かけたら、警察に連絡しますからね」と優しい顔で怖いことを言って帰って行った。
「オーナーが経営している店の人だ。今日中にオーナーに連絡が入ってしまうな」と私。
「うん」
「もうあそこのチキン食べられないんだね…」と。好きだったのだろうか。少し可愛そうだが、私自身が決まりを破ってしまってはここのルールはもうなんの意味ももたなくなる。
料理が届いたのと、予定が入っていたので「食べたら帰りなさい。もう来てはいけないよ」と告げて立ち上がった。片方の子供が「あ!」と言った。
「バベルの…亡霊だ…」
いつも座るその席は立ち上がると夕日が少しだけ差す時間帯がある。オレンジ色に染めた私の髪の色はその光を浴びて赤く燃えたような色にってしまったのか。
「そんなわけはない」と彼女たちの肩を叩いた。
「ほら、生身の身体があるだろう」
しかし、彼女たちの身体の震えは止まっていなかった。こりゃ髪の色を変えるか、と思って出口に向かうと料理を並べていたカレー屋の娘の静かな声がかすかに聞こえた。
「バベルの亡霊はお優しい方。ただ、間違ったことは許さない。この塔を守っているのよ」と。
微妙に実家を思わせる建物の中に居る。
しかし、ここが自分の実家であるかどうかは分からずにいる。
中に入るが、誰も人が居ない。家具などはほとんど置かれていない。テレビ台はあるがテレビが無い、とかそういう半端な部屋もある。特にホコリっぽいということもなく、急に引っ越したのか、とでも思話せる感じだ。
ある部屋の襖に遺書、という文字が書かれている。はっとして見ると、どうも自分の書く字に似ている。書いた覚えはもちろん無いので、誰かがスキャニングでもして加工したのだろうか、と少し気になる。
「すみません」などの文字も見える。
他の部屋へ行く。と、葬儀の飾り付けがしてあった。これは…と思うと、手をかけていた襖がざざーっと動いてその勢いで部屋の中に引き込まれる。非常に恐怖心を感じる、というかパニック的な状態になるが、その部屋に置かれていた遺書の束がまくれて「コミュニケーション・コンセプト」という文字が見えた。
遺書にコンセプト という文字列。
ああ、夢か。と気が付き、恐怖心は一気に消えた。
その後いろいろなお化け屋敷的仕掛けが続くが「夢だから」「もう起きようか」と思って起きる。
※その手前に見た夢
出張、仕事先、友人が住んでいる街などが映ったムービーを見ている。時々自分も映るのだが、誰かが撮ったというイメージの映像ではない。画質は悪く、おそらく携帯を充電台にでも固定して撮ったものや、自分の身体に固定しながら撮影をしたもののように見える。
場面の多くには雨が降っていて、その中を自転車やバイクに乗って移動している人がたくさん居た。自動車というものが存在しない世界であるかのように、それらはまったく無かった。
違和感として感じたのは、その世界の人々はなにかの「殺意」を感じながら生きていた、ということだ。人々がお互いに持っているのか、それとも「人間ではない何か」なのかはわからない。そして自分を含めて人々はそれを受け入れて生きているように感じた。少なくても怯えてはいない。「そういうものだ」とでも思っているかのようだった。
たまに見る「学生兼ビジネスマン」という夢のパターンでした。ただ、普段は「自分だけがそう」であることのほうが多いのですが、今回は違いました。
○基本的な話の流れ
・Web制作をしている会社。別のフロアでパチンコ店も経営している。輸入雑貨などの物販もしている。従業員は中高一貫教育制の私立学校の2年生から6年生と教員。学園が移転するため皆忙しくしている。
これが話の大まかな流れでした。話としては特にドラマティックな展開はなく「忙しい」ということが中心的に描かれていました。
その中で、いくつか印象的な場面というか「夢ならではのおかしな部分」がありましたので、挙げていきたいと思います。
○「髭」というものについて
基本的には5年生、6年生しか「髭を生やして客前および校外に出てはいけない」という決まりがありました。が「旧華族」出身のみは1年生からでもOK、という階級的特権がありました。また、それらの生徒の髭の中には、なにかの提灯というか照明器具のようなデザインになっているものがあり「ひどい趣味だ」と思いました。
○ショールーム機能
パチンコ店のフロアや後に書きます飲食フロアには、各メーカの発売前の機種が展示されていたりと、かなりパチンコ部門に力が入っていることをうかがわせます。新機種を見に来たお客さんに私が台の説明をする場面もありました。
○変わっている形式のパチンコフロア
一般的なパチンコ店に近い形のフロアもありましたが「1つの機種を1台ずつしか設置していない」フロアがありました。スペースも非常に広く、100円ずつ玉を借りることが出来るものでした。また、パチンコではなく「アームを操作してパズル状のものを組み立てる(または外すなど)ことに成功すると現金が払い戻される」機械などもありました。(実際は違法なんでしょうが)
○徹底して優遇されている6年生
客前に出られるのは5年生以上だったように思いますが、6年生は給与、居住場所他すべてにおいて優遇されていました。食堂に近い場所に居住区がある、など「これでもか」というほど下級生と待遇が違いました。
※おかしな話ですが、昔の大型百貨店にあったような「飲食、娯楽フロア」みたいなところに居住区がばーっと密集している、という構造の建物になっていました。5,6年生のみの居住区と、飲食他の店があります。陸上競技場のフィールドの部分が居住区、トラックの部分に飲食等の施設、という感じです。莫大な敷地面積を必要とする構造で、非常に非現実的ですね。
○実際には無いWeb技術
夢の中で「制作チームが管理チーム(いわゆるプロデューサやディレクターですね)に連絡をしないままサイトを更新(新機能、新ファイルの実装)した」という場面が出てきました。そのサイトはEC機能があり、ユーザのPCに数多くのローカルファイルをダウンロードしていることで非常に動作が軽快、という構造になっている、という設定でした。で、そのファイルを「全部更新しないとマズイ」という話になり「トップページの手前1つ迂回させて一気に更新する」という手段をとろうと、もしかしたらすでに実装されているかもしれないからとブラウザのアドレスバーに
「E:\rif/」という文字列を入力して叩いてみました。一瞬だけなにかの画像が表示されてトップに移りましたが「ダメだ他の会社が使っている」と他のスタッフが言いましたので、なにかのASPなのかAPIということだったのでしょうか。しかし、いずれにしてもそんな技術は存在しないと思います。打った文字列もローカルのディレクトリのように見えますし。
○だらだらした女性スタッフ
上記の「追加更新」を勝手にしてしまった、という女性2名が出てきました。非常にだらだらしていて「やってありますよ〜 大丈夫ですよ〜」とやる気なさげに言っているので心配になりファイルを見ましたところ、オーダー以上の素晴らしいファイルで驚いた、という場面がありました。
swfで作っているのだと思いますが、1枚の「商品陳列棚」写真に見える画像の各商品をクリックすると一瞬でスペックやらカラバリやら購入バスケットが表示される。別の棚、商品を見ようとした場合もまったくタイムラグなく切り替わる、というものでした。これも相当の高速回線、マシンパワーがあったとしても実現できるかどうか、というインタフェースでした。
○アイスクリームショップと意外な近道
夢の終盤に「教師に連れられて旧校舎で会議」という場面が出てきました。1階に下りて、一般道を通って歩いて向かいました。約15分ほど歩いたと思います。夕方に出たのですが、かなり早く暗くなり、雨も降ってきました。警官が検問をしていました。
会議が終わり、旧校舎の最上階、6年専用居住区の中にあるアイスクリームショップというかソーダファウンテンとでもいうんでしょうか。そういう店で休憩して帰る、という場面になりました。と、同級生であるスタッフが何かに気がついたそぶりをしています。教師が「帰ろう」と言うので着いていこうとすると「もう少し雑談してから帰りますのでお先にどうぞ」とその生徒が言います。結局教師のみが先に出ました。「なにかあったか?」と生徒に尋ねると「そこ見てみろよ」と言います。言われたのは厨房兼倉庫の外側のドア。ガラスがはまっているのですが、その外を見ると新校舎のやはり6年専用居住フロアの同じような店と短い連絡通路みたいなものでつながっているのがわかりました。新旧の校舎は逆向きに別の土地に建てられているという設定でしたが、なぜかそこだけ連結されていました。
「生徒だけが知っていたほうがなにかといいんじゃないか」と同級生の生徒が言いました。まあ、そういうこともあるかもな、と反論はしませんでした。
○某競技のトッププレイヤーの家に行くという夢。
○途中が紛争エリアになっていて、レーダーのみを頼りに船で移動。途中、支援航空機に迎撃指令を出す役目を振られて焦る。
○巨大なショッピングモールの中の1フロアの1/5ぐらいがその人の家。黒人男性のガードマンがたくさんいる。
○なんでこんなにお金あるんだろう、と思っていると「応接室(どうみてもレストラン)」に行く途中にその方から話しかけられる。目の前にB&Oの直営店みたいのがあるのだが、そこで買ったテレビとかスピーカーをアクリルで固めた(もちろん音は出る)加工の話をされる。「みんなには内緒だけど、700万円かかったんだ」とのこと。「うわそれボラれすぎ。いくらアクリルのそれらが高いと言っても・・・」と思うのだが、うれしそうなので言わずに置く。
そんな夢でした。700万という数字を夢の中で自分自身「それは無ぇ」と思ったのか、一度起きた後同じ場面をまた見たときには「500万」になっていました。でも高いかな。
※いつもと少し書き方が違います。
昨夜は早めに休みました。0時ぐらいかな?
で。ひとつ夢を見ました。ひとまずざっと書いてみます。
○最初の夢
詐欺師をしている。相棒は同世代の男性。彼の専門は結婚詐欺他女性を色恋にハメて金を巻き上げる詐欺。私は架空の企業買収などビジネス系の詐欺が得意だ。「プロ意識」を忘れないことが大事、ということで共感した私と彼は、○○業(忘れました)の会社を持っていて、詐欺の上がりも一度そこの会社の裏帳簿に入れる。そこから給料を貰っている形になっているのだ。
今回は珍しく、2人で同じターゲットに詐欺をしかけている。ターゲットは病院。この街で一番大きい病院だ。元々ホテルだった建物と工場だった建物、安アパートだった建物を渡り廊下などでつなげてひとつの病院として使っている。工場やアパートはまだ本来の機能を一部残している。つまり働いてモノを生産したり、住んでいたりする人も居るのだ。「強硬な地上げをしたくない」「地域とともに」というのが理由。しかしそれは表向きであり、裏では増改築やらなにやらのコストを口実に巨額の脱税をしている。それをうまくひっかけていただこうというのが今回の狙いだ。
街ではここの観光収入の目玉である「ゲイ・パレード」の真っ最中。今年はもうひとつの目玉である「イージーライダーっぽい人たちのハーレー祭り」も同じ時期に開催されている。どっちかがズレたらしい。ちなみに「イージー〜」にもちゃんとしたイベント名があるのだが、私も相棒もどうしても覚えられないのでそう呼んでいる。
ハードゲイの人々と一部ファッションが被っているのか、お互いに「仲間と思ったら違った」ことが原因でかなり激しい喧嘩が繰り広げられている。その他ゲイは諸々の病気やハードすぎるプレイでの怪我、ライダーは飲みすぎ、喧嘩、無茶なライディングで転倒などとにかく病気怪我だらけで病院はいつにもまして大混雑している。我々としては都合がいい。
今回我々は嘘イベントを開催していた。「スケボー兄弟TAKA&YAE」というダサダサのネーミングのスケボーインストラクターがゲイ・パレードとバイカーイベントを盛り上げますよ、というふれこみで街のあちこちでスケボーに乗りまくる、というもの。このために1ヶ月二人とも特訓したが、なにせ付け焼刃であり、相棒は肩、私は肘を骨折した。が、これも計画通り。病院に通院するための口実だ。マジで折れているので相当痛いが。
二人一緒に治療ということで病院に入る。相変わらずぐちゃぐちゃに混んでいるし、行き先の指示も複雑だ。「外科受付から工場棟のレントゲン科に行って、その後アパートの共同浴場の横にあるベンチで呼ばれるまで待っててください。分からなくなったら“風呂横ベンチ”と尋ねてください」とのこと。はいはいと返事をして進む。
医局の前を通過するときに、相棒が「痛ぇ! 痛ぇんだよなんとかしてくれよ!」と暴れ始める。もちろん芝居だ。医局の人間がわらわらと出てきた。「あのー、ベンチ横って…」と尋ねるが「ちょっと待ってて!」と皆相棒を取り押さえに行ってしまう。というか行ってくれた。で、前から目星をつけていたファイルを、あらかじめ用意していたそっくりのソレと入れ替える。「臨時医師連絡帳」とラベルが貼られているこれが裏帳簿だ。
相棒は「私なんか今しました?」ととぼけている。「精神科にも行って見ますか?」などと言われている。女性の医局員に旨く同情を買ってその場は切り抜けるだろう。先に工場に向かう。
この工場ではスケボーも生産している。ハンドル付き、エンジン付きなどの変わったものも作っている。だからこそ「スケボー兄弟」でやってきたわけだ。ちょっとアル中気味の爺さんに酒や小遣いをやって仲良くなっていた。
「爺ちゃんアレ作ってくれた?」と声をかける。「できてるよ〜」と返事をしながら爺さんがやってきた。用意していた酒を渡して「テストしたらまた来るね」といい4台のボードを受け取る。ハンドル付きの大型のスケボーとエンジン付きが各2台。ここからの逃走に使うのだ。工場を出てからは延々と下り坂が続く。ハンドル付きのデカイスケボーで行けば時速60km/hは楽に稼げる。渋滞しがちな道路だが、横にサイクリングロードがある。ここを行けば車では追いつかれない。その先に巨大なダムがあり、エスカレータでダムを越えられるようになっている。車は迂回せざるを得ない。その先の直線路をエンジン付きスケボーで突っ走れば隣の国までノンストップの超特急の駅がある。隣の国に借りてあるアパートでじっくりと帳簿を拝見してゆすりの手口を考えるという段取りだ。
「いや明日飲みに行く約束しちゃったよ〜ん。プリペイド携帯10個買ってきて良かった。つかゲイに1つ番号渡したのは痛かったけどまあ情報収集のためだからね〜」とか軽口を叩きながら相棒が到着。スケボー技術は相棒が上なので、ファイルを渡し、先に出てもらうことにする。「駅で切符買って、改札の横のカフェでコーラ飲んで待ってるから」と。「酒飲めよ」と笑って言うと「お前が無事着いてからのほうが旨いだろ」と。男にも一々臭い台詞を言うのは職業病だろうか。
相棒が出発した。携帯をつなぎっぱなしにしてヘッドセットで道路状況などを実況してくれる。さて出かけるか、と思っていると爺さんがやってきた。「赤い方はの。電池式になってしまったのじゃ」と。何? 電池式? あれほど軽油エンジンにしろっつったろこの爺! と思って残っているスケボーを見ると赤い。相棒は万が一のガス欠のために軽油を持っている。俺もだが。不幸中の幸いか、と思い電池ボックスを点検する。なんということだ。もはや一部の特殊用途でしか使われないE-4型電池が含まれている。「E-4を直列にせんと馬力が足りんでの。軽油エンジンよりパワーがあるぞえ。ふひょひょ」とか言っている。頼んでないことをやって性能アップ。爺さんの職人魂を甘く見ていた。
「軽油でよかったのに」と言うと「こちらのほうが速いで。両方電池式にはできんかったのじゃ。モーターを手巻きしたからの」と。なんぼほど職人だと思っていると「ダムの上に売店があるじゃろ? あそこは工事の人間が買うんで電池はどれでもあるぞ。ほれ。このリストで1パック分じゃ。2つ分買えばまあ間違いなかろうて」と紙を渡される。ヤバイ。達筆すぎて読めない。一個ずつ確認をしてメモを書き込む。
「気をつけれ。お前さんらなんか分けありの匂いがするが、良くしてくれた。ワシはあんたらの味方じゃよ」と。微妙にバレていたらしいが、もう逃げてしまえばこっちのものだし、爺さんも病院にはいい感情を持っていないようだから安心だろう。
ゲイ・パレードを横目に見ながらサイクリングロードに入る。タイヤは8輪のワイド、サスペンション付き。これは注文通り。爺さんのアレンジで小さい椅子兼、足を置くパッド、フットペダルもついているしハンドルも手前に倒せるようになっている。これは安定している。座ると空気抵抗が落ちるせいか、想定速度より出ている気がするが問題ない。計算より3分以上も速くダムについた。
電池を買わねば、と思いつつエスカレータを上る。と
「うひゃ俺ドンペリ頼んじゃった。金持ってないから早く来て〜ん」とイヤホンから相棒の声。考えなしの行動のようにも思えるが、これがヤツなりの激励だということは分かっている。俺がしくじれば無銭飲食で逮捕されてパーよ、ということだ。しかも、金を持っていないなんてことは無い。山ほど上着の中に縫いこんであるのだから。
売店についてメモを出そうとすると「あら! 引っ越し終わったんだ!」と甲高い女性の声。うわ、下見のときに病院の情報を聞き出すべくナンパした女だ。そういやダムで働いているとか言ってた。相棒が別件で身動きが取れなかったので、俺がやむなく色恋関係を今回担当したのだった。
「ちょっと珍しい電池買うのね。技術者だったの? 違う? あスケボーだ! そういう趣味あったんだ〜 いいじゃ〜ん」一人で喋っている。そして電池を入れてくれようとするが、爪が長いので時間がかかっている。これはマズイ、と思っていると「そうよ携帯のメアド変えたでしょ? 通じないって。ひどくない? 引っ越してきたら付き合うって言ったじゃん。どういうことなの!」とキレ出した。おい俺様はお客様ですよ今は、と思うがそういうトークではさらに逆上、と思っていると
「いや、あの後元カノがしつこくメールしてきてさ。ちょっと変えたのよ。ごめんね〜」 相棒だ。さすがそっち方面のプロ。
相棒の言ったとおりに返す。と「えーじゃ新しいのすぐ教えてくれればいいのに〜なんでなんで〜」と来た。
「いや、新しいのもさ、俺の趣味とかをもじったものにしたら推測で当てられちゃって。で、何度か変えたのね。でバレないのに安定したら、と思ってさぁ」こいつは悪魔か。
「え。じゃ今の教えて〜 携帯見せて〜」
やばい。マジ携帯しか持って居ない。これは詐欺師仲間の「仕事を斡旋しあう」アドレスのものなので、これは変えられないしなんかの間違いで足が着くとマズイ。
「前に解約した携帯をよく入れてたかばんのポケット。左の赤いのがプリペイド、右の青いのが飛ばしのほう。ここでプリペイドマジオヌヌメ」こいつだけにはかなわねえ、と思いつつかばんを探る。入っている。左のを取ってみたら赤い。こっちにしよう。
「あれ? なんでプリペイドなの? 怪しくない?」
「いや、お前専用にと思って買っておいたのさ」と反射的に答える。
「ちょーうれしいんですけど!? じゃアドレス見るね〜。あ、あったあった」
「大きくなったな坊主。父ちゃんうれしいよ」と相棒。そりゃお前と随分長いから影響されてんだろう、と思うが返事ができないので黙っている。
電池は無事入り、女の機嫌も直ったので携帯を受け取り連絡するからね〜 とか言いながら逃走を再開。爺さんが自慢しただけのことはあり、滅茶苦茶速い。売店でのごたごたを十二分に取り返すタイムで駅に着いた。
「…で俺らはね。フリーのコンサルタントであちこちを旅しながら稼いでるの。俺は営業、相棒は計算とか株とかが得意でね…」
ここでナンパしてなんになる、と思うが、まあヤツの言う「常に練習を欠かさない」の精神なんだろう。単に病気かもしれんが。
「んじゃドンペリ抜いて。3人で乾杯しようか」着いて居るのを見て、店内に入ってくるタイミングを計算していたらしい。たいしたもんだ。
「さっきのプリ携帯貸して。アドレス変えておくから」と相棒。抜け目がない、と思っていると「はい送信!」と。
「送信?」
「4日後にはまた来るじゃん? ホレ、コンサルで」とウインクして見せた。確かに4日後には前乗りして入り、院長が確実に居るだろう5日後に「コンサル」だが。
またも携帯をいじりながら「でさあ。お前疲れてるでしょ最近。働きすぎよ。ありがたいけど。で、たまには女と遊んでおこうよ。飯誘っておいたから。で、今○○ホテルの一番いい部屋取ったから。がっさりやってこい。売店の女だろ? 行っとけ行っとけ」携帯でホテルの予約をしていたらしい。
「お、返事来た。“私そんな軽い女じゃないけどOKしちゃうはぁと”と。バカ言ってんじゃねえよ軽軽じゃねえかよヘリウムかよ。なあ!? まあいいややっとけ。だっしゃっしゃ!」
「まあそれは後で考えるけど切符は?」
「買ったよバカ野朗! なんだお前“前が膨らんで切符も買えません”かこの野朗エロ! エロ台風! よっ精力が強いまま北上中!」
こいつの唯一の欠点は異常なまでの酒の弱さだ。まあ、電車に乗ったらすぐ寝落ちするだろうから楽でいいが。
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という詐欺師の夢を見ました。で、起きました。映像的に工場の場面の印象が強かった、などと思いつつまた寝ました。
○2つめの夢
さっきの工場にまた居ました。登場人物他設定はまったく異なります。工場は「工場として存在」するだけで、主な場面は隣接する事務室でした。
そこで私は「社員食堂のコンサルティング」をしていました。先の夢でいう「コンサル=詐欺行為の隠語」ではなく普通のコンサルティングです。そこで「社員への感謝を込めて、強烈に豪華な食事を無料で出したい。でも社として用意できる予算はそう潤沢ではない。なにかいいやり方が無いか」という社長の相談を受けていました。
私は「まだ裏づけが無い話で申し訳ないが」という前置きをして「この時期、大手のホテルのバイキングはクリスマスメニューになっているところもある。が、いかんせんローストビーフなどはロスが出る。そこのロスで出たものを安く仕入れて、ということなら可能かもしれない。廃棄品利用ということでプライド的に納得できないなら無理ですが」というような提案をしました。
社長は「それで衛生的に問題が無ければプライドなんて全然問題ない」ということでしたので、今度はやはりコンサルをしている大手ホテルが「バイキングの他のホテルとの差別化」を言っていたので、そこに行き「1時間ごとに焼きたてのローストビーフ」「他のメニューも30分または適宜に交換。つねに作りたてのおいしいバイキング」を提案。廃棄品は先の社員食堂に「協賛としてホテル名を出し、エステパックなどもプレゼントとして提供して御社のイメージアップに」などとあの手この手で交渉に成功。工場は清掃器具や清掃サービスを業務として持っているので、正月前に無料で厨房の清掃を、というバックを提案などうまく話をまとめました。工場の社長も「清掃はOKです! 自分が行きます!」とノリノリ。
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なにもかもうまくいった、というところでまた目が覚めました。
「廃棄品の利用って、保健所とか文句言わないのかな」と妙にディテールが気になりつつ、また寝ました。
○3つめの夢
保健所に居ました。何をしにいった夢なのかはわかりません。とにかく保健所で何かの話をして外に出ました。
と、そこにはまた工場がありました。いままでと同じ工場です。スケボーを作ってくれたおじいさんが居ました。
「おや。うまく逃げられなかったのかい?」と聞いてきます。なんだったろうか、と夢の中の私は考えます。「逃げる」とはなんだろう、と。
病院の中をふらふらと歩きます。「まだ骨はくっついていませんよ! ちゃんと通ってください!」と女性の看護士に言われます。が、なんのことかわかりません。
なにかの販売員のような女性が来ました。爪が長く、スタイルのいい女性です。「また携帯通じないじゃん! バカにしてんの!?」なにか怒っています。でも、この人が誰なのか分かりません。
遠くのほうで、なにやらイケメンが周囲に明るく話しかけています。普通の光景、と思いましたが、違和感がありました。その男性の隣に私が居ます。じゃあ私は誰なんだろう、と思いました。
工場を出ると、スケボーを持って歩いている男性が居ます。私でした。
これはちょっとおかしい、と思いつつ、ふらふらと工場の隣の事務室に入りました。作業服のようなものを着た年配の男性と、スーツ姿の私が商談をしています。本当に自分は誰なんだろう、と思っていると、商談を終えたらしいスーツ姿の私がこちらに歩いてきました。
「多重ログインですね」とスーツ姿の私。
「おそらく、いや間違いなく今あなたは夢を見ている」と続けてその私。
「多重ログイン、つまり夢の中に複数の自分が存在することを普段はできないようにしている。そうでしょう?」とイケメンと一緒に居た私が部屋には言ってきながら言いました。
「仕事でも多重ログイン対策はしているのにね」とスーツ姿の私が笑いながら言いました。
「久しぶりに酒飲んだせいだと思うよ」とスケボーに跨りながら足で床を蹴りころころと進みながらもう一人の私が入ってきました。
「起きたらベッドで寝ているのが本物。そしてそれは君だ」とスーツ姿の私が肩に手を置いて言いました。
「だが」とスケボーの私、その言葉を引き取ってイケメンと居た私が
「起きたと思った時、ベッドに居なかったら、アンタは本物じゃない」
「っていうか、死んでますよそうだったら」とスーツ姿の私がメガネを拭きながら言いました。「たぶんそんなことはないと思います。いや、思いたいですね」と続けました。
「さて。ログアウトだ」とスケボーから立ち上がりながらその私。
「どうすれば?」と私。
「夢だと思って、さて起きるか、と思いなさい」とスーツ姿の私。続けて
「全員消えてから、起きようと思って」と。
そして目の前の私たちは1人ずつ消えていきました。「まあ、大丈夫だろう」と思いながら「起きよう」と思いました。
起きたら無事にベッドの中に居ました。
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面白いパターンの夢の見方だと思います。もしかすると最初から最後まで、主要の登場人物は「どこかしらに自分自身の要素を持っている」人間として出てきていたのかもしれません。
こんにちは。
タイトルのようなことがよくあります。夢の中で面倒なことに見舞われるのですが、一回起きてまた寝たり、あるいは寝ているままでも「あ、これ夢だよ」と気がついたりして「やんなくていいよ」と思うわけですね。
いろんなことがあるのですが、多いものだとまず「仕事」です。この場合は実際の自分の仕事に関するものばかりとは限りません。むしろ飲食関係の仕事をしていて「あ、夢だ」と思うことが多いです。
あとは「受験勉強 試験」も多いです。仕事がらみではなく、学生としての試験ばかりです。また「試験問題を作る」というのもたまに見ます。これは以前居た会社で入社試験問題の一部を制作を担当していたのですが、それがもの凄くいやだったからかもしれません。>守秘モノなんでしょうから詳細は書きませんが、問題数が割りと多かったのと、難易度の調整に時間がかかりました。
ちょっと毛色が変わったものですと、刺されたり撃たれたりというのを「夢でもイヤだからこの場面無し」とか省いてしまうことがあります。または一度起きてまた同じ場面を見て「これ無し」とか。
今朝方も見ましたが「変な機械の使い方に悩んで面倒になって“夢だからやめた”“こうでいいじゃん”」と思うパターンもあります。今朝はかなり大きめのスマートフォン(東芝製)を営業マン(西田敏行)が持ってきて云々、というものでした。
厚さ4〜5cm、幅10cm、高さが40cmはあろうかという巨大なもので、しかしその大きさに特に理由やメリットが見つからない、というものでした。
「弁当箱みたいですねえ」などと軽口を叩いていると、周りにいたある人物が「とんかつを入れたいぐらい」と言いまして、まあ現実にはそういうことを言う人間ではないので、それをきっかけに「これは夢かもな」と気がつきました。で、西田営業マンが「LANにつなげますとですね、この性能が特にですね」などといい始めたのでLANケーブルを自室に取りに行くのですが、ケーブルがすぐに見つからない。また、ハブが実際使っているものと違うものでした。これでまた「あー間違いなく夢だ」と思いつつ作業をするのですが、ハブが全部埋まっていたのでその手前のルータを見たところ空いている口に「IN」と書いてあるんですね。で、つなぎ換えるのが面倒なので「これOUTでいいじゃん」と思ってもう一度見ましたら「OUT」に変わっておりました。で、つないで見ますと、まず設定画面で「YRB」というものを設定しなくてはいけない、と。なんだそれ、と思っておりますと、仕事関係の方から電話がありまして。用事が済んだのでちょっと「YRBって知ってますか?」と聞いたところ「SONYと東芝の独自規格で、RGBの代わりというか実はYRBのほうが元祖。Yを基準にするとガンマ設定がしやすい云々」と説明をされました。で、なぜか「そんなことも知らんのか!」と怒られてしまいまして。で、めんどくさいのでそのまま電話を切ってしまいました。夢だと思ってなければさすがにできないことです。
で、そのスマートフォンの描画性能をどうこう、というデモでゲームをやりました。夢でよく見るのですが、まあ「夢内オリジナルゲームを攻略する」というパターンです。その「夢ゲー」にありがちな展開は
・ルールがわからないままスタート
・途中でルールに気がつくが、とんでもない難易度
・夢だから、と思って投げ出す
というものです。今朝は「スライムをクリックして消すのだが、その名前を一度全部覚えてある法則にしたがって消す。一回ミスすると配置が全部変わる」というものでした。あっさり投げ出しました。
ゲームで思い出しましたが、ダーツをしている夢はほとんど見たことがありません。夢なんでもの凄い入りをしてくれればいいのですが、良くも悪くもないというものだったと思います。試合の夢だったと思うのですが「(この展開なら)無理しないでシングルで締めていこうよ」とかまあ普段と同じことを言っていた気がします。
飲食店に行った。何の店かは分からないが、良い店だという評判を聞いたので。
エレベータから降りると、大きな受付カウンターのようなものがあり、左右に大きな部屋があるのが見える。
「そちらでお待ちください」と左側の部屋を指差されたので、向かう。
大きなソファがいくつかある広い部屋。かけてぼんやりしていると、女性が「お待ちの間お飲み物を」と言うのでビールを頼む。
女性はビールを持ってきても帰らず、となりにかけたままだ。
しばらく雑談をする、と、カウンターに呼ばれる。
「すみませんが、今日の分の料理は終わってしまいました」とのこと。
変な話だ、と思うが、無いものはないのだろうと会計をする旨伝える。
「5万円です」と言われる。
「ビール一杯で5万とはおかしい」と言うが
「当店はセット料金で、入った段階で何を飲もうが召し上がろうが5万円。お客様は料理を召し上がらなかった、というだけです。5万は5万です」と。
料理が出ないのはそちらの都合ではないか、と言うが「それはそれ これはこれ です」とのこと。
納得できないが、まあ仕方ないか、と5万を払って帰った。
入院したようだ。という意識。
※自分の容姿や年齢は、現在のものに近かったり、極端に若い(少年)に変わったりしました。また、それぞれの役割の人物は現実とは異なっていました。
病院といっても、ちょっと変わったつくりになっている。渡り廊下で学校やオフィスビルに連結されている。学生はそれぞれ「小・中」「高校・大学」という単位でまとめられていて、違う学校の生徒達が、たとえば「中学の授業」という形で「入院中ではあるが必要な授業は受けた」形を取れるものだ。オフィスはSOHO的な小部屋がたくさんあり、コピー機などは共用する形だ。
廊下を歩いている。自分の病室を探しているのだ。しかし、時々自分の名前を忘れそうになる。というより、はっきり思い出せない。が、部屋の札を見て歩いていると「あ、ここだ」と思えたところがあったので入った。
家族が居た。友人や家内も居た。「どこに行っていたんだ」という視線を感じる。寝ていないといけないのだろうと思い横になる。
家内を除きそこに居た人たちが帰った後、別の友人がやってきた。パジャマ姿の女性を連れている。誰だっけこの人。なんでパジャマなんだろう、と思う。
友人は差しさわりのない話をしていたが、家内が席を外したときに
「あのときの○○さんですよ。彼女もこの病院に入院してるんです。偶然にしても、ですよね」と意味ありげに笑う。
ああそうだ、と思う。この○○さんという女性は彼と交際をしていたのだが「別れてきました」と私の部屋に押しかけてきて、なし崩しのように短期間だが交際したのだった、と思い出す。
「懐かしいわね。昨日のことのようだわ」と少し涙ぐんで女性が言う。昨日のことのよう、と言ったが、彼女の容姿は当時のままだ。15年ぐらい経っているはずだというのに。
ふと鏡を見ると、自分も若くなっている気がした。同時に「ここに居てはいけない」と思い「ちょっと手を洗ってきます」と言い残し、その場を逃げるように去った。
しばらく歩くと、また自分の病室と思われる場所に来た。なにか古い日本家屋のような内装と家具。病院という雰囲気ではない。
ベッドが二つあり、片方にやはり家内が寝ていた。点滴をしている。なにか同じものを食べて食あたりでもしたのだろうか、と思う。いつのまにか私も点滴を持っていた。
ベッドに横になり、和箪笥のような家具のほうをふと見て初めて気がついたが、その上に布団を敷いてもう一人女性が寝ていた。150cmに届かないだろうほど背が低いが、子供ではないようだ。
家内が治療を受けるため他の部屋に移動した。医師が来るのではなくこちらから行く仕組みのようだ。しばらくして私も呼ばれたので出ようとすると、寝ていた女性が箪笥から降りて近づいてきた。熱があるのか顔が赤い。見たことがあるようなないような顔だ。
「ねえ。今月厳しいんだ。お小遣いちょうだいよ。ただで、とは言わないからさ」
何を言っているのだろうかこの人は。というより誰なんだあんた一体、と思いつつ、少しは渡してやろうかと思うが、財布も見当たらないし面倒なのでそのまま出た。
このあとも、同じようにいろいろな内装、いろいろな女性がいる病室に入っては出る、ということを繰り返した。みなどこかで見たような、何かの関係があったような気がする人たちだった。私の姿や年齢は、その部屋に出入りするたびに異なるものになっていた。私の様々な世代を象徴するような病室と女性達。
だが、決定的なことは何一つ思い出せない。これは本当に自分の生きている現世なのだろうか、という気すらする。
最後に、ひとつのドアがあった。やわらかい感じの照明が少し漏れていて、何か宴会でもしているかのような華やいだ感じの笑い声などがする。子供も何人か居るようだ。犬や猫も居るようだ。とても暖かい気配がする。
「あなたも入られては。ここに居てもいいんですよ」どこからともなく若い男性の声がした。
ドアノブに手をかけた。が、自分はここにいていい人間ではない、という気持ちがして、右側の通路に向かって歩き出した。この先はどんどん薄暗くなって居るようだ。
世に言う「朝市」っぽいところを歩いていた。売っている人が口々に「チョイスー、チョイスー」と道行く人に声をかけている。
「チョイス=選んでください」という意味の掛け声なのかな、と思うが、特に欲しいものがなく、そもそも出張打ち合わせで来ているので、道を急ぐ。
打ち合わせが終わり、ちょっとした雑談タイムになる。「市場は通られましたか?」と聞かれたので「ええ。なんか変わった掛け声みたいのが気になりました」というと、なにかハッとしたような顔をされる。
「あ、あれはですね。まあ、言ってみればこの地方の方言でして」
「はあ。英語みたいで変わってますね」
「いえ、英語は関係ないんですよ」
と、ここで急に小声になって
「“いらっしゃいませ”という意味の方言です」と言う。
「へー。“いらっしゃいませ”が“チョイスー”なんですか」と何気なく言うと
「ちょ!、ちょっとこちらへ。早く!」と凄い勢いで給湯室のようなところにつれていかれ、塩水と思われるものを飲まされる。
「あのですね」と社員の方。
「この街以外の人間が、この街で“チョイスー”と言ってはいけません。絶対にです。また、直接ものを人に売る、特にこの街以外の人間に売る可能性が高い職業の人間は“いらっしゃいませ”と言ってはいけないんです。私は直接手に取れるモノを売る仕事ではないので、ぎりぎりOKですが、結構危ないんですこれでも」とのこと。
意味がよくわからないが、塩水はなにかの御祓い的なものだろうか。とにかく「いやそれは知らないこととはいえ…」などと謝り失礼することに。
帰り道でも同じように「チョイスー、チョイスー」と言っているが、なんか不気味なのですぐ新幹線に乗って帰ることにする。
とても長いです。
ある事実を再現するドラマの脚本と監督を依頼された。
専門外の分野なので「なぜ私に?」とプロデューサに尋ねる。理由としては
・守秘の徹底に定評が有る
・これから話す「ドラマ化にあたって“ここは事実と違う表現にして事実を伏せて欲しい”」部分を守り通すには、他の分野の方を入れたほうがより安心と思われる。
というような理由とのこと。事実と異なる部分とは事件の中で
・関わった大物政治家の実名
・殺人事件
・地名
・心霊現象としか説明がつかない部分
これらを「若干匂わせる」「まったく無かったことにする」などのさじ加減をプロデューサと私だけが知ることとしたい、とのことだった。特に政治家と心霊現象は事件にかかわった人々の間でも絶対のタブーだという。
ドラマにリアリティを出すためにそのすべてをお伝えする、と言われた。なるほど、これでは公表できないのも無理は無い。
「しかし」と私。
「すべてを伏せておくほうがよろしいのでは?」と尋ねる。
「数字が取れる装置が、この事件の中にはたくさんある、と私は判断しました」とプロデューサ。
「また、後にお分かりになるかもしれませんが、この事件の“手法”を用いた事件は、世界中で実は何度も起きている。人々がまたこのような事件に遭遇したときに“こう振舞えば助かる”という潜在的知識を植えつけるためにも、誰かがやらなくてはいけないことなのです」と。
“手法を用いた”、“またこのような事件に”
という部分がひっかかったが「心配は要らない」ということだったので、引き受けた。
ドラマは初回を75分枠拡大SPという形で放映。ほぼ撮影が終わってから放映を開始したこともあり、クオリティを保つことができたせいか、また「本放送中に再放送を各話2回も行う」というフォロワーにもついてこれる仕組み、ネットでのBuzz対策などもうまくいったと思われ、レイティングは非常によかった。最終回の90分SPも瞬間的では有るが35%を超えた。
数ヶ月は何事もなかった。ドラマの仕事がまた来たりしたが、死ななかったのが不思議なくらい忙しかったので、受けなかった。
携帯が鳴った。ある地方都市で温泉ホテルを経営している家族の長男、を名乗る若い男性とのことだった。
友人が録画した例のドラマを見て、今自分の周りで起こっている不思議なことに似ているので、相談に乗ってほしくて失礼ながら(私のことを)調べさせてもらい、ようやく連絡先を入手した。というような話だった。
「私はドラマは専門ではないです。ましてや探偵でもない。局か、探偵か、もちろん警察を含めて、そういう方たちにご相談されるべきではないかと思います」
そのように告げて、電話を切った。
翌日、事務所に一人の青年が訪ねてきた。昨日の電話の主だった。驚くことに、ドラマの主役級を演じたタレントに雰囲気が似ていた。
あれこれと押し問答をしたが、これはてこでも帰らない、という雰囲気を感じ、これではキリがないと「伺うだけですよ」と念を押して一度帰ってもらう。
やれやれ、これは妙なことになってきた、と思う。幸いなのか不幸にして、なのか、急ぎの仕事はない。明日出発、という約束をしたので、支度をして早めに休んだ。
新幹線のホームから、遠くに青年の実家だというホテルが見えた。相当な規模のようだった。在来線もあるが、タクシーだとすぐですから、ということでそうする。
ホテルは非常に大きく、真ん中に露天風呂、プールなどを挟む形で4本もビルが建っている。これは相当な資産家だ、と思う。昨日「前金と言っては少ないかもしれませんが」と500万もの現金を持ってきたのも頷ける。
ホテルの一室に、事件の経緯を知る人たちが待っていた。皆若い。大学生ぐらいだろうか。
話を聞くことにする。青年が話し始める。
「先週のことです。最初に言います。先生が撮られたドラマと同じ事件が起きました。いや、起こり始めている、というほうが正しいです」
先生、というのを辞めて苗字で呼んでくれないか、と告げる。それどころの話ではない、と分かっていながら。いや、分かっているからこそ、それしか言えなかったというべきか。
先のドラマと同じ、というならば、最初に起きたことは「エレベータが自我を持ち、人間と会話する能力を突然持ち始める」ことのはずだ。それを尋ねると
「そうです」とのこと。
「あの、ですね」と私。
「失礼ですが、いたずらと考えるのが妥当ではないかと思いますが、そのへんは…」
「調べました」と青年が遮る。
「まず、エレベータ会社を呼んでメンテナンスをしてもらいました。ハード的にはなにも異常がありませんでした。もちろん、運行用のAIがあるソフトもです。次に、保守や事故用の通話回線を通してなにがしかのクラッキング的行為が出来る仕組みが有るか否か、またはその改ざんがあったかも調べてもらいました。構造上の秘密についてすべてを教えるわけにはいかないと言われましたが、行為としてその会社がこのホテルに対して外部からなにかのイレギュラーな制御は行っていない、という誓約書を書いてくれ、と言ったらあっさり書きました。なにもやましいところはないから書きます、と言われました」
「はい。なるほど。では、次に失礼ですが、内部の方にそのようなことができる可能性は?」と私。
「話はちょっとそれますが」と青年。
「うちのホテルは150年ぐらいの歴史があります。もちろん昔は旅館でした。祖父と父の代に渡って大改修を行い、ホテルの形になったのです。そして、ホテル化にともない、システムエンジニアをしていた父が会社を辞めて実家の経営に関わるようになりました。当時としては異例なほど、いわゆる“PC化”を行ったそうです。僕も子供のころから、PCやネットに関しては英才教育と言っていいだろうものを父から受けてきました。父は数年前に他界しまして、その後を受けてPCまわりの管理をしているのは僕です」と。
「なるほど。それではいたずらを疑う余地は無い、と。失礼ですが、あなたの狂言でなければ、ですが」
「そんな馬鹿げたことをするわけが!」と青年が声を荒げる。
「お兄ちゃん! 言われても当たり前のことだから! 落ち着いて!」と若い女性の声がする。
青年の妹で大学生です、と簡単に自己紹介をした後、妹(A子と表記します)が続ける。
「狂言と思われて当然だと思います。しかし、先生も当然お分かりのはずです。もしドラマと同じだったら、このあとけが人が続出することに」と。
「ええ。まあ」と私。
ドラマではこのあと
・エレベータのドアの開閉が異常になり、けが人が続出する。
・エレベータは「私(わたくし)が出すクイズに答えられたら、このことをやめよう。そして、二つのパスワードを教えてあげよう」と持ちかけてくる。
そういう展開になる。そして、大物政治家が怪我をしてしまい大事になるのだ。
どこまで自分がこの事件に介入するべきか、どこまで責任が取れるかわからない。いや、責任など取れはしないだろう。警察を呼ぶべきだろう。
「あの、ドラマと同じだと、このあとエレベータが」
「ええですから」と青年。
「もしこの後それが起きたらどうするべきかをご相談したくて来て頂いたというわけです」
「この段階で」と私。
「事件性が無いとは言えないと思います。警察にお願いしてはどうでしょうか」
「あの。それも考えたのですが」とA子。続けて青年が
「ある大物の政治家の方と秘書の方数名が昨日から泊まられています。で、ある事情があって、滞在中はホテルのマスコミの取材は禁止で、よほどのことが無い限り警察も呼ばないで欲しいと強くお願いされていまして」と。
最悪だ。
ドラマの中では、大物政治家は人気プロ野球チームのオーナー、という形に置き換えられていて、怪我もしない。エレベータに乗る前に雑用を思い出して助かるのだ。また、秘書の方数名、というが、もしこの事件がドラマの元になった事件と同じことが起きるというならば、秘書の中に大物政治家の愛人が紛れている。実際の事件では、政治家と彼女が怪我をして、警察と本物の秘書のマスコミへのコントロールが効いたため、世の中のほとんどに知られていない事件だった。
このことを大物政治家に告げて帰ってもらうわけにはいかないだろう。信じてもらえるはずもないし、守秘を破ることにもなる。事故が起こるタイミングは、今日あたりのはずだ。事実としての最初の事故は「エレベータが下に半分ずれていて新聞を読みながら乗ろうとした政治家が怪我」だ。事実をひとつずらしてみる、ぐらいしか手の打ちようがない。
「あの、非常に危険なことを申し上げますが」と私。
「なんでしょう」
「責任も取れない話ですし、やるやらないはお任せします。まず、エレベータは止められますか?」と私。
「止められます。が、30分ぐらいするとまた勝手に動き始めます」と青年。
「結構です」と私。
「いますぐ、1本を除いてエレベータを“故障”の名目で止めてください。次に、この中で一番運動神経に自信の有る方は?」
「あの。俺が。棒高跳びで国体出ました」と大柄な青年が言う。
「よく聞いてください。まず、政治家の方がいらっしゃるフロアに売店はありますか?」と私。
「あります」とA子。
「ではそこで、現在ある限りの雑誌、発売日前のものをすべて売り出して、それを手書きポスターなりで告知してください。また、政治家ほか宿泊客が通ったら“お退屈でしょうからいかがでしょう?”と薦めて、とにかく売店に足止めをしてください。で、陸上のあなた。何度も繰り返してそのフロアにエレベータを呼んでください。いずれちょっと暗めの扉があらわれますが、そしたら電灯で下を確認して、天井が見えるようなら飛び降りてください」
「えーと、えーっとそれはいったいどういう狙いが…」と青年。
「簡単に言います。宿泊客を一箇所に足止めして、そのうちに1回目の事故を発生させてエレベータがクイズを出すか様子を見ます。事故がおきたという事実があれば、連続してエレベータを止めることもできるでしょう。クイズが出て、ドラマと似ているなら正解もできるかもしれません」と早口でまくしたてた。
皆が部屋を出て行った。
ふと顔を上げると同級生のB子だけが戻ってきていた。同級生? いや、同級生だ。
「yae君って、こういうときに頼りになるタイプなんだ〜 知らなかった…」となにかうっとりした目で見ている。“恋愛ジャンキー”と周りから陰口を叩かれることも少なくないB子。あまり関わりたくないので「売店に行く」と部屋を出た。
どこで買ったのか、ターミネーターのような安っぽいサングラスをした浴衣姿の男性が「ほぉー。雑誌ってのは随分早く上がってくるもんだなあ」と同行の女性に話しかけている。政治家だ。そして愛人だろう。どうみても政治家の秘書には見えない。銀座とかのドキュメンタリー系の番組で見たような気もする。
エレベータに向かう。ニックネーム「陸上」が何度もボタンを押している。電灯をドアに差し入れた。来た!
陸上の姿が消えて、バスッ、となにかに着地したような音がした。「いててて…」と弱弱しい声がする。大怪我! と思いかけよると陸上が這い上がってきた。さすがの身体能力だ。
「怪我は?」と尋ねると「うん、ちょっとね。足の親指が痛くてね」と靴下を脱いでいる。親指の裏から出血している。
「あ。大丈夫。水ぶくれが出来てたんだよね。スパイク変えてから。それが潰れただけみたい。うん。消毒してくんね。yaeも気をつけろよ」と笑顔で陸上がどこかに向かった。
ほっとしつつ、陸上には悪いがエレベータによる「傷害事件」の事実が発生した。と、
「お若い方。クイズはいかがでしょう?」 電子音声としては異常な滑らかさで声がした。エレベータがクイズを出してきた! ドラマと同じだ。
「これから算数クイズを出します。中に入って階数のボタンを見てください。2問連続して正解したら落としません。パスワードを進呈して、私は普通のエレベータに戻ります。2問連続して不正解なら、最上階からフリーフォ〜ル! ですよ」
よし、ここまでは同じだ。腹を決めていくしかない。と、B子が「私も乗る〜」とやってきた。
「バカお前。失敗したら死ぬかもしれないんだぞ!」と止める。が「危機的な状況で結ばれた男女はぁ、知ってる?」知ってるよバカってかそれSpeedじゃんよ、と思っているとエレベータが
「やらなければ、いますぐ他のエレベータが絶叫マシンになりますがよろしいですね?」と。
やむをえない。乗った。で、B子も乗ってきたので突き飛ばす。「閉めろ!」とエレベータに叫ぶ。尻餅をつき、ミニスカの前を押さえて半笑いで「見えた?」という形に口を動かしたB子の顔が異常な高速で閉じたエレベータのドアの向こうに消えた。
「お一人様で結構なのですね?」とエレベータ。「ああ。始めろ」と答える。
「では最初の問題で〜す」バカにしたような口調でエレベータが始めた。
ボタンが点滅している。1閉14〜と来た。これはドラマで見たぞ!?
「ルート2」「お見事!」
次はルート5のはず。不正解1問なら落とさないかを確認すべきか悩む。が、ここまでドラマと同じなら確認するべきだろと
「ルート3」「残念! ルート5とお答えいただきたかった!」
某有名司会者の物まねをするところまで一緒だ。これは間違いがないだろう。
次は円周率、次が複雑な掛け算などが入るが、答えは「ゼロ」になるはずだ。
結果は無事正解。ドアが開く。「では通常営業に戻ります。パスワードは“ケ”と“テ”ともにカタカナです。ではまたどこかで」
B子が駆け寄ってきた。「さて、私のパンツは何色だったでしょうか?」
とりあえず無視する。そしていよいよやっかいなことになってきた。「ではまたどこかで」と言いやがった。もう完全に過去の事件と同じ展開だ。いや待て。なんで俺がそんなことを知っている? まあいい。いまは事件のことを考えよう。
いや、待った。事件? 俺はドラマを見て、それでアイツに相談されて…。
なんということだ。この数分、急にあたまがもやもやすると思ったが、別の人格を演じていた? いや、のっとられていたのか?
間違いない。いつのまにか人格を誰かにのっとられて、この事件の関係者に入れ替わってしまっている。パニックで焦っているというレベルではない。エレベータから出て少しまで、私は青年たちの同級生だと思い込んでいた。B子についても「また恋愛ジャンキー?」と思ったが、それはドラマでは放映されていないエピソードだが、私の感情は「同級生B子」に対するものでもあったように思える…。
少し整理が必要だ。確かなことは私はこの事件の世界に飲み込まれつつある。人格をのっとられていたということを含め、もうただの傍観者では居られないのだろう。
この後も事件の再現が続くなら、次はおそらくホテルの別のビルに同じ現象が起きる。そこをクリアできても、3つめのエレベータが暴走した後、ゴミの取り出し口がのっとられ、そこでおそらくは陸上が胴体を切断されて死んでしまう。そして、現在の感じだと私がB子に色恋沙汰で殺されることになる。
ドラマではアレンジとカットをされている場面だ。ゴミの取り出し口に挟まれた段階でクイズが出て正解して助かることになっているが、実際はクイズは出ず、そのまま切断されてしまう。
また、過去の事件から考えるとドラマで全面カットされた「切り刻まれてばらばらになった惨殺体」のエピソードは、現在の状況からすると「B子私に交際を強要してナイフで脅す。その場は取り繕って逃げられるが、A子と私がいい感じになってしまい、狂乱したB子に私が殺される」ことが事件をなぞれば想像できる。
「先生ちょっと待ってくださいよ。無視なんてひどいぃ!」
B子が私を「先生」と呼んだ。(結局皆に先生と呼ばれていたままだった)
なるほど、私がのっとられているときは周りにも学生に見えていると。いや、これはこの事件に関わっている人間が全員「のっとられて」いると考えたほうが妥当かもしれない。さっき陸上君も確か私を「yae」と呼んだ。これは彼らの精神状態の目安になる。また、自分の人格を取り戻すキーワードとして精神にインプットしよう。「yaeと呼ばれたら、私ものっとられている」と。
「私ぃ結構歳上のほうがタイプなんです。先生はどうですかぁ?」ここはいなして時間稼ぎだ。
「いや、歳はあんまり気にしない。普段から派手な下着をはいている子は嫌いじゃないね。光沢のあるイエロー系とか」と軽口を叩いておく。
「やっぱ見えたんだ! 先生結構エロぃぃぃ!」やはり現在のB子に殺されるフラグは私に立っているようだ。
さて、B子のことは後でなんとかするしかないが、ここまでおきた事で最大の問題「人格をのっとられた」件。頭に浮かぶのはドラマのネタとなった事件の中の最大のタブーである「霊能力者」の存在だ。
プロデューサが「まあ、このご時世に、というお話なんですがね…」と語ってくれた「これらの一連の事件に共通しているのはエレベータを中心とした昇降機械と、霊能力者の介在なんです」と。
「霊能力者が犯人なんですか?」と私。
「だろう、と言われています」とプロデューサ。
「霊能力者と名乗る人物が逮捕されたことも何度かありますが、現場に居た人間が急に自首してそうだと言ったり、あるいはそれまでは完全犯罪を進めていたのに突然ボロが出たり、という感じだそうです。また、共通してるのは逮捕された後、トリックを覚えていない、と供述することなんですな」
プロデューサの話を要約すると
・逮捕された後、霊能力らしきものを発揮した人物は皆無。
・トリックを覚えていないが、自分がやったと主張する。あるいは、念じただけでエレベータが動いた、としか言わず要領を得ない。
「また、ここからはさらにおかしな話なんですが」とプロデューサ。
「これらの事件が起きたしばらく後に共通しているのは、強烈な力を持った霊能力者が必ず現れて、まあ、裏の世界やらを中心に暗躍したという記録があるんです」と。
お茶を一口含んで、話は続けられた。
「まあ、我々のような商売の人間にはにわかに信じられない話なんですが、そのエレベータ事件によって得た死者は、いわゆる“生贄”だというんですな。その引き換えとして強烈な霊能力を手に入れる、と。超能力と言ってもいいような。あ、エレベータが使われたのはですね、昔のエレベータって仕組みが単純で、霊能力者にとっては扱いやすく、また、殺傷能力もあり、さらには霊界へのアンテナとなりやすいんだそうです。ワイヤーとか諸々の部品が」
そのときは「へえ」という感じで終わった話だった。また、それがオチではねえ、という話になり、結局ドラマでは「エレベータ会社が出したエイプリルフールのジョークWebページで“我が社の本社エレベータをクラックできたら100億円をを進呈”というサイトが、エイプリルフール終了後も何度も外部から再アップされ続ける。その企業の上層部に個人的な怨恨を持っていた社員が復讐の手口として、同社製エレベータを使っているホテルのエレベータをクラック、身代金要求をいたずらとして軽視しているうちに、人身事故が実際に起きて…」というのがドラマでの犯人像と目的であった。
「しかし、だ」と思わず口に出してしまい、周囲を見回す。周りに人は居ない。ひとまず用意された部屋に戻りつつ考える。
青年にメール設定がされたPCの用意を頼み、また、皆の携帯アドレスをそれに登録したものを用意してくれ、と伝える。では連絡が来るまでそれぞれホテルで用意した部屋にそれぞれ待機することにします。と言って青年は出て行った。業務に多数ノートPCを使っているので、用意はすぐできます、とのことだった。
風呂に入り、ビールを少し飲みながら考える。
この事件の犯人のそもそもの目的はなんだろうか。
1-ドラマを真似た愉快犯
2-霊能力者のしわざ
先入観を捨てて考えると、その2つのどちらかであるように思える。が、1の場合、青年が言うことをすべて信じるなら、青年もエレベータ会社すらも気がつかないようにエレベータの制御系をバイパスして操る必要がある。ドラマと同じトリックだとしたら、だ。
この場合、最も単純に考えると「青年が嘘をついていて共犯者が居る。あるいは集まっている青年やホテルのスタッフ全員が口裏を合わせている」ことが「事象としては成立」しやすい。が、どうだろうか。そのメリットを見つけることができない。
ホテルについてから、従業員が青年に絶対の信頼を置いていることは分かった。彼の母が責任者ではあるのだが、現場からはまあ「若旦那」と信頼され、盛り立てていこう、という気配が伝わってきた。しかし、このことを「宣伝になるかも!」と行っているというのは、彼らの態度からして想像できない。そこまで幼稚な考え方をしている人々にはどうしても見えない。
青年の単独犯行としても疑問だ。あれだけ信頼をされているスタッフ全員を路頭に迷わせかねないことを、彼がする必要があるとだろうか? 家族となにか確執があるのか? いや、A子とのやりとりを見てもそれはいまのところ感じられない。
2の可能性。
霊能力者の存在、というものを簡単には信じがたい。しかし、一般論にしか過ぎないかもしれないが、それは「霊能力の無い人間」のものの考え方でしかないとも言える。「自分に無いものは世の中に存在しない」では考え方が狭すぎる。
では、霊能力者が実在する、と仮定してみよう。
先ほどの「人格をのっとられたと感覚」これが彼らが持つ能力だとすれば成立はする。また、エレベータの制御も可能なのかもしれない。
となると「ある程度の能力をすでに持っている霊能力者が、大霊能力者となろうとして今回の事件を起こした」ならば成立する。
「これらの事件が霊能力者のしわざではないか、という説は一般には知られていないそうです」とプロデューサは言っていた。しかし、犯人が「一般ではない方=霊能力関係者」だった場合、あのドラマから何かピンと来てしまって調べてみたら…はアリとも言える。
自分がのっとられたという、いわゆる心霊体験をしたせいか、心霊、催眠の線を消すことはできない、という気持ちになってきた。まずは事件の様子を見ながら、B子の件を考えなくてはいけない。
B子の事件は、ドラマでは放映されていない部分だから、彼らに予備知識はない。犯人と思われる霊能力者も、ドラマからはその知識は得られないはずだ。
ここまでのB子の行動は偶然でしかないのかもしれない。が、先にのっとられていたときの“恋愛ジャンキー”のイメージ。これはドラマ制作時の「事件の資料」と酷似している。霊能力者が、過去の猟奇事件の資料を調べていたとしたら、一連の事件の関連性から「エレベータの生贄事件にも関連性が有る事件」と推測しないとは言えない。
また、犯人=霊能力者の意図に「私を都合のいいタイミングで消す」ためには、B子を「手段のバックアップ」として使うのが有効と言える。どこまで想定しているか分からない。が、仮に私がこの現場に呼ばれ「犯行は霊能力によるもの」と断定した場合、エレベータ事故を私が回避する可能性がある。また、私を先に消してしまえば、ドラマでアレンジされた部分を知らないこの事件の関係者を“生贄”にするのはより容易になる。いや、私を込みで“生贄”にしようとしているのかもしれない。
まずは、事件の起きる可能性をひとつずつ潰して行くしかない。
青年にメールをして「君とA子さんだけで部屋に来て欲しい」と連絡をした。
2人がやってきた。
「いろいろ質問があるかもしれないが、まずは一通り聞いてほしい」と切り出した。
「いま、部屋割りというかみなさんはどのようにホテルに居る状態ですか?」
「僕と陸上と侍、あ、陸上は落っこちたほうで、侍ってのはもう一人のあだ名です。この3人が同じ部屋に居ます」と青年。
「私とB子が別の部屋で一緒に居ます。同じフロアです」とA子。
「結構です」と私。「この後少ししたら全員にメールを出しますが、理由は説明できませんが、今後私のことは必ず“先生”と呼んでいただきます。苗字はつけないこと」
「はい」と2人。
「また、これまた詳しくは言えませんが、この事件、外部から催眠術を使える人間により我々が操られている可能性が高い。これもメールで書きます。なんかおかしいと思ったら、熱いお茶と冷水を交互に飲むなどして、なんでもいいので頭をはっきりさせるように。運動でもいいかと思います。自信ないですが」
「は?」と青年。
「続けます。あなた方の間で、いわゆる男女交際をしている方はいますか? 大事なことです。正直に」
「知る限り…いません。ね?」と青年に尋ねながらA子。
「居ないスね。A子が陸上たちと付き合ってないなら、B子は無いッスね」
話題のせいか、急にくだけた感じになった青年につられるように
「ちょっと! ありえないわよ! っていうかB子って若い子駄目だっていつも言ってるし!」
「結構。では男性諸君にお伝えください。少なくてもこの事件が解決するまで、A子さんおよびB子さんに絶対に恋愛感情を持たないこと。あとA子さん、B子さんが私に好意的な発言をした場合“お兄ちゃんがネットで調べたらしいんだけど〜”とかのフリで、とにかくB子さんが私に対してイメージダウンするようなことを言ってください。キャバクラ狂いとかなんでも結構ですから」
「ちょ、それって事件になんか関係が?」と青年。
「今は言えません。ただ」
「ただ?」
「これ以上誰も怪我をしたくないなら、言うことを聞いてください」
「わ、わかりました」と青年。
「さて、もうひとつ」と私。
「この建物の名前は〜」
「あ、単純にA館です。他もBCDです」
「そう。ではBCDにお泊りのお客様を、A館に移っていただくことはできますか? エレベータが故障した、などの理由でどうでしょうか。また、今後予約のお客様をすべてA館だけにお泊りいただくことは可能ですか?」
「えーと、部屋数的には大丈夫です。確認しますが今日から1週間程度はA館だけで行けるはずです。あと、移動についてはなんかお食事とか大目にサービスすればこれまでも特に問題には。ボイラーが故障したときとか。部屋の構造ほぼ一緒ですし」
「結構。では、事件が終わったA館にお客様を集めましょう。で、残念なことに人目につきたくはないだろうが、そうそう他人の言うことを聞かないだろう客が居ます。で、お金が欲しいんですが」
「え。謝礼でしたら」
「ではなくて、封のかかった現金、100万円ぐらいありますか? あの方にお帰りいただくために使いたいのですが」
「あ。なるほど。えー。新札の封のは無理かもですが、現金はあるはずです。確認してきます」
「あと、従業員用のはっぴみたいのをお借りしたい。あなたも着てきてください」
青年はほどなく戻ってきた。はっぴを借りる。フロントに向かい、青年に内線で大物政治家の秘書の部屋に連絡を取ってもらう。「重要なご相談が…」という感じで。
なんどかやり取りがあったが、大物政治家に会えることになった。
「挨拶をしたら、あとは任せてください」と青年に告げ、部屋に向かう。
部屋には政治家と、おそらく本物の秘書だろう男性が居た。
「重要な問題とはなんでしょうか? 手短にお願いできればと思います」
青年が挨拶をした後、秘書が切り出した。
「率直に申し上げます。当ホテルにある種の犯行予告が届きました」
「なんだって!」と秘書。
「エレベータジャックとでも申し上げましょうか。このA館に仕掛けられた装置のようなものは排除いたしました。これから他の館にお泊りのお客様をすべてこのA館に移動いただきます。つまり今よりぐっと多くのお客様がこちらの館内に来られます。それで、ご高名な○○先生にごゆっくりおくつろぎいただくのが、恐縮ですが難しい状況に、というわけなのですが」
「なるほど」と政治家。「で、私にどうしろと?」
「いえ、どうしろなどとはとんでもございません。ただ、もしよろしければ、これからこの支配人代行が近隣あるいは隣接県などの温泉ホテルをご案内いたしますので、そちらにお移りいただければと…」
「また、はなはだ急な話だねぇ。その、ご配慮はありがたいですよ。うん。どうだろな君」と秘書に話を振る政治家。私が言っている意図は彼にはわかっているようだ。「人目につきたくないなら、移ったほうが得策ですよ」という。
「その、ゆっくりと、あまり他の客に会わないですむようなところは…」と言いかけた秘書に
「もちろんでございます。私どもにお問い合わせいただいたような条件にほぼ合致するホテルが、○○県の○○にございます。お車ですと1時間はかからないと思います」と青年。さきほどの100万円のニュアンスですでに調べていたようだ。なかなか頭が切れる。
「ではちょっと支配人代行と細かいお話を、秘書の方とお話させていただいて…」と言いながら、秘書のほうにすっと包みを出す。
ちらりと中を確認して秘書が
「これは?」と。
「お車代でございます」と私。
封筒を横から覗いた政治家が「どうも。これはまたスマンね。お気遣いいただいて…」
「いえ、これくらいは。このたびのご宿泊料金につきましては…」
「結構ですので」と青年が話を引き取る。
やはりこのように家業を大切にしている青年が、自作自演の事件を演出しているという線はひとまず消しておくべきだろう。
あとは秘書用の別室で青年と話を詰めてもらうことにして、私は部屋に戻った。
先に青年に伝えた内容のメールを送信していると、ノックの音。青年だった。
「想像以上にうまくいきました!」とちょっと興奮気味だ。
「まあ意図が伝わったということだよね。やはりあの女性は普通の関係ではないということだろう。あと、料金やホテル移動の件、勝手に申し訳なかった。説明をしている時間も惜しくてね」
「いえ大丈夫です! ホテルもそういうことかなと思って電話で打診済みでしたので。では政治家先生を送り出したら、お客様の移動を始めますのでなにかあればメールなり電話なりを」
言い残して青年は出て行った。
30分ほど後「移動がすべて終わった」旨の電話を青年からもらい、B館に3つ部屋を用意してもらい、そちらに移動した。
まだエレベータは喋りだしていない、ということだが、慎重を期して2Fに階段で移動する。C、D館にも同様に従業員に待機してもらうことにした。
私の部屋に青年たち全員に集まってもらう。
・催眠術のようなもので心を操られる可能性があるので、気持ちを強く持つように。
・今後、面倒でも常に男性3人、女性2人単位、または5人全員で行動するように。
そのように指示をした。効果があるかは分からないが、いまはそれぐらいしか対応が出来ない。部屋に戻ってもらい、男性陣にだけ「もし女性2名に恋愛感情を持っている気持ちになった。あるいは逆にもたれていると思ったらすぐにメールをするように」とメールを送った。霊能力者が「若い女性による恋愛沙汰の殺人事件」を再現しようとしている可能性を捨てきれないからだ。
15分ほど後、B館のエレベータが再び喋り出した、との連絡を受けエレベータホールに集合する。
意識が少し朦朧としてきた。彼らが同級生に見えてくる。来た。霊能力者の精神支配が始まった。パンパン、と両手で自分の顔を張って、大声で言った。
「エレベータの主電源を切れ! 全員大声を出せ!」
「はい!」と大声で返事をした青年を皮切りに、みな「わー」とか「うおー」とか叫んでいる。エレベータの主電源が切れると、頭のもやもやが完全に消えた。
もしや、エレベータをアンテナに霊能力を伝える、というのは本当かもしれない。なぜかはわからないが、電源が切れている間は霊能力の利きが弱いようだ。
青年にC、D館のエレベータの電源も落としてもらうよう連絡をしてもらう。管理の装置は各館別になっているそうだ。
「エレベータが喋り出したら、また同様に大声を出して、キツイようだったら顔とか脚とかバンバン叩いて対応しましょう」と皆に告げる。1回目のときは「催眠術」という意識がなかったからかかりが強かったようだが、今回以降はどうやらこれでなんとかなりそうだ。霊能力者の力は、現状ではそのレベルなのかもしれない。だとしたら「生贄で力を求めている」という犯行動機も納得はできてしまう。
「さて、では第二回めのクイズとまいりましょう〜!」
エレベータが喋り出した。1回目のときには気がつかなかったあることに気がつく。ここはその検証に集中しよう。
前回と同じくルール説明のあと、クイズが始まった。
「わーわー! 先生どうしましょう! うわー!」術避けの叫びを入れつつ青年が尋ねてくる。
「ここは私にまかせてください! あなたは皆におかしいところがないか監視を!」と私も叫ぶ。これはいい。完全に自分の意識のままだ。霊能力に対する恐怖のようなものが薄れてきているのかもしれない。
「さあ、点滅するボタン。まずは10回覚えて再現して押してください!」
「ファイアー!」
「ファイアー!」
エレベータと私が同時に叫ぶ。もう間違いない。ポケットからメモを取り出して点滅を眺める。同じだ。ドラマの問題とまた同じだ。「ファイアー!」は2回目のクイズのときにフリーの人気アナウンサーの口調を真似て収録したものだ。音声のピッチを多少変えて有るが、台詞と間合いが完全に一致している。
クイズを正解し、2つめのエレベータも沈黙した。
「携帯のジャミング装置、あるかな?」と青年に聞いた。あれば事件は一気に解決に向かうのだ。
「あ、ありますよ。結婚式会場にあります。でもそれを?」
「取り外せるかな?」
「あの、ラックに載せてあるだけなんで、すぐにもって来れます」
「じゃあそれ持ってきて。あと、エレベータの背面のトランク、あそこを開ける鍵持ってきて」
「あ。はいすぐに!」
青年が戻った後、エレベータのトランクを開ける。小さい箱から細い紐が出ている機械が両面テープで貼り付けてあった。おそらく送信機だ。
「鍵は、これは全部共通かな?」と聞いた。「ええ。うちは面倒なので全部のエレベータを同じ鍵にしてもらってますけど…」と青年。「この機械、なんでしょうね?」
「説明は後でします。まず、B館のエレベータすべてに同じ装置があるはずです。外しましょう。その後、A館も外します。C館からまたエレベータが喋った、という連絡が来るまでに終わるといいが」
「合鍵ももってきましたので、手分けすれば」
「それはいい。とにかく6人同時に行動しつつ、外しましょう」
結局、すべてのエレベータに送信機はついていた。A館も外した後、C館のエレベータが喋り出した。
「第3回目のクイズは〜」
「もう無い」といいつつ携帯ジャミング装置の電源を入れる。音声は途絶えた。
「わーわー。あ、消えた」と侍。
「残念ながら、犯人を抑えることはできませんでした。が、これで確信がもてました。事件は解決です。残りの装置を外しましょう」と青年に告げる。
全ての装置を外した後、私の部屋にまた集まってもらう。
「この事件は、どういうことだったんでしょうか?」と青年が尋ねる。
「詳しくは言えません。ただ、解決はしました。また、再発防止、まあ、しないと思いますが、防止のためにエレベータの電源室の鍵、トランクの鍵を新しいものに換えてください。電源室については簡易な鍵でもいいから、追加もしたほうがいいかもしれない。あと、もし再発した場合は、電源を切って、その間に携帯ジャミング装置をかけた上でエレベータ内を探すと、まあこの手の装置が見つかるはずです。いや、再発はないと思いますが」
事件の背景を青年たちは知りたがったが、それは勘弁してくれ、と説得した。渋々ながら承知した彼らに、青年を残して部屋に戻ってもらった。
「謝礼の件なんですが」と私。
「はい。あの、残りを振り込みますので口座を…」
「いや、逆にお返ししたいんですが」
いえそれは、などと押し問答が始まる。私は返したかったが「返す理由を聞かせてくれ」と詰め寄られ「たいしたことをしていないので」という理由では納得してもらえない、の繰り返しだったため、いただいたものを返すのは諦めた。
「では犯人を捕まえるためのお金に使います」と言い、帰り支度をすることにした。せっかくですからもう少し休んでいっては、などと薦められたが、早く東京に戻ったほうがいいので、と断った。
東京に戻り、1週間ほどが過ぎた。プロデューサからメールが来た。
「この間ご紹介いただいた会社の件ですが、スポンサーの関係で放映が出来なくなりました。お詫びをかねて、先方に一緒に言っていただければ幸いですがご都合は」といった内容。
「いますぐにでも行けますよ」と返事をしたところ、間をおかず返事が来た。携帯からだった。
「では○○時ではいかがでしょう」とのこと。先方に確認をし、OKである旨返事を返した。
子一時間後、都内のあるデザイン会社に私とプロデューサは居た。社長である知人が「いや今日はみな出払ってましてね。お好きなものどうぞ。100円はここに」と。
この会社は「より快適な引きこもり作業」をテーマに、パーテーションや壁の全てをベンダーで埋めてある。ソフトドリンク、酒類、つまみ、ハンバーガーやそばうどんの類まで買える。料金はすべて100円。ベンダーのリース料や諸々のコストにあてるため、無料ではない。古くからの知人が経営している会社の事務所が面白いので、情報番組などで紹介してみては、とプロデューサに連絡をしたのだ。
結果、プロデューサが持っている情報番組のスポンサーと競合、あるいは同業他社のベンダーがずらりと並んでいるのは、情報バラエティとしても放送しにくい、ということだった。
まあ、ねえ、などと雑談をして「じゃぼちぼち失礼しますか」とプロデューサに言ったところ、様子がおかしい。
「どうしました。体調でも?」
「いえあの。すみませんちょっと電話を1本」と立ち上がり部屋の隅に行くプロデューサ。と、エレベータが喋り出した。ドア、兼エレベータ、という構造なのだ。
「目の前で、とは大胆ですね」と私。
「いや? は? なんのことでしょう。っていうか聞いたでしょう! ドラマと同じ現象が!」
「ま、二度とおきないでしょうがね」と言いながら、オーディオの裏に隠しておいた携帯ジャミング装置のスイッチを入れる。
「圏外になっちゃったから。もう無理ですよ」と私。
「え…」とプロデューサ。
「まあ座って話しましょうよ」と言いながら鍵でエレベータを開き、中にある傘立てを取り出して再び鍵をかけた。
「どうせエレベータには乗れませんよ。鍵がないと」と私。
「いやそのまあ、でもドラマと同じ現象がね!」とプロデューサ。
「もういいでしょう。○○県の○○ホテルも、あんただよねやったの」と私。
「な…!」絶句するプロデューサ。
「んじゃ私がわかってること、全部お話しましょうか」と私。
「さっき言ったホテルの息子さんから相談されたんですよ私。あのドラマみたいにエレベータが喋り出したってね。で、言われても困るけど、と思いつつ行ってはみたんですよ」
「で、私もちょっと意識がおかしくなって。人格のっとられたようなね」
「な、何を言ってるんでしょうねyaeさんね。おかしいですよね」と社長に話題を振るプロデューサ。
「いやなんかオモシロそうな話じゃないすか! 聞きましょうよ」と社長。
「あんたが持ってきたあのドラマの話。あれってホントに全部実話らしいね。で、人格のっとられながらも、必死で最初のクイズを解いたんですよ。なんで同じ問題にしたの? ドラマを見ての模倣犯を演出したかったのか、ま、単に音声ピッチを換えるぐらいしか時間がなかったのか」
「音声ピッチ?」と社長。
「あのドラマの」と私。
「ぎ、技術的なことを外部の人間に漏らすのは守秘義務に…」とプロデューサ。
「あのドラマを撮ったとき」と無視して私。
「エレベータの制御系をのっとるためのギミックが必要だった。霊能力者のしわざであることは伏せるということだったから」
汗を拭いて何かを念じるようなプロデューサ。
「私はね。リアリティを検証しないと内容が薄くなるとあんたに言った。あんた言ったね。“その通りです! ぜひ実験をしましょう!”と。熱心な人だと思ったよ。まさかこんなことだとは思わないから」
プロデューサは動かない。
「制御プログラムのエンジニアに取材したとき、あんたいろいろ質問してた。いやに詳しいなと思ったんだけど、まあ、勉強したのかな、と思ってた。で、あーだこーだで理論上可能ということから、低出力でも近くに発信機があれば、無線経由で制御系をコントロールできることが分かった。で、携帯電話のプロトコルでその発信機を動かせるってとこにあんた異常に固執した。“PCでやるより、携帯でコマンド送ったほうが絵になりますよ!”ってね」
「へー」と社長。
「あんたが考えてたのは、ドラマじゃなくて自分が使うためなんだよ」
「そんな無茶な」と半笑いのプロデューサ。しかし、目が笑っていない。
「あんたPCはデスクトップ派でノート持ってない、って言ってたね。で、携帯でメール打つのが異常に早い。携帯得意だよね。PCのアドレスでメールしても、返事は携帯からが多い。まあ、でもそれはね。確かにPCよりは携帯のほうがどこでいじってても目立たないし。それはあまり重要じゃない」とつられて半笑いになる私。
「装置の仕組みが分かってからは、話の整理がついた。あんたは霊能力がある。そして長年かけて調査した“エレベータの生贄”をどうしても実現してみたかった。もっと力が欲しかった。そうだろ?」
「霊能力!? 私が!? 何を言ってるんでしょうねこの人は」
大汗をかきながら、まだ何かを念じているようなプロデューサ。
「あんたのこといろいろ調べさせてもらったよ。国立の○○大学で、情報工学専攻してたんだね。○○ホテルの近くだ。で、卒業まで1年を残して、単位はほとんど取れて、テレビ局の内定もとってたあんたは、エレベータのメンテ会社でバイトをしてた。当時“生贄”のことを知っていたかどうかはしらないが、バイトはしてた」
一息入れて缶のアイスコーヒーを飲む。誰も喋らない。
「いつあんたが霊能力を持ち始め、いつ伝説のことを知ったのかは分からない。ただ、ドラマのプロデューサとして実績を積んで、連ドラ1本は自由にできるとこまで来てあんたはついにこの企画をドラマ化することに踏み切った。私という外部の人間をやとったのは、まあ企画を内部で揉んであーだこーだなるのがイヤだったのか、模倣犯が出たとき、まああんただけど。そんときに局内の人間以外だったら責任かぶせやすいとか、いろいろだろうね」
やはり誰も喋らない。
「あんたは企画の中で“実話を伏せたいところがある”と言っていたね。恋愛ジャンキーの殺人事件の部分。あれは死体の見せ方によってはカットしなくてもいい部分だと私は思った。だがあんたは全面カットにこだわった。ドラマでオンエアすれば、事件を相談された人物はドラマを見て、そこに警戒するだろうからね。しかしだ、再放送を週に2回、というのも異例だけど、あんたテロップ入れ自分でやってるね。まわりには“今回リキ入れてるから”とか言ってたみたいだね。で、入れたのはテロップだけじゃない。サブリミナル映像だ。さすがは技術系あがり、たいした腕だよ」
「サブリミナル…」と社長がつぶやく。
「効果を疑問視する説もありますがね」と私。
「あんた、恋愛ジャンキーの事件に関するエピソードや映像を入れたよね。サブリミナルで。私や会社の名前も入ってた。事件がおきた○○ホテルの誰かがドラマの再放送を見ていて、相談にのった私を恋愛ジャンキーの手口で始末できれば一石二鳥、ということだ。“温泉ホテル 秘書 愛人” なんてものまであった。誰とは言わないがほんとに居たからね。偶然かもだけど。あとは本放送の視聴率を稼ぐようなあおり文句も入っていたが、まああの短期間でよく編集したもんだ」
「わかった」とプロデューサ。「サブリミナルを抑えられたんじゃあ、どうしようもない」とつぶやいた。
「そう。企画書に載ってない。つまり、私とあんたしかこのドラマにあの要素を入れるかどうかを知っている人間はいないんだ。本放送のマスターには入っていない。再放送の編集をしたのもあんただけだ。だいたい、禁止されているサブリミナルを命令されたら、大概の編集者は直属の上司に相談するだろうから。あんたにしかできないんだ」
「他にどこまで知ってるんですか」とプロデューサ。
「あんたがドラマのオンエア後、バイト時代の同僚、まあメンテ会社の今の社長だね。彼のところを訪れて“昔が懐かしい”かなんか言ってメンテに同行したという事実。そんときいくつかホテル回って、ドラマと同じH社のエレベータを使っている○○ホテルにあんたは目をつけた。社長の鍵束から型取って合鍵を?」
「ヤツにあったんですか?」とプロデューサ。
「名物プロデューサの交遊録、みたいな番組の下取材で、と言ってね」
「なるほど」と軽く苦笑するプロデューサ。「他には?」
「あんた1週間休暇取ってるね。ホテルのエレベータが喋り出すちょっと前からだ。他のホテル泊まってたのか、あのホテルかは分からないが、とにかく現地に居た。電源を切られている、と思ったら電源室に侵入して、手動で入れなおしていた、だね?」
「手動とは大胆だな」と苦笑いする社長。
「まあ、エレベータの監視が中心になりますし、通常営業してますから。また、エレベータが喋った段階で“不思議なこと慣れ”しちゃってたのかもしれませんね。ホテルの人も。合鍵が作られている、ということさえ想像できれば話は違ったんでしょうが」
「ひとつ教えてください」っとプロデューサ。
「どうぞ」と私。
「あなたもこの社長も、どうして私の霊能力が通用しないんでしょうね」
「私はね。霊能力者というものにさほど興味を持ったことがなかった。前にも言ったけど」
「ええ」
「で、最初にエレベータが喋って、あんたの術にかかったあと、必死にあんたの術に耐えた後、どうも私にも有る程度の霊能力が有ることがわかった」
「え…?」
「おかしいだろ。でも、そうらしい。あんたにあやつられて目覚めたのかもしれない。とにかくあんたの術は私にはかからなくなった」
「どこで気がつきましたか。私がやったということに」とプロデューサ。
「第二回のクイズがまったく同じ問題だったとき」と私。
「1回目は“ドラマを見ている人間なら、同じ問題が出てくるから安心”と思わせるためのブラフかもしれないと思った。2回目、少し冷静になってみると、あの音声はドラマで使ったもののピッチを変えたものだと気がついた。私にとってもギャンブルだったが、メモを見て答えても問題を変えてこない。ならばこの装置を使っているのでは、と思い3回目で携帯ジャミングをしたら切れた。あんたはエレベータそのものを操るまでの霊能力は持ってない。だからこそドラマでそれを操れる装置を完成させておくことが必須だった。その装置も一度完成してみれば、技術系上がりのあんたには自作することはなんてことはない。そう。この傘立ての中に、きっとあるだろうそれを」
「やっと」とプロデューサ。
「やっと自分で好きに番組作れるようになって、ようやく“儀式”が出来るお膳立てまでこぎつけたのに…」
ふらっ、と立ち上がり、傘立ての中から、ホテルにあったそれと同じ送信機を取り出して、ぱちりと音を立てて、机の上に置いた。
「まさか霊能力者が探偵役に、いや、最初に霊視をして何も感じないと思って安心していたyae氏が霊能力者にとは、ね」と社長。
ん? と何かに気がついたように社長を見るプロデューサ。
「あ、あなたも…」
「この方は警察の方。霊能力の有る方で捜査にも使われるそうだよ」と私。
「え…ということは…」とプロデューサ。
「こんな会社、あるわけねーだろ」と私。
「…」
「全部仕込み。H社のエレベータでドア直結、鍵かけられるタイプのを使ってるビル探して借りて、ベンダーをリースしてこの人に相談した。他の社員は劇団の人。全部仕込み。なにもかも仕込み」
「そんな…」
「○○ホテルで結果を出せなかったあんたは焦ってるはずだ。そこにまた私がらみでまあ、義理で取材に行った会社がH社エレベータ。オンエアを断る理由は十分にある。で、そのお詫びということで私を引っ張り出せば、儀式とやらの成功と、私の始末が出来る。美味しすぎる話ではあるが、いまのあんたなら乗ってくると思ったよ」
「私の敗因は、殺され役を完全に仕込めなかったこと、ですね」と苦笑いを浮かべてプロデューサ。
「あんたが探偵役をやるように仕込んでいたら、完全犯罪成立したかもしれないな。じゃ、行きましょうか」と社長こと刑事。
「仕込むなら全部仕込む。基本だよ。元プロデューサ」
※何回か見たことが有る夢です
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旅館で働いている。実家が旅館を経営しているので、その手伝い。自分はまだ学生だ。
廊下から、ひとつの部屋に入る。奥の部屋から掛け軸を取って来ることが目的だ。
掛け軸を取リ出して、元の襖を開ける。と「やってしまった」と思う。襖の先に元の部屋がない。○で囲まれた「禁」いう文字が描かれた壁になってしまっている。
元々この建物は武家屋敷を移築したもので、掛け軸などを置いて有る部屋のさらにひとつ奥の部屋が殿様の寝室だった。そのため、ひとつ手前の使用人などが控えているこの部屋には、多くの仕掛けが有る。襖を開けたままにしておかなければいけなかったのに、入ったときに閉じてしまった。それで仕掛けが作動して、この部屋がまるごと地下に降りてしまったのだ。
元に戻るには、この部屋の襖を正しい順番に開かなくてはいけない。いや、開くだけではなく、一度開いたものを閉じてこちらを開いてからさらにまた開く、などの段取りがあるのだ。
その昔は、使用人たちは非常にシステマティックに働いていて、ある種のIDカードのようなものを懐に入れて行動していたという。部屋を移動するときはその札を決められた場所にかけてから入るとか、誰かに渡してから入るという仕組みが厳守されていて、テロ防止および、うっかり部屋を下に下げてしまった場合「誰がいつから居なくて、部屋がいつ下がったか」という条件が揃えば部屋を持ち上げたという(もちろん、テロに備えて武装した状態で)
しかし、現在はちょっと状況が異なる。この部屋の存在、およびその奥の部屋の存在と仕組みなどは、家族しか知らない。なぜなら、この部屋と奥の部屋を「部屋ごと金庫」として使っているからなのだ。何がどこにどう隠されていて、それにどれだけの価値があるものなのかは、今は祖母と父しか知らない。家族の中でも2名だけが知る仕組みであり、その仕組みを知っているのは母と私、これもまた2名だけという仕組みなのだ。
携帯を見る。もしやと思っていたが、完全に圏外だ。どういう構造かは知らないが、単に地下に降りるだけではないのかもしれない。もしくは相当に深いかだ。そもそもの目的は「不法侵入者とみなした」場合に数週間放置して酸欠ないしは餓死させるための部屋なのだから。天井や壁は今で言うトリックアートというのか、巧みに塗装されていて低くは見えないが、実は2mほどしか高さがない。
いずれ自力で戻るしかないだろう、と考えた。父母は仕事中、しかも父は会社員との兼業なので今は会社に居る。祖母は完全に隠居状態なので、いつどこに出かけるかわからないし、常にこの部屋のことを意識してはいないだろう。
開け方は、もちろんこの4名は知っている。というより他の人間は知らない。開け方の手段は口伝、しかも、一切の記録を禁じられている。
いくつかの記憶方法がある。
・川柳(あかさたな から始まる5つの川柳に開け方のヒントがある)
・子守唄の中に隠されている
・花札のいくつかの役の中に隠されている
私は全部を教えられていたが、花札は苦手なので「それは使わない」と自分で割り切っていた。子守唄と川柳は覚えているはずだ。
…。
まずい、川柳は全部思い出したが、意味を思い出せない。これはかなり高度に言葉が隠されているもので、元々のオリジナルの記憶法だったらしい。ただ「高度すぎる」「カルチャーが当時とは異なって思い出しにくい」ということでこの家オリジナルの子守唄が作られたのだそうだ。
歌を思い出す。「鶴とウサギとすっぽんと○○」が競争して誰が勝つか、という歌なのだが、○○が思い出せない。
「亀の背中をぴょんと跳ね 鶴の首をちょいと刎ね これはしめたと思ったウサギの耳を掴んで八つ裂きに 笑った○○が 血まみれで 獲物をまとめてたいらげた」
思い出せない。「○○にそんなことできるのか?」と子供心に思った、というのをヒントに思い出していくしかない。段取りは歌詞のまま進めばよかったはずだ。
ある襖の横にすっぽんの形をした置物がある。それを背中側に向けて真ん中側に進み、中心の畳をジャンプして強く踏みつける。次にその姿勢から顔を動かさず水平チョップの形で右腕を払う。その方向にある襖を一度開ける。顔が向いていたほうの襖を開ける。ここから○○から連想される言葉に準じて8回正しい順番で襖を開閉して、最初に踏みつけた畳をもう一度踏むというか、どすんと座る。
どすんと座る? なぜだった? 二つの点ではなく、面で畳みに体重がかかっていないと最後の起動スイッチが入らないからではなかったか? そうだ。そういうイメージのモノだ。生き物ではなかった! 臼! 臼だ! 「血まみれ」はダミーの言葉でそれに意味は無いのだった。正しいキーワードは臼と最後の「どすん」を「尻餅」と考え、餅作りを成立させるための「きね」を真ん中に入れて八文字。最後はしりもちではなくて、やはり「作るためのもの」である「もちごめ」 順番に並べて「うす きね もちごめ」 「あかさたな」はやがて使わなくなるから「あいうえお」で「あいう」までの3文字の位置にはいる言葉は正面を、それより下は右手が指したほうを開閉だった。そうだ思い出したぞ!
つまり
う-正面閉める
す-正面開ける
き-正面閉める
ね-右側閉める
も-右側開ける
ち-正面開ける
ご-右側閉める
め-右側開ける
違う…。これだと右側が開いたままだ。両方閉まっていないと駄目なはずなのに。この文字列の中にイレギュラーな要素があり、それを例外措置にすればよかった気がする。
あ!「ご」だけが濁音だ! 濁音は逆に扱う。つまり「ご」は正面!
う-正面閉める
す-正面開ける
き-正面閉める
ね-右側閉める
も-右側開ける
ち-正面開ける
ご-正面閉める
め-右側閉める
よし成立した!
さっそくトライすることに。手順通りにやり、できるだけ「どすん」と座る。
「かちり」と金属音がした。部屋が動いているのは分からない。が、到着すればすっぽんの置物のほうの襖が開くはずだ。まだ開かない。動いているのか居ないのか、全然分からない。途中で部屋が回転するらしい、と聞いたことがあるがいまもしかしたら回っているのだろうか。不安になり携帯を見る。圏外…バリ3!
しゅっ、という音がして、襖が開いた。助かった…。と、メールが複数着信。うわ彼女から「どこに居るの?」メール連続着弾。やばいやばいえーと「地下にある骨董屋に掛け軸を取りに行くように…雑談盛り上がりいま帰るところで」おかしいか? いやまあなんとかなるだろう。ウチ旅館なのは知ってるし。
細かいところを覚えていないのですが以下のような内容の夢でした。
夢と気が付かずに最後まで進んだので、非常にじりじりした感じで起きてからもしばらく疲れていた、という感じでした。
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○卒業制作でドラマを撮らなくてはいけない。
○シナリオは生徒全員があらかじめ課題として書くものだった。が、選ばれたものはシナリオではなく、小説の状態のものだった。女子生徒が書いたものだった。
○シナリオ化を誰がするか、というところで話が停滞してしまっている。空気が明らかに私に書け、というものになっている。面倒だなあ、と思いつつ、このままにしておくと誰も着手せず、夏休みが終わってしまい提出に間に合わなくなるのは明らか(卒業できなくなる) なのでやむなく書くことに。
○シナリオ化は順調に進み、あと2日もあれば上がる、というメドがたった。そこで各人の役割(プロデューサ、ディレクター、アシスタントディレクターなど番組制作に必要なスタッフすべて)を決めなくてはならない、ということを全員忘れていたことに気が付く。
あわてて決めようとするが、ディレクターを誰にするかが決まらない空気。というか、私を含めて3人のうち誰かだろう、という気配になっているが、誰を選ぶかに周囲が気兼ねしている様子。
○「じゃ俺、予算管理と撮影許可とか管理系という意味でのプロデューサやろうかな。AP誰かやってくんない?」と切り出す。それで全体が動き出しなんとか決まる。
○APは以前付き合っていた女子生徒に決まった。なんか面倒だな、と思うが、APが居ないとひどいことになりそうなのでしかたがない。
○ディレクター担当の生徒と話す。「学校から出る補助予算では足りないだろう」という結論が出る。資金調達をどうするか、という話になる。
・一人当たり3万円出せば足りるので、それを出してもらう。
・AD担当の生徒の8割ぐらいを今からバイトさせて、その金を使う。
・誰かの親に借金をして、撮影終了後全員でバイトをして分割返済。
そういう案が出る。APの女子生徒が「ウチの親に言えば借りられる」と言い出したので、そうするか、という話になる。ADの8割不在および「制作はしておらずバイトをしていた」というのはマズイだろう、ということもあり。
○撮影許可が取れない、機材が借りられない(レンタルがどこも貸し出し中)、天候不順などトラブルが山積み。全然撮影が進まない。
「もう後半をシルエットだけのCGアニメにするしかない」という意見が出る。外注に出す金はないよ、というと、ある男子生徒が「CGなら俺にまかせてください。フヒヒ。サーセン」とか言い出した。鬼才現る、と盛り上がる。
○制作期間不足での「後半CGアニメ」を「新しい表現へのトライ」と言い張ったのが効いたか「最優秀卒業制作賞」をもらった。こんなんでいいのかよ、と思いながらも、今後の借金返済のバイトの相談を皆でする。借りたお金は5万ぐらいしか使わずに済んだので、均等割りで行くとバイトをしなくても払えるものは今払い、やはりバイトが必要というものは来月末に提出、ということで決着。予算が一番心配だったので、安心する。
※かなり変わった雰囲気というか風景の夢でした。
推理小説家の書生のような暮らしをしている。
「小説の題材にいいと思うので、一度あってほしい」と以前連絡があった人たちが今日は来ている。
目玉がひざにも有る、という女性がそれを編集者と私に見せている。へそからなにかエイリアンのような顔が出る。カメラで撮影する関係もあり、距離を取っているのだが、それでも気味が悪い。
「宇宙人じゃないのこいつ」と編集者が小声で言う。もちろん本気で言っているようには思えないが「いずれ小説の題材にはならない」と思っていることはその口調からわかる。
「まあ、特殊メイクだと思います。それの出来としてはかなりのものだと思いますが、だからといって確かに小説とは関係ないですね」と答える。
女性は女の子と男の子を連れてきている。年下の男の子のほうが、女性がなにか出すと合いの手っぽくしゃべるのだが、口調が昔の見世物小屋のオヤジみたいだ。
小説の題材、ということでお金が欲しいのだろうけれど、そんなことより自分らでそれこそ見世物小屋でもやったほうが儲かるんじゃないだろうか、と思いつつ「先生には私たちからお話をします。なにかございましたらご連絡差し上げます」と言ったところ、はいはい、と納得して帰っていった。特に粘られたり交通費などを要求されることもなかった。
彼女らが居たときに、実はレントゲンで撮影をしていた。現像が出来たので見てみる。と、目玉や腹部の顔は「外から貼り付けたものではない」ことがわかった。本物か、あるいは大規模な手術で取り付けたものとしか思えない。
「だからと言って」
「小説にはなりませんね」
先生にはレントゲンとともに説明をした。少しだけ笑って首を小さく横に振った。「小説家として興味は無い、ということでよろしいですね」と言うとやはり小さく笑って首を縦に振った。
先生は滅多に喋らない。首の動作と手の動きだけで意思の疎通をする。例えばなにかを食べる動作をしたときには、その動きで「ステーキですか、ハンバーグですか」などと聞く。その中に正解があれば、先生は私に向かって指を指す。「正解!」という風に。ややこしいものが食べたいときは、原稿用紙に書いて見せてくれる。
喋れないわけではない。「私は声を出すのが面倒なので、動作か文章で伝えます」と一番最初に言われたし。
先生の部屋から出て、作業室のほうで小説の原稿の整理をする。事務所は先生が居る個室と、作業室しかない。作業室には小さいキッチンと、私の机とPC類がある他は、会議室のようなつくりになっている。私は1日のほとんどをこの場所で過ごす。1人のときもあるが、大概は編集者が居る。今日は一度出て行ったが、自分の会社に居なくて大丈夫なのかな、と心配になるほどこの人は帰らない。
いま先生が進行中の小説はあかさたな〜 の文字列が順次決まった箇所に入っている文章だと言うのだが、何度読んでもその意図が分からない。文章として不自然になってでもそれを成立させているからだ。私はそれが「成立しているか」のチェックをして先生に報告するという作業をしているが、読んでいて非常に疲れる。元々難解な文体なのだが、今回はそれとはまた違って面で疲れる。
編集者が「取材に行く時間だよ」と事務所に顔を出したので、一緒に行く。先生の原作がドラマになるのだが、その撮影現場が近くの学校なのだ。
監督に挨拶などをしていると「そうだエキストラで出てくださいよ。話題になるから」と急に言われる。まあ通行人ぐらいなら、先生の助手も出演、というひとネタにはなるだろうから引き受ける。と、よく聞くと「若いころの先生の役」だそうだが、そんなのを自分がやっていいのか? というかそれエキストラじゃないじゃん、と疑問に思うが、台詞がない場面だったので何回か撮って無事終わる。先生は若いときからもうあまり喋らなかったのかな、と思う。この監督はよく打ち合わせに来ていたので、そのへんも取材していたのかもしれない。取材といっても、メッセンジャーで返事をする先生に監督が打ち返すまたは口で尋ねる、という感じだったので内容はよくわからなかったが。
帰りましょうか、と編集者に言う。と、その敷地の中でなぜかグラビアアイドルの撮影会みたいのが始まる。これはもうけた、と撮影をするが、持っていたのはさっきのレントゲンのカメラだった。教室の中に普通のデジカメをおいてきたのを思い出して取りに行く。土足禁止だが、誰もいないだろうとそのままで取ってまたすぐ出る。
「レントゲンでグラビア撮影とは新しい。さすが先生」と編集者に冷やかされる。が、彼もがんがん撮影している。ドラマ取材用にやたらとでかいデジカメを持ってきていたのだ。
一通り撮って事務所に戻る。編集者も一緒だ。もうすぐ出版する小説の最終的なチェックを行うのだ。見本刷りが出版社から上がってきていた。
「R・G・B」というのが今回のタイトル。「レッド・グリーン・ブルー」ではなく「レッド・グリーン・ベルト」または「バンド」だという。先生がそこをまだ悩んでいて、最終的には全文検索で置き換えるとのことだ。スペルはBだったかVだったか思い出せないが、とにかくスペルによるトリックだという。執筆中ははまだ書生になっていなかったので、中身は自分はよく知らないが、10数冊に小分けして装丁されている。版形などもバラバラ。書体やらも一冊ごとに違う(手書きの複写まである) そこに今回最大のこだわりというか、それそのものにトリックのヒントがあるのだとか。
本を順番に並べる作業を中心に手伝う。コピーを取って控えを製本するのがしんどい。と、先生が重要な一冊を握ったまま寝てしまう。編集の人が懸命に手から引き剥がす。「指紋がついた。もし寝てるんじゃなくて先生が死んでるなら君の証言だけが頼りだ」と唐突なジョークを言って笑う。「証言で役に立つんですかね? っというかそれはもうコピーと製本終わってる分ですよ」というと「なんだ疑われ損だ」とまた笑う。先生は本当に寝ているだけなのか? などと妙に心配になる。と、起き上がって自分の部屋に戻ると、小さなかばんと帽子を持って出てきた。帽子を持ち上げて私のほうに小さく会釈をした。「帰ります」という意味だ。「装丁そのものには問題がないので、今日はお帰りになるとのことです」と編集者に言うと「相変わらずよくあの動きで分かるね」と少しあきれているようだ。
「前作は高感度層が働く企業内での展示と販売でブレイクしたようなもんだ」と編集者。どうも小説の内容で売れたのではないといいたいらしい。
たしかに、最近の先生の小説は「ただ難解なだけが売り」と酷評する評論家も多い。
「君も、売れる作家になりたいなら別の先生についたほうがいいかもしれないよ。装丁だの、あかさたなだの、いつかネタはつきるぜ」
「いえ僕は」
「先生についていく?」
「いや、僕は作家になりたくてこの仕事をしているんではないんですよ」
「はぁ?」
「僕は、本職は外科医なんです。勤めていた病院でちょっとごたごたがありまして。新しい病院に移る準備をしていたところ、親戚経由で少し先生のお世話をしてくれないか、という話が入ってきて。まあ次の書生が見つかったら、必ずいい病院を紹介する、と先生もおっしゃっているというので、いまはここで働いているんです」
「これは驚いた」と編集者。
「なんだ君も“先生”だったのか」と苦笑いをしている。
「次の書生、というのも来るかわからないですよ。先生はあといくつか書いたら、お辞めになるかもしれませんから」
「なーるーほーどーねー」ため息のように編集者が言う。「ま、売れるだけ売っときますか。弊社としては」と笑う。
突然、フランス人とメキシコ人の集団が入ってきた。この事務所があるビルはいわゆる催事スペースがいくつもあるので、間違って入ってきたのだろうか。
「おいおい。何の祭りだ?」と編集者。特に慌てては居ない。この人が怒ったりあせったりするところを、そういえば見たことがなかった。
と、なぜかフランス人の人からグッズを渡される。高そうな装飾の大きなブローチとイヤリングやらなにやらのセット。「センセイニ」と日本語で言っているように聞こえたので、ひとまず受け取る。身に着けるというよりディスプレイして眺めるもののようだが、組み立て方がわからない。フランス人はもう帰ってしまったし。
と、知人の女性がやってきた。(現実のその人より随分と若い) 組み立て方を教えてくれるが、ノースリーブを着て高いところに部品をつけたり、自分で見につけてみたりしているので脇のあたりがとても気になってしまう。
「先生。“手術してぇなぁ”とか思ってるんじゃないか? 案外エロいね先生。じゃ」と私の肩を掴んで小声で軽口をたたいて編集者は帰った。
「今夜飲み会が有るから、このイヤリングを貸して」と言われるが、先生に聞かないと、と返事を濁す。どうも女性誌などで非常に話題かつ人気(非売品なので)のアイテムらしい。「明日返しにくるからさぁ」などとまだ粘っているが、貸さないほうがよさそうだ。先生は何に興味を示すか読めない方なので、見せないで他人に貸すのもマズイし。
と、メキシコ人の集団が小冊子をどっさりくれたが、さっき並べていた先生の小説とまざってしまい「また並べ替えか」とうんざりする。
やがて誰も居なくなった。私も帰ろう。
※非常に「気持ち悪い感じ」の夢でした。
現実とは違う家族構成、家に住んでいる。
なにか惣菜屋のような店をやっている。たまに料理教室などもやっている。この日は有名な料理家、というのか本をたくさん出している人が来ていた。
母(という存在で出てきた人)に「お前が仕事でこの家を使うようになってから、水道代が高くなった」と言われる。なぜか、と聞いたら「手をやたらと洗うからだ」と。惣菜屋としての水道使用量に影響が出るほどではないだろう、とは思うが、金を払う、というとぶつぶつ言いながらどこかに行ってしまった。
手を洗っていると、料理家が来て「手ぬぐいで手を包んで、それをもう一方の手でこすると早く汚れが取れるから水道代がかからない」という。納得できる理由ではないが、いちおう礼を言う。
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※ここで女性がらみのイベントがひとつあったが、よく覚えていない。
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惣菜屋の引き戸の向こうには、自分の仕事部屋が見える。部屋の中央には、大きなディスプレイのようなものがあり、それが回転している。乗っているのはPCのソフト類。なぜそのようなものを展示しているのだろう。それに回転速度がやや速く、箱などがゆらゆらしていて危ない。
脇にはお菓子や文房具のディスプレイ。普段は使わない素材集のCDが乗っている。これも意味がわからない。もしかしてさっきのソフトやこれらを自分が作ったのか、とも思うが、思い出せない。とにかくこちらのディスプレイも無駄に大きいので、音楽CDなどを入れようか、と思う。
ラックの一部が引き出しのようになっている。引き出すと、なぜかビリヤード台になる。というよりも、中にビリヤード台がある部屋に入れるようになるのだ。中にはいつも同じ外国人(黒人)の少年が居るが、部屋に入ってみても、いつも無視される。
いずれこの部屋を片付けないと、と思いつつ、風呂に入ることにする。と、勝手口の引き戸が外れそうになっている。というか「すいませーん!」と威勢のいい男性の声とともに開きはじめた。
「ちょっと! いま裸なんで後にしてくれますか?」と言うと
「こっちも裸みたいなもんなんで問題ありませーん!」とわけの分からない返事とともに引き戸が開いた。
ライフセイバーのような水着と帽子を被った男性が4名ほど。新聞勧誘員だと言う。妻(だと思われる女性)に対応を任せる。「〜〜〜〜ですから」「えっ! 100年契約ですか? まあそれとは別にうちの新聞も」などのやりとりが聞こえる。新聞は実は取って居ないのだが。
風呂から出て通路を歩いていると、なにか餅のようなものを作っている場所に出た。義弟(と思われる存在)と親戚と思われる年老いた女性、他数名の作業員のような人たちがいた。
「頼むよ! 本名を教えてくれよ!」と言いながら義弟がこちらに包丁を投げてくる。本名というのは、どうも私の本名らしい。私は本名をこの家族には教えていない。元々家族ではない人々が集まって作られた家族なのだが、私は本名を伝えていないのだ。
義弟と親戚のおばさんが包丁をパスしあうかのように投げている。目標は私だ。何度かかすめた。しかし、なにが狙いで本名を知りたいのだろう。
こんにちは。
前も「よく出てくる夢の状況」というのを書きましたが、今日もそんな感じのエントリーです。
電車に乗る夢をいくつか見る中で、何度か出てくるもの。
○地下鉄大手町駅
実際の大手町駅とは位置も路線も違います。物凄い巨大な「地下鉄駅ビル」とでもいいますか、都内主要路線すべてに乗換えが可能、という地下空間ですね。エスカレータが非常に複雑に入り組んでいます。で、乗換えで物凄い高低さがあるところについてもエレベータはなく、百貨店のフロア移動のような折り返しっぽいエスカレータがあったり、あるいは超長い(一発移動)エスカレータがあったりします。なんか「急いでいる」というシチュエーションでよく出てきます。
○JR中央線
これも路線が実際のものと相当に異なります。JR新宿を出て次は中野に止まります。ここまではある意味実在するわけですが、この新宿中野間がハンパなく混みます。で、中野で物凄い量の乗降があり、混み具合は結局変わらず、次の荻窪まで行く「はず」なんですが、想定外にお客さんが全然乗ってこないことがあって。で「アレ?」と思っていると電車はかなり速度を上げて明らかに「荻窪は完全に通過しただろ」というくらいの時間がたちます。なんだっけこの電車、と思っていると、社内の電光掲示板みたいのに「東北高速鉄道接続 ○○行き」と表示されています。「あーこれさっき乗り換えないと東北行っちゃうんだよ!」と焦ります。「もしかして次って宇都宮? 仙台まで止まらないやつだと最悪だぞ!」と思っていると速度が落ちてきて「次は 品川」と表示されて安心する、というパターンで出てきます。
○JR五反田 JR品川 JR銀座
これらの3つの駅は、ほぼセットで出てきます。シーンとしては雨が降っていることも多いです。
位置設定としては
「JR五反田 JR銀座 JR品川 の順番で路線上に位置している。路線名は“JR新東京線” 私の家から最も近いのはJR品川 また、JR五反田で降りてJR銀座駅との中間にある“地下鉄新銀座駅”まで歩いていくと、家のほうに行く地下鉄に乗ることができる」
こういうものです。位置関係はでたらめ、路線は実在しないものですね。駅それぞれとしては
・JR五反田
古いが高さのある駅ビルの1〜2Fが駅。壁は古い感じのタイル。1Fが3〜4番線(JR山手線) 2Fが5〜6番線(JR新東京線)のホームになっている。番号表示の看板が空港なみにデカイ(天井から釣り下がっている) それぞれのフロアのジャンクションみたいになっている通路があり、そこを抜けるまでは物凄く混雑する。1Fおよび駅外の壁にはスタンド系の飲食店が異常な数並ぶ。「立ち食いソバでも喰おうかな」といつも思うがなんかの事情がいつもあって食べない。
・JR銀座
(実際の風景としては 銀座と新橋の間? のハナマサ(今はドンキ?)のあたりの風景に近い) 非常にごみごみとした「古い銀座」のイメージがある。「JR品川で降りればよかったのに、つい乗り過ごして五反田まで行ってしまい、地下鉄で家に変えるためにJR銀座方面に徒歩で行こう」と思った場面でのみ登場する。>反対側のホームに行って「五反田→銀座→品川」で戻ろう、とは思わないんですね。不思議なことに。
で、地下鉄の入り口近くに来るとさらにその先にJR銀座駅界隈が見えるという感じでして。古い感じのスタンドバーとかがある場所だよな、と思うんですが、金も時間もないので今日は帰ろう、と思い地下に降りていく、というパターンが多いです。
・JR品川
JR新東京線、JR東海道新幹線、JR東北新幹線、新日本空港(国際、国内線発着)という「新しいJR路線と日本を縦断できる新幹線乗り継ぎ駅および空港」という強烈な設定の駅です。見た目は完全に空港。地下1Fが空港施設、その下がJR新東京線、更に下に2本の新幹線という「地下がデカイ」駅です。
先に書いたJR中央線に出てくる「品川駅」はこことは連動していないです。
JR品川は「ありえない」感じな駅なわけですが、(位置関係や路線を除いては)JR銀座が「あっても不思議はない」感じとして描かれています。JR五反田もホームの看板が異常にデカイ以外は「あってもおかしくない」感じではありますが、いずれにしても品川以外は建物が古いという印象が強く残る絵なんですね。
あと、絵的に受ける印象としては
・JR五反田=スチームパンクというかなんというか
・JR銀座=「私は貝になりたい」とかあのへんの時代というか
・JR品川=オビ・ワンとか歩いてきそうというか
よくわかんないですねこれじゃ。はい。
○進学とURL
高校生になっている。「進路相談三者面談」の予定表が配られるが、自分の名前がない。なぜだろう、と考える。進学をしないと決まっていたのだろうか、と思う。と、教師が「元居た会社に戻る人は書類だけ出してください」と言っている。そういえば、自分を含めて会社から高校に出向(勉強のため)に来ている人間が何人かいたんだ、と思い出す。
「会社から来た人はこの場で社のWebサイトを見せてください」と言われる。URLを打つが、なんど打っても「Not Found」的なものが出る。
「ちょっと後にしましょうか」と教師に言われ、PCを他の方に譲る。URLを間違ったかなあ、と考える。あ、Googleで出るはずじゃん、と思い出す。また順番になったらそれで行けるな、と安心する。
○抜いてはいけない髭
髭を整えて、鼻毛も切っておこう、と鏡の前に。と、鼻の頭のちょい下から毛が生えていた。「鼻毛は抜かないほうがいい」とよく聞くので確認したが、鼻毛ではなく髭のようだ。またおかしなところから、と思いつつも、出かける時間になったのでなぜかそのままにして出かけてしまう。
用事がひと段落して、髭のことを思い出す。鼻を触って「間違いなくこの毛」と位置が確認できたので抜こうと引っ張る。と、ずるずるっといやな感触を鼻に感じつつ抜けた。見ると毛根が異常に大きい。小さめのにんにくの粒のような感じ。その毛根の下にも髭根のようなものが数本生えている。毛根というより球根的な形。
「あーこれ抜いちゃいけない毛だった。切らないといけないほうだった」と思い出す。これを抜いてしまうと、しばらく鼻水が延々と出続けるのだ。失敗した。
○ストーカーリレー
どこに居ても視線を感じる。かなり距離をとっているようだが、確実に誰かに後を着いて回られてるのがわかる。
取引先近くの鏡張りのビルの前で電話をかけるふりをして背後を見る。スカーフとサングラス、マスクと露骨に怪しい女性が居た。こいつか? 誰だ? と思っていると、さらに一人、スカーフでなく帽子だが、同じように顔を隠した女性がもう一人。さらにもう一人、と増えてきた。最終的に6人ぐらいでなにかを話し合っては頷きあっている。と、2人目の帽子の女性を残して解散したようだ。
移動で地下鉄の駅に。今度はまた違うのが着いて来ている。何人かで協力して見張っているらしいが、誰が? 何のために?
※集合していた女性達の中に「遠目に見てもどう見ても“ほ○のあき”」が居ましたが、当然面識はないですし、夢の中でもそこに出てきただけでした。で、起きてテレビをつけたら凄い衣装で始球式をしていましたw
こんにちは。
よく「ほぼ同じ状況」というか、自分の夢の中での「お約束」的に出てくるパッケージのようなものが私の夢には出てきます。何度かそれを夢で見るたびに、仕様というか設定がどんどん広がっていくものもあります。
いろんなものがあるのですが、今回は最近よく出てくるもの、また、先の「大会議と奇妙な日々。人を操る機械。」にも出てきた「人を操る機械」「JR神保町駅」「JR神保町駅ホームにある立ち食いそば屋」について書きたいと思います。
※以下はすべて「私の夢の中でそうなっている」モノゴトです。もちろん現実の世界とはまったく関係がありません。念のため。
また、ある意味「すごい妄想」なわけですが、まあ、人の夢の中の妄想を見て笑う、という程度にお考えください。普段からこんなことを熱心に妄想しているということでもないですし。はい。
○人を操る機械
これにはそれ以上の名前がありません。「人を操る機械」というのが正式な名称で、各国でもその国の言葉でそう言い表されるものです。
各国、と書きましたが、この機械はおよそ600年ほど前に理論が確立され、レオナルド・ダヴィンチもその開発に関与した、と言われる機械です。
この機械については、いわゆる「秘密の文書」が長年存在し、私はそれをネットで見つけ、暗号的文章を解読しました。この機械を使うには、計10人の「その時代、その地域でそれに気が付き発見した」人間が揃うことが前提条件となり、それからさらに10人の共同作業で機械がある場所、仕様、使い方などが見つけられる、という決まりになっています。所有権は10人のグループの過半数が死亡した段階で次の所有者に移ります。
この機械を使うと、諸々の機械の条件により詳細は異なりますが、原則として
「いつ」「どこで」「誰がが」「どうなり」「どうなる」「程度:」「関係者への関与:」「状況の解決:」を設定でき、対象者の意識を「そう行動するように」操り、可能な範囲でそれが実行される、ということが出来ます。基本的には10人の「なんのために使う」という大きな意識が統一されていないと効果が薄れたり、機械が反応しません。我々のグループは「世の中を良くする」「経済活動を活発にする」「自分の身を守る」という目的で意識統一をしています。
・人を操る機械を使う代償
この機械の中にはAIのようなものがあり、これまでの所有者、使用者の利用履歴を「世のため人のために使ったか」「私利私欲のために使ったか」を蓄積、分析しています。それらの内容により「操った」人物(メンバーの誰の意思で“操るのか”は都度設定を行います)の人生に影響が出ます。所有権の移動もそうですが、この「人生への影響」は機械が勝手に実行します。
■直接的に金銭的利益を得た。
就職したい、仕事が欲しい、などは「よいこと」と判断され人生に影響はありません。ただし、誰かがお金を落としたものを拾うとか、買った宝くじが当たるなどの操作を自らに対して行った場合、血縁者の寿命が縮むことがあります。
■個人的怨恨などで他者を死に追いやった。
対象者の寿命の1/10、または最低1年の寿命が“操った”人間から失われます。
■よき結果を得られるため以外に他者に怪我や病気を負わせた。
操った人間の身体の弱い所に激しい痛みや影響が出ます。
ただ、これらは「世の中に非常に役立つ“操りをした”」場合、ある程度相殺されます。ので、比較的いいことにしか使っていません。夢なのに。
・人を操る機械のエネルギー
古くは蒸気が使われていました。その後高圧電力をエネルギーとするタイプが開発され、現在ではPCアプリとしても動作できる家庭電力対応タイプが開発されました。また、それらのエネルギーとともに「使う人の精神力」が効果に大きな影響を及ぼすことが解明されています。
・人を操る機械の効果
動力のエネルギー、精神エネルギーが十分に得られた場合「操り」の結果はほぼ忠実に反映されます。例えば「バスに乗る」などの指定が「電車」や「タクシー」に変わってしまうことはありますが、結果に破綻のでるような影響はなく、むしろ「効率を優先」するために途中が若干変わることはあります。
また、特に精神エネルギーが低かった場合、効果の程度に影響が出ることはあります。なお「関係者への関与」の関係者には「肉親」「肉体関係があること」の2つの条件があり、それ以外の周囲の人間には影響を及ぼせない仕組みになっています。
・人を操る機械の条件設定方法
「いつ」「どこで」などの条件については、プリセットされた文言の組み合わせが操作が簡単かつ早く済み、効果も強く出ます。対象人物以外にも自由文を用いる場合、操作は難易度があがり、設定に時間がかかります。効果も若干ブレがちです。人名については、自由文の他に「内閣総理大臣」などのように役職での指定もプリセットされています。
・人を操る機械のバリエーションと操作方法
■蒸気型
関東ですと我々が所有権を有しているのは横浜に一基あります。が、見に行って一度だけ動かしてみましたが、使い方が難しいのとメンバーの住居から遠い、仕様が実用的ではないということでその後使っていません。横浜に鉄道が通った後に作られたと言われているので、都内新橋にも最低一基あるはずですが、我々は所有権を得られませんでした。
形状は「壁」という感じです。その壁には指定ブロックを差し込む穴が並んでいます。歯車がごりごり回るようなものすごいアナログな「計算機」が入っているのですが、倉庫3つ分の地下施設という巨大なものです。操作部は基本的には真鍮で出来た刻みがたくさん入っている「条件設定ブロック」を穴に並べて行くのですが、まずそのブロックが1個5kg以上あります。重いです。また、自由文での指定は、昔の「活字を拾う」ような作業をします。別に反転された文字になってはいませんが一文字ずつ拾うのとできるだけ漢字を使った方がいい効果が出たり処理が結構早くなるため、非常にセットが大変です。
影響範囲は半径500mと非常に狭いため、対象をその場所におびき出す必要があります。また、対象をオペレータは目視できません。対象と話す人、無線中継計2名、オペレータ最低3名(ランチボタンが離れたところに3つあり同時押しが必要)と最低5人揃わないと使えないのも短所です。
※この後出てくる様々なバリエーションは歴史の中で所有者達が改良を行ったり、それぞれの施設を連動させたりするような工夫が凝らされてきた、という設定になっています。我々のグループもいくつか改良をしています。「なりました」「改良しました」というのはそういう設定とお考えください。
■高圧電流型
「JR神保町」という架空の駅にあります。この駅には後に書く立ち食いそば屋もあるのですが、それらが同時に出てくるときと、どちらかだけが出てくるとき、利用しているのは片方だけど、もうひとつのことも意識している、など様々な形で夢の中にでてきます。
この駅は実際の地下鉄神保町(交差点のところ)からJR水道橋駅に向かう途中にあります。大学が近くにあります。機械はその駅から歩いて3分ほどの倉庫から通路を通って、駅の中にある隠し部屋の中にあります。歴代のJR神保町の駅長だけがその存在を知っていますが、彼らに操作する権利はありません。
形状は、旧式のVTR編集機のようなモニタと斜めになっている操作パネルで構成されています。駅の4本のホームはほぼ死角なくモニタできます。操作は出っ張っている「条件設定ブロック」の中から「使わない条件」を手で押し込んで引っ込めます。一個目は使わない20個あまりのブロックを手で押し込むので大変ですが、前の条件に「適合しがたい」次の条件のブロックは自動で引っ込みますので、どんどん作業は簡単になっていきます。また、自由文ブロックには小さな穴が40個空いていて、そこにやはり活字拾いをして文章を設定します。自由文ブロックを使うと、先の「次のブロックで不要なものが自動で引っ込む」機能が使えなかったのですが、グループ内で研究開発を行い、自由文でもある程度自動化できるように改良しました。
影響範囲は駅構内全体および、JR総武線、中央線、山手線各駅から半径1km以内とかなり広範囲をカバーします。ただし、モニタで対象を目視できるのはJR神保町駅ホームだけです。遠隔地の駅を使う場合には、無線などでの連絡が必要となります。なお、ランチボタン同時押しは2名で足りるようになっています。最低2名で操作できます。また、時刻の指定に「可能な限り早く」という設定が加わりました。遠隔地まで電線を伝ってそこから放射する関係のようです。それに伴い「指定条件を成立させるため、対象を何がしかの理由で足止めする」能力が機械に加わっています。JR神保町ホームに対象が居る場合、ほぼ出来ないことはない、というほどの強い出力が可能ですし、モニタリングも出来ますので、他の機械または駅施設内でまずはJR神保町ホームに呼び出してから詳細指定をしてきっちり影響を及ぼす、という使い方でまだまだ現役です。
※我々の前の所有者が「個人の経済の利益」のみに使用していたためか、その時代「飛び込み駅」「自殺駅」と呼ばれていたという過去があるという設定です。>手口は明かさず、お金を貰って人を殺害する、という使い方をしていた、という設定です。
■高出力タッチパネル型
東京タワーの地下に格納されています。地下鉄の駅のトイレや掃除用具置き場から入ることができる仕組みです。建物は古いのですが、我々が発見した段階で結構新しい機械が入っていましたので、昭和後期に前所有者が大改修をしたと思われます。壁面にはキー局の番組、各条件をタッチパネル式で指定するモニタがずらーっと並んでいます。モニタをタッチすると、階層メニューが展開してそこから条件を指定していきます。プリセット文言は各条件で1万240パターン存在します。「懲らしめる」「殺害する」などの大きな条件から階層を下がって指定していきますが、2つめの条件からはやはり合致しないものは表示されません。
前回の夢から「グローブを嵌めると遠くから遠隔でタッチ操作できる」仕様に改善されておりまして、操作が楽になりました。>夢なのに立ち仕事がイヤなようです。
フリー文言はキーボード等では入力が出来ず、英語の音声入力にしか対応していません。何度も改善を試みましたが、条件の日本語表示そのものに相当な無理をして改造しているらしく、不可能と断念しました。別途PCを用意し、翻訳ソフトと音声読み上げソフトを組み合わせて使ってフリーワードを入力しています。英語が達者な仲間が同席している場合は彼に頼みますが。
影響範囲は「東京キー局生放送出演者」「その番組を確実に視聴している人物」と物凄く広範囲ですが、テレビを確実に見て居るかどうかはなかなか確認が難しいため、その使い方だと「ニートを辞める」とかそういうざっくりした条件で経済活動を活発化させるためなどに使っています。ランチボタンは2名で押すので、やはり最低2名でのオペレーションとなります。
■PC内蔵型
簡単に言うと、PCのソフトとしてその機能を持たせたものです。実際はPCのソフトが行っているのは高出力タッチパネル型への入力予約のようなものです。階層メニューで条件設定をするのは本機と同じです。自由文入力はこちらで打ち込んだ文字列を本機の近くにあるPCが処理し読み上げます。入力完了表示が出ると、メンバー全員のPCにその旨伝達されます。10人中、他の2名による「ランチ処理」が行われ次第本機が処理を行います。
影響範囲は「生放送出演者」「テレビを見ている人」に加え、本機と接続されているPCがコネクションを成立できる無線LAN環境内、となります。ですので、対象が無線LAN環境下に居る場合、そこに本人または仲間がノートPCを持ち込んでコネクションすれば機能します。
※我ながらすごい大妄想だと思いますが、夢の中で実際にそれらを使ったことも多ければ、もしかしたら夢の中で使っていなくても「思い出せる」ということは脳がそれを寝ている間に作り出して記憶した、ということなんだろうなあ、と思っています。
○JR神保町 その他の特色
・中央線、総武線と山手線が通っている。
・代々木駅ホームの壁面を丸っこくて光沢があるタイルで覆ったような古めかしいホーム。
・ホームが高い場所にあるため、見晴らしがいい。
・駅構内は小さいが、ホームにやたらと売店がある。
○JR神保町駅ホームから入れる立ち食いそば屋
外側のホームにあるのですが、ものすごく広いです。20数名が横に並べるカウンター(そば専用)の奥に、4人がけのテーブルがやはり20個ほどあります(そば、うどん、離れからの料理を食べられる)。
全体に昔の大きな大衆食堂のような感じです。テーブル席のスペースには男女用に分かれたトイレがあり、男性用にはシャワートイレが3個あります。女性用はもっと広いそうなので、男女ともに人気の店です。トイレだけを借りても嫌な顔はされませんが、なんかは食べていく人が多いです。
私はよく「カウンターでそばを食べる」シーンがよく出てきます。また、この店は「カウンター→トイレとテーブルのスペース」の奥に「うどん専用調理場」があります。うどんはあまり出ないのか、スペースはあまり広くないのですが、ここへの通路の奥のドアを通ると、実は駅の外に出られてしまうのです。しかも、1個ですが自動改札があり、駅員さんも居ます。違法に出るということではないし、極端に近道になるというので、常連はここから外に出ることが多いのです。
■離れというか別棟の支店
調理場と、2人並べるかどうかのカウンターが2つ(かぎ型に)あるだけという小さな支店というか別棟があります。そしてそばもうどんもありません。1皿1000円か2000円の1品料理数点と、2000円か3000円の弁当を注文を受けてから作って売っています。メニューはありませんし、弁当といっても持ち出しはできず、本店で食べることになります。ここでは注文と支払いだけをします。お酒が飲みたいような料理ばかりなので、本店で別にビールや酒を注文して飲み食いしている人が多くいます。
この支店の主人は「35歳ぐらいになったエナリカズキ」です。名前がそうである、というのではなくて見た目が完全にソレです。彼は次男で、長男が本店の店長のようです。メニューの説明は「イカとあとなんか」とか物凄い適当ですが「普通にスーパーで買っていたら完全に赤字」というような質の材料を使っているので、かなり人気があるという設定です。私はこの店の料理は1回だけしか食べていません。>もちろん夢の中で、ですよ。
スーツを着て大きな会議に出ている。国際的な規模のネットシステムの参加企業全社会議というようなもの。
私は足元にカバンを置いていた。カバンの先からなにか棒状の携帯のストラップがはみ出してたが、チャックはほぼ閉まっているので気にしていなかった。
と、なにやら携帯電話ぐらいの大きさのラジコンカーのようなものが走ってくるのが見えた。クワガタの形をしている。と、そのハサミで私の携帯を引きずりだそうとし始めた。
前方を見ると、音声機器(同時通訳を行っているので)と思われる機械の近くに、作業服を着た若い男性が居る。機器のメンテもしているようだが、ラジコンも彼が操作している。不審に思い、自分の携帯と荷物一式、クワガタラジコンを拾って彼の元に行ってみた。
「これはあなたが操作しているの?」
「はい」
まったく悪びれる様子もなく、むしろ笑顔で返答される。
「こういう大事な会議に機械のメンテをしにきたあなたがラジコンで遊んでいるのはおかしいんじゃないの? 携帯を抜き取ろうとしているし」
などと問い詰めるが、のらりくらりとかわされる。ラジコンをよく見ると、何かメモリスロットのような蓋が付いている。それに触ったら急に彼がうろたえ始めた。開けてみるとやはりメモリカードが入っている。ギガ容量だ。
「ラジコンにこんなものが要るのか? ちょっと預からせて調べさせてもらう」というと彼は急に激高しはじめたが、ノートPCに挿入し、ウイルス検索の後内部を見る。と、携帯電話やノートPCから諸々のデータを吸い取るためと明確に解るアプリがいくつか入っていた。会社、担当者名で区分されたフォルダもある。
「どういうことだ!」と問い詰めると、何かを怒鳴り散らしながら出て行ってしまった。しかし、周囲の目は私に対して非常に冷ややかだった。「あの子を怒らせると後が怖いのに」というような囁きも聞こえる。むしろラジコンの持ち主である彼を擁護し、私を非難しているように思える。「なんだこいつら。この会議もイカサマか?」などと憤慨しつつも、引き続き会議に出続ける。
-----場面転換
※実家という設定、妻という設定の女性。しかし、実際のそれらとはまったく異なる。
妻が何か世間話のような話をしている。近所の人たちと飲み会をしてそこに来た落語の一門の人たちの話など。半分ぐらいしか聞いていない感じで仕事のことを考えている。
と、近所に住んでいる姉弟がやってきた。姉は5歳ぐらい、弟は3歳ぐらいか。いや、弟は年齢はよくわからないが、よく喋り、よく走る。割と頻繁に実家に来ているようだが、さて今日は誰が入れてしまったのか、と思いつつぼんやりと見ている。
姉のほうが居眠りをしている妻の顔にあるシミかソバカスのようなものを指で突付いている。
「これ、剥がすと血が出たり痒くなったりするんだよね」と弟に言っている。「そうそう」と聞いているのか居ないのか弟は走り回っている。確かジュース類を与えるとおとなしくなって、やがて満足して帰るはずだった、と思い出し、それらを取りに行こうとすると、目覚めた妻が妹に「触るな」とか怒鳴り散らしている。なんでもいいけどうるさいのは迷惑だな、と思い、弟の洋服を掴んで持ち上げる。軽い。なんとなくぐるぐると振り回したりしながら冷蔵庫へ向かう。姉も妻に叱られたこともあってかついてくる。
ジュースを与えるが帰ろうとしない。なにか食いたいらしい。が、そうまですると「ここにくればそれがもらえる」と味を占められても迷惑なので、追い出す。しかし、玄関の鍵がなかなかかからない。というか壊れているようだ。それでは入ってこれるはずだ。母に言っておかないといつまでも直さないだろうからメモでも書いておこう、と思う。とりあえずなかから棒をかましてドアは開かないようにした。
部屋に戻ると、妻がテレビを見ながら友人と携帯で話している。どうもこの間飲み会に来た落語の一門が芝居体裁のネタをやっている番組を見ているようだ。
「…ごろ太君がね…」などと言っていたようだが、私が入ってきたら急に話題を変えた。
※この場面から「妻役」がバブル青田またはそれに似た容姿の女性になっていた。
そもそも妻と知り合ったのは以前勤めていた会社の役員の紹介だった。業界内での大物の孫、ということで「損は無い」というニュアンスで紹介された。彼女としても何かタイミングが良かったのか、数年交際した後すんなり結婚した。が、その業界から私が離れてまったく異業種で仕事をするようになってからは、彼女と結婚した理由の一部が「意味を持たなくなった」と言えなくは無い。さらに結婚してから15年は経つ。正式には覚えていないが少なくても15年、ここのところずっと「ルームシェア」のような関係でしかない。
ごろ太、というのはその一門の中でも「イケメン落語家」としてここ何年か人気のある芸人だ。あーこれは何か関係があるのかも、と思い、嫉妬というよりは確かめたい、という興味から「人を操る機械」を使ってみるか、と思う。幸いにも番組は生放送だ。
※「人をあやつる機械」の詳細は別のエントリーに書きます。
生放送のテレビに出ている人間を操り、その関係者に影響を及ぼす、という今回の使い方では、自宅にある環境では無理だ。オペレーションルームに2人居ればここからでも指示を出せる決まりだが、誰か居るだろうか…。居た! 作業依頼をしてみるとOKとのこと。早速指定をする。
「1分後に」「xch出演中の」「○○亭ごろ太が」「操作をあやまり」「感電する」「程度:微弱」「関係者への関与:最近または現在肉体関係のある者/類似的波及」「状況の解決:即時」
さてさて、と思っていると、妻がいきなり「うわっ! 脚痺れたっ! っていうか攣った!」ともがいている。しかも、電話相手もほぼ同時に攣ったらしい。偶然だと痛がりながら笑っているが、まあ、どちらかはその関係を知っているのかもしれないな、などと思いつつ家を出る。
------場面転換
JR神保町に着いた。ごろ太は近くにある演芸場に出るためにもうすぐ来るはずだ。ちょっと慌ててもらおうか、と思っているのだが、ここには例の立ち食いそば屋もあるためなにかと都合がいい。
※JR神保町 例の立ち食いそば屋 の詳細については別エントリーで書きます。
周囲に人影がないことを念のため確認しつつ「人を操る機械」の部屋に入る。そもそも手前の通路自体が隠し通路なので、その心配もないのだが。
ホームを確認する。あらかじめ設定した「操り」の指定どおりの時間にやってきたこともあり、ごろ太はすぐに発見できた。カメラを追従モードに変えて、指定を開始する。
「10分後に」「ホームに居る」「○○亭ごろ太が」「腹痛を起こし」「トイレを探す」「程度:最大出力」「関係者への関与:無し」「状況の解決:極めて困難」
状況の解決と「不可能」にしようかと思ったが、それでは店やお客さんに迷惑がかかるとも思われるので、そうはせずに指定を終えて通路を抜け、ホームに向かう。時間はまだ猶予が有るため、先に立ち食いそば屋に入ることにする。
指定時刻から数秒後、真っ青な顔で脂汗を流しながらごろ太がやってきた。「トイレ! トイレはこっちでしたよね!」と叫んでいる。しかし、残念ながらトイレは満員だ。「極めて困難」と指定したし、そもそもこの店のトイレは混みがちなのだし。
「早く!」「ちょっと!」などと叫ぶ彼に周囲のお客さんも気が付いた。「あれごろ太だよね?」「なんかお腹とかお尻とか押さえてるよ。イメージダウンよね〜」とか聞こえてくる。
「女子トイレ空いてますよね!? ダメですかね!?」だいぶ追い詰められてきたようだ。周囲の「やだー…」とかのざわめきも大きくなってきた。流石に「極めて困難」と指定しただけあり、女子トイレは空いているというオマケまで付いたのか。
十分に醜態を見せてもらったので、席を探すふりをしつつ「通り抜け」としても使っている通路を抜け、外に出た。
支店というか別棟の店の中から若主人が「またアンタか。通り抜けばっかりじゃなくてたまにはなんか食ってってよ。ほら、ちょうどお仲間も居るんだし!」と私に声をかけた。見ると「人を操る機械」の団体の仲間が居た。じゃあなんか食べますか、とお薦めを聞く。
「イカとかの天ぷら弁当と、肉野菜炒め。これが今日良いよ」と若主人。ではそれで、といい金を払い、本店に戻る。ここでは注文と支払いだけなのだ。
本店に入るとごろ太はもう居なかった。しかし、彼のさっきの行動に関する話題で店内はもちきりという感じ。ま、いい薬になっただろうか、と思わずニヤリとしてしまう。仲間はなんとなく感づいたようで「後で詳しく」とだけ言って笑った。
○山田に感染した夢
もうビジネスマンとして失格の烙印を押されまくりというか、ほぼ8割が非難および見捨て、1割ちょっとぐらいが慰め、残りが激励という手紙(メモ書き)やファクスが営業(どっかに勤めている設定)経由で届く。「メールを送ったら感染すると思われているのかなあ」と全体に悲しい。
○やりなおし会の夢
なんか集団療法というか集団催眠治療のようなもので「人生の様々な可能性を仮想体験して人生をやりなおす」ものに学生時代の交際相手と参加、というもの。
結果、職業を含めまったく違う人生をやりなおすことになった。
※以下は夢で見たことの記述です。
台本関係の仕事がある、と呼ばれて代理店へ。
そちら関係の仕事は本業ではないので、どうなんだろう、と思いつつ向かう。
脚本家だという40代ぐらいの男性と、代理店のプロデューサが居た。挨拶などを済ませると「まずはこちらのVをご覧いただきたい」とプロデューサ。
「ウツイケンの大脱走」とタイトルが出た。ウツイケン、大御所として知られるあの宇津井健氏だろうか。
「大学教授ウツイケンは、いわれのない殺人事件の容疑をかけられ〜」とかナレーションが流れる。ふむ。いわゆる脱走系ドラマか? と思っているとウツイケンはいきなり崖のようなところに来た。さっき乗った電車ってロマンスカーじゃなかったか? と思っていると落ちた! ウツイケンが唐突に崖から落ちた。ごろんごろんと岩肌を転がって転落。なんだこのドラマ。つか、ドラマ?
カットが切り替わる。服はボロボロになり、髪は乱れ顔には汚れやかすり傷。つうかかすり傷で済んでるの? と思っていると
「いやー助かった。これが雪山だったら危なかったな…」と何事もなかったように歩き出すウツイケン。え? と思っていると大蛇ナメでウツイケンの背中! おい、今度は蛇か!? と思っていると「つづく」と。
と、画面には続きが。大蛇に飲み込まれつつあるウツイケン! 今度こそダメか!? と思いきや「ぼひっ」という音。のたうちまわる大蛇。脱出するウツイケン。
「いやー助かった。昨日のレバニラとイモ食っておいて助かった」と。それでいいのか!? と思っているとさらにピンチと脱出は続く。
・ヘリコプターから落とされる。ちょうどスタント撮影中のマットにぼふりと着地。本来着地するはずだったスタントマンはマットがずれたため地面に激突。
しかし「いやー撮影中で助かった。しかもメロドラマだったら危なかった」
・胸を狙撃されたウツイケン。今度こそ! しかし、何事もなかったように胸から古いタイプの弁当箱を取り出し「いやー弁当持ってて助かった。でも日の丸弁当じゃなかったら危なかった」>梅干の種でタマが止まったらしい。
そして画面はリッターカーに轢かれたが(なんだかよくわからないが)「いやーリッターカークラスだから作用反作用の法則で助かった。これがベンツだったら死んでいた」と言うウツイケンの画像で止まった。
「ここで問題がおきまして」とプロデューサ。その後の説明によると
・これらの台本はすべて2名のライターが交互で書く形式を取っていた。
・ライターAが書いた「危機」の状況を受けてライターBがその危機からの回避をいわゆる「頓知」や「笑い」で解決、視聴者が「それでいいんかい!?」と突っ込みたくなるような解決法ならベスト。で、さらに別の危機を提示して返すという形。
・「さらに別の危機」にはある程度の条件設定ができる。例えば蛇なら「噛まれなくてもいいです」「毒蛇である必要はないです」などとコメントできる。相手のライターはそれを「前提」として解決策を考える。
そういうやり方で進んできたシナリオに対し、前のライターの片方が
「ベンツだったら死んでいた、の返しにベンツに轢かれる、というのを入れてしまった」というのだ。
「それは、ちょっとひどくないですか?」と脚本家。
「ボケつぶしというか、反則ですよねぇ」と私。
「ご想像の通りまとめ撮りをしているんですが、収録の都合で、先にベンツに轢かれるところを撮ってしまっていて。で、その後に“ベンツだったら死んでいた”の回のシナリオを宇津井さんがご覧になりまして“ベンツで死ぬ、からベンツで轢かれたのに助かっているのでは辻褄が合わない”と」
「まあ、あわないですわね」と私。
「でもまあ、そこは予想以上の幸運が働いたとかいう設定やら、まあ最悪撮りなおし含めて説得はしたんですが“ウツイケンがウソをついたらそもそもこの番組は成立しないだろう”と仰られまして」
「役者魂」と脚本家。
「見上げたもんだよ屋根屋のふんどし、ですわな」と私。
「田ぇしたもんだよ、カエルの小便、ですわな」と脚本家。
「それいただきです!」とプロデューサ。いやいただきもなにも普通に寅さんでしょうそれは、などと返していると
「いや、実はお二人に来ていただいたのはですね。“ウツイケンの大脱走2”のシナリオをお願いしたい、ということだったんですよ! いまのかけあい! もう最高! 見えちゃったコレ!25パー!」と無理やり盛り上がるプロデューサ。25%も取る気なのか?
「2ということは…もしやいまのを全部なかったことにして頭からやりなおして、1はないけど2から、ということでしょうか」と私。
「そのとおり! そこまで見えてらっしゃる! さあまいりましょうアタックチャンス!」
「いや局違うしそれウツイさんじゃなくて児玉だし」と脚本家。最もだ。
その後もあーだこーだとプロデューサは「もうこいつらに頼んじゃえ」という姿勢もろ見えであれこれ言ってきた。金額的、納期的には決して「悪くはない」話でもあるので、まあやってもいいかな、と思っていた。とプロデューサが
「言い忘れました! まあ、大きなことじゃないんですけどね。2からはこれ、BEの要素入れて欲しいってお得意がね。ええ携帯キャリア様とビール会社様で」
「無理」と私。
「ありえん」と脚本家。
「いや砂漠が舞台で、携帯とビール。行けますよこれ。無理ないじゃないですか!?」とプロデューサ。
「圏外でしょ」と脚本家。
「砂漠でしょっちゅうビール飲んでたら、脱水症状でアルコール濃度上がりすぎてフラフラっしょ。普通に死ぬよ。危機とかのりこえるとかじゃなくて」と私。
「いやそのー“メールを 読んだら タマ避けた ハイ! ハイ! ハイハイハイ! ワーオ!”みたいな!? みたいな!? ね!」
「つかあるあるやで松本君。いまのはないで」と脚本家。
「でも西川君もワーオ言うてる場合じゃないで。撃たれてんねんで」と私。
「そのかけあいもいただき!!」となんかもう自棄になっているプロデューサ。あーこりゃ相当断られてるんだな、という感じがしてきた。
脚本家をちらと見る。と、軽く首を横に振った。彼も「受けるべきではない」と感じているのだろう。
結局断って帰った。帰り道脚本家が「今度まともな仕事紹介しますよ」と言ってくれた。くだらない打ち合わせだったが、彼に会えたのは収穫かもしれない。
※夢の中に出てきた人は、全員現実には見知らぬ人々でした。
家で寝ていると天井にもやもやとした人影のようなものが見えた。寝ぼけているのか、と思うと、続いて隣の部屋に昔のドラマや童話で見るような「嫁入り行列」的なものが入っていく。セピア色に透けている。遠くに居るようにも見えるし、とにかく見た目の大きさがおかしい。
数秒後、なにか水道局やガス会社の点検の人を思わせるような服装の中年男性が入ってきた。こちらの部屋に入ってきて「どうもどうも」と名刺を差し出す。
「日本霊能力者協会理事〜」とか書いている。料金表も見せられた。まあ、驚くような値段ではない。というか普段想像しているものよりかなり安い。
「今回は私がたまたま外で霊を見かけてお邪魔しただけなので料金発生はしません。で、いまご主人が何かを見られたなら、それを教えてください」と。ご主人、と人を呼ぶあたり、本当に何かの点検業者かなにかのようだ。
まあ只だし、と天井あたりの人影と、嫁入り行列のことを話す。と隣の部屋から同じ行列が出てきて帰っていった。「あ」とか言うと中年男性が「静かに」というような動作をした。
「これは参りましたな」と帽子を取って中年男性ががりがりと頭を掻いた。
「捕り憑かれました」と続けた。
中年男性の説明はこうだった。
「天井に居たものは“迷って”いる女性の霊。生前結婚生活に失敗し、離縁されて自殺した。この世でいずれかの女性に捕り憑き、あなたと結婚をしようとしてくるだろう。先の行列はその下見であり、入ってきたところから出て行ったということは“ここで良い”と霊が決めたということ」と。
「それは困りましたね」 そうしか言い様がない。
「まあ、除霊などなさりたいようなら私どもなり、まあ、お知り合いの霊能力者などにご相談をされては。放置しておいても気にならんと仰るならそれでも結構だとは思いますが、まあ言い寄ってきた女性を無視し続けると、祟り殺される可能性は高いです」と、なにやら無責任なことを言い残して中年男性も帰っていった。
こりゃ参った、と思いつつも、ひとつの疑問が頭に浮かんだ。鍵。玄関の鍵はしっかりかけている。窓もだ。霊だとしたらまあ、それはともかく、あの中年男性はどこから入ってきたのだろうか。
数日が経った。「お知り合いの霊能力者」など居るはずもなく、あの中年男性も鍵の件からして堅気とは思えない。つまり、なにも対策を取っていない。
あの日のこと全体が夢のような気もする。名刺や料金表はぼんやりして捨ててしまったのか見つからないし。
そのうち自然に忘れてしまうだろう、などと軽く考えることにして、ハウストーナメントに出かける。
途中、大型のビルボードを見た。何かの小説の出だしのようなものと、数枚の写真で構成されている。写真はシルエットに近いというかフォトショップなどで表示のパーセントを落としたかのように、うっすらとしか顔などは見て取れない。
が、そこに書かれている内容は、この間の霊能力者が来た日のことに酷似している。というか、ほぼ同様だ。「続きはネットで! このビルボードも更新されます!」と、URLと並んでアオリが入っている。なにか胸騒ぎというか、忘れていることがある、と思いつつも集合時間が迫っているので会場に向かう。
会場ではダーツ仲間の男性が話しかけて来た。なんだということも無い話をするが「こんなに大きい試合だったか?」ということが気になる。会場が大きすぎる。というか、ハウスのはずなのに、ホールを借りているのだ。
「今日は何に出るの?」と男性に聞かれる。「いや普通に01とクリケじゃないの?」と質問のような答えをしてしまう。と、男性の知人だと先ほどから会話に加わっていた女性(20代半ばぐらいだろうか)が「クリケ出るんですか? じゃあ私とペアですよ! わーよかったよろしくお願いしますー!」とかえらいテンションでまくしたてつつ抱きついてきた。
おかしい。何もかもに違和感がある。ハウスの試合にしては会場が大きすぎるし、試合形式もなにやらおかしい。ドローしてないのにペア? 全体におかしい。出るはずだったハウスの試合ではない気がしてきた。何者かが私の予定を書き換えたかのような違和感を感じる。
でも試合には出よう、と思っていると、なんとこの日は試合は無く、前夜祭的なイベントだと言う。そんなハウスは聞いたことがない。しかし、周りはそれに何の違和感も感じていないようで、普通に振舞い、楽しんでいる。先の女性もことある事に積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくる。絶対にこれは普通ではない、と思いつつも、ここは慎重に、と周りに合わせてこの日は帰ることにした。
帰り道、さっきのビルボードの前を通る。書かれていたストーリは更新され、進んでいた。予測はしていたが、やはり私の先ほどの行動がほぼそのまま書かれている。女性と「出会った」という表現になっている。そして写真。他の人にはまだわからないレベルだが、ほぼ間違いなく私を写した写真だ。自分の顔や姿勢の癖などはさすがに見れば解る。
出来るだけ知人がいそうな場所を避けて自宅に戻る。さて、この状況はどこかで見たか聞いたことがある、と考えるが、もう少しのところで思い出せない。と、耳が非常に痒いというか「何かが急に耳の中に落ちた」気がして耳掻きを使ってみる。
大きな耳垢が取れた。が、ちょっと見た目がおかしい。というか、堅い。こすってみると中から非常に小型の金属製の円盤が出てきた。これは…ボタン型電池だと思われるが、こんな小型の規格があっただろうか? というより、なぜ耳の中に電池だ、と思う。
その瞬間、私はあることを思い出した。そのことと今の現象が一致するなら、これも必ず、と思いつつ額の左側の生え際を探る。手ごたえは普通。しかし、必ずあるはずだ、と何度も探ったりこすったりする。あった! と思い、慎重にそれを剥がす。こめかみにピリッとした痛みがあり、それが剥がれ始める。極薄のラテックスで作られた人工皮膚状の皮膜。一見すると髪か睫毛のような超小型の盗聴器、脳波に干渉するための探査針、そしてやはり髪の毛に偽装された耳の穴への配線。
この装置、そしてここまでの事柄の流れ。これは私が昨年ネットのオンラインゲームのシナリオとして提出したものと同じだ。内容は
・ある人物(主役)のところに事件の前触れ的な出来事が起こり、それの解決策を持っていることを匂わせる人物が登場する。
・主役が取る行動はすべて盗聴、監視されている(という設定)また、オンラインゲームに参加している人物は、その人物が次に取る行動を予測し、リアルタイム投票により集められた選択肢のいずれかに投票する。(オンラインゲームのプレイヤーはプログラムされたNPCと実際の参加者が混在している)
・主役は最初「起こったことが書かれていること」が本人の目に入るようになっているが、徐々にネットで投票された「これからの選択肢」が本人の目に入るようになる。だんだんにそれ以外の行動が取れない心理状態になっていく。
オンラインゲームの参加者はアバター的なインタフェースで主役に話しかけたりして行動を操ることも出来る。
・最終的に主役は必ず死ぬ。死の前の行動をうまく操り、保険に入らせたり、または死因の選択肢に投票していたプレイヤーには相応の賞金が入る。
こういうストーリーのものだった。
クライアントのゲーム会社の反応は「非常に面白いが、ゲームとはいえ世界観が反社会的でありすぎる」などの理由から採用を見送ったという連絡があった。
しかし、いま私に起きていることは、そのゲームの世界観そのままだ。あの会社にアンダーグラウンド的な別組織があり、一部の「イッてしまった」ゲームユーザを対象に生身の人間を使ってあのゲームのシステムをリアルワールドで実現、ということが行われているとでもいうのか? あまりにも非現実的というか、それこそゲームの中でしか起きないような話だが、ここまでの経緯からして、それが一番「妥当な推論」としか思えない。
ならば、装置を外した今、奴らはまた行動を起こしてくるはずだ。だいたいにしてこの部屋は私が住んでいた部屋ではない。装置を外すまでは「自分の部屋」と普通に感じていた。ということはかなりのレベルでの監視、また、ゲームの設定とほぼ同じ技術レベルで人間の記憶を操れる手段を奴らは手にしている。このままではマズイ。
外で車が停まる音がした。1台や2台ではない。
※記憶が飛び飛びです。また、私は夢の中で
・若いフリーの経営コンサル
・仮面ライダーになる訓練を受けている少年A
・同じく訓練を受けている少年B。警官になる訓練も平行して受けている。
という3つの立場を入れ替わりながら夢が進みます。所属する家族などは変わらず、私の立場だけが変わっていたようでした。
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変わった建物に家族で暮らしている。
蔵を改造したようなものが密集した集合住宅のようなものだ。個々の専有部分は区切られているが、異常に長い渡り廊下やベランダのようなものがある。それを挟んだ反対側にも、やはり蔵のような家々が並んでいる。
この集落の家は何がしかの形で他の家とつながってるようだった。
隣の家の若奥さんが帰ってきた。その家の玄関から台所への廊下はうちの居間から見える構造になっているので、日に何度も顔をあわせるため、朝と夜以外は細かい挨拶はせず会釈だけだ。腹のあたりを押さえて歩いている。出産後、どうも体型を元に戻すのがうまくいっていないらしい、と姉や母が前に言っていた。
友人が「ネオジオってなかったっけ?」とゲーム置き場を探している。数年前「コンサル相手がゲーム開発会社」ということにかこつけて必要ないものまでハードを買い集めたことがあった。そのことを知っているので聞いてきたのだろう。「そこになければたぶん2階かな。買ったはずだよ」と言う。後で見に行こう、などと言っていると、同級生だった女性が来た。他には? と聞くと「なんかみんな都合悪いみたい」とのこと。今日は地域の同級生達がひとつの家に集まって食事をする日なのだ。今日は私の家が集まる家で、子供が複数居る家は一度にそれぞれの同級生が来るようになっている。姉の方は逆に「普通これだけ集まらない」ほど集まっている。2階に行こうとすると、階段に食べ物の皿がたくさん積まれていて歩きにくい。というより、階段は途中でなくなっていた。特にそのことに疑問は感じず「行けないものはしょうがない」と諦めて降りる。
集まりが悪いときは、解散してもいい決まりになっているので、解散しようか、と言う。男の同級生はそれに賛成したが、女性の同級生がなにか不満そうだ。「居ても別にかまわないから」といい、外出することにした。
------------※場面、状況転換
走って学校(訓練所)に向かう。渡り廊下の階段を下りると役場がある通路に出る。通路に面して役場が設置されているのだ。地元では「変態部長」と呼ばれている中年男性が部下をいじめたり、小さい子供を追い回している。彼は「対象、行為が老若男女すべてで、何でもあり」という「フルレンジの変態」として街の人に恐れられている。ここまであからさまに知られ、また実行しているのになぜ役場をクビにならないのか不思議だ。いじめられているのは「ドS係長」と呼ばれている。もはや拷問、っていうかなんで生きていられるの? というような変態部長の異常な責めに毎日さらされている。歩いた後に血が流れっぱなしということも珍しくない。
あまり長く居たくない場所なので走り抜ける。ここから地面に出られる。昔チョコレート工場があったので、いまでもチョコフレークが堆積して、土と混ざっているエリアがある。走るとざくざく音がするし走りにくい。背後からマラソン中継のような声が聞こえる。「実況」というあだなの同じ学校に通う少年だ。なんでもかんでも実況風に喋る。みなに気持ち悪がられているが、本人は平気な顔で毎日実況している。なんか僕を追い越せるとか追い越せないとかなんか叫んでいる。「響鬼クラス」は実況より楽器が大事だろう、といつも思うが言っても聞きはしないだろう。無視しよう。
-----------※場面、状況転換
役場の経理会議に出席した。民間ではないので、私もコンサルではなく「査察」という形で不正な金の流れが無いかを調べることを県から依頼されて来たのだ。家から渡り廊下経由でも行けるのだが、査察は玄関から入る決まりになっているので外周のベランダ(デッキというべきか)を歩く。ダースベイダーの頭の形をしたカバンの目が光った。携帯に着信中という印だ。世界的に数が少ないモノなので、訓練中の少年ライダーや少年レンジャー(戦隊)たちが「すげぇすげぇ!」などといいながらこっちを見ている。ベイダーのヘルメットを持ち上げて電話に出る。「変態部長」だ。「いつごろご到着ですか?」ねっちょりとした気持ちの悪い声だ。「階段を上がれば玄関、というところまで来ています」と告げる。「さ、さすがはお時間を厳守される。ではお待ちしております」と。なにかあせっているようだ。見られたくない書類でも隠している最中なのか、それともフロアが血だらけとかそういうことなのか。まあ、どうでもいい。書類は見れば分かることだ。
少年たちは続々と下のベランダに向かって飛び降りている。年に何人かはこの訓練で死ぬのだそうだ。
役所内に着く。書類を見る。「いかにも揃えた」数字がいくつかあり、申告漏れ扱いになるので、と注意をする。その指摘に変態部長は相当イライラしているようだが、表面上はへらへらしている。が、近くに座っているグラマラスな女性職員のスカートや靴の中にタバコの熱い灰を落としていたり、ドS係長をカッターの刃で突付いたりしている。ひどいものだ。
一度役所を出て別の仕事をして、今度は建物内部の渡り廊下を通って役所の中を通る。手品で箱に刺す剣のようなものを身体中に刺されたドS課長がイバラの鞭で変態部長に叩かれている。よくショック死とかしないもんだと思う。
-----------※場面、状況転換
隣の家の様子がおかしい。若奥さんがお菓子しか食べなくなったと隣のおばあさんがブツブツ言っている。なんだろう、と思っていると訓練所から「○○家の乳幼児が誘拐された。調査せよ。ブレイド隊は東エリア、響鬼隊は西エリア、ギャレン隊は…」との連絡が入る。隣の家のことじゃないか。それで奥さんはおかしいのか。というより、おばあさんはお菓子どうのに文句を言っている場合じゃないんじゃないか、と思いつつ操作に向かう。「クラス」ではなく「隊」という言葉を本部が使ったときは、実戦であることを意味する。油断できない。
役所の中は相変わらずの地獄絵図だが、注意している時間もない。向こう側の大きなデッキに出る。と、いま現役のレンジャー(戦隊)の青の人がヘルメットを脱いで、レンジャーの待機所みたいなところで仰向けになって熟睡している。見るともなく見ると、机の上に隣の家の赤ん坊の写真が乗っている。おかしい、と思い、上の部屋に入ってみると隣の家の赤ん坊が居た。現役レンジャー組織がどうして? と思うが、とりあえず本部に連絡をする。
赤ん坊は無事に保護できた。が、その後警察とレンジャーのドンパチが始まってしまう。「ライダー/警察グループだけが予算などで優遇されている。レンジャーだって必死なんだ」とかそういう内容の声明文が出たらしい。テロだ。
こうなると訓練中だろうが少年だろうが関係ない。戦いに参加していると本部(警察)から「役所を主戦場にしろ。あの部長と係長は戦いに巻き込んでもかまわない、というよりむしろ、だ。分かるな?」とのこと。なるほど、テロの犠牲者、ということに「してしまえ」ということか。
役所に着く。すでにかなりのドンパチになっている。
「ここか? タカ!?」「こっちだ!ユウジ!」
あれれ、あの人たちも来たんだ、と思っていると変態部長がドS係長を「明らかな殺意」というレベルで攻撃している。というより、係長はもう死んでいるのでは? と思っていると、盾にしていたドラム缶に後ろからカンカンとなにか当たっている。レンジャーが訓練につかう軽い麻酔銃の弾の針だ。麻酔をこの後におよんで? と思っているとなにか叫び声がして、今度はドリルの先みたいのが飛んできた。「やっぱりね。そうだよね」と思っていると、ドラム缶に刺さったそれがさらに回転しはじめて缶にめり込み始めている。ていうか中身ガソリン? これ防火用水用じゃなかったの? とあわててそこを離れる。このベランダは低く、外は海岸だ。一旦避難するしかない、と思っていると
「ヤバイぜ! タカ!」「ああ。ここは逃げよう」と彼らも柵を乗り越えている。案外無責任っつか「あぶなくなったらすぐ逃げる刑事」じゃねえかこれじゃ、と思っていると後ろで大爆発が起きた。「ユウジ」は異常なほど素早い身のこなしで警察車両に飛び込んだ。頭に枯れ枝みたいのがいっぱい付いている。ころがったのかな、と思っていると「アンタも早く!」と乗ることを促される。「タカ! おいタカ!?」と呼びかけているほうを見ると頭が燃えている。で、さわやかに高笑いをしながら「先に行っててくれユウジ〜!」と駆け出した。よくわからないがこの場に居ては危ないから、ということで車を出す。と前方から「団長・ワタリ」が歩いてきた。「おうタチ、燃えてるぞ頭」と笑顔だ。「大丈夫です団長〜 これは大丈夫な方ですから熱くないんですぅ〜」と。
熱くねぇのかよ! 大丈夫な方って…ヅラ!?
-----------※場面、状況転換
本部で報告を済ませて家に帰ることにした。本部と家は渡り廊下を挟んで真反対にあるため、結構歩く。役所部分含め、渡り廊下は現場検証から修理の作業に入っているということで外側のベランダや地面を歩く。去年同じクラスで、今年から「響鬼」コースに進んだ子の家の前を通ると、お通夜の張り紙がしてあった。彼の名だ。亡くなったのか。彼らのコースはバイクに乗る訓練を受けない。他のバイクに乗るコースの生徒は、僕や彼の年代からバイクは支給されるのだ。バイクに乗るライダーコースだったら死ななくて済んだかもしれない。いや、いずれまだ訓練用のベルト(変身に成功した状態か、という判定しか出ず、変身そのものはできない)しか持たされていないから、居た現場の状況によっては、僕もバイクに乗る前に死んでしまったのかもしれないな、と思う。
家の隣が映画館になっている。幼馴染数人が交代で上映作業をしたり、諸々の販売をしている。私も彼らも中学生ぐらいの姿をしている。
彼らは私の家で食事を取ることになっている。支度が出来たので呼びに行くと今日は1人しか居なかった。
「参ったよ。今日俺一人でさ。なんか気味が悪いよ。ほら、そこの蛍光灯の下に行くと必ず暗くなるんだ。呪われてんだよ」と妙に怖がっている。いつも来ている場所なのに、と思い「そんなことあるかぁ?」と言いながら蛍光灯の下に立ってみる。確かに暗くなるが、霊的なものとはまったく思えない。どうも蛍光灯が古くなっていて、ちょっとした静電気でも影響を受けて暗くなるのかも、と思い、髪を下敷きでこすってもう一度立って見る。完全に消えた。幼馴染はさらに怖がっていたが「静電気だよ」と説明すると少し落ち着いたようだ。が、まだ「呪いかも…」とぶつくさ言っている。
食事のときは映画館で売っているジュースを彼らの分、私の分持っていっていい決まりになっている。が、今日は何も無い。ジュースだけではなく、本当に何も無い。「なんか今日おかしいんだよ」と彼が言う。食事休憩の時間には決まりがあるため、ひとまず彼を先に家に帰らせて、ジュースは近くの酒屋で私が買って帰ることにする。
少し先の酒屋に着く。と店の中が妙に箱だらけだ。「ジュースなんか無い! もう無い!」と店のオヤジが妙にキレて怒鳴っている。倒産でもしたのか、と思いつつ、さらに先へと進む。
長屋のようなところについた。ここは小さな「店と住居を兼ねた」建物が密集しているエリアだ。ここで買ってもいいし、この先は大きな市場があり、周りに店も多いからそこでもいいし、と思い、路地の隙間を抜けていく。途中、集会所のような畳敷きの広い部屋(他の建物に比べて不自然なほど広い)を通り抜けると滅茶苦茶近道になるため、声をかけて通らせてもらおうとする。顔見知りの中年男性が「おーいいぞ通りなよ」と笑っている。この人はいつもここにいる。仕事をしているのかしていないのかわからないが、商店の人たちからの人望は厚いようだ。
礼を言って通り抜けようとすると雨。まずいことになった。この雨は酸度が非常に高く、もはや「酸性雨」と呼べるレベルを遥かに越えた危険な雨だ。しかも、この雨に触れることで皮膚はただれ、最後には命にかかわることもあるのだが、雨がある程度の地熱で暖められると霧のようなガスが出る。このガスを吸うとなんとも幸せな気持ちになる、というのでそれを楽しんでいる人間や動物たちが居るのだ。正式な名前は凄く長いので、街の人は皆「麻薬雨」と呼んでいる。この季節はガスが大量に発生しやすい。危険だ。
商店の人々が集会所にどんどん集まってきた。さっきの中年男性が「ホレ。これをつけろ。雨戸を閉めるのを手伝ってくれ」と使い捨てのガスマスクのようなものを渡してきた。見ると周りの人もそれをつけてどんどん雨戸を閉めている。なるほど、ここは避難所も兼ねているのか、と思いつつ手伝う。
雨がやみ、ガスも引いた。今だ、と思うが、皆の靴がたくさん散乱していて見つからない。と、やはりさっきの中年男性が「ほら、お前の靴はこれだろう?」と持ってきてくれた。なんでもお見通し、という感じ。だから人望が厚いのだろうか、と思って礼を言うと「また降るかもしれない。もうひとつマスクを持っていけ。だが、このマスクは持って5分だ。遠くまで行くなよ」とのこと。ありがたく受け取り走り出す。
市場の外側の商店の並びに駄菓子屋があるはずだ。そこがある通路に駆け込む。と、ジュースは品切れだとのこと。少し先の店にはたくさんあるし、よく冷えているからそっちがいいよ、とおばさんに言われる。狭い通路を進む。ジュースは買えた。保冷剤まで入れてくれた。礼を言って、通路を進むか、戻るか考える。狭い通路を戻るより、一度外に出て少しだけ壁を回り込んだほうが早い、と判断して先に進む。ひどくくもの巣が張っているが手ごろな棒があったのでそれで巻き取るようにして外す。すでにくもの巣がくっついていたので「ソレ用」に置いてあるものかもしれない。
外に飛び出そう、と思った瞬間、目の前には霙のような豪雨が降っていた。まるでカーテンが波打っているかのような高密度の豪雨。ここに居てマスクをつけていても5分しか持たないなら、出るべきか、と思っているとさっきの店のおばさんが分厚い雨合羽を貸してくれた。ジュースも小さな箱に入れてくれた。「行きなさい。あちらの避難所まで行けば、大丈夫だから。あのおじさんに頼めば無事に家まで帰らせてくれるよ」とのこと。やはりあのおじさんは只者ではないのか、と思い、礼を言って飛び出す。
道端にはどこから来たのか、大きな象やカバ、セイウチのような動物が横たわっている。いや、かつてその動物だった、と言えばいいのか。ほぼ原形をとどめないほど溶けている。口の周りの骨が見えているが、笑っているように見えるし、うなり声もなにか快感にあえいでいるような響きだ。
派手な色のビニール合羽を着て踊るように小走りでくるくる回っている女が居た。メイクも奇妙だ。なにか演説のような話し方をしているが、聞き取れない。前にこの麻薬雨を天からの恵みと吹聴している新興宗教があるとニュースでやっていたが、こいつらのことだろうか。関わりたくないのでとにかく走る。
避難所に着いた。おじさんが「おー連絡を聞いたぞ。うん。こっちの新しい雨合羽に着替えるんだ。それでな、あの若いねえちゃんの後を着いていけ。薬を撒きながらお前の家までのガスを消していってくれるぞ。映画館の隣だったな。よし、行け」と。確かに若い女性がなにやら特殊部隊のような重装備で立っている。「さあ、行きましょう」とヘルメットを被った。はい、と後を着いていく。
彼女は道にビー玉より少し小ぶりの、様々な色の球体を撒いていく。シリカゲルに色をつけて巨大化したような感じだ。ガスがどんどんその球体に吸い込まれていく。「黒くなった薬には触っちゃだめよ」と叫んでいる。ガスを吸い切ると黒くなるのだろうか。
以下は断片的なメモとなりますが「そういう状況が、多少の絵柄が変わりながら順不同に延々と繰り返される」夢でした。見ていて(寝てて)なんか疲れました。
○基本の舞台、状況
会社で働いている。小さなネットコンテンツ制作の会社。社員は全部で3人。
会社が借りている建物は、古い学校に増築を重ねた建物。少子化の影響で「ひとつの学校」としては機能していない。建物の1/3ほどが賃貸オフィスとなっている。残りの部分は大学の研究室だったり、高校の特殊な学科だったり、生徒数の少ない小中学校だったりと、これもまた「賃貸学校」のようになっている。そのため、校舎の中を歩いていると、すれ違う人々の服装や雰囲気があまりにも雑多であるため、学校や会社というよりも、ショッピングモールを歩いているような気持ちにさせられる。増改築を繰り返したため、廊下の途中や曲がり角に小さい階段があったり、棟と棟の間の渡り廊下のようなもの(やはり階段になっていることも多い)がところどころ途中で壊れているところも多く、移動がややこしいことになるうえに危険でもあり怖い。
悪条件が多いがそれでも借りているのは、家賃が異常に安いことと、いくつかある体育館の1/3をやはり格安で常時占有できる契約を結べたためだ。
○パーツ-1:望まない仕事/なんでウチなんですか?
これは、詳細は都度違いますが、何度も見ている夢です。私が過去に体験した仕事上の「困った状況、気分」を元に作られた夢なのだと思います。実際にこれと同じような事実があった、ということではなく「困った感」の象徴(?)というのか。
事務所に入ると、若手のO君が「○○社の××さんが打ち合わせに見えるそうです」とのこと。事前になんの連絡もなかったので、なんだろうと思っているうちに到着された。ポスターのような大きな資料をいくつか持っている。「■■もそのうち来ます」 あ。■■さんが来るっていうことはまた変なお話なんじゃないか、と反射的に思ってしまう。ありとあらゆる学校関係の文集や、感想文作文の入賞作集などを読むのが趣味という方で、私が小学生のころに書いたものから知っているのだ。「キミには文才があるよ!」といつも言われるが、そんな昔のもので判断されても困るし、それに持ってきていただく仕事も文才とか一切関係ないものばかり。というよりも、そもそもそれってウチに頼むべき仕事なんですか? というものばかりだ。いやな予感がする。
■■さん到着。悪い予感は的中。学校案内の制作だという。
「お話をいただいて大変に恐縮なのですが、弊社は現在そのような仕事をお受けしておりませんので…」
「昔はやっただろう。出来るでしょう?」
「昔は出来たとしても、当時とスタッフの職種も数も異なりますので、出来なくはございませんが、紙モノ専門の制作会社様ですとか、編プロ様のほうが円滑に…」
「予算はさあ、全然ないのね。撮影とかできないんで写真はアリもので」
さあ始まった。話がまったくかみ合わない。
○パーツ-2:トイレに困る/ありえない
これも状況は異なるものの、以下に出てくる「トイレットペーパーの問題」という部分は過去にも何度か見た夢です。
トイレに向かう。ここの建物は社単位でトイレを持っていない。建物のオフィス部分にあるトイレを共用している。が、なぜか故障中のまま放置されているトイレが多く、使えるものはたいてい大混雑している。
できるだけオフィス用のトイレを、と言われているが、学校部分のトイレを使ってもよいことにはなっているので、そちらに行って見る。
歩きながら「でもまたおかしなことになってんじゃないかな」と思って一番近いトイレに。オフィス部分のトイレは各社が共益費を出し合い、管理会社に委託しているので凄く綺麗だし(いつも混んでる以外は)問題がないのだが、学校側は比較的汚いのだ。
最初のトイレ。便器が割れているものが多い。というか、ホースで水をまいて裸で走り回っている幼稚園児みたいのがたくさん居る。ここはトイレとして機能していないのか。書いておけばいいのに。
別のトイレ。廃墟のようになっている。泥水や瓦礫、木片などが散乱している。これはダメだ。
さらに別。ここは問題がなさそう。シャワートイレだし。水は…ちゃんと流れる。あ、紙がない。まったく無い。どこかで紙を見つけてここに戻ればいいか。
別のところ。全体に汚い。掃除していないというかどういう使い方してるんだというか。紙だけ持って行こう、と思うと、トイレットペーパーに汚物が付着しているものが非常に多い。どういうことなんだ? 誰がこんなことを? と思いまともなものを探すが、なにやらびっしょり濡れていたり、動物の死骸と思われるものが挟まっていたりと滅茶苦茶だ。
一度オフィスに戻って、コンビニに行ってトイレットペーパーを買って、さっきの綺麗なトイレに行くしかないか。
○パーツ-3:インク汚れと奇妙な流行/つかおかしいのはキミたちだろう?
「予算も時間もないけどさ、やってよ」
まだ言っている。それであればなおさら人数の居る紙系の制作会社に依頼するべきだろう。ウチはネットの会社で、まともにデザインの出来る人間は1人しか居ないし、いま別案件でぱんぱんだし。
なんでいつもこういう言っちゃ悪いがおかしな話ばっかり持ってくるんだろう、と思いつつ、おもちゃの万年筆をいじる。これはちょっとした武器になりそうなほどの長さと太さ、重さがあるものだが、インクは入っているし、ちゃんと書ける。誰かのおみやげだったような、誰だったかな、と思いながらいじる。と、軸のつなぎめが上手くはまらなくなった。ネジが壊れたのか? いや、壊れてはいないようだが、と思っているうちにインクがぼたぼたと落ちてくる。赤インク、着ているのは白い服。こりゃマズイ、と思い「ちょっとすみませーん」と席を外して手洗い場に行く。書類入れのトレイをO君が空にして渡してくれたので、それでインクを受けながら歩く。
元が学校なだけに、あちらこちらに横長の手洗い場がある。着いた。女子中学生みたいのが3人ほど座り込んできゃーきゃー言っている。なんだろうと思いつつもそんなことを気にしている状況ではないので、ひとまずトレイを置いて水で流す。と、「ああーっ!」と大声。非難めいたニュアンス、というより「なにやってんだよ!」とか罵声を浴びる。は? と見ると、なにやらおたまじゃくしのようなものや、妙にパステルカラーのイモリみたいなの(けっこうでかい)が水をためられた手洗い場でばたばたもがいてる。ちょっとしたら死んだみたいだ。
「なにしてんだよオッサン!」とか言われる。「何やってるってここは手やなにやら洗うところだし。ここはオフィスのブロックだから、キミ達来ちゃいけないだろう」と正論を言ってみるがぶーぶー言われるばかりだ。オフィス側の人間は近道やトイレの都合で学校側に入ることが出来るが、学校側からは入れない仕組み(電子式入館証)になっているのだけど、最近どうも中学女子みたいのが多い。この遊びをしたいからなのだろうか。変なものが流行ってるもんだ。っていうか実際部外者に入られてはまずいんだけど。
○パーツ-4:危険なダーツ/ってか先生とめてくれないと!
あ、今日ってウチの練習会の日だ、と思いだす。ウチの会社が占有している体育館のスペースはソフトダーツの筐体を数台入れ、ハードボードも設置している。平日はオフィスブロックの人々や、外部の人も夕方からは投げられるようにしてある。週末は大会に貸したりしている。結構広いし、ビールなどの自販機も入れていて、平日は入場料を取っていないので、実は結構人が入ってそれなりに利益は出ている。バイトも2人雇っている。
毎週この曜日は私が所属しているチームの練習会があり、台2台を占有して練習をできるようにしてある。早い時間から来るという人が居たので、見に行ってみる。
すでに何人か投げていた。他の会社の人や、他のお客さんも結構入っている。挨拶をしつつ「仕事片付いたら来よう」と思っていると「わー」と喚声が聞こえた。なんだ? と振り返ると、小学生の群れ。学校側のスペースとの区切りのネットをくぐってなだれ込んできた。ちょっとちょっと、と思ってるうちにハウスダーツをわし掴みにしてばんばん投げ始めた。ゲーム中の台だろうがハードボードだろうがおかまいなしに。何やってんだ! やめろ! と怒鳴りつつ「先生はどこだ?」と探す。と、先生も一緒になってやっている。なにやってんだよ、と思う。とめるどころか率先してやってる感じじゃねーかよ、と。だから鍵のかかるドアと高いパーテーション入れさせろってアレだけ言ったじゃねーかよ、酒も売ってんだしよ、といやーな気持ちになる。「ボールや児童がぶつかると逆に危険」と校長に押し切られ、網目の細かいネット買ったのに。いわんこっちゃねえよ、と思う。
※えー、基本的にこのようなものが、細部のディテールを変えながら延々繰り返されていく、という夢でした。なんか、寝た気がしないです。ストレスたまったというか。
ある研究室のようなところに行く。ダブルベッドが2つある。片方にはチェ・○ウにそっくり、というかそのままではないか、というような女性が、もう片方には同じく長谷川○子そっくりの女性が眠っている。違いはといえば、肌の色が随分と白いように思われるぐらいだ。研究員風の男性が説明をしてくれる。
「これは?」とたずねると
「離婚請負抱き枕、という開発中の商品というか、システムというかそういうものです。見た目については、まあ、それぞれのご本人がある病院に検査などでかかったときに、こっそりと3Dスキャニングを行いまして」とのこと。こっそりと、という割には堂々とした態度だな、と思っていると
「離婚請負抱き枕には大きく3つの機能があります。ひとつにはユーザーの不安を取り除き、安眠させる働き。これにはいわゆる“添い寝”“男性を抱きかかえて眠る”ことの理想的フォームを徹底して検証し、あらゆる状況下でそれを再現する能力を持たせてあります。また、医療に用いられる笑気ガスに類したものも発生する機能があります。そのほか微量の麻酔をユーザーの体内に無痛で注入する能力もあります。不眠による精神の不安定を完全に取り除き、逆に安らぎを与えるのです」
はー、と思っていると
「続いては、強い性的満足をユーザーに与えることで、妻あるいはそれに準じる存在を失うことへの不安を持つ必要はない、ということを経験させます。抱き枕のほうが凄い、ということで。まあ、細かいことは申しませんが、人類がいままで経験したことがないような、と申し上げられる水準の快楽です」
はあ。てかそれ枕じゃなくてダッチ…と思っていると
「最後はボディーガード機能。この抱き枕はベッド表面に接触している限り充電され続けますが、非接触状態でも3分程度は活動が可能です。離婚時のトラブルなどで、まあ、なにがしかの存在に襲われた場合、ユーザーに肉体的危害が及ぶことを防止します」
「え、これ、自力で動くんですか?」と聞くと
「色が普通の人間より白い、ベッドから離れて3分以上活動できない、15秒程度しか走れない、食事をしない、排泄をしない、ボキャブラリーが少ない。演技以外の感情がない、以外はほぼ人間と同様ですね」
えー? ま、マジで? 「あのー、ボディガードって、強いんですかコレ?」と聞くと研究員は少しだけニヤリとして「人類がいままで経験したことがないような、と先ほど申し上げましたが、ソレです」と。「は?」と聞くと「詳細は後ほど申し上げますが、ある機能と、まあ、手による刺激で暴漢は立って歩くことは不可能、といいますか、うずくまってしまうでしょうね。で、多少はじたばたするでしょうが、身体にそう力が入る状態にもなれませんので、ユーザーがガムテープなりで手足を拘束してあとは警察に、で十分な安全が得られるでしょう」とのこと。
そんなに凄いのかな、と思っていると
「もちろん、この抱き枕はユーザーにとって心のよりどころな訳ですから、暴漢を撃退する際に、まあ、暴漢に“自分と同じような行為”をしているところが見えてはよろしくないわけですから、それは配慮しています。見た目には“背中あたりを押している”ようにしか見えないでしょうね」とのこと。
実際に体験をして(一部の財界人しか読まない機関紙に)記事を書いて開発ファンドへの投資を募ってくださいとのことで体験してみることにした。「お好み次第ですが、こちらの韓国女優タイプのほうが、現時点で完成度が上です」というのでそちらにしてみた。
まずは眠ることにした。抱き枕に促されるままに抱かれてみると、あっというまに熟睡した。起こされた。30分寝ていたのですよ、と微笑んでいる。こりゃ確かに癒される、と思っているといよいよソッチの実践に。
あらかじめ「30秒で止めます」と研究員に言われていたが、30秒でこんなに、というか「モータードライブでも付けたような」連射っぷり。死ぬんじゃないか、というかこのまま死んだら最高の死に方ではないか、というような快楽。抱き枕に身体のあちこちを拭かれたあと、また研究員と話をした。
「いかがでしょうか」
「いや、安眠もそうですが、快楽のほうがものすごいというか、どういう仕組みですかアレは」
「いわゆる性的な“テクニック”に関しては、あらゆる国と地域からのアンケートや映像、まあ、その道のプロのデモンストレーションの技術を数値化し、すべて再現できるようになっています。また、皮膚や粘膜に相当する部分の温度、素材についても現時点で最高と思われるものを使用しています。その他にやはり医療用の麻酔のようなものも、中毒症状がないものをさらに薄めて使用しています。また、これが独自技術ですが、先ほど皮膚などの素材、と申し上げましたが」
「はい。しっとりとしているというかなんとも普通の皮膚とは違うような」
「ええ。アレなんですが。といいますか、あの抱き枕自体が、遺伝子技術とロボット工学で生み出された、新種の生き物で出来ています。正しくは“アンドロイド”というべきでしょうか」
「あー。抱き枕そのものが、ですか」
「いえ、そうとも言えますが、厳密にはあの抱き枕はそれらの莫大な数のアンドロイドが終結して作られた形、なのです」
「えーと。イマイチ分かりませんが…」
「ですよね。あの、ざっくり申し上げますと、数百兆単位の数の小さくて白い蛇のようなアンドロイドが集結とというか束になってあの形になっているんです」
「えー!?」
「太いものでうどんぐらい。その太さ長さにも数万単位のバリエーションがあるんですが、細いものですと髪の毛より細い。髪の毛の1/10以下の細さのものもあります」
「そ、それによって? あの…さっきの…“身体の穴という穴に何かが入ってきたような”感触が…?」
「その通り。まあ、あなたが“穴”と意識されている部分はもちろんですが、眼や、毛穴、頭皮の毛根などの穴からも一部入り込んでいます。もちろん、身体には一切損傷はありませんのでご安心を。逆に一部エステ効果もあるぐらいです」
ほえー。こりゃ驚いた。それでさっきのような「超連射モード」に…。
「抱き枕を使用する際には、いろんな初期設定というか、ユーザー認識他諸々の段取りが必要なんですが、そのひとつに“マジでギブアップ”という意味の言葉を設定します。ユーザーがそれを言えば行為は終了しますし、その時間や、ユーザーの好みによって枕も優しげだったり、ちょっとSっぽいリアクションをしたりもするんですが、それ以外に抱き枕側で“これ以上は危険”と判断した場合、行為を中断する機能もありますので安心です」
「そのモニタリングの意味もありあちこちに管というか蛇的なものを挿入するためにそれらによる構成を? あ、あと暴漢撃退の際に薬物等をスムーズに注入するために?」
「もちろんそれもありますね。あとはまあ、結果としてこのやりかたが一番諸々を高機能化できたし、肌触りとかもベストの数値が出たんですが、最初は当研究所所長の“ミミズ千匹どころか蛇千万匹”を目指せ、とかそういうシモネタってか駄洒落っぽいものからのスタートだったりはするんですがね」と研究員。
はー、とかいいつつ「でも、もし眼を開けている人がいたら凄い絵柄に」と思っていると「眼はですね。いままでの被験者で“あけていられた”人は2人だけです。母数は1000人単位です。で、何度か申し上げた医療用のガスや麻酔的なものプラス、抱き枕により注入されている電気信号により、幻影を見ているような状態になりますので、まあ言って見れば“普段の抱き枕よりほんのり桜色”ぐらいに見えているわけで」
「枕ながらも行為に没頭、という演出ですか」
「ええ。あ、もしご覧になりたいなら、先ほど体験していただいた状況を撮影したVTRをご覧になりますか?」
記事を書く上では見たほうがいいのだが、ちょっとなあ、と思いつつなんとはなしに先の抱き枕のほうを見ると、毛布にくるまってこちらをにこやかに見て手を振っている。しかし本当に「結構色白」ぐらいしか人間と見た目が違わない。あーアレがすごいことになっているのは見たくないというか悪夢を見そう。なので断る。
「やあ」
店の入り口に片手を斜め上に突き出して女が立っていた。4歳ぐらいの男の子を連れていた。
「やあ、って…」と私。
「座ってもいいよね? 相変わらず流行ってるの?」
「…まあ」
「私ビール。この子はオレンジジュース」
「…ああ」
彼女とは3年ほど一緒に暮らしていたのだろうか。最初はネット上で交流していた。彼女が運営していた写真関係の個人サイトに私が書き込みをして、実は彼女も私の個人サイトをずっと読んでいたということが分かり、交流が始まったのだった。
当初はもちろんネット上だけの関係だったが、やがて彼女の写真、私のショートストーリーのようなもののコラボサイトを作るようになった。彼女の写真はオブジェを作ったり、または街にあるモノや人を「斜めに」とらえるアングルが最大の特徴だった。正方形にトリミングをして仕上がった写真のすべてがその対角線でくっきりと区切られた写真を撮る。サイトの名前は「スラッシュ」だった。
そのサイトがある編集者の目にとまり、週刊誌への連載と、写真集的な書籍の発行を、という話が出た中で初めて彼女に対面した。それまでは勝手に“男勝り”“アーティスト気取りの”的な先入観があったが、会って見てあまりに「女性的な魅力」にあふれている女性だということに驚かされたものだった。写真の勉強を特にしたことはないというし、使っているのも普通のデジカメとコンパクトカメラだけだったのにも驚いた。
一度会ってからは、家が結構近い、ということもあり、週に1度ぐらいは会うようになった。お互いに初対面時に「思っていたより…」というのがきっかけだったと思う。いつのまにか私の部屋から彼女が出勤することも増え、そのままなし崩し的に同居が始まった、ということだった。
恋愛の対象としても、仕事とは違う面での活動のパートナーとしても結構うまく行っていた。同居してから1年ほど経ったころ、我々の行きつけのバー、名前は別にあったが「坂の上」と呼んでいたこの店を私が買い取ることになった。前オーナーが身体を悪くしてしまい、仕入れや通勤などで坂の下と上の行き来がきつくなった、とこぼしていたのを聞いた彼女が「だったらこの人にやらせればいい」と冗談めかして言ったのが本当になってしまった、という感じで。我々のサイト名、かつユニット名であったことと、街の地形にちなんで「スラッシュ」という店の名前にした。
我々が暮らしていたこの街は、十数年前の大地震で「ありえないほどの急勾配」な土地になってしまったのだそうで、そこを再開発した際に「段々畑」状に高層住宅やオフィスが立ち並ぶ形になった。しかしその「てっぺん」あたりの土地だけがフラットなまま残り、この「旧坂の上」もそこに立っていた。3階建てで1〜2階が旧坂の上と別の雑貨屋、上にオーナーの家があったのだが、やはりオーナーが高齢で「不便だ」ということで格安で買うことができた。もちろんまだローンは払っているが。
不便だ、とは行っても商用貨物専用のケーブルカー、観光および一般通行用のエスカレーター群、他の土地に通勤する人々用の超高速モノレールなどもありそう不便ではないが、なにしろ高齢だということと「スラッシュ」から50m先ほどで断崖絶壁になってしまったこともあり「かつてのこの街を知る」人々には「居るのがつらい」場所になったというのが本当のところかもしれない。
以前勤めていた企画会社よりは水商売が性にあっていたのか、それとも壁の1面を特殊アクリル加工に改装して彼女が撮った「スラッシュな」写真で埋めたのが効いたのか、店は予想以上に繁盛した。雑誌やドラマの撮影にもよく使われるようになり、その効果もあってか「起きている時間と仕入れ以外は常に店に居る」ほど忙しくなった。向かい側の小料理屋の主人とともに仕入れに「下の街」への行き来するときに雑談をする以外は「お客さん以外としゃべる」こともほとんどないほどだった。彼女はまだ以前の会社に勤めていたので、生活時間帯もズレが出ていたし。
そんなある日、編集者と一緒に店に彼女が帰ってきた。新しい企画の相談を、というので翌日彼女が休みであることもあり、深夜というか明け方に閉店した後、3人で話をした。
簡単に言うと「まったく撮りおろし、書きおろしで新しい書籍を出して欲しい」という話だった。しかも、国内を旅しながら「日本」をテーマにしたもので、ということ。
「お話としては面白そうなんですが、店が…」という話をした。と、編集者が
「それはまったく仰られるとおりです。で、ご相談ですが、来週からでも私どもが“この人なら間違いない”と選んだ女性2名のバーテンを連れてまいります」と。
要はしばらく彼女らを使ってみて、問題ないと判断したら1ヶ月間店を任せて、その間旅行と撮影と執筆を、という話だった。店の売上は通常通り「スラッシュ」の収入となり、彼女らの人件費は一切出版社側で持つ、とのことだった。
条件としてはまあ悪い話ではないと思った。彼女の気持ちを聞いてみると
「ぜひやってみたい。会社もちょうどボーナス休暇を使える勤務年数になったのし」とのこと。
では、ということで1ヶ月の準備期間兼、バーテンダーの試用期間が始まった。2人、とだけ聞いていたが実は双子だった。バーテンダー用のベストを着ているのだが、赤と黒の色で見分けるしかないほど似ていた。口元のほくろの位置が左右対称なことに気が付いて、それも見分けの材料になるか、と思ったが、それは「見分け用に」とある時期から始めたメイクだそうでたまにメイクやベストの色を交換して私が混乱するのを見ては笑っていた。そんな私たちを見て彼女も笑っていたが、後にして思えば作り笑いだったのだろうか。
「美人の双子バーテンダーが」ということで、さらに客は増え、開店から閉店まで満員、立って飲む客や外で飲む客までも、ということになってしまった。まあ、これほどの客をさばき、性格面もまったく問題がない、ということで、そういう意味では安心して撮影旅行へ、と彼女と出発した。
最初の数日間は「疲れがあるから」と彼女が気を使ってくれてスローペースで移動、撮影をしていた。2週間目からは私もだいぶ元気になり、いろいろなことを話しながらストーリーのネタのきっかけに、と思っていた。
しかし、初日からなんとなく感じていたことだが、以前のように彼女との会話のやりとりが出来なくなっていた。共通の話題がほとんどない。同じ家で暮らしていながら「2部入れ替え制」とでもいうような生活になっていたせいか、同じものを見ていない。テレビやそういうもの、という意味だけではなく、人生のすべてにおいて彼女と私はすでに同じものを見ていないのか、そんな感じさえした。会話もぶつ切りになるというか、ひとつの話題について二言三言やりとりをすると、その先が続かなかった。
編集者からは「今回はロードムービーのスチル版のような」という提案があり、それをリアルな時系列で撮影し、書く、という行為をしていた。やがて、お互いの写真や文章に「男女のすれ違い」のにおいがし始めた。私はストーリーの流れを変えようとしたが、そうしようとすると手が止まってしまう。彼女が撮った写真にも、いつもの「クールな構図だが人間味にあふれる」という特有の作風という感じではなく、暗い色や空気が感じられた。
あと2日で撮影が終わる、という朝。ベッドに彼女の姿はなかった。置手紙もメールも何も無かった。が、彼女が自分の意思で消えたということは分かった。その旨たずねるメールを出したが、アドレスが変わっていた。携帯そのものもすでに解約されていたようだった。
私は残りの2日間は予定通りの場所に行き、ストーリーを書き続けた。1人になることが予定通りだったかのような自然さで。家に帰ると、彼女の服や、大切にしていたものが無くなっていた。
不思議なほど、彼女を探そうという気にはならなかった。本当に気が付かないうちに、私の中から彼女への愛や、いろいろな思いが「無くなっていた」のだと思った。嫌いになったとかそういうことではなく、ただ「無くなっていた」。彼女はそのことに撮影旅行中に気が付いたのか、もっとずっと前に気が付いていて、最後の2人の作品と時間のために旅行に行ったのかもしれない。いや、たぶんそうなのだろう。
数日後、残りの写真が送られてきて、本は無事に出版された。「新しい作風」ということで絶賛されたが、その評価のほぼ100%が彼女の写真に対してのものだ、ということは肌で感じた。直接酷評されては居なかったが、私のストーリーについては否定も評価もされていない、という感じで。もしかしたら編集者が手を回していたのかもしれない。数年前から、いや、最初からうすうす気が付いてはいた。世間や編集者が求めていたのは彼女の才能であり、私は「スタイルとしての新しさ」のための人間だった。私でなくてもよかったのだ。いや、世間ではなく、彼女にとってもそうだったのか。作品にも生活にも私が彼女の相手である必要が無かったのかもしれない。そんなことも思った。
双子が店を去ってからも、店は順調だった。客として2人で顔を出してくれることもあった。半年ほど後、ある日1人でやって来たほうと関係を持った。しばらくそれは続いたが、突然に「時々2人が入れ替わっているような」気がしてならなくなり、関係をやめた。後で編集者がちらっと口を滑らせたのだが、やはりそうだったらしい。
「うまい! やっぱりあなたの生ビールは日本一だよ。で。帰ってきましたよ」
「は?」
「突然の失踪からちょうど5年の歳月を経て愛しい私が帰ってきたわけですよ」
「は」
「冷却期間と申しますか。まあ、頭を冷やして考えて。やはり私にはあなただと思いまして。で、まあ3年間ほど米国で写真修行もしまして。写真、語学、料理と女を磨き上げて再びあなたの愛を独占しようとさっき帰国」
「はあ」
「ダメでしょうか。ま、まさかあなたダマで結婚とか…」
話が急に飛ぶのは昔のままだ。そんな彼女のものの言い方を聞いているうちに、私の中にも彼女に対する気持ちが普通に、それこそ「やあ」とでも言うように帰ってきたように思えた。
「その子は?」
「っていうかまず明日病院でエイズその他の病気の検査をしてちょうだい。私はあなたをそこまでは信じてない。ていうか期待してないし。いいから別にソレは。双子でも三つ子でも誰とでも何回でも結構」
「いやいや。まあ、その」
「で、健康チェックと同時にDNA検査をしてちょうだい。この子と私も。あなたはデータがないと信じないだろうから。で、認知よろしく。入籍とかは別にすぐじゃなくていいし。ヤだったらいいし。もち子供が居る以上、私以外との結婚はちょっと困るってかそれはぶっちゃけ腹に据えかねますよ、と」
「はあ?」
「えー。実は最後の数ヶ月。あなたをだまして妊娠にトライしていました。子供が出来るかどうかも、1人になっての時間であなたのことをどう自分が思うだろうかも、そのどっちも賭けだった。賭けてみたかった。うん。で、この子は正真正銘あなたと私の子供です。DNA検査で証明されますけどね。私は他でそういうことしてませんから5年間。あ、申し訳ないが名前は私が付けさせてもらった」
なんだかよくわからないが、彼女らしいといえばらしい。というよりまあ、全部本当の話だというのは分かる。嘘をついているときの顔じゃない。しかし子供とは。まあ、いきなりすぎるが、そう悪くない気がした。
「あ。この子日本語ほとんど喋れないから。親子の会話は原則英語でよろしく」
「へ?」
※バラバラとしか覚えていないのですが…。
学校に行く。雨が少し降ってきたが、何とか校舎に入るまではパラパラで済んでセーフ、というところ。と、何名かの教師と生徒が「モノを運ぶのを手伝って欲しい。授業は出なくても学校行事扱いなのでOK」とのこと。今日は午前中だけだし、たいして大事な授業も無かったはずなので、手伝うことに。
モノ、というのは校舎に大量に吹き込んでいた枯葉。それを一箇所に集めたので、捨てに行って欲しいということ。焼却炉まで何度も往復する。
と、雨がすごく強くなって、風も酷く、しかも暗くなってきた。入り口に傘がいくつか立ててあり「後で返せばよい。どうせ授業中なんだから外出する奴はいない」との教師の指示で、それをさして枯葉を運ぶ。非常に効率が悪い。あげくの果てには雪になった。これは無茶だろうと思うが作業は続行。スキーを履いてまで続けた。こうまでしてやることか? と思う。
翌日「神奈川の小さな島に雪が積もっているというので、スキーなどができる雪質か調査して欲しい」というので、以来元の調査会社の女性とともに電車で向かう(この段階で先の“学生”という設定は消えていた)
渡しのモーターボートで着いた島は非常に小さいものだった。200Mトラックぐらいの大きさしかない。雪質がどうの、というよりスキーをするべき場所ではないような気がした。勾配があるわけでもないし。
が、一応滑ってみる。ボードも持ってきたがまずはスキーから。雪質が細かくて締まっているのか、きゅーきゅーと音がする。滑りそのものは良くない。手を突いて雪質を確かめてみる。固まっている? いや、なにか餅か山芋を摺ったような、というか、いや、これはクッションの中材みたいだな…と思ってなにげなく掴んで持ち上げるようにしてみるとかなり遠くまで「べろん」と雪が剥がれた。やはり化学繊維で作ったなにがしかのマットのようなものであったらしい。
島の端のほうにはかすかに本物の雪があった。地元の人が名物にでもしようと工作したのだろうか。
またボートに乗って、ボートの管理小屋のようなところで着替えて帰ることに。調査の女性が「このまま帰ってもつまらないので。連絡そのものは“偽モノの雪、マットのようなものが敷いてありました”との電話一本で済みますから、ちょっとみんなで飲んで帰りましょう」とのこと。
みんなって誰だろう、と思うと、スキーやらアウトドアレジャーの場所を調査する調査員仲間だった。男女交えて7.8人というところ。誰かが「ラブホの無料券持ってるからみんなで行こう!」と言い出し、周りが賛成している。いや、行くのは別にいいが、皆でそこで何をしようというのか、と思った。しかし、みなその方向でもりあがっているので、それはそれでいいか、と後をついていく。
「三角、または3をモチーフにしたネットゲーム」を企画してくれと言われあれこれと考える。
・結構な設問数のアンケートで「趣味の合いそうな」3人組を編成。男女のいずれかが1名、という構成に。
・提携ECで条件を設定しての買い物で金額や買ったものが近い、あるいは同一だとチームポイントを獲得。
・食材や料理方法などをそれぞれの担当を分担して選び、メニューとしてきちんとしたものが出来るとチームポイント加算。
・3人で共同でブログを運営してもらうが、他のチームのをそれの書き込みなどを見て「このチームはマジで三角関係」と思ったら持っているチームポイントのすべてを賭けて「見破りトライ」をすることができる。当たればチームポイントは3倍、外れれば三倍分マイナスに。
だいたいそんな感じのもの。「難しすぎるわりにはたいして面白くない」という評価を受けたが「まあテストしてみましょう」という意見もありデモ版を公開する。自分もテストプレイヤーになってあれこれと行う。実は自分のチームも三角関係になってしまったが、そのうち1人がその事実を知らない。「見破りトライ」をされてしまったときは「正直に答える」のがルールだが、ウチの場合1人がそれを知らないし、知られるとかなりシリアスにヤバイ状況になる。どうしたものか。なにか理由をつけてテスト版から自分が降りる方向にしたほうがいいかもしれない、と思う。
その他にも微妙な悩みがありつつ、という感じで、ちょっと郊外のある娯楽施設に息抜きをするためにでかけることにした。前から仕事の後輩に誘われていたこともあり。
対外的にはには「健康ランド+ボーリング+漫画喫茶」のようなものなのだが、まあ、裏の顔というか半ば暗黙の了解的に「他のお楽しみ」があるというところ。マッサージのサービス、というのがソレに当
個室用のカードキーなどを受け取っていると後輩が「僕からメールがあるまでは何もしないでくださいね」という。なにか説明があるらしい。案内された部屋は体育館のような大きさで、真ん中に通路があり、両端に5階建てのように小さい個室が並んでいる。中は成人男性なら直立して歩くのは厳しい、というぐらいの天井の低さだ。
と、携帯にメールが来た。後輩からだ。「まず、この2つのURLからアプリをダウンしてください。2つとも同時に起動させておけますから、立ち上げたら携帯ホルダーに戻してください」とある。携帯ホルダーというのは各個室の壁にある充電器のようなものだ。
支持通りにする、と。個室にいくつかある液晶ディスプレイのひとつに後輩の名前と携帯番号が出た。タッチパネルになっているので「出る」という操作をする。と後輩の顔が映った。
「まずはこの仕組みについて説明します。これはこの建物の中にいる人同士で、携帯のアドレス帳に登録されている同士の無料TV電話通話ができる装置です。アドレス帳に入っていれば他の人から画面上で確認できてしまうので、イヤなら外しておいてくれ、ということになっていますが、実際この装置を使ったほうが得なことがあります。それがさきほどのアプリです」とのこと。はいはい、と聞く。
「まず、この店のシステムですが、女の子たちは胸の名札に“8千円”とか書いてありますが、アレは基本料金です。“手で”ということの料金です。あと、手書きのメモのようなものに“+5 +8(友)”とか書いたのをその下に貼ってあったり口頭で“プラ5、プラ8 友達”とか早口で言うことがあると思いますが、それは“手よりアレなソレ”と“最終的なソレ”の追加料金と思ってください。友達、というのは二つめの+の料金にその手前の+のサービスが含まれている場合の設定です。友達、がない場合はそれぞれの料金が個別扱いです」と。
えー入り口での説明は「そういうのは禁止。罰金」ということだったじゃないの? と思っていると「まあ、店も女の子も客も“知ってる人は知ってる暗黙の了解”みたいなもんなんですよね。でも、見つかるとマジ罰金です。それって経営側の臨時収入みたいなモンなんですよねー」と。へー、と思っていると「で、ときどき液晶に他の部屋の中が映りますよね? それって、まあ“見たり見られたりする”というお楽しみ要素というかハプニング要素なんですけど、それって実は監視目的でもあって。そこで見つかると罰金、と。それで、さっきの最初のアプリ、アレを起動させておくと、自分の部屋が覗かれる5秒前からアラートが出ます。で、覗かれが終わったら通知します。2番目のアプリを立ち上げておけば、万が一覗かれることを検地できなかった場合に、あらかじめ携帯で撮影した“何もしていない”ダミー映像を送り込むことが出来ます。20秒ぐらいの動画で良いんで、撮っておいてください」とのこと。
はーすごいもんだねえ、と言いつつ「でもソレって経営側にバレないの?」と聞くと「基本的にはバレてます。だけど、“その対策をしているかどうか”で、向うは“対策してるならしゃーないわな”というスタンスなんですよね。ここでの遊び方を知らない奴からはボルけども、とでもいうか」
ほー、と思いつつ、こいつ妙に詳しいなあと思い聞いてみると「やっぱバレました? ここって俺の友達が経営してて、さっきのアプリとかの仕組みは俺が作ったんですよ」とのこと。
「あとですね。今日は先輩や俺らの部屋には特別なサービスてかオプションをつけてあります。ここの女の子って、結構“いまは芸能活動してるけどその前はアレ”見たいな子がたまに働きに来るんですよね。特別な金額を支払うんでね。で、他の部屋でその子らがサービスしてる映像は全部フルタイム見られるようにしてあります。あと、必ず部屋の前に来るようになってますから、気に入ったらどうぞ、って感じです。あと細かい店のシステムはこれから案内ビデオ流しますんで見てください。あと、延長料金とか取られないようになってますから、5時間ぐらいは居ましょう。ではでは」とのこと。
ほうほうと思いつつ説明ビデオを見る。部屋の前を歩いていたり、カメラにアピールしている子が居たら液晶画面をタッチすると確認の後個室に入ってくる。5分以内にオプション料金を払ってサービスを受けるか、そのまま出て行ってもらうか決める、というのが基本らしい。
へー、と思っているといくつかの液晶パネルに映像が映り始めた。あらま。確かにバラエティとかでよく見る顔ばかり。へー、ほー、と思いつつ、ついずーっと見てしまう。案外安いな、とか、結構みな「友達」言ってるなあ、とか思いつつ。
朝起きようとしたら、何か様子がおかしい。天井が違う。はて、どこかに旅行にでも来ていただろうか、と思うが思い出せない。
鏡を見る。と、19歳ぐらいの時の自分に戻っている。これは本格的におかしいと思いつつ建物の中を歩く。建物は大きい。建築は結構洋風というか明治大正あたりに作られた洋風建築、という感じか。
なにがどうなっているか分からずに歩き回る。と、何人かの人とすれ違う。頭の上にオンラインRPGのキャラクターなどのように名前と死亡時の年齢、現在の体の年齢といったような情報が文字として見える。なんだ? 死亡時の年齢? 現在の年齢?
図書室のようなところに行く。面会室を兼ねているようで、思い思いに机を囲んで雑談をしている集団もある。「はじめての方へ」と書かれたコーナーがあるので、そこに行ってみる。途中、いくつかの家族がひとつの机を囲んでいる、というようなものを見た。頭に先の「情報」文字が出ているのは若い人間が多い。おばさんなどには出ていない。なぜだ?
案内パンフレットのようなものがあったのでそれを手に取る。と
「ここは“実際の寿命”より霊界の手続きミス、または管理しきれない不慮の事故などの事情により早く亡くなられた方のための国です。便宜上“半死者の国”と呼ばれています。簡単に言いますと寿命予定より早く亡くなられたことの悔しさを浄化して成仏していただくための場所です。半死者はその“寿命と死亡時の年齢の差”から算出された“現在の年齢”と表示される年齢までさかのぼった形の姿をしています。その算出方法は死亡時の理由などにより一定ではないため、一概には言えませんが、死亡時の年齢-現在の年齢=半死者の国に居られる年月、とお考えください。また、お互いにそれが頭の上に見えると思いますが、それを見ながら“死亡理由”という文字を心で唱えてください。そうすると相手の方のそれらの情報を見ることができます。自己紹介などによりご自分がなくなった理由を思い出したりすることで浄化の妨げになることを防ぐためです」
なるほどねえ。と思う。というか言われてみれば死んだ。交通事故だった。
さらに読み進めると
・遺族への面会はこの建物と向かいの食堂でのみ可能。遺族の誰に会いたいか、と頭に描くと向うからやってくる。遺族にとっては「夢」として処理されるため、向うが寝ている時間まで待つことになる。
・食堂は自分が居る建物とは別の建物に居る半死者も来るため混んでいることが多い。しかし、それぞれ食べたいものを頭に描いて歩いてもらうと、自分の名前が書かれたテーブルが必ずあるので、そこで座って待てばよい。また、自分で調理をしたい場合も、メニューと材料などを思い浮かべて歩いていると、名札の出た個室を見つけられるのでそこで調理、食事をしてよい。使った道具、あまった食材などは置きっぱなしでかまわない。別の半死者には見えていないため。
・顔見知りの半死者同士がほぼ同タイミングで同じものを食べたいと思った場合に限り、近所にその専門店が現れる。連れ立っていくことが出来る。ほかの半死者には見えていないので、会話に出た人以外は誘えない。
・半死者の一部には特殊な能力が備わることがある。俗に言う「超能力」的なものが多い。それで得られた情報は遺族には伝えないこと。夢とはいえ、社会的に影響力を持つケースが考えられるため。
・「もう十分浄化された」と本人が思い、委員会がそれを認めた場合予定の滞在期間より早く半死者の国を出て、死者の世界へ向かうことができる。逆に浄化が十分でない場合、滞在期間が数年延長されるケースもある。
ほー、と思う。まあ、あんまり考えてもしゃーねーわな、と思いつつ雑誌コーナーに行ってみる。普通に雑誌が置いてある。職員のような人が雑誌の整理をしているが、その頭上には天使の輪のようなものが見える。なるほど、これが「半死者でも遺族でもない」ことの目印のようだ。
ジャンプがあったので読んでみる。「いいところで終わった」漫画があったため、なんとなく「先が読みたいなあ」と思う。と、ページをめくると明らかに「次の週」のものが載っている。あれ? と思いつつ読む。次を、と思うとまた出る。思わないとそこで別の漫画に切り替わる。
これは、と思い、職員に「ここの雑誌は皆そうですか?」と聞いてみる。と、職員はちょっと驚いたような顔をして「あ…そうですか。あの、それ、違います。あなた様固有のそのような能力が出てしまった、失礼、出たのだと思います」とのこと。
ちょっと困ったような顔で小走りで出て行った。上司的な存在に報告、相談だな、と思う。どうやら書物に書かれていることの「その先」が見える能力が備わったようだ。他者に対しても、ある程度なら「いま何を思っているか」が直感的に分かってしまうようだ。
うーむ、と思う。「知りたいと思わなければ見えない」のは漫画で実証済みだが、やはり「知りたい」と思うのが人間ってもんだよなあ、と思う。
通路を歩いていると双子の姉弟が居た。「お兄さん事故って痛いの?」と聞いてきた。なるほど子供だけに「ルール」をあまり理解できていないようだ。遺族がすみませんと言っている。「いや、即死だったようで、覚えてないね」と笑ってみせる。確かに覚えてない。タクシーに乗っていたはずだが、多重衝突か何かだったろうか。
一度食堂に行って見ることにした。あまり腹が減っていないので何も考えずだらだらと歩く。となると、自分の席も個室も見つからないわけで。延々と歩く。ときどき個室焼肉店のような場所や、社員食堂のような場所を通る。よっぽど予定より早く亡くなった人が多いのか、みな若い。ある意味学生寮のように見える。
なんとなく「焼きそばを作る」と思ってみる。と、角を曲がると自分の名札がかかった個室が見えた。入ってみる。
8畳ほどの和室の片隅に台所、という感じ。冷蔵庫を開けると確かに焼きそばが作れそうな材料が入っている。が、なぜかくさりかけたきのこが入ったボウルがある。なぜだ、と思いじっと見る。と「遺族に会うことになるので食事は後のほうが」という考えが浮かんだ。ふむ。自分が欲しいと思わなかったものが現れた場合にそれを見つめると、なにかのヒントが得られるようだ。「先が見える力」の能力のひとつなのだろう。
住居のほうに戻ってみる。自分の個室に、と思うと、その前にある待合室のような場所に姉が居た。「焼きそばかお好み焼きを食べに行かない?」と話しかけてくる。姉がそのような夢を見て、こちらも先ほどなんとなく焼きそば、と思ったため、自動的に面会、という形になったらしい。
自分としては焼肉が食いたい、と思ったが、ちょっと遺族とあまり長時間話をしたいという気分では今は無かった。ので軽く食いながら「ちょっと用事が」とか言えば帰るだろう、と思い「じゃそうするか」とまた食堂に向かう。
と、少年時代に近所に居た人が食堂から出てきて「おばちゃんと焼肉行かんか? ほら。あの角に店見えてるやろ? ジンギスカンもあるで」と。ああこの方亡くなったんだ、へーご病気で、と思っているとちらっと姉のほうを見て「ん。またにしよか」と歩いていった。姉が「私が居たらなんかまずいのかしら」と言う。「いや、焼きそば食いたそうな顔してたんじゃないのか」と適当なことを言う。
食堂の入り口では持ち帰りの焼きそばやお好み焼きを売っている。これはよっぽどそれらを食いたいという夢を見たのに違いないな、と思う。出来立てのものばかりなので、姉がそれを買っている。ここで「材料があれば作って追加して食べる」ことをイメージする。そうすれば個室があるはずだ。さっきの混みようからして普通のテーブルでは結構騒がしいっぽいので。
個室に向かう通路はやはり人が多かった。どうも調理中に服を焦がして大穴が開いてしまい、お盆などでかくして全裸で走っていった女の子のことが話題らしい。「服ってイメージすれば台所に出ないのかな?」「いや、裸エプロンとかになるよりはお盆で隠したほうがまだ人に見られてもまし、と思ったのかもよ」とか若い人がわいわい言っている。まあ、若い人と言っても死亡年齢を見るとみな結構な歳だが。
個室に着くと冷蔵庫が故障していて中のものがダメになっている。なるほど「作るのをやめる」説明を省けるいい演出だ、と思う。自販機でビールを買い、姉と軽く飲み食いしながら話す。「眠くなった」というのでそこに置いて帰ることにした。向うの世界で「起きる」という意味だろうから。
図書室の前を通ると、誰も居ない。いい機会か、と思い新聞を手に取ってみる。政治欄を見る。内閣改変が云々、来週にも決着か、という記事がある。で、来週どうなるのよ、と思うとその場所の記事が一瞬消えて来週の「結果」の記事に変わる。やはり文字で書かれたものの先は現実の事件であれすべて見えるようだ。
あまり新聞は読まないほうがいいかな、と思いつつぱらぱらとめくっていると「○○国 月移住計画を発表」と書いてある。つい「どういうこと?」と思ってしまった。すると、月に移住をすることは表向きには人々には新しいビジネスチャンスの拡大を、地球的にはエコロジー対策の大鉈として、という感じで発表され、賛同者を募って月への移住を開始することになる。しかし、○○国の最終的な思惑は、○○国の選ばれた人間だけを月よりさらに上の軌道の人工コロニーに移住させつつ、月への移民の体を「働きやすくなる」という理由で「機械人間」化する。実質は爆弾だったり、姿勢制御用ロケットを埋め込まれたりする。そして準備が整った段階でコロニーからレーザーを打ち込んだり、機械人間たちを「制御部品」として使いつつ月を地球に落とす。その「クリーンな爆発エネルギー」により浄化された新しい地球、大きさが相当小さくなってある意味別の星になっているが、その新しい地球に○○国のエリートだけが移って行くのだ。
なんてこった、と思いつつ他の記事の先も読んでみる。と失敗に終わった計画は「失敗に終わった」という表記があったり、その先が白紙になったりしている。ということは、さっきの計画は実現されるのだ。読み直して見ると地球に月が落ちるのはあと30年後。遺族の寿命は遺族の記事などを眼にする機会が無い限り分からない。これはどうしたもんか、と思う。半死者の国の職員も、まだこのことを知らないはずだし。
休憩ラウンジのようなところで横になっている。ここは巨大ショッピングモールと住居スペースとオフィススペースに分かれている高層ビル。ここは住居スペースの中にある。私はここに住んでいる。また、同じビルの中の会社に勤めている。
見るともなしに外を見る。と「どこ見てんのよぉ!」でおなじみの女性芸人が、集団でのエアロビのようなものを指導しながら自分でも踊っている。過度に露出度が高いレオタードを着ている。見せたがり屋なのか、と思う。
足先に違和感を感じる。知人の奥さんが私の足を掴んでもんだり引っ張ったりしている。とても楽しそうな顔だ。夫の知人とはいえ他人の足など頼まれても触りたくないのが普通だと思うが、とても満足そうだ。なにか彼女なりの満足がある行為なのだろうか。
社の若い男性(ダーツ仲間の顔と名前だった)と、女性スタッフ(見たようなことがある顔だった)が呼びに来た。取材だったか、と出かける。
取材は早々に終わった。帰ろうか、というと「せっかく久々に外に出たのだから(予定の帰社時間まで)少し散歩でもしましょうよ」と若手男性。若手女性も賛同している。では好きなところに連れて行ってくれよ、と任せる。
※この後、男性社員と女性社員は同時には存在しなくなる。片方しか居ない。
「yaeさん、海好きですか?」と若手男性。
「子供のときは好きだったけど。大人になってから海水アレルギーと日焼けの問題(赤くなりかゆみと痛みがあり、その後黒くならず色が戻る)があるので、どちらかといえば嫌いだ」と答える。
「じゃあ、見るだけなら平気ですか」と。「見るだけなら好きだね」と答える。
「ではこっちの道からトンネルを出ると、海に近いところを走るモノレールがあります。観光用みたいなもんなんで、都内まで停まりません。乗りましょうよ!」とテンションが高い。いいね、と従う。
トンネルを出ると、前を女性社員が歩いている。楽しいのか、スキップをしている。胸がゆさゆさと揺れている。なんとなく「ぼよーんぼよーん」と小声で言ってみる。聞こえてしまったらしく、こっちを微妙にいやそうな顔で見ている。「いや失敬。つい」などというとまたスキップをしだした。「ばいーんばいーん」よせばいいのにまたつい口にしてしまう。
「そういうこと言うの、やめて貰えませんか」と女性スタッフ。「ああ悪い。どうも胸が揺れているのを見るとつい」と答える。「そういうことを言われると、この間のことはやっぱり単なる遊びだったのかとか思ってしまいます」と。なんかやっただろうかこの人に。思い出せない。
「いやまあ、そういうつもりではないんだけども。親しみを込めてというか」とかあやふやな言い訳をする。と、なぜか機嫌が良くなり「モノレールはこっちですよ。空港で飛行機を見てから乗っても間に合いますから」とテンションが高い。
モノレールで社の近くまで戻り、徒歩でビルに戻る。荷物を置くために一度部屋に帰り、通路に出る。エレベータが一部メンテをしているので直通では行けず、一度病院などが集まっているフロアで乗り換える。知人の歯医者の前を通ると、知人が治療をしている。と、知人夫妻の小さい子供が歯医者近くの通路で派手に転んでいるのが見えた。あれれ、と思っていると、知人の夫人が派手な浮き輪のようなタンバリンのようなものを取り出した。歯医者に来ている子供をあやすものだろうか、いずれ透明のプラスチックの中に緑とオレンジの玉のようなものが入っている2個つのそれをぱかっと割り、中の玉を組み合わせて小さな打楽器のようなものを作った。知人の歯医者にもそれを渡す。知人は治療中の子供に「ちょっとまっててね!」と告げると、真剣な顔でそれを受け取り、通路に駆け出していった。夫人も後を追う。眺めていると、転んだ自分たちの子供の5mほど前で一旦停止した。
「○○でー、○○な子供は泣かない〜。泣いてもすぐ笑う〜」とかなんとかオリジナルの歌詞とメロディを知人が歌い踊りだした。夫人も同じ振りで踊りながら合いの手のようなものを入れている。それをやりつつじりじりと子供に近づいていく。
なんだろうあの曲は。というか動きが変に本格的というか、素人の踊り方ではない。やがて子供の周りをくるくると回りながら踊りだし、子供も笑いながらそれに加わって3人でくるくるやっている。変わった教育方針だな、と思う。しかし、ある意味それだけ円満な家庭の夫人が、なぜ私の足などをもんだりしたのだろうか。疑問は残るが、社に向かう。
この会社は、音楽の制作とプロデュース、また、新しい音楽、映像配信の「やり方」を研究しつつ実践するという会社だ。ちょっと普通の音楽、通信、広告会社と仕事の仕方は違う。社長は「世界のS」と言われる超一流ミュージシャンだ。我々はSさん、と呼ぶこともあるが、たいがいは「先生」と呼んでいる。本人はどっちで呼ばれても気にしていないようだ。その下に「部長」と呼ばれている副社長が居て、その下が「主任」と呼ばれる私。この3人は、社からの家賃補助でこのビルに住んでいる。若手は「できるだけ近くに住むように」との家賃補助はされているが、さすがにここやすぐ近くには住めず、電車などで通勤してきている。
「取材どうだった」と先生。「ええまあ。帰りにちょっと○○くんにセクハラじみた発言をしてしまい反省中ですよ」と軽く答える。「ま、いんじゃないの。でも社内恋愛はきっちり続けるか、別れても仕事に影響がないようにな。影響があるなら、彼女には辞めてもらうよ」と冷たい笑みを浮かべている。「いや、大丈夫ですよ」と答えるが、彼女と自分になにがあったのか、どういう関係なのかがまったく思い出せない。まあいいか、と仕事の準備をする。
「私のメインPCの構成を組み替えるので、フォローを頼むよ」と先生。あー来たんですか、とデスクのほうを見ると、ディスクユニットが数機高くつまれている。アレ全部入るのかよ! と驚く。先生と私の机の間には、背中合わせで部長の机があるだけなので、その隙間を空けて隣に先生の机があるわけだが、部長が一時退避しないとセッティングが出来ないほど機材が多い。
「さてさて。待たされただけのかいがありますかどうか」とか言いながら先生がディスクユニットを机に組み込んでいく。私たちが使うコンピュータは最新式のもので、基本的には
・いわゆるワークステーションクラスのPC機能
・映像、音楽データ出力用レーザーディスクバージョン9
・同入出力用ブルーレイディスクおよびリライタブルDVD
・大容量高速レイドリムーバブルHDユニット
・リアルタイムデータバックアップ出力用大容量メモリユニット
基本的にこれらで構成され、高速ネットワークでバックアップサーバ、アプリケーションサーバに接続されている。ハードウェアの見た目としては「ちょっと厚めのHD/DVDレコーダー」に見えるわけで、私の机にはそれが2機組み込まれている。この事務所で使われているPCは、基本的に筐体は「机そのもの」なのだ。しかし、先生のソレはPCのユニットが今回7機ほどあるようだ。机ごと発注したのかもしれない。
「そうだ。先生のはあらかじめバージョン9のレーザーディスクですか?」と聞くと「それで待たされたんだよな。だからアレだよ。バージョンアップは要らない、というかこっちの9のバージョンのほうが新しくて安定してるはずだ。まずはキミのをこれにシンクロさせてみてくれないか」とのこと。
このPCのメインの機能は音楽と映像を作りながら同期させ、それをリアルタイムでも録画した形でもネットに配信できるという部分で、それに一番大事なのがレーザーディスクとそのOSなのだ。レーザーディスクのOSがLinuxの上にかぶさる形になるので、実質レーザーディスクのOSを操作することになる。また、これはライセンス登録をした機種同士であれば、最新のものを他の機種に吸い取ることが許されている。データのバックアップはあるし、なにしろ先生のはこれ以上ないクリーンインストールの状態なので、吸うなら確かに今がいい。
「了解しました」とデータのバックアップを再度行い、メニューから「筐体ロック解除/ユニット排出」を選ぶ。数個の警告ダイアログをクリックし、最後は静脈認証。「筐体から5メートル以上離れてください」とアラートが出る。先生も下がってくださいね、と声をかけてから最終OKをクリック。「ばっしゅーっ!」ド派手な音が上がって冷却ガスが漏れてくる。モニタやキーボードをあらかじめよけたスペースが開き、2機のユニットが出てきた。ガスが収まったら近寄れるので、メンテ用の手袋をして「ディスク排出」ボタンを押す。OSの吸い取りは中にあるボタンで液晶の確認画面を見ながら行うのだ。ちょいちょいと設定してOKを押す。ディスクの周りが青く発光しはじめながら蓋が閉じる。「この瞬間がきれいなんだよなあ。無意味にOS吸い取りたいときあるもんな」と先生が笑いながら言った。確かにあの青い光は妙に神々しいほど綺麗だ。
「ぎゅぼぼぼぼぼぼ」ディスクの書き換えが行われている音がする。ユニットが筐体の中に引っ込みはじめた。「正常終了」の合図だ。モニタなどを元に戻そうとすると、先生の使っていたでかい液晶モニタが床に置いてある。
「これは?」とたずねると「いやーごめん。どうしても新しいもっとでかいのが欲しくて買っちゃったんだよねー」と照れ隠しのように笑っている。これだって2ヶ月使ってないんじゃない? と思い「経費使いすぎですよ」とちくりというと、「良かったら前の使わない? 無駄にならないじゃんよ」と言っている。言ってみるもんだな、とありがたくもらうことに。
なんだかんだと設定をしていると先生が「あ、今回ついでにさ。国内すべての映像チャンネルと、海外の一部の番組を全部録画しておくシステム作ったから。1週間単位で消えちゃうんだけども。バックアップはしていい契約にしてあるし、みんなの端末からでももちろん見れるし。これであれだな、テレビを気にせず仕事してもらえると。徹夜上等だな!」と笑っている。これ以上残業させる気か、殺す気か、と思うが、まあ、作業の中では「処理待ち」でひまそうにしている社員もいるし、いいことかもと思う。
「はいはい飯ですよ〜」と部長が帰ってきた。ああメンテが終わるまではセキュリティ上席を外せない(静脈、網膜認証登録が連続であるので。本人以外にもう1名登録が必要なものなども)ので弁当でも買ったのかと思う。先生が弁当なんて珍しい。大概はビルの中の高級飲食店で2時間はかけて食事をする人なのだ。
「弁当3つと、おつまみ盛り合わせとビールですよ」と部長。ひとまず部長だけが持っている「PCが入っていない机」に集まって食事をすることに。っていうかこれ弁当か? 俺らが知っている「持ち帰り弁当」とはもう見た目も入ってるものもぜんぜん違う。つうか領収書がチラッと見えたが、18万円? 数え間違いじゃねえだろうな、っていうかこれが1万8千円だったら逆に驚く、というほどすごい内容だ。
「食うか。あ、悪い。待ってるからさ、俺の部屋のアレからワイン、そうだアレがいいや。この間の。持ってきて」と先生。我々3人はお互いの部屋に「ワンタイム許可」を発行した汎用キーと静脈認証で出入りできるようにしてあるのだ。
「待ってなくていいですよ」と言ってとりにいく準備をすると「待ってるから」と部長。いやどうせ待ってないだろうなとは思いながら通路に。
通路では物まねパフォーマンスをやっている。このビルの名物パフォーマー集団で、10数名がぐるぐると同じフロアを歩いているがそれぞれお互いのまねをしている。「一番最初に真似をされたのは誰か」を当てるゲームに500円でトライできる。当たれば1万円もらえるのだが、なかなか当たらない。事情通に聞いたところ、イカサマなどはしていずに、純粋に技術で勝負しているのだそうだ。今日のテーマは「脚の悪い老資産家男性」とのこと。皆同じに見える、というかそのテーマで10数人同時に歩き回られてはさすがに薄気味悪い。
※明け方あたりに断片的に見たような夢だと思うのですが、変わった状況がたくさんありました。覚えている部分を書いてみたいと思います。
東京タワーの鉄骨の上に立っている。と、ちょっと先にゴルゴ13が居て、誰かを狙撃したようだ。が、対立組織のようなものに追われているらしく、激しい銃撃戦を繰り広げている。ゴルゴはワイヤーのようなものにぶら下がってぐんぐん移動するのだが、相手もヘリコプター数機で追い詰める。
5人ほどに囲まれたゴルゴだが、近距離でも2人同時に撃ち倒したりとさすがに強い。
と、私の背後に見知らぬ女性が立ち「漫画っていうかゴルゴだから当たらないのかしら」と。「まあ、いくら訓練をしていても、いざとなると場数の差が出るんじゃないでしょうか」とか適当に返事をする。と、組織に居た少年が何かをゴルゴのほうに投げた。「手榴弾かしら? 最近の子供はキレやすいから」と女性。キレる云々とかそういうことではないだろし、アレは閃光弾のようなものでは、と思ったが、説明するのも面倒だし、いずれ爆発するものだろうから、と、足元にあった蓋を開けて下に避難する。女性がどうなったかは知らない。
そこはアイスクリーム工場になっていた。私はここの経営者の一人で、このアイスクリームメーカーはここ数年業績不振なのだ。なにか画期的な新商品を、と開発を続けていたのだが、めどが立ったという。
「この機械にですね」と工場長。「アイスクリームが整形された直後にですね。“お母さんアイスクリーム”というモノを置きまして、それが出来上がった製品に暖かい言葉をかけて励ます、という仕組みを作りました」なるほど。それで?
「人であれアイスであれ、愛されて育った子供というのは他者にも愛情を注げますし、いざというときに気持ちの強さを保てます。商品としての競争力が上がってきています」と。ふむ。それで売れるならいいことだ。
眺めているとお母さんアイスクリームというのは人の顔のような形をしている。もちろんアイスで出来ている。カップに詰められたアイスが流れてくると、ひとつひとつに「頑張るのよ」「いい形に出来ているわよ」などと声をかけている。確かに言われてみれば言葉をかけられたアイスはその後、なんというか姿が目立つというか輝いて見える。これはいけるかもな、と思っていると工場長が「もちろん最初にですね、いろいろ試しました。兄弟、父親、祖父祖母と。しかしですね。なんといっても母親ですね。父親と祖父は反応がほぼありませんでして」とのこと。へー、と思っているとラインの脇にお父さんアイスとおじいさんアイスが居てなんかラインをうらやましそうに見ている。「行き場がないんですな」と工場長。まあ彼らには気の毒だが、まずはアイスが売れてくれないと会社がつぶれる。
どこかの路地のようなところにいる。古い駄菓子屋がある。中からはラジオの音が聞こえる。運動部帰り、という感じの日焼けした女子中学生が他社のアイスを食べながらそこから出てきた。「なぜそれを買ったのかな?」などと聞いてみる。「安いのと…あと、これを食べているとかわいく見えると評判だから」と。なるほどねえ。そういう戦略も必要なのかな、と思っているとラジオの曲が流れてきた。
と、妻(という存在で夢には出てきた)が「踊らないと!」とか言いながら私の腕を強引に引いて姿勢を変えさせた。左ひざに激痛。どうも靭帯までイッたっぽい痛み。「どうしていつも自分の都合でしか行動できないんだ!」と叱責する。と、先を歩きながらも妻がどんどんキレてくる気配がする。道を歩いていた農家の人からいきなりスコップを奪うとそれで私を殴ろうとする。「お前農家の人だってスコップを勝手にそんなことに使われたら迷惑だろう!」と怒鳴る。が「一言お借りしますといいましたよ」とか「そういう問題でもないんだが」という反論をしてくる。いずれ殴りかかってくるので逃げる。が、ひざが痛く、上手く走れない。
麦畑のようなところに逃げ込むと、後ろから銛のようなものを投げつけてくる。とりあえず眼に刺さると最悪だと後ろを向くと、そこにトラックが止まっていて、ボディに後ろ側が写っている。それを見て避けるが、やはり数本は背中に刺さる。勢いが無く飛んでくるので深くは刺さっていないが痛い。それに刺さりどころによってはマズイことになるだろう。農家の人は遠巻きに見ているだけなので、自分の携帯で警察を呼ぶ。警官が妻を取り押さえている隙に逃げる。
どこかの研究所のようなところにいる。知人が向うから歩いてくる。「何をしているのか」と聞かれたので「鼻をほじっていた」と答える。鼻がむずむずするのだ。手ごたえがあったので引っ張り出してみると、カチカチになったトンボが入っていた。「トンボが入っていたよ」というと「バカな」と信じてくれず笑いながら歩いていってしまう。トンボだよなあこれ、と思い、ひとまず廊下から研究室に投げ込んでみる。飛ばない。なんかのモニタに張り付いてしまった。まあ、トンボか、と誰かが片付けてくれるだろうからいいか、とその場を離れる。
さきほどの知人が、外国人男性と話をしている。この研究所があり、隣に大きな博物館があり、さらにそのはす向かいにある豪邸の持ち主の外国人男性だ。今度自宅の一部でレストランをやるのだそうだ。この研究所で作っている酒の一部を卸すこともあり、看板をどこかに立てられないか、という相談に来たらしい。なるほど大通りの角にこの研究所があり、そのまま直進すればいずれレストランが見えるのだが、あまりに博物館の敷地が広大すぎて「この通りじゃないのかな?」と引き返す人も居るかもしれない。
知人が「研究所の敷地の向かいにはそういうものを立てていい約束になっています。が、博物館の敷地の向かいはNGなんです」と言っている。一番効果の高い場所を求めて、電柱のような材料を持って知人が道路の向かいを走り回っている。しかし、前の会社では「会社員としては高給取りだが、一会社員でしかなかった」彼がどのようにしてこんな研究所を立てる資金を調達したのか、と思っていると、それを見透かしたかのように外国人男性が「彼女の奥さんは立派です。フリマや不用品交換サイトで集めた中古のプレステを海外に輸出してこれだけのお金を」と。そうだったか、と思い出す。
ゲーム制作をお願いしている会社に打ち合わせに行く。と、巨体の男性が出てきて「これが○○で、これが○○。あと、これこの間のスキーのときの荷物。あと、この○○はまだ開発中の筐体だから、内緒ね」といろんなものを渡してくれる。開発中のゲーム画面のハードコピーを見ながらいろいろと打ち合わせをするが「飯とか言わないよね?」と笑っている。そういえば下のフロアはこの会社が経営しているカフェがあったなあ、と思う。「照り焼きチキンセットとかはまだ出来ない。5時から」とのこと。「あー飯は大丈夫です」と大荷物をかかえて別の部屋へと移動する。
イベントホールのような場所に来た。スタッフの控え室に入る。お茶などがおかれたテーブルの上は携帯だらけだ。同じ機種、色も多く、間違えそうだ。と、ある携帯のツールをダウンロードしてテストしないといけないことを思い出し、ダウンロードを始める。別の携帯でもできるはずだし、開発中のものなので他機種に転送可能なので、もう一台の携帯にも送ってみる。と置いてある携帯に電話がかかってきた。自分のか? 人のか? と思っていると、私と同じ機種を使っている人間が出て「もしもし? あんた誰。ちょっと待って」と画面を見て「○○○○って女知ってるやつー?」と言っている。俺の知り合いだ。俺の電話だった。しかし、随分前の知り合いだが、いまごろなんの用だろう? と思いつつ控え室はあまり電波がよくないのでホールに出て話す。
出たのは結局その女性の同僚の女性だった。あれは確か社用の携帯だったろうか、と思っていると「お時間あれば…晴海の先の例の…ピザとか…アイドルブログというものについてのレクチャーを…」とにかく向うの電話のノイズがひどく、ほとんど聞き取れない。晴海のどっかでアイドルブログの話をしてくれ、ということぐらいしかわからない。しかしこれから運ばれてくる商品の撮影をしなくてはいけないので「時間がとれないと思いますが、早めに終わったら連絡しますので」と切る。そもそもアイドルブログってなんだろう。アイドルが書いているブログ? それともアイドルについて書かれたブログ? いずれにしても私はそれについて詳しいわけでもなんでもないのに、なぜ私なんだろうか、と思う。あの会社の人たちには10数年会っていないし。
と、妻から電話。「仕事が早く終わったので帰ります。食事は何もありませんので、皆それぞれ食べたいものを買って帰ることになっています。お姉さんがいろいろ買ってきてくれるそうです。私はどっかに飲みに行きたいと思っています」とのこと。わかったようなわからないような話だ。「とにかくもう撮影なので切る」と告げると「なぜ切るのですか」と責めるような口調で言う。「撮影なんだよ! ブツがもう来たし、スタジオの時間がもうないんだよ!」と怒鳴って切る。
控え室に戻ると、知人のスタッフが「俺の携帯になんかファイル送ったか?」という。いや、送ったのは俺の携帯にだ、と言うが、なぜか彼の携帯に届いている。機種が同じだから? そんなわけはない。「使わないから消し方教えろよ」とムッとしている。え? と思うと「消せないんだよ」とのこと。ダウンしたときに送られたメールを見ると「削除キーは初期は0000です。0000の状態に限り、削除キーではなくクリアキー長押しで消すことも出来ます」と書いてある。その旨説明すると「さっき入れた数字が削除キーに登録されたのかな…」となにやらごそごそやっている。「いずれ入れた数字はなんとなく覚えているから消せると思うけど、勝手に人の携帯にファイル送るなよ。パケット代がかかるだろう。謝れよ」と非常に機嫌が悪い。あいつパケットの放題プランに入ってるって自慢してたけど、嘘だったのかな、とか思いつつもいちおう謝る。と「そんな怖い顔すんなよ」と急にびびりだした。よくわからない男だ。
別の部屋に行く。こちらは現場のスタッフ、出演者の控え室だ。顔見知りのスタッフも居るし、タレントの姿もちらほら見える。と、スタッフが「この間のスキー場のロケの戻ってきた荷物なんですけど、ウェアがばらばらじゃなかったすか?」と聞いてくる。まだ開けてないんだよ、と箱を開けてみると、他の荷物は確かに私のものだが、スキーウェアやその他の防寒着などが確かに違う。私のではない。「やっぱりすか。とりあえず、この身内の中だけで間違えられているのかを確かめるために、あっちのハンガーにみんなのをまとめてますから、お願いします」とのこと。はいはい、とそこに服をかける。と、この間のロケに参加した女性タレントが彼女の姉(マネージャー)と一緒にやってきた。スタッフが服のことをたずねると「ああ。ああいうところはよくあるらしいから、別にお金を払って専用の便で送ってもらったから大丈夫よ」とか言いながらごそごそと荷物を開けている。「ほらー!」とか「正解」の荷物をスタッフたちに見せているが、物の言い方が非常にいやみっぽいというか金持ち気取りというか。なんか一代成金と結婚したんだっけか、と思っていると彼女の姉がやってきた。「いつもすみません。バカな妹で」とかなんとか。いえいえ、とか生返事をしていると、さっきの女性タレントのミニのタイトスカートが半分以上まくれあがり、尻と下着が見えている。「本当にだらしが無くて。なんか下着一枚でも着ていれば平気で人前に出てしまうし。“全裸とそれ以外”という感覚しかないらしく、服が乱れてもぜんぜん気が付かないんですよ」とため息をついている。いやいやマネージャーをやっている、という感じが伝わってくる。
学校に行こうか、家で仕事をしようか、それとも黙って寝ていようかと悩む。
この星に移住してきてから、人間の体質と暮らしはずいぶんと変わったのだそうだ。地球に住んでいたころの人類は、もっと身体が成長するのが早く、寿命も短かったらしい。性別も固定されていたらしい。
今の人類は寿命は200年ほどあるし(時間の単位は地球と同じものを使っている)、身体の成長が遅いせいか学習能力も低い。性別も途中で何度か変わる人も少なくない。そんなことから、学校に行きながら働いている人も多いのだが、見た目は地球で言う小中学生ぐらいなのに年齢としては30歳を過ぎているのだ。性別が変わっても、自分として気に入っていたほうの性に早く確実に戻したいために性転換をする人も結構居る。地球で暮らしていた人類とは、何もかもが違うのだ。
階下で母と幼なじみの男性が話をしているのが聞こえる。
「今日は学校に行かないみたいよ。行くときはもっと早く起きてくるから」
「そうですか。仕事するのかな。とはいえ、彼はいまあまり仕事が無いと噂で聞いています。もしかしたら元の陶芸業界に戻ろうとしているかもしれませんが、もう10年ほどブランクがあるでしょう。無理じゃないかな。じゃあまた寄ってみます」
彼も私も以前は「商業陶芸」という仕事をしていた。顧客のオーダーを聞いて焼き物を焼く、という仕事。その中でも私は職人として人気があり、ある顧客の薦めで「芸術陶芸」という「注文を聞かずに焼いたものを買いたい人が居れば高額で売る」というやり方に変えた。一時期は爆発的に売れたのだが、いまは星全体の景気がよくないこともあり、また、そもそも芸術陶芸自体が下火であることもあり、あまり仕事がない。このままではまたどこかの工場で商業陶芸をやったほうがいいか、と思っていたのだが、彼の言うように、一度その業界を離れた人間が簡単に戻れるほど甘い世界ではないのかも知れない。
歳が離れた従兄弟からメールが来た。もし暇なら仕事を手伝って欲しい。日給はちゃんと払う、とのこと。車などの解体工場を経営しているのだ。家に居ても気が晴れないので出掛けることにする。
従兄弟の姿が見えない。どうしたものか、と思っていると、工場で働いているちょっと時々おかしい人(薬物の影響らしい)が少年達(と言っても歳は解らないが)と口論をしている。と、男が大きな包丁のようなもの、何かの工具だろうがそれを持って少年達に斬りつけようとしている。危ない。
「マサさーん!」と叫んでは斬りつける。というより叫ばないと斬りつけない。何かの呪縛に取り憑かれているかのようにも見える。
少年達もその「癖」に気が付いたのか、タイミングを見計らって反撃を始めた。ハンマーのようなもので殴りつけている。男は手足がもうぐだぐだになるほどのダメージを受けているが、まだ「マサさーん!」と叫んで斬りつけようとしている。危険な作業をする人が飲む「無痛薬」を飲んでいるせいだろうか。無痛薬は基本的に副作用や中毒性は無いと言われているが、この人がたまにおかしいのは無痛薬のせいではないか、と周りの人が言っていた。まあ、医療技術が相当昔とは違い「脳さえ無事ならなんとかなる」とこまで来ているし、無痛薬を派手なケンカのために飲む連中やアンダーグラウンドの殺し合いに近い格闘技まであるというのだから、男もそれぐらいのつもりでやっているのかもしれない。
と、初年達が塗料か何かの一斗缶を男の頭に被せて、殴り始めた。これはマズイ、心停止から時間がたったり、脳そのものを破壊してしまっては蘇生出来ない。思わず「やめろよ!」と叫んでしまう。
目撃されたことに気が付いた少年の一人がこっちに走ってきたのと、従兄弟が現場に入ってきたのはほぼ同時だったろうか。作業用の装甲具+腕力強化服のようなものを付けていた従兄弟には少年達の攻撃が効かず、あっという間に追い払いそうになっていた。が、少年の1人が、仲間が止めるのを聞かずさらに従兄弟に襲いかかろうとした。しかし、従兄弟は近くにあった「壁を壊すような機械」を取って少年の胸に打ち込んだ。機械が動作する大きな音に合わせて少年の身体がガクガクと揺れる。無痛薬を飲んでいなかったのか、いずれ心臓そのものが破壊されただろうし、即死したようだ。法律上は正当防衛になるのかもしれないが、この星では寿命が長く、医療技術が発達しているせいか「命を奪う」ことは正当防衛と見なされない判例もたくさんある。マズイことになった。
何を思ったか少年達はそのまま走っていって近所のパン屋を襲った。ここは昔私の家の近くに店を開けていて、こちらに引っ越してきたのだ。幼なじみの女の子が居るはずだ。
少年達は店の中を滅茶苦茶にすると「俺達は○○の身内のもんだ!」と私や従兄弟の名前を口にしている。店の人は驚いて「訴えよう」とか口にしている。移民が多いので窃盗や建物を壊すことも地球よりは大きな罪になるのだそうだ。そのことを計算に入れての行動だとしたら、こいつらただ者じゃないかもしれない。と、少年達は私を捕まえて、車に押し込んだ。抵抗したが、多勢に無勢という状況でどうにもならなかった。
車は町はずれの闇医者と噂の病院前に停まった。
「コイツを女に性転換して顔も整形して別人にしてくれや!」と言っている。この星では本人の認識を「映像」でしている。名前を変えてもソレで認識する。経年変化はPCが自動補正をするので誤認されることはない。性が変わってしまっても、数日は顔が「認識できないほど変化」はしないので、役所でデータ登録をし直せばいいのだ。
逆に言うと、そのデータを再登録できないほど顔や身体が変わってしまうとやっかいなことになる。「身元不明人」となり、社会保障が一切受けられないし、そもそも家族も「データありき」で家族であるかどうかを判断しているのだ。住むところがなくなる。この星で泊まるところもなく、病院に行くこともできないという状況では、いつ死んでも不思議ではないのだ。ヤバイ。
と、医者は私をちらりと見て「必要ないと思うが」と言った。どういう意味なのかは解りかねた。少年達も同様だったのか「とにかく何でもいいからやってそいつを街に放り出しておけ!」と言って金を置いて帰って行った。
「さて。どうしたもんかね」と医者。「君、自分で知っているかい? それとも知らないのかな」と続けた。
「どういう意味でしょうか」と尋ねる。と
「うん、知らないんだな。解った。教えてあげよう。君は、元々女性なんだよ」と。は? と思う。私は生まれてから「性が変わった」ことはなかった。もしかしたら記憶がないほど子供の時にあったのかもしれないが、親に言われたことはない。1人っ子なのだが、家に女子用の子供服も無かった。
「アレだ。よほどの事情があったんだな。本人も知らないとは。お父さんは? 亡くなった。そう。じゃあお母さんも言いにくいかもねえ」
と言いながら医師は小型のメスのようなドライバーのようなものを持って私のところに来て、頭頂部を眺めている。
「ほー。こりゃ大したもんだ。復元も・・・出来る仕様か。なら一回やってみるか。どうだ、君自分の本当の姿を見たくはないか? 元に戻ることも出来るし」と言う。
よくわからないが「お願いします」と言ってみる。
「痛くは・・・ない、はずだよ。よっと」と言って医者は私の頭頂部をその器具でつついた。と、バラッと皮が剥がれた? いや、なにか厚さ1cmほどの着ぐるみのようなものが取れた。
「お。これはまた意外だな。ほら。鏡を見てごらん」と医者。
女だ。中学生ぐらいに見える女子が立っている。しかも少し肌が浅黒い。前にテレビで見た「インド」という国の人に似ている。
「君、元々女性だねえ。ご家族は旧国名でいうと何系? 日本! そうかあ。ちょっとこのスキンを借りますよ。えーと医療保険検索を・・・。一応ね、保険は使えるんだよね無免許医なんだけど、前の人の端末を拝借しておりましてね。あー。旧日本系で登録されているねえ。男子で。30歳か。ほうほう。ご家族は・・・あーこりゃ完全に旧日本系だね。骨格がね。そう。骨で解るンだ私は。だからスキンも見破れるんだ。まあ、いまではこういう研究をしている医者なんてこの星には他に居ないから安心しなさい。こりゃー、なんか家庭にご事情がおありで、それで隠したね。君を。ふーん。アレだ。性欲とかはどうなの? 女性に対して? 凄いねこのスキンは。そこまで変換をねえ。あ? あそう急に恥ずかしくなったと。こりゃ失敬。その手術用の服みたいのをひとまず着てくださいよ。ほー。脳になんか作用する働きもあったんだねえ。うーん。これねえ。軍事技術だね元々は。うん。それでこのスキンを作ってある」
医者の説明は続いた。要は「外見も機能も精神も男性」と本人にすら誤認させるような「皮(医者はスキンと呼んでいた)」を物心付く前に被せられたらしい。もしかしたら記憶そのものを作り出していた可能性もあるが、私には女性としての記憶が一切ないので、おそらく赤ん坊のときだろう、とのことだ。
「スキン着て帰ってもいいけども。あの連中にまた見つかるとやっかいだな。えー通常連中が言った様な手術はまる2日かかるんで、そうだな。親御さんと連絡をして、どこかに隠れていたほうがいいね。この電話使いなさい。私はね、どこの組織ともつながりを持ちたくない。なんで免許も取っていない。だから誰にどのような事情があっても関心がないし、誰にも言わない。だが暴力は嫌いなんでね。君の味方をしよう」とのこと。助かった。運が良かった。
電話の相手の認識も顔の映像で行う仕組みなので、医師が氷枕のようなものに「スキン」を被せて認識させてくれた。いままでの自分の顔がそこにあるので気味が悪い。親と話した。「・・・そういうことならお会いしてから全部お話します。ひとまず車で迎えに伺います」
とのこと。言葉遣いが堅い。医者が言うような特別な事情があるのだろうか。
母親が持ってきた服に着替えて、ひとまずホテルに泊まることにした。この場合、親と名乗る人間の認証しかされないので問題なく泊まれた。
母親が話すには、私は地球の某王国の王族の末裔なのだそうだ。革命で国が無くなりそうになり、加えて世界大戦が起こり、この星に移民をする人が急激に増加した時期に本当の先祖が逃げるように移民してきて、身分を隠しながら生活を続けてきたと。一族は移民後もどこかの星で王家復興を目指しているのだが、旧革命派や戦争敵対国家との因縁が長く根深いものであるため、とにかく身分を隠しているのだという。
また、私はこの星で生まれた人間の子供なので、地球人の特徴は遺伝子からほとんど消えていると。なので、勝手に性が変わったりする可能性もあったのだが、ひとまず「性別と外見を変えて身を隠す」「出身国が別の人に見える」ためにスキンを被せられ、旧王国と戦争的にまったく因果関係の無かった国の一つである旧日本系の人間で子供が出来ない体質の夫婦に預けられたのだという。父も母も「職業として」私を育ててくれたのだそうだ。
「それで、これはあなた様が女性であることを自分で知った時にお伝えする決まりなんですが、あなた様には双子の妹様がいらっしゃいます。あのパン屋の娘さんなんです」とのこと。彼女も同じ理由であのパン屋に預けられたのだが、赤ん坊のときにスキンとの適合が悪く、危険ではあるがやむを得ず女性として育てられたのだという。結果幼児の時に一度男性に自然性転換したこともあり、そのときに皮膚の色が白くなり、また女性になったときに顔立ちが変わったため、見つかる心配がなくなったためそのままの「素の姿」で生活しているのだそうだ。本人にそれを告げるのは、私が女性であることを自覚したときに私から言うということがこれまた決まっているのだという。
翌日、今後どうするかはひとまず考えると私が言うと、ではいずれ引越をしますので、準備を、と母親(役の人、なのだが)は帰っていった。しばらくして役人風の男と一緒に戻ってきた。まずは緊急を要しますので、と男性が私に「顔を登録する機械」を当てて端末を操作している。
「ひとまずこれで、外を歩いたり買い物をしたりが出来るようになりました。病院なども大丈夫です。あなたは旧地球からの長期留学生ということになっています。いまのところ永住権コードまでをいじることが出来ませんので、仮に、です。本当は整形をしていただくのが一番安全ですが、旧○○王国の直系の末裔の方にそれは我が星の政府としてはお願いできません。旧○○王国と敵対関係にあった旧地球の国の人間もこの星には多くおります。率直に申し上げまして、あなたがた姉妹を殺害することを目的として送り込まれているはずです。我が星は政治的に中立ですが、殺害事件を見逃すわけには行かない、という観点から移民されてきたときからあなたがたの側を支援させていただいておりました。今後もその姿勢は変わりません」
と言って男は帰っていった。帰り際に「男性用、女性用」の新しいスキンを置いて帰って行った。前のもまだ使えるそうだが、どれを付けてどう生きていくのかはお任せします、とのことだった。女性用は色が白くて、またえらくスタイルが良くなりそうな形をしている。「こんなのを着たら、殺害じゃなくて違う目的で要らない男に声を掛けられそうだ」というと、母親が「いまでもとてもお綺麗ですよ」と笑っている。「いや、皮膚が茶色いのがどうも」と言うと「素敵ですけどねえ。あまりこの星には居ないじゃないですか。昔は居たそうですが、数代するとみな白くなるんですって」とのこと。やはり目立つのは危険、ということもあり、新しい男性用のスキンを付けて買い物に出掛けることにした。
ここ数年流行している「男女共用で着れるタイプの服」がなにかと便利そうなので、まず買うことにした。これは主にレザーで出来ていて1枚の服というよりパーツの組み合わせで服となる仕組みのもの。手足用、胴体用の長いもの短いもの、帽子のようなものから覆面のようなものもある。これらをベルトで身体に縛り付けて着るものなので、サイズなども結構調整が効くし、色の組み合わせなどが楽しめるため人気なのだ。
試着ルームには選んだパーツを身につけると、それを基本に「私服用」「ビジネス用」「クール系」「フェミニン系」などの様々なパターンで「お薦めコーディネートパーツ」が映し出される端末があり、それを触ると現物を店員が運んできてくれる仕組みになっている。黒の光沢のあるエナメルとレザーに身を包んだ長身で筋肉質の男性が「さあどんどん! どんどん試着しちゃってください試してみてくださいフォー!」と叫びながらパーツを配っている。隣で試着していた男性がベルトを解かずに無理にパーツを外した(脱いだ)のを見て「あなた! そこのあなた! ベルトを外して下さいもっと丁寧に服を扱いましょうよ! 服が泣いていますよフォー!」と注意をしている。
なんだかんだで数セット着回しが出来るようなパーツを買ってホテルに帰る。ほとんど現金で買い物をする人は居ないのだが、実際クレジットよりも現金のほうがブラックマーケットでは効力を発揮するため、現金で買い物をして文句を言われることは滅多に無い。が「あまり堅気ではない」と思われる可能性もあるため、今後は細かい買い物は母に頼むべきだろうな、と思いつつ、それぞれのスキンを着ては買ってきた洋服を付けてみる。文字通り二度手間三度手間で結構時間がかかったが、どのスキンでもなんとか行けそうだ。覆面タイプの帽子も買ったのだが、これを付けていても顔の映像認識は出来る(覆面の形状を自動除去する仕組み」し、最近の携帯電話は通りの向かいの人の顔まで認識できるし、情報を登録して有ればその人が近くに居ることを自動で教えてくれる機能まである。その手のモノは暗殺者が当然持ち歩いているだろうから、油断は出来ない。
今回の男性用のスキンも、着れば「男性的思考」が働くのだが、一度スキンを脱いで「本当の自分」が解ってしまっているため、また、それが女性であるためにどうも着たり脱いだりすると疲れる。また、部屋の中に居るときはあまりスキンを付けたくなくなってきているのも確かだ。折衷案、ということで、外見的にあまり気乗りはしないのだが「グラマラスな色白女性」のスキンを付けることにする。このあたりは旧アジア系の住民が多いし、母と一緒に居ることに違和感が無いようにするためか、やはり旧日本系の顔をしている。スキンは冷蔵庫のような保冷式のロッカーから出すのだが、それを着るとその「作られた情報用の」携帯電話や、そのスキンの人物の「設定」がロッカーの前のモニタに写る。年齢は・・・65歳。あー適齢期だなあ。これはヘンテコなナンパが多いよ絶対、とちょっとブルーな気持ちで街に出る。男性のスキンや、素の自分で歩くときと違い、胸がゆさゆさ揺れるのも違和感がありまくる。座れば机に胸が乗ってしまうし、それをまたみんなチラチラ見るし、違うスキンが欲しいけど、これ絶対高いはずなんで我が儘は言えないわよね、などと思う。
前の自分の家に行ってみる。もう空き家になっているはずだ。と、私が男性として暮らしていた時期に作った芸術陶器や作品の写真集などがドアに打ち付けられている。罵りの言葉も落書きされている。あの連中の仕業だろう。しかし、これは過去に結構な値段でオークションに出ていた作品なので、連中が買い取ったのだとしたら、ちょっとあの年頃の人間が自由に使える金額ではないはずだ。バックに何かの組織が付いているのか。あの連中はもしや旧敵国側の人間で、たまたま男性だった私とトラブルを起こしたのかもしれない。素の姿で外を歩くのはやはり危険だ、と思う。いまはまだスキンを映像サーチャーでは見抜かれないはずだが、どのタイミングでお互いの「技術戦争」が逆転するかもわからないし、ひとまず転居先の連絡が来るまではこのへんをうろつくのは辞めようと思う。他の星に引っ越すのは手続きがたいへんだが、それも考えないといけないかもしれない。
などと思っていると「あの・・・」と後ろから声がした。パン屋の娘、つまり妹だ。配達にでも来たのだろうか。
「あの、ここの家に住んでいた○○君(前の私の名前)のお知り合いでしょうか? 陶芸の関係とか、学校とか・・・」と言う。
ええちょっと陶芸関係で・・・とか適当に言うと
「どこに行ったかご存じ無いですか? 地元のギャング系とのトラブルがあって・・・亡くなったんじゃないかって噂なんですけど・・・」
なるほどそういう噂になっているのか、と思いつつ「そうなんですか。ちょっと仕事の件で連絡が取れないので来てみたんですが」と言ってみる。
「そうですか・・・子供のときからよく遊んでいたので・・・」と少し涙ぐんでいる。かわいそうに、とは思うが、いまこのタイミングで正体を明かすわけにはいかないし、スキンを脱いで前のスキンを着ないと絶対に納得しないだろうから、話を切り上げてホテルに帰った。しばらくはこのスキンを着ているしかないかなあ、と思う。
社員寮と仕事の資料を集めた図書館&資料館を兼ねた建物に居る。最上階は大判の写真集などが集められている。予約をすれば、貸切にして仮眠しながら仕事をすることができる。
少し仮眠をすることにした。夢の中で某有名作家が「“仲間ユキエと大きな家”という写真集があるでしょう? あれの表紙に載っているドアを買い取って玄関につけたんですよ」と話してくれた夢を見る。起きる。そんな写真集があるのか? と思い探してみるとあった。確かに表紙に大きなガラス製のドアが写っている。相当古い年代の建築らしいが、ドアだけ買えたのだろうか、と思う。中身を見ようか、と思ったが、その写真集の近くに欧米のスキャンダル写真とそれに面白いキャプションをつけたものを集めた本を発見する。これは希少なものだ、と思いそちらを先に見る。なぜか画材が収められた袋も一緒に梱包された非常に大判の書籍だ。
※すごく長いので、残りは「Continue reading」以下に格納してあります。
改めて「仲間ユキエと大きな家」を見ようかと思ったが時間が無い。今日家に持って帰って見るか、と思ったが「持ち出し禁止」と書いてある。わかりゃしないか、と思ってなんとなく天井の方を見ると監視カメラがある。あーそうだった。本の盗難が増えてカメラが付いているんだよな、と思い出す。ここは誤解を招く行動は避けるべき、と机の上に本を並べて見ることにする。と、奥からスタッフが起きてきた。彼も泊まっていたのだろうか。「いや、何度か起こしたんですが、とりあえず寝る、というので私も泊まりました。資料チェックさえしてくれれば私は帰れたんですが」とかちょっとイヤミっぽく言われる。ああそれはすみませんでした、と言いつつ資料を確認しようとすると、雪が降ってきた。最上階は3mほどの高さの大きなガラス窓で囲まれているのだが、そのパノラマ展望のすべてに雪が舞っている。ん? 雪じゃない? 見るとそれはアゲハ蝶ぐらいの大きさの羽虫だった。空を覆うばかりにふわふわと飛んでいる。乳白色の羽が光って雪に見えたのか。「マズイ! ナカタだ!」と写真が叫んで開いている窓を閉めに回っている。ナカタというのがこの虫の名前なのか俗称なのかは解らないが、とりあえず貴重な本ばかりあるこの部屋に虫が大量に入るのはよろしくないのは間違いないので私も閉めて回る。
ナカタの羽から出た粉のようなものを吸ってしまったらしい。急に眠くなる「数時間は起きられないはずですから、ひとまず寝ておいてください」というスタッフの声が聞こえた気がする。
起きる。と、なぜか卓球台が並べられた場所に居る。いわゆる時間貸しのお店。卓球バーとでも言うのか。しばらくぼーっと眺めていると自分の番だと言われる。指定された台に行くと、知人が居た。一緒にやろうというのでひとまず打つ。と、「相変わらず打ち方が卑怯だ」などといわれる。軽口で言っているだけのようなので、まあ、そのまま打つ。と、隣数台に試合用のユニフォームを着た団体が着いた。競技志向が強いというかどこかの選手だろうか。彼らが打ち始めると他のお客さんはどんどん帰ってしまう。貸切か? と思ったらそうではなくて、なんか気持ち悪がられているらしい。私も帰ろうかな、と思っていると「練習試合のトーナメントをやるので出ませんか」と言われる。爽やかな青年達で、特に気持ち悪く無いじゃん、とか思いつつ「ダブルスのルールを忘れたので」というと「ではシングルスだけか、どの順番で打ってもいいルールかにしますので」と言われる。待機時間が長いようなので、端のほうの体操マットみたいなものに横になってまつ。が、また寝てしまう。
起きる。なんか太った小学生みたいな見た目の大人がやってきて「変身しないと! 合体しないと!」と言う。どうも彼と合体変身をすることで私はウルトラマンになるらしい。ちょっとこの人と合体ってイヤだな、と思ったが緊急事態らしいので方法を聞く。「そのまま寝てて大丈夫だから! じゃあ合体するよ!」とのこと。ダイビングヘッドバッドのような姿勢で飛び掛ってきた。痛みは無く、なにか当たったな、という程度の感触しかなかったが、体がぐーっと伸びた気はした。立つとウルトラマンのようなものになっている。背は3mぐらいしかないので体育館の中は普通に移動できる。鏡を見るとどうにも格好が悪い。心の中で「これで合ってる?」と聞くと合体した小さい人が「合ってる。つかこっちのモードのほうが絶対カッコイイって。私がメインの合体だとでかいゴムボールみたいでもっと酷いよ」とのこと。まあ見た目はこの際どうでもいいや、と悲鳴が上がっているほうに向かう。と合体した人が「ブレスレットの青い方を手前、赤いほうを相手に向けて手をクロスで光線技だからね」と説明してくれる。あーそうだっけ? と思っていると体育館の通路に怪獣登場。とりあえず取っ組み合って光線出すか、と思ったら腕を交差させる順番を間違えた。青い方を向こうに向けたらちょっと体側に光線が漏れてきたのであわてて解除。と、怪獣の後ろに会社員風の男女が居て、光線銃を撃とうとしている。市民の応援? と思っていると怪獣ではなく私を撃ってきた。なんだ? と思って見ると「ウルトラマンは帰れ!」「怪獣を虐めないで!」とか言っている。あーなんかの動物保護団体みたいなもんなんだな、と思う。が、撃たれているわけにもいかない。と、反射的にさっきの手の組み方をしてしまう。と、今度は撃たれたエネルギー光線をすーっと腕に吸収できた。あーこういう機能なのか、と納得し、打たれた光線を吸収しまくる。なんか体力が漲ってきた感じ。会社員たちは慌てている。怪獣もおたおたしている。ひとまずここは、と腕を組み替えて光線発射。やはりエネルギーを溜めることが出来ていたらしく、盛大にビームが出て怪獣を粉砕。とりあえずウルトラマンの姿のまま、サイズだけ人間サイズに戻る。と「酷いじゃないか!」「なんのために怪獣を退治する必要があるんだ!」とか抗議される。なんでだっけ? と考えて思い出し話す。
「仕事ですから」「は?」「いや怪獣倒さないと給料もらえないんで。歩合だし。残業付かないし」とか話す。「仕事ならまあ、仕方ないよね…」などと急に向こうがトーンダウンする。「でもまあ、怪獣にしたって急に倒されたら遺族とか、入院とかたいへんだよね」と誰かが言った。「あ、入院保険の安くていいプランがあるんですよ」と私。ウルトラマンだけでは食っていけないので、保険勧誘のバイトもしているのだ。と、皆物凄い勢いで食いついてきた。資料を渡し、トイレに向かう。トイレの通路の曲がり角で変身解除。太った人が保険の説明をしてくれるというので任せることに。
トイレに行くとプロレスラーのような覆面をしたスーツ姿の軍団が入ってくるのが鏡に映って見えた。ちょっと不気味だな、と思ったので個室に入ってやりすごすことに。ドアを閉じると、中に人が居たことに気が付く。しかも女性。あ! と思うと「静かに。声を出したらあなたが私をここに引きずり込んだと言うからね」とのこと。なんだ? と思っていると激しくエロスな行為、それもSっぽいことをされる。いろんな意味で声が出そうになるが、唇に指を当てている。やはり声を出すと騒ぐ、ということなのか、とじっと耐える。しんどい。
外では覆面軍団が延々と会話をしている。会社の極秘資料がDBファイルとして流出した件についてらしい。責任は誰にあるのか、とか、セキュリティはどうなっていたんだ、そもそもあのプログラム形式でDBを組んだのが間違いではないか、というようなことをいつまでも言っている。早くこのS女から解放されたいのだが、個室から出たところを見られて中に女性が、では絶対に変な誤解をされる。早くしてくれ、と思う。
ようやく覆面軍団は帰り、S女も「一通りの結果を得て」満足したのか「出て行っていいわよ」とのこと。やれやれと控え室に戻ろうと思う。
控え室にはアイスホッケーの選手がたくさん居た。というか自分も選手だったことを思い出す。早々に仕度をして試合。ワールドカップ大会で、予選リーグの試合らしい。フィンランドだかどこからしい。強い。負けてしまう。
ベンチに戻る途中、実況解説席の前を通る。と、解説の男性が「審判は向こうのベンチ前で氷に額を押し付けて勝利を祝福したが、こちらのベンチ側は見ようともしない。内容がワンサイドすぎたからでしょう。今後の予選リーグでの他の審判の心証に影響が出るのでは」などと話している。選手仲間も「退場のときにもっとすごい扱いを受けるかもしれないが、気にしないように」と皆に声をかけている。
と、フィギュアスケートの地元の選手のような可愛らしい女の子達がたくさん出てきて、先導をしてくれるとのこと。向こうとこちらで人数に差があるかな、と思ったら無いようだ。また、女の子達も「次がんばりましょう!」とか励ましてくれる。退場は普通に出来そうだね、とか周りの選手と話す。花束など渡されて、リンクを離れ通路に向かう。
通路を歩くうちに、いつのまにかスーツ姿になり、回りが結婚式場になる。手に持った花束が邪魔だ、というかこれをどこかに置きに行くのでは? と思っていると、大きな控え室のようなところに着く。あ、ここかな、と思っていると、その部屋の壁に書かれた桜の絵柄を見ていた外国人男性に「これからみんなで花見をするんですね?」とか英語で話しかけられる。ジョークで言っているのか、花見というものを勘違いしているのかどっちなんだろう、と思いつつ英語で説明しようと文章を考えていると「ジョークだよ。ジョークに決まっているじゃないか。頭が硬いっていうか洒落が通じない人だ」というようなことを言われ鼻で笑われる。キレそうになるが、あとから来た友人に「まあまあ」となだめられて部屋に入る。花を置く場所があったので置く。祝儀は、と思ったが、それはすでに渡していたらしい。というか祝儀の袋を棚にディスプレイしている。その中に自分の名前を見つけて安心する。
視聴者参加型の深夜番組「変態さん選手権」の演出をしている。
この選手権は変態的な性癖を競い、最終的には視聴者携帯からの投票で参加者の賞金が決まるというもの。元々私も出場者として挑戦し賞金をゲットしたのだが、なぜかそのままこの番組で働くことになったのだ。
番組のルールはこういうもの。
・参加者が自分で考えた「変態っぽいと思われるプレイ」の内容を説明。
↓
・そのプレイのキモとなる5つのアイテムや状況を5枚のカードにして示す。
↓
・30分以内にスタッフが5つのアイテム等をそろえることができなかった場合、第1次予選をクリアとする。
↓
・5名の変態審査員(それぞれ異なった方向性の変態エキスパート)のうち4名以上が「そりゃ変態だよ」と認めた場合、2次予選をクリアとする。5つのアイテム内容については「変態性が確かに認められる」のか「ただ揃えさせないように無茶なことを言っているのか」もあわせて審査される。
↓
・後日、指定アイテム、状況が全て揃った段階で実際にプレイ。参加者の性別に関わらず「そのプレイを実践し30分以内に“達した”」と認定(体液やら脳波やら)された場合、本線をクリアとみなし基本賞金額100万円+「やっぱ変態」と思った視聴者の携帯投票数により賞金が上積みされる。
これが基本の形となる。また「5枚のカードのアイテム・状況をスタッフが30分以内にそろえることが出来た場合」その場で即プレイをしなくてはならない。が、ここで条件付でギブアップすることも出来る。つまり揃えられないだろうものを1つ2つ混ぜ込んでおいて、それらが「変態認定」もされた場合は、ソレに対して耐性をつけておくなりなんなりのトレーニングをする猶予があるということになる。一種の駆け引き的要素なのだ。また、ギブアップする場合は、全裸で30分スタジオ内のさらし者となるペナルティがある。
ちなみに私が用意した5つのアイテム等は
・バイの太った中年に(私が)筆であちこち撫でられたり、イヤミを言われたりしながら
・ガラスの仮面全単行本を読むことに熱中していて行為にまったくノーリアクションの援交主婦に対して
・(私が)長州力のコスプレ&モノマネをしつつ
・悲恋をテーマにした落語「たちきれ線香」を演じながら
・それをライブで見ながら「ありえない」「変態すぎる」などと滝川クリステルが罵り、その姿が壁中に配置されたマルチディスプレイに映し出される中でプレイ
というもの。
スタッフが用意できないのはクリステル関係だろう、と読んでいたのだが、用意されたのは
・太った中年のゲイが筆を持って登場
・主婦(援交歴アリ)
・長州力コスプレセット&モノマネ芸人
・桂米朝 たちきれ線香DVD
・中継機材一式 滝川クリステル出演OK
だった。しかし、ガラスの仮面を全巻時間内に揃えることができなかったのだ。
その後、なんだかんだで行為には成功し賞金をゲットできたのだった。
そんなこんなで今日の出演者が条件説明を始めた。持ち道具としてのカードのパネルを作る担当のスタッフ以外は、出演者の条件は知らない。アイテムを事前に揃えることができないようしないと意味が無いので当然だ。出演者は50がらみの普通のおじさん、という感じ。
・パリでストリーキング
・コンコルドに乗って
・周囲をタキシード姿の老紳士に囲まれながら
・キャビア女体盛の叶美香と
・イタリア語で会話しつつ
なんだそれ。という感じ。別に変態性なくない? 準備できない状況を言ってるだけじゃない? と変態審査員は激怒。スタジオ客もドン引き。こいつを失格退場にするのは簡単だが、場が冷えすぎた。こりゃどうしようか。
ニュースサイトのライターのような仕事をしてる。制作元から「子猫や子犬を使ってゴルフをしている人たちがいるらしい。動物虐待的なものなのか調査、取材をしてきて欲しい」と依頼が入る。こりゃたいへんなことですね、とカメラマンと話しつつ指定された地方に向かう。
ゴルフ場に行く途中、草原で子猫を手で転がしている人たちが居た。これがネコゴルフなのか? と思い「何をなさっているのですか?」と聞いてみる。と、転がしていた中年男性が「あーこれはね。この地方でよくやる子猫の健康法なんだ。こうやって手で転がすと、内臓が丈夫になって病気しなくなるんだね」とのこと。見ると猫もうれしそうにしている。これは虐待でもネコゴルフでもないですね、とカメラマンと小声で話していると「ん? ネコゴルフ? あーあっちの山の奥のゴルフ場でそういうのをしているのを見た、って噂は聞いたけどねえ。こんな可愛いものを打つなんて考えられないから。噂だけだと思うんだけどもねえ」とのこと。お礼を言ってそこに向かう。車で行っても結構時間がかかりそうだ。
と、大きくてふわふわの毛がついた巨大なパターのようなものでネコを押している老人たちが居た。結構育った感じのネコで、いわゆる子猫という印象ではないが。これか? と思って聞いてみると「あ、これはね。ネコゲートボールという遊びなんだよ。ほら、いくつかゲートがあるでしょう。それらに全部ネコをくぐらせるまでに、何回このステッキで押したり、方向修正したりの回数の少なさとか、時間とかを競うんさね。叩いたりはしてないよ」とのこと。ネコにダメージもなさそうだ。というか寝てしまっているネコも居る。殴られては寝られないですね、とか話していると「あー、お金は賭けてないよ。うん。賭けてない」とある老人が素っ頓狂な声で言った。皆どっと笑う。こりゃ賭けてるな、と思ったが、今回はそれの取材ではないので突っ込みはしなかった。ネコゴルフというものを知っていますか? と聞くと、老人達の顔が急に曇った。
「うーん。あのね。ちょっと地元以外の人に知られる前になんとか止めさせようとしていたんだけど、知られ始めてるんだな。うん。ここはアンタらにも協力して止めてもらえるなら話すよ」とのこと。目的は取材で、記事にしてから反響を見て止めようというのが当初の計画でしたが、状況によってはデスクと交渉してその場で止めます。というようなことを伝える。と「解った。あのな、この山のもう少し奥に、会員制のゴルフ倶楽部があるんだわ。スパなんとかいうんだっけか? そうそう洋風な温泉みたいのな。アレとか耳つけたねーちゃんたちが居たりする飲み屋とかな。ん? そうそうバニーなんとか。ソレだ。そこでな。子猫をゴルフボール代わりにしてるんだわ。道具? 普通のだよ。そんで普通に打つんだよ。だからばたばた死んじまうだよ。屍骸がバラバラになっちまったら、一番遠くまで飛んだのを使うだとか、区別のためにガラの違う子猫をセットにして売ってるだとかそりゃーもうむごいもんだ」
えらい話だ。これはもう即時止めさせる方向で考えたほうが、とデスクに連絡を取る。と「営業そのものを停止させるには世論の後押しが必要だ。しかし、続けさせるわけにはいかない。責任は社ですべて取るから、ここはひとまず証拠になる写真を撮ったらネコを全部盗んで逃げろ」との指示。ネコ窃盗罪、ってことに我々はなるんですかねえ。でもここはもう覚悟していくしかないですかね、などとカメラマンと話し合いつつ現場に急ぐ。
ネコを打っているところや、籠に入れられたネコを買っている人などの写真を数点抑える。と、急に雷雨が起こり、皆クラブハウスに戻っていった。ネコは置き去りだ。カートを一台無断拝借してコース中のネコをまずは回収、保護する。とりあえずクルマの中に安置して、残りのネコをどうしようか、と相談する。と、カメラマンが「こういうこともあろうかと思いまして」となにやら大きな袋を取り出した。「徳用またたび」と書いてある。あーこれでネコを、用意がいいですねえ、と言いつつまずはクルマの中のネコにまたたびを少しずつあたえる。にゃーにゃー鳴きながらも「ここに居たほうがいいみたいだ」ということを解ってくれたらしい。さて行きますか、と建物内に潜入。「高級倶楽部だから、客と隔離された場所に居るはずですよ」とカメラマン。暖かいからボイラー室あたりが怪しいですね、といいつつボイラー室へ。居た。ボイラー室の脇に飼育場のようなところがあり、大量のネコが居た。籠に詰められているものはまずはそのまま持ち出せるようにして、持ち込んだ背負い籠に残りのネコを入れる。またたびの効果は絶大で、向こうから寄ってくるので思ったより簡単に済んだ。腹が膨らんでいるネコは妊娠中で気が立っているのかふーふー言っているので、それは籠とは別にして手で抱えて通用口から逃げ出す。なんとかクルマにたどり着く。
気づかれないうちにこの場を離れましょう、とクルマを走らせる。と運転していたカメラマンが「まずい。カーナビが壊れた」と。一般道路に出ればなんとかなるが、ここは山の中。道がわからない。困ったなあ、と思っていると、「またたびは効くなあ。たまらんなあ」と小さな声がした。カメラマンに「なんかいま言いました?」と聞くとこわばった顔で首を横に振った。「俺でもない」という仕草をして2人で黙っていると「あー効く。久々だなこりゃ」とまた聞こえた。そーっと後ろを見ると、保護したうちの年寄りっぽい灰色のネコと目があった。「君か?」と聞いてみると「あ。イカン。聞こえちまったか。歳を取ると独り言がついついなあ」と言う。「君、人の言葉がわかるのか?」と聞くと「んー。だいたいのことは。まー長く生きてるとそれくらいはの」とのこと。「道、解りますか?」と微妙に敬語になりながら聞くと「んー。山から出るあたりまでならの」とのこと。教えてくださいというと「あんたらー、ワシらを助けてくれたと思っていいのかの? なら教えるが」と。「そうです。これからきちんとした保護施設に預けて、人間に飼ってもらうことにしたいと思っています。あ、あなたに皆に聞いてもらって、野良猫のほうが良いと言うなら、人間と干渉しないような山に離したり、ということも考えます」と伝えた。「んー。そこまでな、山のほうがいいならそれで、とかまで考えてくれるなら信じよう。まずはこっちじゃ。ん。こっちが左で良かったか?」と左の前足を振っている。そうです、そっちが左ですよと言いながら前部座席のほうに来てもらう。「わしー、眠いからあんまり余裕ないぞ。飛ばせよ」と言ってにやりと笑った。「喋るのも結構実はしんどいんでな。要所以外はワシの尻尾が向いたほうに進め」と言ってダッシュボードの上にうずくまっている。なんとかなりそうだ。
レギュラーで持っているロケものの仕事の取材に行く。いつもはスタッフ多数で行う作業だし、事前に企画の準備、道具、取材先への許諾、道路等の使用許可を取ってから行くのだが、今回は1人で、しかもまったく予定を立てずに出かけてみたくなった。スタッフからは「無茶ですよ」と止められたが、振り切って来た。
駅に行き、最初に来た新幹線に乗る。車掌に「これはどこまで行きますか」と聞いたところ、四国のほうまで行くという。とりあえず終点まで行こうと決めた。
温泉旅館についた。まずは普通の泊り客として入った。あちこち見てみると結構味のある建物なので、取材をしたい、と申し込むと、あっさりOKされた。
あちこち写真を取って歩きつつ、そうだ風呂に入ろうと部屋の風呂にお湯を入れる。そこで「ここ温泉じゃん」と気が付き大浴場へ。空いている。部屋に戻ると風呂のお湯が出しっぱなしだったらしく、部屋の一部に浸水している。まあいいっか、とバスタオルなどを置いて水気を吸わせる。が、あまり熱心にはやらない。
旅館のおじさんが「ウチの女将はそれはもう美人なので取材していってください」と言われる。「美人●●に美人無し」の法則だよなーと思いつつも会う。エライ美人だ。こりゃ失敬しましたと思いつつ写真を撮る。少し緊張しているようなので「もうちょっとセクシーポーズ取ってみましょうか」と軽口を飛ばすと、その気になったのか斜めにしなしなっと座って裾から脛を出してみたりしている。使うか使わないかはともかく撮って置くか、と思っていると「私、実は胸が大きいのが結構自慢なんです」とのこと。しかし和服だとわかりませんので着替えてきます、とさっさと行ってしまう。すぐセーターとスカート姿で戻ってきたが、言うほど大きそうでもないな、と思っているとセーターの襟元をぐっと自分で広げた。「撮ってくださーい」とのこと。見るとでかいでかい半端でなくでかい。うわーと思いつつ撮る。で、エリを戻すとまた「たいしたこと無い」感じ。不思議なセーターだと思う。
部屋に戻って頭をまだ乾かしていないことに気が付いて鏡を見る。と、物凄く髪が伸びている。温泉効果? と思うが、ありえないほど伸びている。しかし、伸びたものはしょーがねーわな、と支度をして次の取材地に向かおうとする。と、父親から電話が入った。近くに居るのだが、これから帰るので途中まで車に乗せていく、とのこと。次は静岡あたりに行こうと思っていたので、新幹線の駅の近くで、とか言いつつ迎えに来た車に乗る。
父親は私の指定したルートとまったく違う道を走っている。「違うぜ」と言うと「近くまで来たんだから実家に寄っていけ」という。全然近くない。というか静岡をはるかに通り越してしまうではないか、と言うが聞き入れない。半ば喧嘩別れのようにして強引に車から降りる。
静岡に到着。また温泉に行くかー、と思いつつも、静岡に居る知人に電話連絡をしてみるが、電話がつながらない。別の知人に連絡をしたら東京に来ているとのこと。こりゃタイミングが合わなかったなあ、と思い、まーいいか、と栃木に行ってみようかと思う。
国内の結婚制度が変わった。「夫婦」という組み合わせの概念がある部分で消失し「既婚者」「未婚者」という区分になった。ある意味では「免許」みたいな感じというか。
「夫」「妻」というのは区分であり、それぞれに様々な役割やら収入やらことこまかな申請をする。それで「合致する人々」が一緒に暮らしたり、分かれてまた新しい区分の人と暮らしたり、また前の人と暮らしたり、という組み換えを前提とした仕組みとなっている。未婚者と既婚者の違いは「既婚登録をしていない人をその相手にしない」ということ。あとは税金とか。
しかし、この新しい仕組みは中々にややこしいいため「モデル」を設定することとなった。彼らの暮らしは政府機関が編集、組み合わせをした形でドラマ形式でTVで放映される。それに応募し、違反、視聴者からのクレームなどなく既定年数を過ごせば「特別既婚者」としてあらゆる面で相当な優遇を受けられることになる。
「どうせなら」「自分の勉強にもなるし」と応募したところ採用された。特別な町で暮らすことになる。
この町は外部からフェンスで完全に遮断されている。町の中には至るところにカメラが設定されていて、町で暮らしている人はみな「出演者」だ。子役は進学面などで優遇されるほか、既定年齢に達し、既婚者となる時に「特別既婚者」となれるのだという。
ドラマの種類などにより、モデルのパターンはいくつかに分かれている。
・1ヶ月単位でローテーションする人々
・1週間単位でローテーションする人々
・1泊2日でぐるぐると組み合わせを換える人々
最後のパターンは、実際にこういう暮らしをする人は少ないだろうが、パターンとしてはこうなる、ことを説明するためのものなので、出演者の生活は非常にハードなものになる。また、このパターンの多くは「妻」「妻と子供」は常に同じ家で生活していて、夫のほうがそれぞれの家を移動する、というパターンのみが認められているため、男性側の負担が高い。なので、この役割の「就業年数」は他に比べて1年と極端に短い。1ヶ月単位の家族は5年だというのだ。
なんだかんだでそれに合格したので、特別既婚者の資格取得にも早道だし、と挑戦することにした。
私の仕事は
・本職がアイスクリーム輸入販売店の営業部課長、副業で雑誌ライター
というものに設定された。行く家庭は「月〜火」などの区分で、同じ家にまた行くのは隔週、という形。相当に多いローテーションに入った。
いろんな妻、子供、ペットなどと接してたいへんなのだが、なんとか上手く行っている。それぞれの夫婦、家庭には「基本設定」があるだけで、台詞はすべてアドリブ、というか役から外れないことを言えばいいだけなのだ。演じている途中で解らなくなったときは、夫婦間、または政府の担当がPCのチャットのようなものでささっと打ち合わせをして演技に戻る、という形。
「幼馴染同士の新婚で夫婦生活も毎日のように」というところから、まったく冷え切った感じのところまでそれぞれ体力、精神力的にうまく続くように設定はされているものの、時折相手が「設定から外れた」ことをしようとして戸惑ったりはするものの、なんとか半年が過ぎた。仕事は本当にやっている形になり、それで収入を得ているため、出張が入ったりする。ある家庭には結局出張日に当たることが多くなったため、2ヶ月ぶりに顔を出したことがあった。そこでは「他の夫とはかみあわない」とか「他のお父さんは面白くない」とか悩みを言われたりするが、それも芝居の枠組みとはいえ、彼女達にとっては「リアルな生活の悩み」であり、それを解消できるか、できないかというのもこのドラマを放映している「意味」であるため、役というより人間として真剣に対応しなくてはいけない。
逆に私のそういう悩みを受け入れてくれる妻の人もいる。その人のところに行くのと、別の家に居る「簡単な会話能力を持った人工ペット。材料はかまぼこと電子部品」で出来ているものと話すと本当に気が休まる。試聴者にもそれは見て取れるらしく「この既婚制度が持つ明暗がよく伝わってくる」と好評だそうだ。たまに「美人の奥さんのところでだけ特定のプレイ内容が多くなる」との意見もあったそうだが、政府としては「それがリアルというもの」とクレーム扱いとはしないでくれたそうだ。今日はかまぼこペットの家に行く日だ。本当は設定で「ジェーン」という名前がついているが、私だけは「ネリモノ」と呼んでいる。今日もネリモノとたくさん話そう。ネリモノは手足が短いネコの人形のような形をしていて、手足と耳の先が「赤かまぼこ」の色になっていてあとは白い。私が教えた両手両足をぺたーっと広げて「キター」と叫ぶ芸を覚えてうれしそうにやってくれる。漢字の「北」の形に体がなるというだけの一発芸なのだが、そこの家の妻に聞くと、他の夫の前では絶対にやらないそうだ。その妻は時々ネリモノに芸を仕込んでいてくれる。彼女も私のことを「うちに来る夫の中では相性がいいほう」と言ってくれているからかもしれない。この間はネリモノが私が風呂に入っていると「おでーん!」と叫んで風呂に飛び込んできた。妻に後で聞いたら「政府の人に聞いたらお風呂ぐらいの温度だったら全然ジェーンに悪影響はないというから仕込んだのよ」っと笑っていた。今日もいろいろとやってくれるだろうか。
男女にそれぞれ「異性のソレ」を付けることが流行る。
手術はそう高額でもなく、大変でもないということで結構多くの人が「とりあえず付けてみた」という感じで流行。
昔の恋人も「付けた」とのことで当時を懐かしんで、ということでプレイすることに。
双方のソレをフル活用した「ダブル連結」はもちろんエキサイティングだし、それ以外にもプレイの幅がぐんと広がるものだ、と2人で関心しきり。
「立った状態で後ろから」というもので初めて「前」のポジションを担当する。あーこりゃ凄いもんだ、と驚く。
どこかの部屋で寝ている。と、下半身に違和感。某有名女性コラムニストが私のソレをいじくりまわしているのだ。何やってんですか? と聞くと「んーなんか楽しいかなと思って」と曖昧な回答。えー?と思っているうちに危ない感覚。あれあれやばいやばいと思っているとぱっと顔をかぶせて始末してくれた。「(タイミングが)よくわかりましたね」というと「まー女やって長いんで」とティッシュに吐き出して笑っている。
隣の部屋では何か料理をしている。私も手伝わないといけないな、と思って参加する。が、どうも水道の調子が悪く、みなてこずる。なんとかスープと、カレー数種類を作ったが、誰が食べるものなのかわからない。
テーブルを見ると「カレーを作るとよい」と表示された機械がある。小さい弁当箱ぐらいの銀色の金属ボディで、中心部に液晶画面があり、文字が表示されるのだ。
「ああ。“決める機械”の指示か」と思う。さっきのコラムニストの行為も機会の指示だったのかもしれない。
この機械は1年ほど前から実験的に市販が開始されたもので、どういう仕組みかは知らないが「回りにいる人々の行動に間違いが絶対にない指示を出す」ための機械だ。通称「決める機械」と呼ばれている。
することが無くなったので帰る。飛行機に乗った。随分と遠くに来ていたのか、それとも「飛行機で帰る」という指示が出ていたのかはよく解らなかった。
家に着くと妻と2人の娘が居た。機械を見ると「速やかに離婚すること」と出ている。えーなんでだろうか、と思うが「機械の指示ですから」と妻は書類を書いている。子供たちは妻が連れて行くそうだ。機械をまた見ると「2ヶ月は住んでいてもよいが、元夫とは口を聞かなくてよい」と出ている。2ヶ月居るのかね? と聞くと「いえあさってには引越しのメドが立ちましたから」とのこと。まあ、機械の指示だからなあ、と思ってぼんやりしていると来客。夜のニュースワイド番組で人気のハーフのアナウンサーが立っている。
「一日愛人で伺いました」とのこと。よく見る「一日署長」のようなたすきのソレをかけている。妻と子供たちは引越し準備ということで出かけていった。さて、一日愛人とは、と機械を見る。「ドラクエをする。一日愛人はその間ずっとご奉仕を」とのこと。えーっ? と思うと「どっちの口がいいですか」とまたストレートなことを聞かれる。「じゃあ上で」と答えると機械を確認している。「1回目は上からすぐ下でそのまま終わる形でお願いします。あとは上でも下でもお好きなほうで大丈夫です。避妊はしなくていいと書いてありました」とのこと。あーそうですか、ともう任せることにした。
夜になってアナウンサーは帰っていった。明日からドラクエやったら「普通にドラクエをすること」に逆に違和感があるのでは、と心配になるほど激しいドラクエタイムだったわけだが。「明々後日にまた来ます」とのこと。は? と聞くと「機械に出ましたので」とのこと。はあ、と返事をすると今度は見知らぬおばさんがやってきた。
「食事をお作りしますんで。えーと、しょうが焼きですね。機械の指示は」とのこと。出来上がったので食べることにした。「明日は別のおばちゃんが来ますから」とおばさんは帰っていった。「早寝早起きをして早い時間から仕事。夕方からは改めて指示あり」と表示されている。じゃ寝るか。
夢を2つ見ました。
●失敗クイズ
メールが届く。「人類XXXXX研究所」(XX〜部分は失念)とタイトルにある。何かのいたずらか、と思ったが、ウイルスソフトに反応はないし、私の名前もタイトルにあるし、プロパティなどでみてもgoドメイン。とりあえず開いてみる。
と、どうもきちんとした国立の研究機関からのものらしい。内容は
「あなたは今日、5つの失言を口頭またはメールにて行いました。それが何であるかを書いて今日中に返信してください。返信があり、誤答が1つ以下だった場合、その失言は無かったことになります。誤答が2つ以上、または今日中に返信がなかった場合、今回の失言の重さが増加します」とのこと。
意味がわからないが、ひとまず送らなくては、と必死に考える。が、どうにも思いつかない。
●外ハメ回数券とSuica
知人から「外ハメ回数券」というものを貰う。何ですか?と聞くと「これを用いての性行為は法律的、人道的な罪に問われないというものです」とのこと。仕組みは
・クレジットカードほどの大きさ。スライドボタンで相手の好みを入れられる。ルックスとかプロポーションとか。
・近くに希望に近い人がいるとそのボタンが「緑・黄色・赤」に色分けされて光る。緑が「適合度が高い」ということ。右下隅の液晶表示エリアに「100点満点でどれくらいの適合期待度か」という数値も出る。
・それら適合値が高いカード同士が近距離に来るとそれらのカードから同じ音がして誰だかわかる仕組み。
・希望を設定した時間から24時間以内で可能な「この人はパス」は2回まで。3回パスをするとその1回分のクレジットを消費する。合意に達して行為を行った場合も1回分消費する。
・外ハメ、というのは「そとはめ」と読み、まあ、言ってみれば外食みたいなニュアンスということ。
・買い切りの回数券式と、Suicaのようなチャージ式がある。名前も「外ハメSuica」とのこと。
へー、と思い、ひとまず希望を入れてみる。かなり強引な、というかわがままな条件を設定したので、まあ、適合者が居ても向こうの設定値に適合しない、またはパスだろうなあ、と思いつつ。
ところが、駅の通路を歩いていると、ほとんど緑、総合点95点というのが表示された。キョロキョロと探すと、通路の向かい側にやはりキョロキョロしている女性がいる。ダメ元と近づいていくとピピピーとアラームが鳴った。その人も鳴っている。向こうもこちらを確認したのでどうもどうもなどと挨拶をする。
意外にも向こうが「OK」の入力をした、という表示が回数券に出る。慌てて私もOK入力をする。なんか飲み屋でも行ってからにしますか? と聞いたら「いやもうすぐにでも」というので近くのしかるべき場所へ。相当激しい時間を過ごし、双方満足して解散、ということに。
事前に知人に聞いていたのは
・この仕組みで知り合ったもの同士が、この仕組みを経由しないで行為を行うのは「罪に問われない」ことの適用外となる。
・メール、携帯などで待ち合わせをしてカードを経由して同一人物と行為を行うのも同じく「適用外」となる。回数券などにそれらをチェックする機能がある。
・逆に言うと「世間話として」利用駅や時間帯などを話し「たまたま再会した」形であればチェックはできない。罪に問われないことの「適用内」となる。
ので、帰り際になんとなく利用駅などについて話すと、向こうも含み笑いをしてそれに関する話題を振ってきた。うまくすればまたこの人と、などと思いつつその日はSuica式のものを早速購入して帰る。駅で売っているし、チャージも出来るのだ。
日が変わって、GT選手権などに出ている車両と、プロトタイプの車両をクラス分けしての公道レース、というものの取材に出かける。レース自体は「真剣勝負」と企業の宣伝みたいのがごちゃごちゃになっていて、いまひとつ緊迫感にかけた。と、以前やはり取材をしたソーラーエネルギーレーシングカーを開発している人たちに出会った。ではでは、と焼き鳥屋に向かう。この焼き鳥屋は以前にバイトをしていた店で、色々とよくしてくれるのだ。
クルマの話などをするが、やはり最近の人々の関心事は「外ハメSuica」なので自然にその話題になる。
「いや、あれは結構成功率が高いんだけど、いくら罪にもならずモラル的にOKと言っても、モロ“ラブホに行って来ましたよ”という匂いやら香水の匂いがしたまま家に帰るのはちょっとねえ」
「そうなんですよねえ。毎回焼肉屋に行って匂いを消してくるというのもねえ」
「焼肉行き過ぎると、中年にはキツイというか。それに妙に精力つけようとしてんのかと家内に思われてもねえ」
などと言っている。
「焼き鳥屋で軽く飲んで居れば別に自分が食わなくても匂いは着くし、あと、地下のバーなんてのも換気が悪いからタバコやら独特の匂いが着いてそっちの匂いは消せますよ」と私。
「ほーこりゃいいこと聞いた」
「結構やってますね!?」
などと感心されるやら冷やかされるやら。と、カードがピーピーと鳴り出した。特に設定はかけていないはずだが、鳴るには鳴るらしい。なんだろう、と見ると、店員の女の子もピーピー言わせながらこちらをじーっと見ている。
「ほほーこれはまた」などと回りは盛り上がっているが、ここで鳴らされてもなあ、と思っていると店長が「いいよー。座敷でちょっと軽くやってきたら」などと言っている。えー!? と思うが女の子はそれでOKらしい。同席した人たちも「どうぞどうぞ」と言っている。パス権利が無くなるのもいやだし、と思い、まあいいか、と座敷で行う。
数日後、Suicaを取り出して見ると、違うマークが着いていた。アレ? と思ったが、家の者に聞くわけにも行かず「なんかがオートアップデートしたのだろうか」と思いつつ出かける。と、駅にさしかかったあたりでピーピーと鳴り出した。誰だろう、と思っていると、筋肉質の男性がにこにこしながら近づいてきた。え!? と思っていると向こうがOKと入れた表示が出た。こちらはひとまずパスを押さないと、と思っていると勝手にOKを送ったことになっている! これは一体、と思っているうちに男性に腕を掴まれてぐいぐいと引っ張っていかれる。「男同士用」もあると噂には聞いていたが…。寝ている間に家人に摩り替えられたのだろうか。
友人と「年末軽く飲み投げと行きますか」と街を歩いている。と、駅の前で「白い羽共同ボッキンにご参加お願いいたしまーす!」と声がする。はい? 友人と「まあ聞き間違いですかな」などと笑っているとノボリみたいのにもそう書いてある。“歳末白い羽共同ボッキン”と。悪ふざけにしては度を越していると友人と見に行ってみると「募金+精子銀行および医療研究用への提供」というものらしい。どうやって? と思っていると説明コーナーというのがあったので入ってみる。
そこには
・東洋医学によるクイックコース ※施術は1人あたり3秒程度で終わります。お時間の無い方、EDの傾向が見られる方に特にお奨めです。
・風俗嬢によるエンジョイコース ※施術は1人あたり1分〜2分程度で終わります。「過程」も気持ちよくお楽しみいただけるのはこのコースです。手およびローションを使用いたします。
・学生ボランティアによる器具コース ※施術時間は個人差があります。
○標準ボッキンセット:上記コースから1つをお選びいただき、500円の寄付および体液のご提供をいただきます。15分以上経過しても放出が無かった場合、300円の寄付のみをいただきます。
○ハッピーボッキンセット:上記コースの全てを1000円の寄付および放出全体液のご提供をいただきます。ただし、時間制限は10分となり、全コースによる放出を保証するものではありません。コースの順番は指定可能です。
○わんこボッキンセット:制限時間上限は1時間。全コースをローテーションで行います。ご本人がお道具を着衣内に自ら格納、または前回の放出から5分放出がなかった場合終了となります。放出回数×500円の寄付および放出全体液のご提供をいただきます。コースの順番は上記表記順の繰り返しとなります。
※各コースとも、放出回数分の白い羽をお持ち帰りいただきます。
とのこと。協賛の鍼灸医院や学校、風俗店、学生ボランティア協会の名前、器具提供会社などの名前が書かれている。いわゆる無修正系のサイトやビデオ会社の名前もある。クイックコースなどで「あらかじめスタンバイ状態」に入りやすいようにとの配慮だろうか。
「これはもう募金というよりも明らかに風俗だよなあ」などと友人と話している。しかし最終的に寄付はするんだろうねえ、などと言いつつ横を見ると、モニターがあった。サンプル映像とのこと。どれどれと覗きに行く。
東洋医学のクイックコースの映像。とにかく速い。白衣を着た女性が2〜3回手前に引くようにするとかなりの怒張モードになり、野球の「フォークボールの握り」のようにして先端をぴっぴっと二度ほど引いて半球状のフタのようなものを被せる。いわゆる「摂取用器具」なのだろうか。女性に退室を促された男性は首をかしげているが、2.3歩歩いた段階でうめき声を上げてふらふらとしている。凄い。まさに東洋の神秘とはこのことか。「ケンシロウみたいだ」と友人が言う。なるほど「お前は既にイッている」ということか。
続いて風俗エンジョイコースを見学。女性は裸だが、柵のようなものがあってちょっかいを出せないようになっている。で、ローションを垂らしてはなにやら「団子作り」「飴職人」のごとく素早い動きでこなしていく。何をどうしているのか解らないほどの手さばきというか。説明通り「過程」もイイらしく、対象の男性の息遣いが荒い。東洋医学コースほどではないが、これも速い。ただ、器具を被せてから数秒間「フォローの動き」もあるので、やはり快楽度はこちらが上だろうか。というよりこれは完全に新手の営業スタイルにしか見えないが。
最後は学生ボランティアのコース。いわゆるアダルトグッズ女子高生が使ってくれるということらしい。装着取り外しは寄付の方が自ら行うようで、学生はつけた後を手で動かしたり世間話をしているだけらしい。「これはマニア向けですな。制服だし」と友人。「つうかこれはボランティアの範疇に入るのかね」と私。「医療ボランティア、ということの拡大解釈でしょうねえ」と友人。いずれギリギリだ。
店の予約時間が迫ってきたのでその場を離れる。
「ハットかませる自信があるなら、ハッピーセットで学生・風俗・東洋、ってのが一番お得感あるでしょうねえ」と友人。
「だね。ロートン行けるなら学生最後で最初は東洋にして風俗を長めにしてよりハッピーに、かな」
「っすね。あんまコンディション良くないようなら風俗・東洋・学生ですね」
「わんこは学生が罠だよな。1回目の学生を乗り切れるかどうかだよねえ。前2発がアレで3つめを5分以内はなあ。でもまあ、学生2回乗り切ったらつわものだわな」
「その段階で7発確定でしょうね。風俗嬢がタイプだったら8発の可能性も。ナイス8マーク」
「8マークで限度だろ。9マークだったらまさに“馬並み”だわな。つか羽貰っても付けねえよなあ」
「羽9本付けて“ホワイトホース出した”言ってる場合じゃないすからね。付けてる人居ませんでしたねえ」
「むしろ馬じゃないホースだよなあソレ」とか話しつつ歩く。
どこかの会議室で打ち合わせ相手を待っている。と、会議室の奥に人影。見に行くと、なんかドラクエの変な角付き覆面みたいのを被ったマッチョの人が、サラリーマン風の男性のオカマを掘っている。机に手をつかせて、という形。
「技術のぉ、技術のぉ 何!?」
「に、に、日●!」
「メイクイットポッシブル、メイクイットポッシブルゥ〜 何!?」
「う、う、ウイズ、き、き、き、キヤ●ン!」
「そうだやれば出来るじゃないのぉ!? 出来るじゃないのぉ!?」
とか延々そういうの。なんだろうこれは、と思ってみていたが、展開に変化がないし飽きたのでその場を離れた。
※変な夢ですねえ。
※この日は寝ている途中で何度か目を覚まして、また寝ては夢を見る、というのが続きました。時系列が前後したりしますが「海外での暮らし」「ダーツ」「エロ」というものが何か1本串として通っている感じでした。完全に連動はしていませんが、世界観は一緒というかそういうイメージでした。登場人物は日本人、外国人入り混じっていました。
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●メキシコ/成人後:ダーツ小屋
メキシコで働いている。ちょっと前にTVで「今後性交渉は“当たり前のこと・隠す必要が無いこと・恋愛感情が無い間柄でもかまわないもの”として扱います」との政府からのリリースがあった。それを受けて、この地域では「それの場」としてダーツを置いた掘っ立て小屋のようなものがあちこちに作られた。台はギャラクシーが4台、台の反対側のスペースには壁にそって病院のソレのようなベッドが4台。つい立のようなもので仕切られてはいるが、目隠しというよりは洋服掛けとしてしか機能していない。なにしろダーツ台側からは丸見えなのだ。他にもソファなどがいくつか置いてある。性行為をしたくなったらそこに行って、さながらダーツの対戦を申し込むようにソレも申し込んで、という仕組みなのだ。
いくつかの決まりがその場所にはある。
・可能な限り、コンドームを持参すること。その日に余った分は置かれてあるガラスケースに入れて帰ること。
・ケースの中のコンドームにいたずらをしないこと。いたずらが発覚した場合、当人は無期限出入り禁止とする。
・職業上やむをえない場合を除き、銃など武器類は持ち込まないこと。
・ダーツだけをしたい場合は、ここではなくダーツバーに行くこと。
だいたいこんなものだ。ダーツバーと区別するために、人々はこの場所を通称「ダーツ小屋」と呼んでいる。ダーツ小屋は「ストレート用、男女それぞれの同性愛者用」の3つに分けられていて、それぞれ「緑、黒、赤」の屋根の色で区分されている。
仕事が早く終わったので、ダーツ小屋に行ってみる事にした。男性2人の先客あり。知らない顔だったが、挨拶をして「まあそれまでダーツでも」と思って仕度を始める。と、その男性客2人がじろじろとこちらを見ている。システムが解らないのか、ダーツを投げたいがやり方がわからないのかな、などと思っていると、こちらを意識しながらも互いの股間などをまさぐりあい始めた。えー!? と思っていると「一緒にどうですか?」と声を掛けてきた。
「あのー、ここはストレート用なんで。黒い屋根のはもう少し先にあるんでそちらにどうぞ」と言うと「いや、知ってますけど。ちょっと今日は新しい人と楽しみたくて」などと言っている。「でもルールが違いますよ。そういうのは迷惑ですよ」などと言っているうちにじわじわとこちらに寄ってきた。こりゃイカン、ダーツを人に向かって投げるのはNGだが、これはもうやむなしか、と思っていると、顔なじみの男女が5.6人どやどやと入ってきた。警官姿の人も居る。彼もここの小屋の常連だが、制服を着ているということはパトロール中だろう(警官が時々トラブルがないか見回りに来るのだ) 気配を察知した彼が「ちょっと来ていただけますか」と先の男性2名を連行して行ってくれた。
これで一安心、と思っていると、顔見知りの女性が「怖かったでしょう? じゃあ私がリハビリしてあげる」と早速のお誘い。これは出だし好調、と思っていると、やはり顔見知りの男性が「おっとちょっと待った。一応今日のルールを決めましょう。えーと、あんまりお2人を待たせてもアレなので私から提案。今日は、1回終わったらできるだけ別の相手と、というやり方でどうでしょうか。連続して、というノリになった方々はしかるべき場所に移動していただいて。で、いいですか? じゃあソレで。お待たせしましたー」と笑っている。
リハビリ、というだけあって積極的にサービスしてくれる。されるがままという感じになる。
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●イングランド/学生時代:ダーツ学校とペットと宇宙人
イングランドの高校に通っている。小学校から高校まで一貫教育の大型学校。通常の教育も行っているが、この学校は授業の中に「ダーツ技術習得」が含まれている。プロを目指すもの、ハイアマチュアを目指すもの、目的はそれぞれだが毎日2時間はダーツの授業と、クラブ活動がある。クラブ活動はサッカーなどを除いては全員ダーツ部。5人で1チームとなり、リーグ戦を戦うのだ。私は中学2年のときにこの学校に編入してきたのだ。
この学校には、高等部の3年から特待制度がある。教員の助手をしながら授業を受けることで、高等部在学中に支払った学費を全額払い戻ししてもらえる。その試験に受かるのは結構たいへんだが、私は幸運にも合格できた。なので助手をしながら授業を受ける形になる。その生徒達は私服ではなく学校に渡される制服を着なくてはいけない。渡されたものはなぜか異常に大きい。というか肩パットが入りすぎていてダーツも投げにくい。事務所に問い合わせたら「製造ミスでした。2週間ほどで新しいモノが届くのでそれまでは正式教員用のスーツを着てください」とのこと。着て授業に出ると同級生に「先生先生」と茶化される。同級生は「助手さん」と呼び、下級生は「助手先生」と呼ぶのが本来的な決まりなのだが。
今日はソフトダーツのクリケット練習教室で授業がある。マシンの設定など準備をする。設定といっても、そもそも「17と19以外が塞がれている台」などが数種類あり、それがきちんと動作するかをメンテナンスモード、手押し、投げて確認というのを繰り返すだけなのだが。
手押しの確認まで終わり、実際投げての確認に入ろうとすると教頭先生が来た。「やっとるか。うむ。3年になってからいいフォームになってきたな! ああ、大事なことを言い忘れた。投げての確認。この台まで終わったら玄関のほうに回ってくれ。生徒用の新しいペットが来たから、納品書との付け合せ確認を頼む。あとの台は私が投げておくから」とのこと。承知しました、と答え台の確認を急ぐ。教頭先生も投げ始めた。トリプル、外側シングル、ダブルと打って次に内側シングル、さらに次の数字のトリプル、外側シングル、というようにノーミスでバーッと打っていく。流石だ。
自分の分の確認が終わったので玄関に向かう。動物を運ぶためのトラックが数台並んでいる。生徒は「思いやりを学ぶ」ために動物を飼うことが義務付けられているので、その「新入生用および死んでしまったペットの補充」がやって来たのだ。ほとんどが犬かネコであり、犬種などは指定されたいくつかのものからしか選べないのでそれらの確認は大変ではない。「えーと、ビーグルが12匹、コーギー5匹」とか書類と数を確認すれば良いのだ。が、問題は馬をペットに申し込んだ分の確認。一部の旧貴族の生徒で高額な寄付を学校にした生徒だけ馬を飼うことが認められているのだ。まあ、イヤミっぽいステイタスになるということで資格があっても飼わない生徒がほとんどなのだが、来年の新入生はかつてないほど馬を申し込んだものが多い。色やらなにやら「これで合っているのか?」がよくわからない。図鑑で調べながら確認するのだが、馬が噛んできたりぼとぼと排便したりと始末が悪い。業者さんが「間違いなく合ってますけど、決まりですから(確認)お願いします」とすまなそうにしている。
なんとか全部の確認が終わる。犬猫と馬は業者さんが移動してくれたが、人手の関係でポニー2頭だけは私が専用厩舎に連れて行かなくてはならない。
馬は小さくても臭いなあ、と思いながら2頭を引いていく。と、宇宙人の生徒3人に声を掛けられた。そう、この学校には宇宙人も居るのだ。彼らはダーツの授業を受けなくていいことになっているが、趣味でやっている生徒も中にはいる。彼らもその生徒の一部だ。
「ジョシュセンセイ、コレ、タベルノカ?」
「いや、これはね。食べるものではなくて飼うの。ペットなんだよ」と説明する。
「ソウナノデスカ ヨクミルト カワイイネー」と言っている。
「何をしていたのですか」と尋ねると
「ア ジュウデ ウチアウアソビ ウチュウジンノコドモハ ヨクヤル ナツカシイノデミンナデヤッテミタ」とのこと。
小型の光線銃のようなものを渡してくれた。危なくないのか? と聞くと、
・宇宙人Aは当たると体が「小さいA君」に分裂する。3分ぐらいで元に戻る。
・宇宙人Bは2分ほど痺れて身動きが出来なくなる。
・宇宙人Cは体が数秒痒くてたまらなくなる。
とのこと。「キンパクカンアルヨ」と笑っている。「人体への影響は?」と聞くとハッと何かに気が付いたようで3人で確認している。「ゴメンワスレテタ シヌヨ スグヤメルヨ」とのこと。まあ、誰も死ぬ前に自分達で辞めることにしてくれてよかったと思う。
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●イングランド/学生時代:競馬場へ行く
新入生が入ってきた。本来であれば3年である私は卒業するのだが、助手の学生は6月まで学校に残る決まりになっている。メキシコの大学に進学が決まっていたが、それらにもその旨便宜が図られている。
今日は小等部の新入生で馬を飼っている生徒の引率で、電車で2時間ほどかかる競馬場まで行かなくてはいけない。彼の実家は裕福で多くの競走馬を所有しているのだが、大きなレースなので見に行きたいとのこと。高等部にならないと宿舎からの自由な外出は認められていないため、助手である私が引率を、というわけだ。
「助手先生。忙しいんでしょう? ごめんなさい。僕のために」と生徒が萎縮している。「大丈夫ですよ。今日はこれが助手先生の仕事ですからね」と笑ってみせる。少し緊張がほぐれたようで、生徒も笑っている。
電車が来た。車内に乗り込み、空席に座る。乗り換えは事前に調べてきたが、念のために確認を、と路線図を見る。と、どうも駅名が違う。というかなぜか漢字で書いてある。
持参してきたメモと駅名を照らし合わせているとなんとなく解ってきた。が、どうもイマイチはっきりしない。と、イングランド人と思われる中年女性が「アンタらどこ行きたいねんな」と思いっきり関西弁で話しかけ来た。
「●●駅なのですが」と答えると「あー英語で●●やったら、ここやわ。熊頭駅、ここここ。熊の、アタマ書いてるやろ? ここ。な?」とのこと。お礼を言うと「いやいや。オバちゃん前にチャイナタウンに住んどったから漢字詳しいねん。この車両もチャイナタウンで使っとったタイプやわ。路線図変え忘れたんやな。よっしゃ。オバちゃんが言っといたるから」
笑いながら歩いていってしまった。礼をしつつ見送るが、さて、チャイナタウンで漢字は解るが、関西弁の日本語というのがよく解らんな、と思う。
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●イングランド/学生時代:勤労奉仕と幽霊
6月になり、新入生のフォロー業務のための居残り期間が終わった。メキシコに引っ越すまで数週間あるのだが、学校から「引越し準備の合間を縫って地域のボランティア活動もやって欲しい」との連絡があった。人手不足とのことらしい。また、ボランティアとは言っても、学校のほうから結構良い時給が払われるとのこと。つまりは学校が2重でボランティアをしているようなものか。むしろありがたい話なので喜んで引き受ける。
今日は1人暮らしの老人の家の掃除と料理作りをする。地域の老人は「カードを買ってその金を賭け合う賭けビンゴ」が大好きなのだそうで、ボランティア団体主催のソレに連れ立って出かけているとのこと。その間に掃除と料理を、という仕組み。
石で作られた随分と古いアパートの前に付く。同行していた女子大生のボランティアの子から「あのー。このへんは古い家ばかりで、オバケとか普通に出るから」とさらっと言われる。「え? どうすれば良いんですか?」と聞くと「普通は“自分は何をしに来た。あなたは何がしたいのか”と毅然とした態度で話すと分かり合えるというか何もされないんだけどね。あなたほらー、日本人だから向こう見たことないかもしれないからねえ。時代によってはねえ。あとあなたー、英語アメリカで習った? あーやっぱりね。日本からアメリカ行ってその後イングランド? あー通じないかもしれないわー。昔の人には。ゆっくり喋ってみてね。まあ、なんとかなるでしょう。ここんところ誰も崇り殺されてはいないしね」と。ここんとこ? 前はあったのか? と思うが、いまさら「帰ります」というわけにも行かず、恐る恐る古いアパートに入る。
このアパートはどうも18世紀に建てられたものをあれこれ手直ししながら使い続けているものらしく、横に長い部屋に台所とリビング、ベッドルーム、バスルームなどがスライド式のドアで区切られているという作り。最後に改修されたのはいつなのか、家電製品が猛烈にミスマッチなほど風呂と台所のかまどが古い。まずは台所を掃除して、チキンのカレー煮込みを作る。煮込みつつ戸を全部開けて風呂掃除。水垢が随分と付いていてこれはしんどいな、と思っていると、台所から音がする。こわごわ見ると鍋やらフライパンが勝手にカタカタ動いたりかき混ぜられたりしている。あー来ちゃった、と思いつつも「決着を付けるなら早い内に」と台所に向かう。と、今度は風呂のほうで水が出たり止まったりする。
腹を決めて「どなたかいらっしゃいますか?」と聞いてみる。と、風呂のほうでもやーっとした霧のようなものが出て、徐々に実体化して若い女性の姿になった。手に大きな火箸のようなものを持っている。それにしても衣装が古いというか映画でしか見たことがないような作業着のようなものを着ている。
「アンタ! 人のウチで何やってんのよ!」と怒鳴られる。
これこれこういうことで、と説明をする。まず、ボランティアという言葉がうまく通じない。また、彼女は自分が幽霊だということはわかっているが、まだ1800年代後半だと思っているようだ。
「あの、いまは2004年なんですが」というと「2000を過ぎているの!」と驚いている。
「あーそう。ならしょうがないわ。お掃除頑張って。つうか手伝おうか掃除」とか言っている。なにがしょうがないのかよく解らないが、掃除を手伝ってもらってみる。と、どうもスポンジを動かせるが、あまり力が入らないとのこと。
「じゃあ。料理が焦げないように見ておくから。それなら出来るから」ということで幽霊に見守られながら掃除を続ける。幽霊の不思議なメロディの鼻歌が時々聞こえてくる。早く帰りたいなあ、と思う。
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●メキシコ/成人後:ダーツ小屋でおかしなゲーム
数日振りにダーツ小屋に来て見た。この日は8割程度の人が「ここの小屋は始めて」とのこと。隣の町から来たそうだ。性欲解消のために来る人も居れば、このように「いろんなフィーリングが合えば1対1の交際相手に」という人を求めて遠征してくる人たちもたまに居るということなのだ。いつも場を仕切っている男性が「じゃあまあ、ちょっと打ち解けるためにゲームをしましょうか」という。ダーツかな、と思っていると違った。
なんかしりとりのようなモノの変形の言葉遊びらしいのだが、ルールが非常に複雑、というかこの地域特有の方言を使わないといけないらしい。結局ルールを彼以外に誰も理解できない、という企画倒れに終わる。しかし、それはそれで笑いが出て盛り上がっては来た。結果オーライか。
続いて「じゃあもう1回ゲームをしましょう。この後は各自ダーツなりなんなりということで。で、これはルールが簡単です。“中華料理屋ゲーム”と言いまして中華料理屋さんの壁のメニュー、アレをまず“右端が先頭のメニュー”と考えてください。で、左のほうにあると思われるものを順番に行っていく、というゲームです。前の人が言ったものより右側、つまりアタマ側にあるものを言うとゲーム終了。やり直しとなります。今回は間違えた人から抜けていってやり直し。抜けた人は男女それぞれに用意された番号札を引いてください。それでカップリングをしますよー」とのこと。
「最初からコレにすればよかったんじゃないのー」と冷やかす声が聞こえるほどの段取りの良さだ。というか合ってる間違いの判定はどうするんだろう、と思っていると「えーではギャラクシーの前に集まってください」とのこと。その男性がボタンを操作すると液晶画面に食堂のメニューっぽい札がずらりと並んだ。その下に「●●町、××中華食堂」との店名と、店舗の一部の写真などが出た。なんだこれ! と思っていると「プログラムをちょっと追加してみましたー」と例の男性。これまたエライ仕込みだなあと思っていると「いやー。マンネリ化とかを少しでも防ごうと」と笑っている。この小屋を随分と大事にしているんだなあ、と感心するやらちょっと呆れるやらだ。
そうこうしているうちにジャンケンで並び純を決めてゲーム開始。なんと最後の順番になってしまった。画面に店舗名やらヒントやらが出る。町の食堂タイプの店だ。ヒントは「誰も頼まないようなアレがメニューに載っているタイプのお店です」と。誰も頼まないとなると「鯉の甘酢あんかけ」で鉄板だろうが、料理名はそれであっていただろうか、と思う。つうか音声認識なんてどうやって積んだんだろう、と思う。
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●メキシコ/成人後:ダーツ小屋の人々で男女逆転研究会
いつものダーツ小屋の仕切り屋男性からメールが届く。最近では近隣の町のダーツ小屋とも交流を広げたらしい。どうやって? と聞くと「俺みたいな仕切り屋がどの小屋にも1人2人は居るもんさ」とのこと。そんな面子で色々メールをやりとりして、イベントを開催することになったとのこと。
イベントの内容は、というと「男女の立場を入れ替えた体位を研究してプレイする会」ということ。なんだか凄い話だな、と思いつつも現場に行って見ることに。隣の町の大きなホテルの宴会場を貸しきって開催とのこと。なんだか大掛かり過ぎる気もするが。
会場には大きなプラズマディスプレイがいくつもかかっている。swfで作ったと思われる簡易なアニメーションで「この体位を、男女を入れ替えるとどうなるか。どう行うか」というものが説明される。DVDに焼かれているものを後で配布します、とのこと。なんとも手際がいいというかなんというか。
で、入場時に引いた番号札の組み合わせで、会場の端のほうにあるブースのような場所の中でそれを実践してもらう、とのこと。それもまたディスプレイに写せるようになっているらしい。まあ、普段からダーツ小屋に行っている人なら「見られながら」に慣れてはいるというものの、やはり画面に写されるとなると趣が違うのでは、と「当たんないといいなー」とか思いつつ説明を聞く。
まずはswf動画による説明。「これは男女逆は絶対無理だろう」というものも3人、4人で協力することで「それっぽい感じ・動き」になるようにアレンジされているものまである。
さて、いよいよ数人が番号で抽選され実践タイム開始。やはりいまそこで普通の人々が繰り広げている変則的なソレが画面に写されているというのは妙なエロさが会場に漂う。ダーツ小屋の場合は「遠目には見える」だけでこれほど寄ったアングルで見えているわけではないし。
「うわー」「あんなんなんだあの人の」「声デカすぎ」とかあちこちで感想が漏れる。
そうこうしているうちに抽選に当たってしまう。通常は「男性が上、女性が下でパワーボムでフォールしているようなソレ」が当たってしまった。えーできんのソレ? とか思いつつブースに誘導される。パワーボムと言うよりも「回転エビ固めの変形」みたいな感じになるらしい。相手の女性が手間取っているが、こちらはひっくり返された形なのでどうしようもない。あ! こんな感じなんだ! 意外といいかも!
古い民家に暮らしている。親兄弟、兄弟の嫁や夫なども居る大家族暮らしだ。(現実の家族とは顔も構成もまったく違っていた)
最近、家族の様子がおかしい。明るい顔で「そろそろ死にたいですね!」などと言い合っている。なんかそういうギャグでもTVで流行っているのか、と放っておいたが、姉の夫が数日間白装束に奇抜なメイクで暮らしている。やり過ぎでは? と思っている数日のうちに本当に死んでしまった。
警察や役所には自殺ということで処理をしたようだが、葬式などの間も誰も悲しそうにはしていない。また1人白装束で、死んだ兄と同じ格好をしている人がいる。まさかな、と思っているうちにまた死んだ。
こんなことを繰り返しているうちに、仏壇というか葬式用の祭壇(?) のようなものの後ろに、死んだ人々が見えるようになってきた。けらけらといつも笑っていて、楽しそうと言えば楽しそうなのだが、狂気も感じる。
母が「お前にも見えているのかい?」と聞く。「ああ」と答えると「良かった良かった。これで後継者に悩まずに住むよ。あと、ケイコ様は見えるかい?」と聞いてきた。
ケイコ様? と聞くと、「ほら、一番真ん中のお仏像があるだろう。老婆のような顔をした。あそこに若くて綺麗な女性が見えないかい?」と。言われてみると巫女のような顔をした女性がにこにこしながらこちらを見ている。
「私がケイコです。見えますか? 聞こえますか?」と話しかけてくる。「ええ…でも、あなたはどなたですか?」と聞く。
「ああ見えますか。お母様よかったですね。さて、私はいわゆるこの世とあの世、また魑魅魍魎魔物の類の世界を自由に行き来することができる存在です。それらの均衡を保つための役割をする特殊な種族なのです。人間ではありません。神というものでもありません。ただそういう者、とお考えください。で、私達の種族は人数が少なく、人間の中から選ばれた人々にこの役割を手伝っていただいているのです。あなたの血筋は代々その素質を持った人材が“出やすい”のですが、ここ数百年は出ませんでした。久しぶりに“出たかもらしい”というので、今回このようなお身内に続けて亡くなっていただくというテストをしました。テスト兼、ご家族の生命力をあなたに凝縮するための行為でもあるのですが」
なんのことだかさっぱり解らない。この後も延々と説明は続いた。要約すると
・この役目は日本では「陰陽師」と呼ばれている。別の意味、能力の陰陽師も存在するが、便宜上この役割の人材も「陰陽師」と呼ぶことにしている。
・陰陽師を輩出した家族は、陰陽師在職中およびその死亡後200年、経済的に逼迫することが無いように「不自然すぎない形」での配慮がされる。宝くじが当たるとかそういう「ツキに見える」配慮が続くとのこと。なので、パチンコや賭け事などは時間が空いているときに積極的に行うこと。日々の生活はそれで足りるようにしてあるとのこと。
・現在勤めている会社、職業については「極めて円満に」辞めることが出来るようになる。日本全国を飛び回ることになるため、前職を「独立してやっている」ように世間には見えるようにするということ。私の場合はフリーライターという形になるとのこと。実際にはその仕事はしないで陰陽師としての空き時間はギャンブルをしていること。
・金属で出来たものは陰陽師の力をアンテナ的に放出してしまうため、できるだけ身につけないこと。
だいたいそういうことだった。で、これから基礎訓練に入るとケイコ様が言う。
「まずはこの仏壇の前に光の幕が見えていると思いますが、入ってきてください。普通の人はまず幕が見えていませんし、能力が弱ければ入れません。弾かれます。また、入ることが出来ても物凄く疲れます。立っていられないほどですね。その中でどれだけ長時間普通に暮らせるか、がまず基礎訓練の最初です。さあこちらに来てください」
とのこと。入ってみる。ちょっと体全体が痒いような感じがしたが、問題なく入れた。別に疲れない。ただ、中で出来ることが死んだ家族と雑談したり、ケイコ様を交えてトランプをしたりするぐらいなので退屈だ。
「どうですか?」とケイコ様。「疲れはしませんが、その、なんというか暇です」と答える。と、ケイコ様はけらけらと笑って「暇ですか。たいしたものです。そうですねえ。あと私がして差し上げられるのはいわゆる性行為ぐらいですが。されますか?」とのこと。冗談では無い。人間の形はしているが人間ではないと解っているものとそんなことを。しかも仏壇の中で家族が見ている前で。ありえない。
いえそれは結構ですと断る。と、またけらけらと笑って「もう少しお色気のある姿にしておけばよかったかしら。それはともかく、では次の訓練に移って問題ないようですので始めますね」とのこと。今度は縁側の外に「魔物の世界」への幕を作るので、そこから入ってみて欲しい、とのこと。人間の単位で4〜5km歩いた先に今日の日付が書かれた「陰陽師基礎訓練」と書かれたお札が貼られた木があるので、それを剥がして持ってきてくれとのこと。やはり疲れるかもしれないので、疲れを感じたらお札を剥がさずに帰ってくること。お札を剥がした帰り道は魔物が襲ってくるようになるので退治するように、と。退治はこれから渡す短い木を手に握って「倒れろ」と念じて手を伸ばせば倒せるとのこと。
「倒れなかったらどうなりますか」と聞くと「お札を剥がすことが出来た段階で相当に能力が高いというレベルに達しています。倒せます。というより倒せないと思ったらダメですよ」とのこと。
ひとまず魔物世界への壁を通ろうとすると「開け、と強く念じてくださいね」と後ろからケイコ様の声がした。はい、と返事だけをしてそのまま進む。
幕を通ると、いかにも魔物が出そう、という薄暗い森の中に出た。確かに今度は少しだるい感じがする。が、歩けはする。お札を見つけた。剥がす。とたんに魔物っぽい声が聞こえる。結局4〜5体を倒して幕から出た。魔物を1体倒すごとに疲労感は増した気がする。
「お疲れ様でした。ご立派でしたよ。では、今日はもうお休みください」とケイコ様が言う。仏壇から出てそこにあった布団に倒れこむようにして眠る。
「起きなさい。起きなさい」と男性の声がする。と、黒い着物を着た50がらみの男性が居た。彼に起こされたらしい。周りを見回すと、仏壇などは無い、というか家具がまったく無い。間取りは同じだが、あるのは布団だけだった。
「君はいま、言ってみれば夢を見ていたんだ」と男性。はい? と答えると「ケイコという者に会って、訓練をしただろう。あれは人間で言う“夢の中の”出来事だったんだ」
「そうですか。道理でへんな話だと思いました。しかし、家族が居ませんね。それと、あなたはどなたですか?」と聞く。
「順番に答える。まず、夢ではあるがあの話は現実だ。家族は君の力が目覚めた後まで生存されていた方は別の場所で暮らしている。安心してもらっていい。あと、私に名前はない」とのこと。
よくわからないので詳しく聞いてみると
・家族が死んだところまでは起きていた。が、ケイコ様の姿が見えてその仏壇に入ってからは“肉体としては”眠っていて、夢と言う人間の体の機能を使って訓練をしていた。基礎訓練の段階は精神力がその全てであるため、寝ていても問題はない。むしろ寝ている間に陰陽師としての体力を鍛える方法の眠り方をしていた。眠っていた期間は6ヶ月。会社の退職、保険などの諸手続きは済んでいるので心配ない。
・家族は今後、陰陽師である間は会えない。精神的、肉体的限界に来たとこの男性が判断した段階で引退となる。
・この男性はケイコ様と同じ“存在”であり、今後私の教育係兼、実際の任務の連絡、サポートをする係。名前は無い。本来的には名前があるのはケイコ様だけで、必要もないのだが本人が「稽古」にかけて駄洒落的に便宜上つけた呼び方ということ。
「ではなんとお呼びすれば」と聞くと「なんでもかまわない」というので「イチロー先生、ではどうでしょう」と聞いてみる。先生、というのはこれから関わる人に何の先生かと聞かれて面倒ではないか? というので「イチローさん」と呼ぶことに決まった。
「さて」とイチローさん。
「これからの訓練は、肉体と精神を同期させることが問題となる。むしろ寝ていた時の訓練のほうが肉体の関与がなかったため、簡単だった。いわゆる幕を通る段取りも簡略化してあった。実際にはああいうものではない。まず、幕を自力で出さなくてはいけない。出せた後も唱える呪文のようなものをきちんと習得しないと通ることもできない。怪我をすることもある。気を引き締めて臨みなさい」とのこと。うわーやっぱ簡単すぎると思ってたんだよなー、と思うと
「そうだ。そう簡単なものではないのだよ」とのこと。あれれ心が読めるのか。じゃあ前にケイコ様に「性行為でも」と言われたときにちょっとだけ「やってもいいかも」と思ったのもバレたのかな、とつい思ってしまう。と、イチローさんが苦笑して「ああ、バレているよ。どうせ夢みたいなものだったらやればよかった、だろう?」と。
いやまあ、じゃあ訓練をしましょう、と言ってみる。最初に幕を出す呪文というのを教わる。長い。それは口に出して言うんですか? と聞くと「回りには聞こえないほどの小声でかまわないが、発声は必要」とのこと。言って見る。噛む。またトライ。間違える。やっと言えた。幕が出ない。気合が足りないのかな、と思うと「そう。もっと集中して。幕が出ることを信じて、イメージして」とのこと。再トライ。出た。今度は消す呪文。これは1回で出来た。出したり消したりを延々と繰り返す。物凄く疲れる。初日はこれで終わり。
「飲食は普通にしていいのでしょうか」と聞く。「突然の陰陽師活動に対応できるように、泥酔しない程度なら酒は問題ない。魚は生や煮たものなら大丈夫。揚げたものはダメ。肉は通常は鳥類だけOK。牛肉豚肉は陰陽師の力が“にごる”ため、普段は食べないように。魔物が大量発生して全滅させた後は、魔物界の力が弱まるため、数週間は大物は出てこない。陰陽師の力の“にごり”はほぼ10日ほどで完全に抜けるため、大量退治の直後は牛肉豚肉もOK。でもフライや天麩羅はダメ」とのこと。
そうですか、なんか格闘技の選手みたいですね、と言うと「まあ、牡蠣フライが食べられないのは残念だろうが。ナマか鍋モノで」と言われる。そこまでお見通しとは恐れ入る。
数日間、幕を出したり引っ込めたりの訓練が続く。「では入ってみようか」と武器である木の小さい棒を渡される。「魔物が出たら、極力戦わず戻ってくること。いいね」と言われる。やはり魔物も夢のものとは桁外れに強いんだろう。いよいよ入る呪文を教わる。これは短い。ただ、足を踏み入れる瞬間に同時に発しないと弾かれるとのこと。なので、入るのに成功したら最初はそのままバックで戻るように、と言われる。
幕を出して、一歩踏み出して見る。物凄い勢いで弾かれた。数メートル吹っ飛んだはずだ。背中を強打して息をするのも辛い。これは相当にシビアだな、と思う。「はい少し呪文のほうが早かった。もう一度」とイチローさんの声がする。いやちょっとすぐには立てませんよ。
父と2人で海辺の一軒家で暮らしている。(父は亡父の顔をしていた)
海風にさらされて白く塗られたペンキもがさがさしているような感じの家。父は教育委員会に勤めているが「海辺で暮らすのが若いときからの夢だった」というので私と共同でこの家を買った。私は海は苦手だが、仕事のオブジェ作りにバーナーや大きな鉄筋などを使うため、一軒家は都合がよかった。倉庫のような巨大なガレージも付いていたし。勤めていた美術会社を辞めたばかりだったので、作業場に不自由していたところだったし。
問題点は買い物の便が悪いこと。一番近いスーパーまで車で30分ほどかかる。コンビニなんてものは無い。
この日は日中、一週間分の食料と酒を買うためにスーパーに行った。古くからの友人が近くに住んでいるため、クルマを出してくれた。ので安心して昼飯時に酒を飲んでから出かけた。
途中、友人が海辺の長い坂道というかスロープの途中で電話のためクルマを止めた。
こんなところで止めて登りきれるか? と思ったが、ランドローバーなのでまあ、問題はなかろう、と思っていると、友人がふざけてサイドブレーキを解除した。ずずーっとクルマは坂をバックしだした。交差している道などはないが、下のほうにはなにか小屋のようなものがある。「ぶつかるって! やばいって!」というが友人はなおもふざけて寝ている振りをしている。結局サイドを私が引いたりしてなんとか止まった。「なにやってんだオイ!」というとでへでへ笑っている。なんだこいつ飲んでたのかよ! と思ってびっくりする。上を見ると自転車に乗った警官が居る。特にこちらに注目している様子はない。また、ちょうどどこかのサーファーが道を聞いているようだ。いまがチャンス、と友人を後ろの席に追いやって私が運転席に座る。家まではもう1分かからない距離だ。ひやひやしながらも「どうせこの段階で捕まったら両方免許取り消しだから」と開き直って警官の前を通過。家に着いた。ほっとする。
翌日、一週間分の食料の中から、トマトソースだの野菜を煮て日持ちさせるものなどの調理をする。トマトソースは今日の昼飯にも使ってパスタなど食えばいいか、と思っていると父が「ほう。いいにおいがすると思ったら」と奥から出てきた。「食いますか?」と聞くと「いや、今日は校長連中と昼食会議があるから。またの機会に」と出かけていった。
父のクルマが出て行くのを見るとも無く眺めていると、昨日の友人のローバーがゆらゆらとやってきた。何の用か? と思っていると、彼と女性2人が降りてきた。1人は以前私が交際していた女性。派手な顔ではないが美人で、それなりに均整の取れた色気のある体つきをしている、というタイプの女性。もう1人は、地元の飲み屋で働いている若い女性だった。髪が短くて派手な顔立ち。「MEGUMIをほっそりさせて顔を綺麗にしたような」という身体も派手という感じの子で、飲み屋では人気がある。最近妙に話しかけてくるが、ちょっとウザイというか「不思議ちゃん」ぽいとこもあるためスルーするようにしていたのだが。またキツイ組み合わせを連れてきちまったもんだな、と思いながら「なんか用か? 俺料理しないといけないから忙しいんだが」と窓から叫ぶ。と「いやなんだっつーこともないんだけど。ちょいと近くまで来たから」とのこと。近くまでっていうか、その組み合わせがおかしいだろうよ、と思うが、放っておく。父は鍵をあまりかけない、というかそもそも鍵をかけなくてもこんなところまで泥棒は来ないだろうが、ということで玄関は開いているだろうから、どうせ勝手に入ってきてしまうだろうと思ったから。
案の定3人で入ってきた。元彼女のほうは「久しぶり」と泣き笑いのような顔をする。昔と変わらない。笑っているか泣いているかわからないような顔でいつも笑っていた。
「あー。悪いけど見ての通り忙しいんだ。なんか用事があるなら早めに頼む」といいながら料理を続ける。飲み屋の子が「何作ってんの何作ってんの! 料理できるんだ凄い凄い!」とかまとわり付いてくる。他の女性と話しているところをなぜかいまだに元彼女には見られたくないので「いや保存食」とか言ってちょっと別の用事があるフリをして一度台所から出る。勝手にCDなどを物色している友人に「おいお前どういうつもりなんだよ。●●(元彼女の名前) と××(飲み屋の子)を一緒に連れてくるって意味がわかんねーよ」と言う。と「いやそのー●●ちゃんはさあ、結局お前とヨリ戻したいって相談してきたわけよ。で、××ちゃんにもお前最近女性関係どうなのとかしょっちゅう質問されて。お前に気がある感間違いないわけよ。で、だったらホレ、今週お前暇だっつうからここで一気にカタつけちゃえば楽かな、と思って。早めに決着つけておけば、来週までお楽しみタイムも取れますぞ」と。取れますぞ、じゃねーよ何勝手なこと言ってんだかよ、とかぶつくさ言いながら台所に戻る。
パスタ用に湯を沸かしていたのだが、●●が勝手にパスタをゆで始めている。どう考えても1人分ではない。4人分より多いかもしれない。また、××が「これでどうでしょうかー」と間抜けな声を出しながら、でかい半球状の鉄板を持ち込んできた。
「おいお前なに勝手に料理してんだよ。しかも何人分だよ食うのかよ手前ぇらもよ! つうかそっちのお前! それはオブジェの材料だ! 料理に使える状態じゃねえよ、溶接剤とかついてて汚ぇんだよ。てか仕事場に勝手に入るんじゃねえよ!」とあちこちに怒鳴り倒す。
「寂しいと思って」と●●。は? というと「お父様と2人で家からもたまにしか出ないし、お父様は外でお仕事だからいつも食事は1人でしょう? 東京にいたころのあなたの暮らしからは随分と違うわ。1人で寂しくないの?」と。
「それとこれとは関係ないだろう。だいたいな、俺の仕事とかの都合も聞かねぇで飯一緒に食おうとかしてんじゃねえよ」と言うと、さえぎるように
「聞いたから。しばらくあなた暇だって」と平坦な口調で言う。まったくおとなしいんだか強情なのかわからないところは昔のままだ。
「これフライパンじゃないんですねー」とか馬鹿っぽい声を残して去っていった××がトマトソースのなべに「えいえい!」とか言いながら何かを大量投入している。「おいお前なに入れた!」と聞くと「コショウで〜す! コショウをたくさん入れるとおいしくなるのですヨ」とのこと。しかし、それはコショウではなくてカイエンヌペッパーだった。ビンの半分以上入れてしまっている。粉の小山がソースの上に乗っている。あれを山のまま除去すればまだなんとかなるかもしれない、と思い「どけ!」というと「ダメです! これは××のソースなのです!」となぜか必死だ。そして一気にかき混ぜてしまった。あげくスプーンをソースに水没させてしまった。「おいいい加減にしろ!」とどなりかけたところに●●がスーッと寄ってきて小皿にソースを取ると××に味見をさせた。「うぎゃー!」とか漫画っぽいリアクションをして水のサーバーに走っていった。
「これはもうダメね。取り返しが付かない。大丈夫。私がアサリの白ワインソースを作っておいたから」とまたも平坦な口調で言う。
あのなあ、と思う。トマトソースは全滅、アサリと白ワインを勝手に使った?
「これは…」
「これは1週間分の俺とオヤジの食料なんだ! 勝手なことしてんじゃねえよ! また買い物かよ! まだ独立したばっかりで金だってねーんだよ! でしょ? 解ってるわよ。明日買い物に行きましょう。お金なら持ってきているから。びっくりするぐらい持って来たから。で、あと、私もう1人でうじうじ考えてるの辞めたから。明日からここで暮らしますから。昔みたいに」と人の台詞をとった上にさらに強引かつ勝手なことをすらっと●●は言い放った。
「何を勝手な…」
ぐわっしゃーん! と派手な金属音がした。ガラスが割れる音もした。作業場のほうだ。あの女またなんかやったか? と走っていくと、注文品ではないが宣材作りのために試作した金属の塔が倒れている。はめ込んだガラスが割れたのだ。
「ごめんなさーい。この中に私が入ったら可愛いかな、と思ってやってみたくて…」もう意味が解らない。こいつだけでも帰らせよう、と思っていると友人が「まあまあ。これは試作品だからゆっくり直せば、ね!? そんなことよりみんなで飲もうよ」と大量のビールを抱えてやってきた。つうかそれ俺が昨日買ったやつだろ!? また在庫減らしかよ。つうかお前クルマなのに酒飲んでいつまでいるつもりだよ、などと友人に詰め寄ると
「泊まるよ。3人で泊まる。滅茶苦茶部屋あまってんだし、俺明日休み貰ってあるし、たまにはお父さんも若いもんと話したりしたいだろうし」とかこいつも勝手だ。
「見てくださーい。エロでしょエロスを感じるでしょお。私を好きにしていいのよぉー」と間抜け声が聞こえる。振り返るとクレーンのチェーンに手錠をかけてぶら下がるようにして××がポーズを取っている。両腕を上に持ち上げて胸を張る形になっているため、これでもかというぐらい胸のデカさが強調されている。
「馬鹿な子。この人はそういうのより言葉とか想像を超えたテクを使われると興奮するタイプなのに」といつのまにか●●が後ろにいて物凄いことをまたもさらっと言い放った。
友人は携帯のカメラでうひょうひょ言いながら××の写真を撮ってはビールをあおっている。これからどんなことになってしまうのか、あまり考えたくない。
※二つの夢はどこかでつながっていたが、内容的なリンクはあまりなかったように思う。最初は「もう就職しているが、もう一度勉強したくなって卒業した高校に入りなおす」という何度か見た夢のバリエーション。
まだ8月だが、高校3年分の必須単位を全部修得していることと、仕事が忙しくなりそうなので「卒業見込みが出た段階での休学」という扱いを受けて高校から出て行くことにする。
寮があるわけではないが、各個人には割りと大きなロッカーが与えられていた。私は授業の合間に打ち合わせに行くこともあったので、スーツや洋服をたくさん置いていた。おそらく自宅よりこちらに多く置いていた。他にも電化製品やらが異常な量ある。こんなに置いていたか? と自分でも呆れる。
後輩などが「これもう着ないならください」「使わないなら〜」というようなことを言いに来る。頼んでもいないが同級生が「もう行き先決まっているから」と追い払っている。「行き先?」と聞くと「いや面倒だからとりあえず。ひとまず全部持って帰れ。誰にあげて誰にはあげてないとか言われるとあとが面倒だ」とのこと。8月に出て行くという異例なこともあってか、周りが気を使ってくれているのだと思う。
結局、トラックと、一部輸送機を使ってまで運ぶ騒ぎになる。輸送機に載せるようなものがあったか? と思っていると、学園祭で使った古い電車を餞別にくれるのだという。どこに置くか? とも思ったがとりあえず貰うことにする。
倉庫を出ると、端のほうにロボットがあった。人よりは少し大きいぐらい。これも学園祭で作った。有線操作だが歩くんだったよなあ、と思ってみていると、突然こちらに向かって襲い掛かってきた。「電源入ってないはずだぞ!」とか皆が騒いでいる、と倉庫にある鏡を見ると、私の頭になにか「エイリアンの触手」っぽいものが刺さっている。それでロボットが動いているのだ。しかしなぜそれなのに自分を襲うんだ? と思っていると「お前を電池として使っているんだ! 目からビームを出して触手を焼き切れ!」と友達が叫んでいる。出ないだろう。ビームは無理だろう、と思うが、このままでは危険なのでやってみる。と、見事ビームが出て触手カット成功。ロボが止まった。
周囲は歓声を上げて万歳万歳と叫んでいる。なんかノリでやったほうがいいような空気なので自分も万歳をして倉庫、校舎を離れた。
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#ここでなんかの「前の夢からのつなぎ」があったように思う。
新しく出来たというダーツバーに行く。知人が働いているのだ。と、知人の彼や他の大会などで顔を見かけた人たちがスタッフミーティングをしていた。挨拶をすると「困ったことになりましたよ」と知人が愚痴っている。どうしたの? と聞くと「ある人が、今日のパーティのこととか、誰が働いているとか、ゲストに誰が来るとか全部自分のブログとか大手BBSに書いちゃってるんです。これは招待客以外が押し寄せて酷いことになるかもしれないです」とのこと。あちゃーそれは参ったねえ、と言うと「いまのうちに席決めておいてください。そしたらその近辺招待客で固めて死守しますから」とのこと。
どこにするかな、と思っていると、某店のスタッフがほぼ全員やってきた。店は? と聞くと「今日はバイトだけでやってますよ」とのこと。へー、とか言いながらとにかく席を、と皆で歩き回る。ここでいいじゃんねー、とか言っているのだが、なぜか1人の女の子がぐずる。あーだこーだ言っているうちに席がどんどん埋まっている。ヤバイよこれ、ととにかく二階席の一角を陣取って落ち着く。私は近所だからいいが、他店のスタッフは遠くから来ている子もいるので今日は全員でこの店で夜明かしをするとのこと。寝られるスペースがないとマズイかもだが、二階席は広いし、先の知人が「予約席貸切」とかの札を立ててくれたので一安心だ。
この店は古い高校が建て直しをしたときの廃材を使っているとのこと。高校生らしい落書きなどが壁にある。体育館か、なにかの部室の壁だったのだろう。床も体育館の床材と思われる。適度なしなりがあり、敷物を一枚挟めば横になっても背中も痛くない。これはいいね、などと話していると、イベントの説明が始まった。
「本日は開店記念、宴会トライアスロンを行います! まずはダーツ、ガロン戦で3回トーナメントを行い、勝者3チームで再度ガロン戦で優勝チームを決めます。優勝チームのメンバーでシングルス戦を行う形となります。また、隣の釣堀屋さんのご協力で釣堀のほう、貸切となっております! こちらで魚を釣ってください。さらに、ダーツの待ち時間に呼び出された方はクイズの問題に答えていただきます。正解よりも“いいボケ解答”のほうが高ポイントとなります! 申し遅れましたが、ダーツは勝敗順位ポイント、ハットポイント、180ポイントなどがそれぞれ設定されております。釣った魚も同様です。つまり、結果として一番ポイントを取った方が優勝となります!」とのこと。なんか内Pみたいだねー、と皆で笑う。
「ダーツとクイズにコールされた方以外は釣堀のほうにどうぞー」とのこと。どちらにもコールされなかったので釣堀に行く。「生き餌はこちら」と書かれた籠を覗くと、どうもグロい魚しか居ない。こんなので釣れるのかねえ、と周りの人々と話す。つうかダーツ握る前に魚触るのやだなー、とか思う。遠くのほうからクイズの問題が聞こえる。
「さて、この問題、正解は“宋兄弟”ですが、どのような問題でその正解かをお答えください!」とのこと。「うわ結構凝ってるなあ、つうか放送作家入れたのかね?」 とか「正解わかっていて問題のほうでボケるんでしょ? 高度だよなあ」とか周りから聞こえてくる。確かに凝っているなあ、と思うが、同時にちょっと前にそういうのを仕事で書かされた気がしてくる。これってこの件の仕事なのかな、だったら俺問題ほとんど知ってることになるなあ、かえってボケにくいなあ、とか色々考える。それにしてもグロい小魚ばっかり居る。
#この日はちょっと変わった夢が多かったと思います。
●トラブル続きの家族旅行
親戚を含めた家族旅行に行く。
最初は新幹線に乗った。しかし「待ち合わせ時間無しで現地のホテルに集合」「一緒にいける人は一緒の新幹線で」という感じのいい加減な感じ。ひとまず1人で新幹線に乗る。
座席がおかしい。バスのようだったり、横向きの観光特急列車のようだったり、長いすがあったり座椅子、ベッドのようなものがあったり。
とりあえず疲れているので楽なものを、と探す。長いすとベッドが混ざったような椅子があったのでそれに座る。この車両には老人の男性ばかりが居る。
場面転換。ベンツに乗っている。最初は後部座席。誰かの知り合いだという男性のクルマらしい。
運転をしている人がなぜか次々と居眠りをする。空いている道路なので接触などはしなかったが非常に危ない。自分が運転しようか、と思ったが数時間前にビールを飲んでしまったことを思い出し、ひとまず助手席で「起こし役」をすることにする。自分は眠くないからだ。
しかし、と思い出す。さっき食堂でみんなビール飲んでいなかったか? と。検問が無ければいいなあ、と思う。と、また運転手が寝ている。ハンドルをとりあえず操作しながら起こす。危ない。
場面転換。旅行はもう終わり。最後の着替えをしろ、と指示が回る。これからちょっと長時間電車に乗ることになるらしい。部屋で着替えの準備をしていると、なぜか皆私の部屋に来る。着替えるのか、と思っているとなにか雑談をしている。なんだろうか、と思う。とりあえず着替えて玄関に集合。しかし、忘れ物をしたようだ。戻る。と、誰も居ない。どうなっているのだろうか。
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●スキー靴の男
どこかの団体に属している。なんの団体かは不明。
メールで「鳥人間スキー・スノボ大会 9月●●日」とだけ送られてきた。9月なのに? と思うが、この団体のリーダーは変わり者で、しかもイベントなどの開催を突発的に行う性格、しかも全員参加しないと怒り出すという人物なので、準備をせねば、と思う。
集合場所は会社から近かったし、そこからスキー場までもクルマで10分程度の場所。もうスキー靴を履いて行こう、と思い、歩きにくいと思いつつ履いてぼこぼこと歩いていく。会社の通用口から出て、反対側の近道へと向かう。
と、同じ趣味の別の団体のグループがそのビルのエレベータを待っていた。
「あっちのチーム、今日DVDの上映会なんだってさー」「ああ、去年やった鳥人間の? アレ面白いんだってねー」などと話している。DVD? なんだ今年のを今日やるんじゃなくて去年のDVDを見るのかよ! とびっくりする。ここでスキー靴を履いているのを見られるとまたネタにされると思い、彼らの死角をついて3フロアにしか止まらない「オフィスエリア専用エレベータ」に乗り込む。と、彼らが「こっちのエレベータが楽だよ」と言いつつ近づいてくる気配がする。「閉」ボタンを必死で連打する。エレベータは動き出した。なんとかセーフだったようだ。
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●女装ダンスパーティ
前から好意を持っていた女性に「ダンスパーティがあるからぜひ来てください」と言われる。ダンスはまったく出来ないのですが、と言うと「大丈夫です。フォークダンスみたいなもんですから」と笑われる。この女性と親しくなれるチャンスかもしれないし、断ると逆に好感度が下がるかといやらしいことを思い参加しますと返事をする。
当日は大きなホテルに集合だった。何を着ていけばいいのか解らないのでとりあえずスーツを着ていく。その女性が迎えてくれて「こっちが控え室です」と手を取って連れて行ってくれる。出足好調だな、と思っているとそこには着飾った綺麗な女性達がたくさん居た。正直、ちょっと目移りするぐらい。
と、彼女が「今日は女装してもらいます」と言う。は? と聞き返すと「本当は受付の番号でくじなんですけど。あなたの女装姿を見て見たいので強制です」とにこにこしている。えー、と思うが、すでに自分用の衣装が下着からなにからすっかり用意されているのでまあここで意地になって断っても好感度が、とかまた思って着替えてみる。女性達がよってたかってカツラだ化粧だと色々と世話をしてくれる。30分ほど後、どう見ても「背が高いだけ」で違和感ない女性の姿が鏡に映っている。これは本当に自分か? と思うほど別人のようだ。下着などの効果か体型まで変わっている。
まあ素敵素敵、などと回りにおだてられつつダンス会場の女性控え室に向かう。下着の位置などを彼女に直される。顔が近づいてどきどきする。
と、彼女が「今日はね。いわゆるねるとんパーティみたいな場なんですよ。それも、男性同士女性同士もアリの。もちろん普通の男性女性もアリですよ」と微笑んでいる。
「踊った人と全員お話をしないといけないということはありませんから、気軽にね」と言って彼女は「運営があるのであとでね」とウインクをしてどこかに行ってしまった。こりゃどうしたものか、と思っていると、他の女性が「行きましょう」と会場に案内しようとしてくれる。まあ、ちょっと不安だが行くしかないか、と向かう。
会場はとても大きく、料理なども物凄い豪勢だ。会費は5000円しか払っていないが、どう見てもそれでは無理な規模。何かスポンサー的な存在があるのかなあ、と思いつつ促されるままに中央に固まった男性たちの周りを他の女性、あるいは女装したと思われる人々とくるくると回る。こうしているうちに声をかけられるのを待つ、あるいは自分から声をかけるのだと言う。
私を誘ってくれた女性は早々に他の女性と「じゃあちょっと踊ってきます」と居なくなってしまった。見ると女性同士で踊っているのは、同性愛者も居なくはないが、ほとんどは「いまは男性達を下見中なので声をかけないでね」というサインらしい。俺も誰か女性と踊ればいいのか、いや、しかし女装しているとはいえ男だから、ここは男と踊っているほうが「声をかけないで」というサインになるのか、いや、同性愛者にしか見えないのか、と混乱してくる。と、顔見知りの同性愛者の男性が「あら! あんたなんて格好してるの? 悔しいけれど綺麗じゃないの」と声をかけてくる。これは助かった、と彼の手をとり「ちょっと説明してくれないか」と輪から外れる。
「えーと。女装してるけどアンタはストレートよね? ということは、単にくじで女装した、というスタンスだから、お目当ての女性が居たら男言葉で話しかければそれは男として誘っていることになるから。また、女性言葉で話しかければいまは男性から話しかけられたくないので一緒に踊ってくださいという意思表示になるわ。たーだーし! くじ以外で自発的に女装で申し込んでいる男性の中には同性愛者が8割ぐらい居るから、彼らが男言葉で話しかけてきたらそれは女装してるけどタチ、女言葉だったらネコとしてあなたを同性愛の対象として誘っているということ。あと、男性の姿の男性の場合も同じ。ただ、ストレートの男性があんたを本物のメスと思っている可能性もあるからね。じゃあ頑張ってね〜ん」
結局意味が解らない。というか複雑に過ぎる。ちょっとしばらく一緒に踊って助けてくれよ、と頼むが「いやよ! 私は今日はマジで男アサリに来てるんだからね! 会費10万も払ってるじゃない!? 必死よ!」と。10万? 俺5000円なんだけど、と言える雰囲気でもなし、さて、とまた孤立する。
仕方がないのでぐるぐると歩き回る。いかにも、な男性、普通っぽい男性、とにかく男性に声を掛け捲られるが、怖いので「あ、人を探しておりますので…」と断り続ける。しかし、私が外を回っているのを内側から移動しつつ目で追っている男性が2人居るのに気がついた。しかも、お互いを牽制しあっている様子まである。これはマズイ。ちょっとかなり怖い。
と、ようやく彼女の姿を見つけた。どこかの男性と立ち話をしていたのだが、強引に話を終わらせるようにして私のところにかけよってきてくれた。私の手を握って
「遅くなってごめんね! 怖いことされなかった? ごめんね。ちょっと驚かせてみたかっただけなの。怒ってない?」と半笑いというか不安そうな顔で話しかけてくる。「大丈夫です。ずっと待ってました」と少し笑ってみせる。と「よかったー」と。やはり魅力的な女性だ。
「踊ってくれませんか」と言って見る。と、いたずらっぽい顔で「それは、男性として? 女性として?」と聞いてきた。「いや、もちろん男性としてです」というと悲しそうな顔をして「ごめんなさい。私同性愛者なの」と。えーっ!と思っていると
「嘘! 踊りましょう」と笑っている。面白い人だ。
ちょっと踊っていると彼女が「上に部屋取ってあるのよ」と耳元で囁いてきた。わービッグチャンスキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!、と思っていると「そのままの格好でしてみる?」と笑っている。いや着替えたいな、と即答すると「わかってるわよー。冗談よ。えーとさっきの最初の更衣室に行けばスタッフの女性が居るから彼女にメイクとかも取ってもらえるから。一緒に出て行くとさすがに出来レースがバレバレっぽいでしょ? 結構あなたの“社会復帰”には時間がかかるはずだから、私適当にタイミング見て部屋に行っているから。●●●号室ね」と言い残し、一旦彼女は私から離れていった。最後に「そういうご趣味の方はお断りです!」と大声で言っていたのがおかしかった。芝居がかったことが好きなのかな、とか思った。
さてさて、と思う。あまりここで速攻出て行ってもおかしいので、飲み物を少し貰おうとバーカウンターに向かう。と、さっきの男性2人がさーっと近づいてきた。「踊ってくれませんか」とほぼ同時に言っている。「あ、すみません。飲み物をいただいたらちょっとお手洗いに行きたくなって」と返す。どうも男言葉で喋れない。それが余計誤解を招いてしまうのだろうが。
と、片方の男性が「あなた。さっきから2人ぐらいとしかまともに話してないじゃないですか。サクラですか? こっちは真剣なんですよ!」とか突っかかってきた。片方の男性がいいところを見せようとしてか「よさないか」と割って入ってきた。が、突然「お前! お前“青ペンキケツ顎団”のジャックだろう!」と言い始めた。なんだそれ? と思っていると、その男性の頭の上にうすた京介風のタッチで「全国指名手配連続強盗団 青ペンキケツ顎団 ジャック」とお尋ね者の張り紙風のものが浮かぶ。私とは似ても似つかない顔だし、その絵のジャックの顎もケツ顎ではない。顔は確かに青くペイントしてあるが、いかにも怪盗風のアイマスクをしている。これじゃー顔わかんねーよ! と思っているともう片方の男性も「そうだ! こいつジャックだ!」と言い始める。
えー! と思っていると彼らは顔を見合わせ「どうも神奈川県警の●●です」「あ、私は埼玉県警の●●です」とか自己紹介を始めた。
その隙にさーっと逃げて教えられていた隠し扉に入る。と、後ろから「待てー、ジャーック!」と泥棒コント風の声がする。女装用のメイク室には隠し扉からしか入れないし、ICカードも必要なので追ってはこれないだろう。しかし、ジャックって誰だよ。人違いっていうレベルじゃねーよ、と思う。
※日曜から花粉か何かのアレルギー症状が出てしまいました。頭痛、咳、熱、鼻水という感じ。だるいわなー、と思いつつ寝ました。そんな日に見た夢です。いくつかの状況の夢を繰り返して見ました。
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繰り返しの1-大家族の店
横に長い家に住んでいる。住居、うどん屋、そば屋、定食屋のための店舗がくっついている。住居部分が数階建てで、長い廊下でつながっている店舗部分は平屋。廊下はとにかく長い。廊下の脇には風呂やトイレ、物置、ボイラー室のようなものがあり、家というよりはなにか軍艦のようなものの内部というイメージ。うどん屋とそば屋は営業しているが、定食屋は現在営業していない。住居部分には複数の家族が同居している。祖父の息子夫婦数組とその子供たち、という家族構成だ。それぞれの店の店員はすべて家族のみで構成されている。定食屋の店舗跡は浮浪者のような人間が住み着いている。掃除や住居の修繕などをしてくれるため、祖父は「住ませてやれ」と言っているらしい。
住居部分は天井が低い。本来は3階建てぐらいだったものを改築して「平行に割って」階数を増やしたような形だ。それもあり、部屋のすぐ横に階段があったり、階段の下に部屋があったりする。私は祖父から「PCやテレビ、ビデオの台数、ISP契約、CATV契約などが皆それぞれ買ったり申し込んだりしたため無駄が多すぎる。うまくハードや契約をまとめて各人の満足度を保ったまま全体コストを圧縮しろ」というような命令をされて、ここのところ1ヶ月ぐらいはそればかりやっている。定職屋に住み着いている人の中に「元大工」「元配線工」が居るため、作業を手伝ってもらったりする。しかし部屋とビデオデッキの台数が多すぎて、なかなかうまく配線などが回らない。
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繰り返しの2-左右が逆になる
身体の感覚がおかしくなる。右と左が逆になってしまうのだ。右手を動かしてなにかをしよう、と思うと左手が動いたり、左にあるものを取ろう、と思って左手を出すのだが、実はモノは右側にあって空振りをする、という感じ。耳掃除などをしても、右側に耳掻きを入れているのに「ほじっている」感覚は左耳にしかない。しかし、耳掻きそのものは右手で持って右耳に入れているため、まったく感じがつかめず苦労する。
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繰り返しの3-無理難題罰ゲーム
数人でボードゲームのようなものをして遊んでいる。部屋が暗いせいか、相手の顔は見えないが、声は聞いたことがある人ばかりだ。
負けると罰ゲームをしなくてはいけない。とりあえず都度実行するのではなく、各人ある程度溜まったら内容を確認する、という決まりになる。
ゲームを始める。が、途中で凄く眠くなったり、ルールがわからなくなってしまったりする。勝ちたいと思わなくなったりもしてしまい、いずれにしても数回最下位になった。
各人一通り罰ゲームの紙が溜まってきたため、一度読み上げることになる。
「おにぎりが見えなくなるほどマヨネーズをかけて食べる」「そうめんをつゆ無しで食べる」とかまあ「出来る範囲の」ことしか書いていないようで安心する。私には3枚あった。
「世界の中心で愛を叫ぶ」
意味が解らない。
「仮面ライダー剣に出る」
無理。っていうか収録終わってないか?
「滝川クリステルをハメ撮り。本人を交えての上映会を開催」
絶対に無理。っていうか何考えてんの?
「はやくやってきてよー」とか半笑いっぽい声が周りから聞こえる。全部無理だ。「ひとつだけでもいいよー」いやひとつなら、とかそういう問題ではないだろう。
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繰り返しの4-韓国美人女優と回覧板
住宅街の一戸建てに住んでいる。見知らぬ女性が居る。妻だという。「仕事に行ってきます」と出かけていった。家に1人になった。
妻だという女性を見送って室内に戻ろうとすると、郵便受けに回覧板が刺さっていた。たいした内容ではなかった。文字量も少なかったが、念のためデジカメに撮ってPCで確認してみる。読める。印刷もして、さて隣に持っていかなくては、と思う。
隣の家の郵便受けの前に来る。「1回声をかけてみて、居なかったらポストに」という決まりだったな、と思い出し、インターホンを押してみる。「はい!?」という女性の声。が、二ヶ国語放送のように聞こえた。おそらくは韓国語だろうか。ここの家には日本人の家族が住んでいるので、韓国人の友達でも来ているのかもしれない。
家の中から女性が出てきた。ここ数年、日本でも大ブレイクした韓国ドラマの主演女優だった。何で? と思っていると「この間引っ越してきたんです」という。どこから聞こえているのか、どんな発声なのかはわからないがやはり二ヶ国語同時に聞こえる。
「どうぞ上がってください」「いえ、回覧板だけですから」「そんな。この間のお礼もまだですし。それにあなたも回覧板って私の家に上がる口実でしょ!?」というような会話。この間のお礼? 口実? 意味が解らないのだが「家に上がらないと大声を出しますよ」と半ば脅されるような形で家に上がることになる。
お茶などを出されて話を聞くと「この間のお礼」というのと彼女のことを思い出した。
元々彼女とは知り合いだった。数年前に仕事関係で初めて会ったのだが、別に仕事上の交流ということだけだったし、その後まったく会わなかったので彼女のことはほとんど忘れていた。テレビで顔を見てもなぜか過去の仕事の件を思い出さなかった。しかし、1ヶ月ほど前に偶然街で会ったときに困っていた彼女を助けたのだった。
※この夢は目を覚ましたり覚まさなかったりですが連続して数回見ました。助けた内容が都度違いました。
・電車の中で酔っ払いに絡まれている彼女を助けた(例の本を読んだからかも)
・財布を落としてタクシーに乗れないというのでお金を貸した
・コンタクトを落として歩けないというので近くのメガネ屋まで手を引いていった
・非常に希少な肉を韓国の大物政治家にプレゼントするものを彼女が落とした。私がたまたまその肉を持っていたので進呈した(変すぎる)
・ペットが木に挟まっていたのを取ってあげた(確かカナリア。木に挟まるか?)
#他にもあったと思いますが…。
「どうしてもお礼がしたくて。あちこち手を尽くしてあなたの住所を調べました。で、隣に引っ越してきました」
そのためだけにですか? と驚いて聞くが、彼女は例のすましたようないたずらっぽいような笑顔で「ええ」と「当然でしょ?」というような顔をして見せた。
いや、お礼なんて、と言うと「まあそうおっしゃらずに」と彼女は「お礼の品を取ってきます。その間、私の過去の作品を見ていて感想を聞かせてください」と何かのリモコンを操作して部屋を出て行ってしまった。
数秒するとテレビになにかテロップのようなものが映った。ハングルなので読めない。と、彼女が映った。ドラマというより、なにか映像がナマっぽいというか色味が浅い。しかも、過去の作品と言ったが、確かさっきと同じ服装、髪型だ。あれ? と思っていると、いきなり彼女が服を脱ぎ始めた。えーっ? と思っているとすっかり脱いでしまい、リモコンのようなものを手に取った。カメラがパンダウンしてまた上がってくる。なんだこの映像は? とどぎまぎしているうちに消えてしまった。と、数秒すると手に30cmぐらいの細長い箱を持って、バスローブのようなものを着た彼女が入ってきた。あ! と思うと
「いまのは、隣の部屋からの中継ですよ」といたずらっぽく笑った。「でもまあそれがお礼という訳ではもちろんありません。お礼というのはこの箱の中にあるものです。韓国に古くから伝わる貴重な香木です。削ってお香のようにして燃やしてつかいます。ここにあるのが同じものです」と彼女が木の粉のようなものに火をつけた。さっきの映像といまの彼女の姿のせいか、それともこの香りのせいかそれとも両方か。とにかく「妙な気持ち・体の状態」になってしまっている。「き、貴重なものをありがとうございます。ではこれで失礼します!」と言って立ち上がろうとするとどさりと押し倒された。なにしろ彼女は背が高い。細い女性とはいえ手足で押さえ込まれると動けない。
「歩けるような状態じゃないでしょう?」と腹のあたりをごそごそとまさぐられる。まったくその通りなので何もいえない。
※えー。ここからちょっと「とても書けないような」エロい状況が展開します。パワー、スピード、テクニックの3拍子が揃った、というか「それ+道具使いの巧妙さ」「天才歯科医的な技術」「ある意味オペ」という道具やら小物を投入しての、という。
事が終わる。いい加減に帰らないとヤバイので、と言い訳をして帰ろうとすると
「これからはきっと回覧板が回ってくる回数が増えるんじゃないかしら」と彼女が笑う。何かを仕込んだのだろうか。町内会側に。というよりも、いまだに二ヶ国語で聞こえる。どうにも不思議だ。