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April 25, 2005

珍しく服欲

仕事に煮詰まっております。やっぱ専門外の作業は進みがよろしくない。とはいえ頑張らないと。てな訳でダーツぜんぜんやってません。yaeでございます。

そういうわけでダーツネタではないんですが。
さて、私、いわゆる「通勤」をするような仕事をしていないこともあり、洋服を定期的に買うということをしません。なんかのバーゲンの葉書が来て、季節の変わり目であればちょっと行きますか、というぐらいです。実はなんであれ「買い物」という行為そのものがあまり好きではないということもありまして。
で、こんな洋服が欲しいなあ、と思うこともここ数年はあまりなかったんですが、なぜか唐突に「スカジャン」が欲しくなりました。ある方のmixi紹介文に「スカジャン」という文字列は書きましたが、別にそのときは思わず、数日後唐突に「なんか欲しいかも」と思いました。おそらくはだいぶ前にどっかのタレントが着ているのを見て「あー懐かしいってかやっぱいいよな」と思ったのが突如再浮上した、という感じでしょうか。で、ネットでちょいと見てみますと、いろいろあるんですね。

・初耳の専門用語が飛び交う
・刺繍の工程、どこの職人さんに頼んでいるかのこだわり
・このガラはウチが元祖
・つうかいまの形のスカジャンはウチこそが元祖
・都内で専門店はウチだけ。

非常にこの、品質へのこだわりと「元祖間」の争いといいますか、アピール合戦がすごい業界なんだな、ということはひとまずわかりました。

やっぱり素人が安易に手を出してはいけないジャンルなのかもしれません。まあでもちょっと気になるので、時間とお金ができたらまた検討するかもです。刺繍で会社のロゴとかバーンと入れるか、と思いましたが、かなり「カタギじゃない感」漂いすぎかと思い悩んでおります。高いし。

Posted by yae at 01:23 PM | Comments (8) | TrackBack

April 22, 2005

夢メモ_2:モノレールとへんてこPC

休憩ラウンジのようなところで横になっている。ここは巨大ショッピングモールと住居スペースとオフィススペースに分かれている高層ビル。ここは住居スペースの中にある。私はここに住んでいる。また、同じビルの中の会社に勤めている。

見るともなしに外を見る。と「どこ見てんのよぉ!」でおなじみの女性芸人が、集団でのエアロビのようなものを指導しながら自分でも踊っている。過度に露出度が高いレオタードを着ている。見せたがり屋なのか、と思う。

足先に違和感を感じる。知人の奥さんが私の足を掴んでもんだり引っ張ったりしている。とても楽しそうな顔だ。夫の知人とはいえ他人の足など頼まれても触りたくないのが普通だと思うが、とても満足そうだ。なにか彼女なりの満足がある行為なのだろうか。

社の若い男性(ダーツ仲間の顔と名前だった)と、女性スタッフ(見たようなことがある顔だった)が呼びに来た。取材だったか、と出かける。

取材は早々に終わった。帰ろうか、というと「せっかく久々に外に出たのだから(予定の帰社時間まで)少し散歩でもしましょうよ」と若手男性。若手女性も賛同している。では好きなところに連れて行ってくれよ、と任せる。
※この後、男性社員と女性社員は同時には存在しなくなる。片方しか居ない。

「yaeさん、海好きですか?」と若手男性。
「子供のときは好きだったけど。大人になってから海水アレルギーと日焼けの問題(赤くなりかゆみと痛みがあり、その後黒くならず色が戻る)があるので、どちらかといえば嫌いだ」と答える。
「じゃあ、見るだけなら平気ですか」と。「見るだけなら好きだね」と答える。
「ではこっちの道からトンネルを出ると、海に近いところを走るモノレールがあります。観光用みたいなもんなんで、都内まで停まりません。乗りましょうよ!」とテンションが高い。いいね、と従う。

トンネルを出ると、前を女性社員が歩いている。楽しいのか、スキップをしている。胸がゆさゆさと揺れている。なんとなく「ぼよーんぼよーん」と小声で言ってみる。聞こえてしまったらしく、こっちを微妙にいやそうな顔で見ている。「いや失敬。つい」などというとまたスキップをしだした。「ばいーんばいーん」よせばいいのにまたつい口にしてしまう。
「そういうこと言うの、やめて貰えませんか」と女性スタッフ。「ああ悪い。どうも胸が揺れているのを見るとつい」と答える。「そういうことを言われると、この間のことはやっぱり単なる遊びだったのかとか思ってしまいます」と。なんかやっただろうかこの人に。思い出せない。

「いやまあ、そういうつもりではないんだけども。親しみを込めてというか」とかあやふやな言い訳をする。と、なぜか機嫌が良くなり「モノレールはこっちですよ。空港で飛行機を見てから乗っても間に合いますから」とテンションが高い。

モノレールで社の近くまで戻り、徒歩でビルに戻る。荷物を置くために一度部屋に帰り、通路に出る。エレベータが一部メンテをしているので直通では行けず、一度病院などが集まっているフロアで乗り換える。知人の歯医者の前を通ると、知人が治療をしている。と、知人夫妻の小さい子供が歯医者近くの通路で派手に転んでいるのが見えた。あれれ、と思っていると、知人の夫人が派手な浮き輪のようなタンバリンのようなものを取り出した。歯医者に来ている子供をあやすものだろうか、いずれ透明のプラスチックの中に緑とオレンジの玉のようなものが入っている2個つのそれをぱかっと割り、中の玉を組み合わせて小さな打楽器のようなものを作った。知人の歯医者にもそれを渡す。知人は治療中の子供に「ちょっとまっててね!」と告げると、真剣な顔でそれを受け取り、通路に駆け出していった。夫人も後を追う。眺めていると、転んだ自分たちの子供の5mほど前で一旦停止した。
「○○でー、○○な子供は泣かない〜。泣いてもすぐ笑う〜」とかなんとかオリジナルの歌詞とメロディを知人が歌い踊りだした。夫人も同じ振りで踊りながら合いの手のようなものを入れている。それをやりつつじりじりと子供に近づいていく。
なんだろうあの曲は。というか動きが変に本格的というか、素人の踊り方ではない。やがて子供の周りをくるくると回りながら踊りだし、子供も笑いながらそれに加わって3人でくるくるやっている。変わった教育方針だな、と思う。しかし、ある意味それだけ円満な家庭の夫人が、なぜ私の足などをもんだりしたのだろうか。疑問は残るが、社に向かう。

この会社は、音楽の制作とプロデュース、また、新しい音楽、映像配信の「やり方」を研究しつつ実践するという会社だ。ちょっと普通の音楽、通信、広告会社と仕事の仕方は違う。社長は「世界のS」と言われる超一流ミュージシャンだ。我々はSさん、と呼ぶこともあるが、たいがいは「先生」と呼んでいる。本人はどっちで呼ばれても気にしていないようだ。その下に「部長」と呼ばれている副社長が居て、その下が「主任」と呼ばれる私。この3人は、社からの家賃補助でこのビルに住んでいる。若手は「できるだけ近くに住むように」との家賃補助はされているが、さすがにここやすぐ近くには住めず、電車などで通勤してきている。

「取材どうだった」と先生。「ええまあ。帰りにちょっと○○くんにセクハラじみた発言をしてしまい反省中ですよ」と軽く答える。「ま、いんじゃないの。でも社内恋愛はきっちり続けるか、別れても仕事に影響がないようにな。影響があるなら、彼女には辞めてもらうよ」と冷たい笑みを浮かべている。「いや、大丈夫ですよ」と答えるが、彼女と自分になにがあったのか、どういう関係なのかがまったく思い出せない。まあいいか、と仕事の準備をする。

「私のメインPCの構成を組み替えるので、フォローを頼むよ」と先生。あー来たんですか、とデスクのほうを見ると、ディスクユニットが数機高くつまれている。アレ全部入るのかよ! と驚く。先生と私の机の間には、背中合わせで部長の机があるだけなので、その隙間を空けて隣に先生の机があるわけだが、部長が一時退避しないとセッティングが出来ないほど機材が多い。

「さてさて。待たされただけのかいがありますかどうか」とか言いながら先生がディスクユニットを机に組み込んでいく。私たちが使うコンピュータは最新式のもので、基本的には
・いわゆるワークステーションクラスのPC機能
・映像、音楽データ出力用レーザーディスクバージョン9
・同入出力用ブルーレイディスクおよびリライタブルDVD
・大容量高速レイドリムーバブルHDユニット
・リアルタイムデータバックアップ出力用大容量メモリユニット
基本的にこれらで構成され、高速ネットワークでバックアップサーバ、アプリケーションサーバに接続されている。ハードウェアの見た目としては「ちょっと厚めのHD/DVDレコーダー」に見えるわけで、私の机にはそれが2機組み込まれている。この事務所で使われているPCは、基本的に筐体は「机そのもの」なのだ。しかし、先生のソレはPCのユニットが今回7機ほどあるようだ。机ごと発注したのかもしれない。

「そうだ。先生のはあらかじめバージョン9のレーザーディスクですか?」と聞くと「それで待たされたんだよな。だからアレだよ。バージョンアップは要らない、というかこっちの9のバージョンのほうが新しくて安定してるはずだ。まずはキミのをこれにシンクロさせてみてくれないか」とのこと。

このPCのメインの機能は音楽と映像を作りながら同期させ、それをリアルタイムでも録画した形でもネットに配信できるという部分で、それに一番大事なのがレーザーディスクとそのOSなのだ。レーザーディスクのOSがLinuxの上にかぶさる形になるので、実質レーザーディスクのOSを操作することになる。また、これはライセンス登録をした機種同士であれば、最新のものを他の機種に吸い取ることが許されている。データのバックアップはあるし、なにしろ先生のはこれ以上ないクリーンインストールの状態なので、吸うなら確かに今がいい。

「了解しました」とデータのバックアップを再度行い、メニューから「筐体ロック解除/ユニット排出」を選ぶ。数個の警告ダイアログをクリックし、最後は静脈認証。「筐体から5メートル以上離れてください」とアラートが出る。先生も下がってくださいね、と声をかけてから最終OKをクリック。「ばっしゅーっ!」ド派手な音が上がって冷却ガスが漏れてくる。モニタやキーボードをあらかじめよけたスペースが開き、2機のユニットが出てきた。ガスが収まったら近寄れるので、メンテ用の手袋をして「ディスク排出」ボタンを押す。OSの吸い取りは中にあるボタンで液晶の確認画面を見ながら行うのだ。ちょいちょいと設定してOKを押す。ディスクの周りが青く発光しはじめながら蓋が閉じる。「この瞬間がきれいなんだよなあ。無意味にOS吸い取りたいときあるもんな」と先生が笑いながら言った。確かにあの青い光は妙に神々しいほど綺麗だ。

「ぎゅぼぼぼぼぼぼ」ディスクの書き換えが行われている音がする。ユニットが筐体の中に引っ込みはじめた。「正常終了」の合図だ。モニタなどを元に戻そうとすると、先生の使っていたでかい液晶モニタが床に置いてある。

「これは?」とたずねると「いやーごめん。どうしても新しいもっとでかいのが欲しくて買っちゃったんだよねー」と照れ隠しのように笑っている。これだって2ヶ月使ってないんじゃない? と思い「経費使いすぎですよ」とちくりというと、「良かったら前の使わない? 無駄にならないじゃんよ」と言っている。言ってみるもんだな、とありがたくもらうことに。

なんだかんだと設定をしていると先生が「あ、今回ついでにさ。国内すべての映像チャンネルと、海外の一部の番組を全部録画しておくシステム作ったから。1週間単位で消えちゃうんだけども。バックアップはしていい契約にしてあるし、みんなの端末からでももちろん見れるし。これであれだな、テレビを気にせず仕事してもらえると。徹夜上等だな!」と笑っている。これ以上残業させる気か、殺す気か、と思うが、まあ、作業の中では「処理待ち」でひまそうにしている社員もいるし、いいことかもと思う。

「はいはい飯ですよ〜」と部長が帰ってきた。ああメンテが終わるまではセキュリティ上席を外せない(静脈、網膜認証登録が連続であるので。本人以外にもう1名登録が必要なものなども)ので弁当でも買ったのかと思う。先生が弁当なんて珍しい。大概はビルの中の高級飲食店で2時間はかけて食事をする人なのだ。
「弁当3つと、おつまみ盛り合わせとビールですよ」と部長。ひとまず部長だけが持っている「PCが入っていない机」に集まって食事をすることに。っていうかこれ弁当か? 俺らが知っている「持ち帰り弁当」とはもう見た目も入ってるものもぜんぜん違う。つうか領収書がチラッと見えたが、18万円? 数え間違いじゃねえだろうな、っていうかこれが1万8千円だったら逆に驚く、というほどすごい内容だ。

「食うか。あ、悪い。待ってるからさ、俺の部屋のアレからワイン、そうだアレがいいや。この間の。持ってきて」と先生。我々3人はお互いの部屋に「ワンタイム許可」を発行した汎用キーと静脈認証で出入りできるようにしてあるのだ。

「待ってなくていいですよ」と言ってとりにいく準備をすると「待ってるから」と部長。いやどうせ待ってないだろうなとは思いながら通路に。

通路では物まねパフォーマンスをやっている。このビルの名物パフォーマー集団で、10数名がぐるぐると同じフロアを歩いているがそれぞれお互いのまねをしている。「一番最初に真似をされたのは誰か」を当てるゲームに500円でトライできる。当たれば1万円もらえるのだが、なかなか当たらない。事情通に聞いたところ、イカサマなどはしていずに、純粋に技術で勝負しているのだそうだ。今日のテーマは「脚の悪い老資産家男性」とのこと。皆同じに見える、というかそのテーマで10数人同時に歩き回られてはさすがに薄気味悪い。


Posted by yae at 02:55 PM | Comments (0) | TrackBack

April 21, 2005

夢メモ_2:奇妙な状況の積み重ね

※明け方あたりに断片的に見たような夢だと思うのですが、変わった状況がたくさんありました。覚えている部分を書いてみたいと思います。

東京タワーの鉄骨の上に立っている。と、ちょっと先にゴルゴ13が居て、誰かを狙撃したようだ。が、対立組織のようなものに追われているらしく、激しい銃撃戦を繰り広げている。ゴルゴはワイヤーのようなものにぶら下がってぐんぐん移動するのだが、相手もヘリコプター数機で追い詰める。
5人ほどに囲まれたゴルゴだが、近距離でも2人同時に撃ち倒したりとさすがに強い。
と、私の背後に見知らぬ女性が立ち「漫画っていうかゴルゴだから当たらないのかしら」と。「まあ、いくら訓練をしていても、いざとなると場数の差が出るんじゃないでしょうか」とか適当に返事をする。と、組織に居た少年が何かをゴルゴのほうに投げた。「手榴弾かしら? 最近の子供はキレやすいから」と女性。キレる云々とかそういうことではないだろし、アレは閃光弾のようなものでは、と思ったが、説明するのも面倒だし、いずれ爆発するものだろうから、と、足元にあった蓋を開けて下に避難する。女性がどうなったかは知らない。

そこはアイスクリーム工場になっていた。私はここの経営者の一人で、このアイスクリームメーカーはここ数年業績不振なのだ。なにか画期的な新商品を、と開発を続けていたのだが、めどが立ったという。
「この機械にですね」と工場長。「アイスクリームが整形された直後にですね。“お母さんアイスクリーム”というモノを置きまして、それが出来上がった製品に暖かい言葉をかけて励ます、という仕組みを作りました」なるほど。それで?
「人であれアイスであれ、愛されて育った子供というのは他者にも愛情を注げますし、いざというときに気持ちの強さを保てます。商品としての競争力が上がってきています」と。ふむ。それで売れるならいいことだ。

眺めているとお母さんアイスクリームというのは人の顔のような形をしている。もちろんアイスで出来ている。カップに詰められたアイスが流れてくると、ひとつひとつに「頑張るのよ」「いい形に出来ているわよ」などと声をかけている。確かに言われてみれば言葉をかけられたアイスはその後、なんというか姿が目立つというか輝いて見える。これはいけるかもな、と思っていると工場長が「もちろん最初にですね、いろいろ試しました。兄弟、父親、祖父祖母と。しかしですね。なんといっても母親ですね。父親と祖父は反応がほぼありませんでして」とのこと。へー、と思っているとラインの脇にお父さんアイスとおじいさんアイスが居てなんかラインをうらやましそうに見ている。「行き場がないんですな」と工場長。まあ彼らには気の毒だが、まずはアイスが売れてくれないと会社がつぶれる。

どこかの路地のようなところにいる。古い駄菓子屋がある。中からはラジオの音が聞こえる。運動部帰り、という感じの日焼けした女子中学生が他社のアイスを食べながらそこから出てきた。「なぜそれを買ったのかな?」などと聞いてみる。「安いのと…あと、これを食べているとかわいく見えると評判だから」と。なるほどねえ。そういう戦略も必要なのかな、と思っているとラジオの曲が流れてきた。
と、妻(という存在で夢には出てきた)が「踊らないと!」とか言いながら私の腕を強引に引いて姿勢を変えさせた。左ひざに激痛。どうも靭帯までイッたっぽい痛み。「どうしていつも自分の都合でしか行動できないんだ!」と叱責する。と、先を歩きながらも妻がどんどんキレてくる気配がする。道を歩いていた農家の人からいきなりスコップを奪うとそれで私を殴ろうとする。「お前農家の人だってスコップを勝手にそんなことに使われたら迷惑だろう!」と怒鳴る。が「一言お借りしますといいましたよ」とか「そういう問題でもないんだが」という反論をしてくる。いずれ殴りかかってくるので逃げる。が、ひざが痛く、上手く走れない。
麦畑のようなところに逃げ込むと、後ろから銛のようなものを投げつけてくる。とりあえず眼に刺さると最悪だと後ろを向くと、そこにトラックが止まっていて、ボディに後ろ側が写っている。それを見て避けるが、やはり数本は背中に刺さる。勢いが無く飛んでくるので深くは刺さっていないが痛い。それに刺さりどころによってはマズイことになるだろう。農家の人は遠巻きに見ているだけなので、自分の携帯で警察を呼ぶ。警官が妻を取り押さえている隙に逃げる。

どこかの研究所のようなところにいる。知人が向うから歩いてくる。「何をしているのか」と聞かれたので「鼻をほじっていた」と答える。鼻がむずむずするのだ。手ごたえがあったので引っ張り出してみると、カチカチになったトンボが入っていた。「トンボが入っていたよ」というと「バカな」と信じてくれず笑いながら歩いていってしまう。トンボだよなあこれ、と思い、ひとまず廊下から研究室に投げ込んでみる。飛ばない。なんかのモニタに張り付いてしまった。まあ、トンボか、と誰かが片付けてくれるだろうからいいか、とその場を離れる。

さきほどの知人が、外国人男性と話をしている。この研究所があり、隣に大きな博物館があり、さらにそのはす向かいにある豪邸の持ち主の外国人男性だ。今度自宅の一部でレストランをやるのだそうだ。この研究所で作っている酒の一部を卸すこともあり、看板をどこかに立てられないか、という相談に来たらしい。なるほど大通りの角にこの研究所があり、そのまま直進すればいずれレストランが見えるのだが、あまりに博物館の敷地が広大すぎて「この通りじゃないのかな?」と引き返す人も居るかもしれない。
知人が「研究所の敷地の向かいにはそういうものを立てていい約束になっています。が、博物館の敷地の向かいはNGなんです」と言っている。一番効果の高い場所を求めて、電柱のような材料を持って知人が道路の向かいを走り回っている。しかし、前の会社では「会社員としては高給取りだが、一会社員でしかなかった」彼がどのようにしてこんな研究所を立てる資金を調達したのか、と思っていると、それを見透かしたかのように外国人男性が「彼女の奥さんは立派です。フリマや不用品交換サイトで集めた中古のプレステを海外に輸出してこれだけのお金を」と。そうだったか、と思い出す。

ゲーム制作をお願いしている会社に打ち合わせに行く。と、巨体の男性が出てきて「これが○○で、これが○○。あと、これこの間のスキーのときの荷物。あと、この○○はまだ開発中の筐体だから、内緒ね」といろんなものを渡してくれる。開発中のゲーム画面のハードコピーを見ながらいろいろと打ち合わせをするが「飯とか言わないよね?」と笑っている。そういえば下のフロアはこの会社が経営しているカフェがあったなあ、と思う。「照り焼きチキンセットとかはまだ出来ない。5時から」とのこと。「あー飯は大丈夫です」と大荷物をかかえて別の部屋へと移動する。

イベントホールのような場所に来た。スタッフの控え室に入る。お茶などがおかれたテーブルの上は携帯だらけだ。同じ機種、色も多く、間違えそうだ。と、ある携帯のツールをダウンロードしてテストしないといけないことを思い出し、ダウンロードを始める。別の携帯でもできるはずだし、開発中のものなので他機種に転送可能なので、もう一台の携帯にも送ってみる。と置いてある携帯に電話がかかってきた。自分のか? 人のか? と思っていると、私と同じ機種を使っている人間が出て「もしもし? あんた誰。ちょっと待って」と画面を見て「○○○○って女知ってるやつー?」と言っている。俺の知り合いだ。俺の電話だった。しかし、随分前の知り合いだが、いまごろなんの用だろう? と思いつつ控え室はあまり電波がよくないのでホールに出て話す。

出たのは結局その女性の同僚の女性だった。あれは確か社用の携帯だったろうか、と思っていると「お時間あれば…晴海の先の例の…ピザとか…アイドルブログというものについてのレクチャーを…」とにかく向うの電話のノイズがひどく、ほとんど聞き取れない。晴海のどっかでアイドルブログの話をしてくれ、ということぐらいしかわからない。しかしこれから運ばれてくる商品の撮影をしなくてはいけないので「時間がとれないと思いますが、早めに終わったら連絡しますので」と切る。そもそもアイドルブログってなんだろう。アイドルが書いているブログ? それともアイドルについて書かれたブログ? いずれにしても私はそれについて詳しいわけでもなんでもないのに、なぜ私なんだろうか、と思う。あの会社の人たちには10数年会っていないし。

と、妻から電話。「仕事が早く終わったので帰ります。食事は何もありませんので、皆それぞれ食べたいものを買って帰ることになっています。お姉さんがいろいろ買ってきてくれるそうです。私はどっかに飲みに行きたいと思っています」とのこと。わかったようなわからないような話だ。「とにかくもう撮影なので切る」と告げると「なぜ切るのですか」と責めるような口調で言う。「撮影なんだよ! ブツがもう来たし、スタジオの時間がもうないんだよ!」と怒鳴って切る。

控え室に戻ると、知人のスタッフが「俺の携帯になんかファイル送ったか?」という。いや、送ったのは俺の携帯にだ、と言うが、なぜか彼の携帯に届いている。機種が同じだから? そんなわけはない。「使わないから消し方教えろよ」とムッとしている。え? と思うと「消せないんだよ」とのこと。ダウンしたときに送られたメールを見ると「削除キーは初期は0000です。0000の状態に限り、削除キーではなくクリアキー長押しで消すことも出来ます」と書いてある。その旨説明すると「さっき入れた数字が削除キーに登録されたのかな…」となにやらごそごそやっている。「いずれ入れた数字はなんとなく覚えているから消せると思うけど、勝手に人の携帯にファイル送るなよ。パケット代がかかるだろう。謝れよ」と非常に機嫌が悪い。あいつパケットの放題プランに入ってるって自慢してたけど、嘘だったのかな、とか思いつつもいちおう謝る。と「そんな怖い顔すんなよ」と急にびびりだした。よくわからない男だ。

別の部屋に行く。こちらは現場のスタッフ、出演者の控え室だ。顔見知りのスタッフも居るし、タレントの姿もちらほら見える。と、スタッフが「この間のスキー場のロケの戻ってきた荷物なんですけど、ウェアがばらばらじゃなかったすか?」と聞いてくる。まだ開けてないんだよ、と箱を開けてみると、他の荷物は確かに私のものだが、スキーウェアやその他の防寒着などが確かに違う。私のではない。「やっぱりすか。とりあえず、この身内の中だけで間違えられているのかを確かめるために、あっちのハンガーにみんなのをまとめてますから、お願いします」とのこと。はいはい、とそこに服をかける。と、この間のロケに参加した女性タレントが彼女の姉(マネージャー)と一緒にやってきた。スタッフが服のことをたずねると「ああ。ああいうところはよくあるらしいから、別にお金を払って専用の便で送ってもらったから大丈夫よ」とか言いながらごそごそと荷物を開けている。「ほらー!」とか「正解」の荷物をスタッフたちに見せているが、物の言い方が非常にいやみっぽいというか金持ち気取りというか。なんか一代成金と結婚したんだっけか、と思っていると彼女の姉がやってきた。「いつもすみません。バカな妹で」とかなんとか。いえいえ、とか生返事をしていると、さっきの女性タレントのミニのタイトスカートが半分以上まくれあがり、尻と下着が見えている。「本当にだらしが無くて。なんか下着一枚でも着ていれば平気で人前に出てしまうし。“全裸とそれ以外”という感覚しかないらしく、服が乱れてもぜんぜん気が付かないんですよ」とため息をついている。いやいやマネージャーをやっている、という感じが伝わってくる。

Posted by yae at 12:02 PM | Comments (7) | TrackBack

April 18, 2005

考えることの脱線

仕事をしているときとかは「モノを考える」ことに集中しているはずなんですが「考えること」に集中しているせいか、逆にまったく関係ない方向に考えが脱線していくことがよくあります。比較的まともな脱線から、それはいくらなんでも、というものまで。

例えば、この間録画していた番組をだらーっと見ていたのですが、中川家が「阪神私設応援団」のネタをやっていました。

兄のほうが太鼓をたたくそぶりをして、弟が「ここまで もてこい イーマオカ!」と身振りをつけてやるだけなんですが、それがものすごく笑えたんですね。その瞬間は。で、私、あまり今のプロ野球に詳しくないし、ここ10年ほどは球場にも行っていませんし、中継を見ることもまずありません。が、なぜか笑える、と。

どうしてだろう、と考えました。

おそらくは
・中川弟の「関西人っぽい顔つき」
・私設応援団を知らない人でも「ソレってそういうものではないか」と想像させるダミ声
・阪神や野球をあまり知らない人でも比較的認知度が高い「今岡」選手の名前を盛り込む。
・それで生活しているわけではないだろうに、あまりにも「身に付いた」「流れるような応援の動き」のきっちりとした模写

これらがまざりあって「知らないけどそんな感じがしておかしい」という笑いを作るのではないか、と。

まあ、こういうのは「分析」的なものの見方、考え方で、私のような職業をしている人だと比較的「ついつい考えてしまう」もののひとつなのかもしれません。

で、まあ、まったく職業的な関係はなくて、個人的な「バカな発想」というのもよくしてしまいます。

先日、どういうきっかけかまったくわからなかったのですが、随分前にヒットした歌謡曲の歌詞が頭に浮かびました。「○○○の兄弟」という歌のソレでした。確か「ある動物が、大きくなったら何になるか」ということを延々と続ける童謡のような曲でした。※まあ、結局「なりえないもの」を持ってきて「結局はなんないですけどね」みたいな内容だった気が。

その一節に「大きくなったら何になる」というのがありました。上で書いたようにまあ、なるもんにしかならないわけで、別のもんになっちゃったら「ダーウィンもびっくり」みたいなもんなんですけども。

が、それが
「大きくなったらナンになる」で終わっていたら変だよな、と思ってしまいまして。こういうのが浮かんでしまうともう駄目です。

・ペットが最近大きくなってきたな、と思っていたら目の前でいきなりナンに!
・朝起きて食卓に行ったら育ち盛りの息子がナンに!
・しかし、あわてているうちに向かいのアパートメントのエロいOLの着替え姿などがうっかりの目に入り、別の息子も急成長してナンに!
・嫁のツノもナンに!
たいへんなことです。
ダーウィンも「…ナンでよ_| ̄|○」状態です。進化論論争どこの騒ぎではない、と。そこに朝ワイドテコ入れ企画「突撃! となりの朝カレーアポ無し収録とギターのイントロが鳴り響き、赤青ジャージ姿のご陽気な芸人さんが「ナンでだろぉぉぉ?」と入ってきては事態の収拾は不可能。

そんなことばかり考えて生きています。

Posted by yae at 10:09 PM | Comments (9) | TrackBack

April 04, 2005

夢メモ_2:スキン

学校に行こうか、家で仕事をしようか、それとも黙って寝ていようかと悩む。
この星に移住してきてから、人間の体質と暮らしはずいぶんと変わったのだそうだ。地球に住んでいたころの人類は、もっと身体が成長するのが早く、寿命も短かったらしい。性別も固定されていたらしい。

今の人類は寿命は200年ほどあるし(時間の単位は地球と同じものを使っている)、身体の成長が遅いせいか学習能力も低い。性別も途中で何度か変わる人も少なくない。そんなことから、学校に行きながら働いている人も多いのだが、見た目は地球で言う小中学生ぐらいなのに年齢としては30歳を過ぎているのだ。性別が変わっても、自分として気に入っていたほうの性に早く確実に戻したいために性転換をする人も結構居る。地球で暮らしていた人類とは、何もかもが違うのだ。

階下で母と幼なじみの男性が話をしているのが聞こえる。
「今日は学校に行かないみたいよ。行くときはもっと早く起きてくるから」
「そうですか。仕事するのかな。とはいえ、彼はいまあまり仕事が無いと噂で聞いています。もしかしたら元の陶芸業界に戻ろうとしているかもしれませんが、もう10年ほどブランクがあるでしょう。無理じゃないかな。じゃあまた寄ってみます」

彼も私も以前は「商業陶芸」という仕事をしていた。顧客のオーダーを聞いて焼き物を焼く、という仕事。その中でも私は職人として人気があり、ある顧客の薦めで「芸術陶芸」という「注文を聞かずに焼いたものを買いたい人が居れば高額で売る」というやり方に変えた。一時期は爆発的に売れたのだが、いまは星全体の景気がよくないこともあり、また、そもそも芸術陶芸自体が下火であることもあり、あまり仕事がない。このままではまたどこかの工場で商業陶芸をやったほうがいいか、と思っていたのだが、彼の言うように、一度その業界を離れた人間が簡単に戻れるほど甘い世界ではないのかも知れない。

歳が離れた従兄弟からメールが来た。もし暇なら仕事を手伝って欲しい。日給はちゃんと払う、とのこと。車などの解体工場を経営しているのだ。家に居ても気が晴れないので出掛けることにする。

従兄弟の姿が見えない。どうしたものか、と思っていると、工場で働いているちょっと時々おかしい人(薬物の影響らしい)が少年達(と言っても歳は解らないが)と口論をしている。と、男が大きな包丁のようなもの、何かの工具だろうがそれを持って少年達に斬りつけようとしている。危ない。
「マサさーん!」と叫んでは斬りつける。というより叫ばないと斬りつけない。何かの呪縛に取り憑かれているかのようにも見える。
少年達もその「癖」に気が付いたのか、タイミングを見計らって反撃を始めた。ハンマーのようなもので殴りつけている。男は手足がもうぐだぐだになるほどのダメージを受けているが、まだ「マサさーん!」と叫んで斬りつけようとしている。危険な作業をする人が飲む「無痛薬」を飲んでいるせいだろうか。無痛薬は基本的に副作用や中毒性は無いと言われているが、この人がたまにおかしいのは無痛薬のせいではないか、と周りの人が言っていた。まあ、医療技術が相当昔とは違い「脳さえ無事ならなんとかなる」とこまで来ているし、無痛薬を派手なケンカのために飲む連中やアンダーグラウンドの殺し合いに近い格闘技まであるというのだから、男もそれぐらいのつもりでやっているのかもしれない。
と、初年達が塗料か何かの一斗缶を男の頭に被せて、殴り始めた。これはマズイ、心停止から時間がたったり、脳そのものを破壊してしまっては蘇生出来ない。思わず「やめろよ!」と叫んでしまう。
目撃されたことに気が付いた少年の一人がこっちに走ってきたのと、従兄弟が現場に入ってきたのはほぼ同時だったろうか。作業用の装甲具+腕力強化服のようなものを付けていた従兄弟には少年達の攻撃が効かず、あっという間に追い払いそうになっていた。が、少年の1人が、仲間が止めるのを聞かずさらに従兄弟に襲いかかろうとした。しかし、従兄弟は近くにあった「壁を壊すような機械」を取って少年の胸に打ち込んだ。機械が動作する大きな音に合わせて少年の身体がガクガクと揺れる。無痛薬を飲んでいなかったのか、いずれ心臓そのものが破壊されただろうし、即死したようだ。法律上は正当防衛になるのかもしれないが、この星では寿命が長く、医療技術が発達しているせいか「命を奪う」ことは正当防衛と見なされない判例もたくさんある。マズイことになった。

何を思ったか少年達はそのまま走っていって近所のパン屋を襲った。ここは昔私の家の近くに店を開けていて、こちらに引っ越してきたのだ。幼なじみの女の子が居るはずだ。
少年達は店の中を滅茶苦茶にすると「俺達は○○の身内のもんだ!」と私や従兄弟の名前を口にしている。店の人は驚いて「訴えよう」とか口にしている。移民が多いので窃盗や建物を壊すことも地球よりは大きな罪になるのだそうだ。そのことを計算に入れての行動だとしたら、こいつらただ者じゃないかもしれない。と、少年達は私を捕まえて、車に押し込んだ。抵抗したが、多勢に無勢という状況でどうにもならなかった。

車は町はずれの闇医者と噂の病院前に停まった。
「コイツを女に性転換して顔も整形して別人にしてくれや!」と言っている。この星では本人の認識を「映像」でしている。名前を変えてもソレで認識する。経年変化はPCが自動補正をするので誤認されることはない。性が変わってしまっても、数日は顔が「認識できないほど変化」はしないので、役所でデータ登録をし直せばいいのだ。
逆に言うと、そのデータを再登録できないほど顔や身体が変わってしまうとやっかいなことになる。「身元不明人」となり、社会保障が一切受けられないし、そもそも家族も「データありき」で家族であるかどうかを判断しているのだ。住むところがなくなる。この星で泊まるところもなく、病院に行くこともできないという状況では、いつ死んでも不思議ではないのだ。ヤバイ。

と、医者は私をちらりと見て「必要ないと思うが」と言った。どういう意味なのかは解りかねた。少年達も同様だったのか「とにかく何でもいいからやってそいつを街に放り出しておけ!」と言って金を置いて帰って行った。

「さて。どうしたもんかね」と医者。「君、自分で知っているかい? それとも知らないのかな」と続けた。
「どういう意味でしょうか」と尋ねる。と
「うん、知らないんだな。解った。教えてあげよう。君は、元々女性なんだよ」と。は? と思う。私は生まれてから「性が変わった」ことはなかった。もしかしたら記憶がないほど子供の時にあったのかもしれないが、親に言われたことはない。1人っ子なのだが、家に女子用の子供服も無かった。
「アレだ。よほどの事情があったんだな。本人も知らないとは。お父さんは? 亡くなった。そう。じゃあお母さんも言いにくいかもねえ」
と言いながら医師は小型のメスのようなドライバーのようなものを持って私のところに来て、頭頂部を眺めている。
「ほー。こりゃ大したもんだ。復元も・・・出来る仕様か。なら一回やってみるか。どうだ、君自分の本当の姿を見たくはないか? 元に戻ることも出来るし」と言う。
よくわからないが「お願いします」と言ってみる。
「痛くは・・・ない、はずだよ。よっと」と言って医者は私の頭頂部をその器具でつついた。と、バラッと皮が剥がれた? いや、なにか厚さ1cmほどの着ぐるみのようなものが取れた。
「お。これはまた意外だな。ほら。鏡を見てごらん」と医者。
女だ。中学生ぐらいに見える女子が立っている。しかも少し肌が浅黒い。前にテレビで見た「インド」という国の人に似ている。
「君、元々女性だねえ。ご家族は旧国名でいうと何系? 日本! そうかあ。ちょっとこのスキンを借りますよ。えーと医療保険検索を・・・。一応ね、保険は使えるんだよね無免許医なんだけど、前の人の端末を拝借しておりましてね。あー。旧日本系で登録されているねえ。男子で。30歳か。ほうほう。ご家族は・・・あーこりゃ完全に旧日本系だね。骨格がね。そう。骨で解るンだ私は。だからスキンも見破れるんだ。まあ、いまではこういう研究をしている医者なんてこの星には他に居ないから安心しなさい。こりゃー、なんか家庭にご事情がおありで、それで隠したね。君を。ふーん。アレだ。性欲とかはどうなの? 女性に対して? 凄いねこのスキンは。そこまで変換をねえ。あ? あそう急に恥ずかしくなったと。こりゃ失敬。その手術用の服みたいのをひとまず着てくださいよ。ほー。脳になんか作用する働きもあったんだねえ。うーん。これねえ。軍事技術だね元々は。うん。それでこのスキンを作ってある」

医者の説明は続いた。要は「外見も機能も精神も男性」と本人にすら誤認させるような「皮(医者はスキンと呼んでいた)」を物心付く前に被せられたらしい。もしかしたら記憶そのものを作り出していた可能性もあるが、私には女性としての記憶が一切ないので、おそらく赤ん坊のときだろう、とのことだ。

「スキン着て帰ってもいいけども。あの連中にまた見つかるとやっかいだな。えー通常連中が言った様な手術はまる2日かかるんで、そうだな。親御さんと連絡をして、どこかに隠れていたほうがいいね。この電話使いなさい。私はね、どこの組織ともつながりを持ちたくない。なんで免許も取っていない。だから誰にどのような事情があっても関心がないし、誰にも言わない。だが暴力は嫌いなんでね。君の味方をしよう」とのこと。助かった。運が良かった。

電話の相手の認識も顔の映像で行う仕組みなので、医師が氷枕のようなものに「スキン」を被せて認識させてくれた。いままでの自分の顔がそこにあるので気味が悪い。親と話した。「・・・そういうことならお会いしてから全部お話します。ひとまず車で迎えに伺います」
とのこと。言葉遣いが堅い。医者が言うような特別な事情があるのだろうか。

母親が持ってきた服に着替えて、ひとまずホテルに泊まることにした。この場合、親と名乗る人間の認証しかされないので問題なく泊まれた。

母親が話すには、私は地球の某王国の王族の末裔なのだそうだ。革命で国が無くなりそうになり、加えて世界大戦が起こり、この星に移民をする人が急激に増加した時期に本当の先祖が逃げるように移民してきて、身分を隠しながら生活を続けてきたと。一族は移民後もどこかの星で王家復興を目指しているのだが、旧革命派や戦争敵対国家との因縁が長く根深いものであるため、とにかく身分を隠しているのだという。
また、私はこの星で生まれた人間の子供なので、地球人の特徴は遺伝子からほとんど消えていると。なので、勝手に性が変わったりする可能性もあったのだが、ひとまず「性別と外見を変えて身を隠す」「出身国が別の人に見える」ためにスキンを被せられ、旧王国と戦争的にまったく因果関係の無かった国の一つである旧日本系の人間で子供が出来ない体質の夫婦に預けられたのだという。父も母も「職業として」私を育ててくれたのだそうだ。

「それで、これはあなた様が女性であることを自分で知った時にお伝えする決まりなんですが、あなた様には双子の妹様がいらっしゃいます。あのパン屋の娘さんなんです」とのこと。彼女も同じ理由であのパン屋に預けられたのだが、赤ん坊のときにスキンとの適合が悪く、危険ではあるがやむを得ず女性として育てられたのだという。結果幼児の時に一度男性に自然性転換したこともあり、そのときに皮膚の色が白くなり、また女性になったときに顔立ちが変わったため、見つかる心配がなくなったためそのままの「素の姿」で生活しているのだそうだ。本人にそれを告げるのは、私が女性であることを自覚したときに私から言うということがこれまた決まっているのだという。

翌日、今後どうするかはひとまず考えると私が言うと、ではいずれ引越をしますので、準備を、と母親(役の人、なのだが)は帰っていった。しばらくして役人風の男と一緒に戻ってきた。まずは緊急を要しますので、と男性が私に「顔を登録する機械」を当てて端末を操作している。
「ひとまずこれで、外を歩いたり買い物をしたりが出来るようになりました。病院なども大丈夫です。あなたは旧地球からの長期留学生ということになっています。いまのところ永住権コードまでをいじることが出来ませんので、仮に、です。本当は整形をしていただくのが一番安全ですが、旧○○王国の直系の末裔の方にそれは我が星の政府としてはお願いできません。旧○○王国と敵対関係にあった旧地球の国の人間もこの星には多くおります。率直に申し上げまして、あなたがた姉妹を殺害することを目的として送り込まれているはずです。我が星は政治的に中立ですが、殺害事件を見逃すわけには行かない、という観点から移民されてきたときからあなたがたの側を支援させていただいておりました。今後もその姿勢は変わりません」
と言って男は帰っていった。帰り際に「男性用、女性用」の新しいスキンを置いて帰って行った。前のもまだ使えるそうだが、どれを付けてどう生きていくのかはお任せします、とのことだった。女性用は色が白くて、またえらくスタイルが良くなりそうな形をしている。「こんなのを着たら、殺害じゃなくて違う目的で要らない男に声を掛けられそうだ」というと、母親が「いまでもとてもお綺麗ですよ」と笑っている。「いや、皮膚が茶色いのがどうも」と言うと「素敵ですけどねえ。あまりこの星には居ないじゃないですか。昔は居たそうですが、数代するとみな白くなるんですって」とのこと。やはり目立つのは危険、ということもあり、新しい男性用のスキンを付けて買い物に出掛けることにした。

ここ数年流行している「男女共用で着れるタイプの服」がなにかと便利そうなので、まず買うことにした。これは主にレザーで出来ていて1枚の服というよりパーツの組み合わせで服となる仕組みのもの。手足用、胴体用の長いもの短いもの、帽子のようなものから覆面のようなものもある。これらをベルトで身体に縛り付けて着るものなので、サイズなども結構調整が効くし、色の組み合わせなどが楽しめるため人気なのだ。

試着ルームには選んだパーツを身につけると、それを基本に「私服用」「ビジネス用」「クール系」「フェミニン系」などの様々なパターンで「お薦めコーディネートパーツ」が映し出される端末があり、それを触ると現物を店員が運んできてくれる仕組みになっている。黒の光沢のあるエナメルとレザーに身を包んだ長身で筋肉質の男性が「さあどんどん! どんどん試着しちゃってください試してみてくださいフォー!」と叫びながらパーツを配っている。隣で試着していた男性がベルトを解かずに無理にパーツを外した(脱いだ)のを見て「あなた! そこのあなた! ベルトを外して下さいもっと丁寧に服を扱いましょうよ! 服が泣いていますよフォー!」と注意をしている。

なんだかんだで数セット着回しが出来るようなパーツを買ってホテルに帰る。ほとんど現金で買い物をする人は居ないのだが、実際クレジットよりも現金のほうがブラックマーケットでは効力を発揮するため、現金で買い物をして文句を言われることは滅多に無い。が「あまり堅気ではない」と思われる可能性もあるため、今後は細かい買い物は母に頼むべきだろうな、と思いつつ、それぞれのスキンを着ては買ってきた洋服を付けてみる。文字通り二度手間三度手間で結構時間がかかったが、どのスキンでもなんとか行けそうだ。覆面タイプの帽子も買ったのだが、これを付けていても顔の映像認識は出来る(覆面の形状を自動除去する仕組み」し、最近の携帯電話は通りの向かいの人の顔まで認識できるし、情報を登録して有ればその人が近くに居ることを自動で教えてくれる機能まである。その手のモノは暗殺者が当然持ち歩いているだろうから、油断は出来ない。

今回の男性用のスキンも、着れば「男性的思考」が働くのだが、一度スキンを脱いで「本当の自分」が解ってしまっているため、また、それが女性であるためにどうも着たり脱いだりすると疲れる。また、部屋の中に居るときはあまりスキンを付けたくなくなってきているのも確かだ。折衷案、ということで、外見的にあまり気乗りはしないのだが「グラマラスな色白女性」のスキンを付けることにする。このあたりは旧アジア系の住民が多いし、母と一緒に居ることに違和感が無いようにするためか、やはり旧日本系の顔をしている。スキンは冷蔵庫のような保冷式のロッカーから出すのだが、それを着るとその「作られた情報用の」携帯電話や、そのスキンの人物の「設定」がロッカーの前のモニタに写る。年齢は・・・65歳。あー適齢期だなあ。これはヘンテコなナンパが多いよ絶対、とちょっとブルーな気持ちで街に出る。男性のスキンや、素の自分で歩くときと違い、胸がゆさゆさ揺れるのも違和感がありまくる。座れば机に胸が乗ってしまうし、それをまたみんなチラチラ見るし、違うスキンが欲しいけど、これ絶対高いはずなんで我が儘は言えないわよね、などと思う。

前の自分の家に行ってみる。もう空き家になっているはずだ。と、私が男性として暮らしていた時期に作った芸術陶器や作品の写真集などがドアに打ち付けられている。罵りの言葉も落書きされている。あの連中の仕業だろう。しかし、これは過去に結構な値段でオークションに出ていた作品なので、連中が買い取ったのだとしたら、ちょっとあの年頃の人間が自由に使える金額ではないはずだ。バックに何かの組織が付いているのか。あの連中はもしや旧敵国側の人間で、たまたま男性だった私とトラブルを起こしたのかもしれない。素の姿で外を歩くのはやはり危険だ、と思う。いまはまだスキンを映像サーチャーでは見抜かれないはずだが、どのタイミングでお互いの「技術戦争」が逆転するかもわからないし、ひとまず転居先の連絡が来るまではこのへんをうろつくのは辞めようと思う。他の星に引っ越すのは手続きがたいへんだが、それも考えないといけないかもしれない。
などと思っていると「あの・・・」と後ろから声がした。パン屋の娘、つまり妹だ。配達にでも来たのだろうか。
「あの、ここの家に住んでいた○○君(前の私の名前)のお知り合いでしょうか? 陶芸の関係とか、学校とか・・・」と言う。
ええちょっと陶芸関係で・・・とか適当に言うと
「どこに行ったかご存じ無いですか? 地元のギャング系とのトラブルがあって・・・亡くなったんじゃないかって噂なんですけど・・・」
なるほどそういう噂になっているのか、と思いつつ「そうなんですか。ちょっと仕事の件で連絡が取れないので来てみたんですが」と言ってみる。
「そうですか・・・子供のときからよく遊んでいたので・・・」と少し涙ぐんでいる。かわいそうに、とは思うが、いまこのタイミングで正体を明かすわけにはいかないし、スキンを脱いで前のスキンを着ないと絶対に納得しないだろうから、話を切り上げてホテルに帰った。しばらくはこのスキンを着ているしかないかなあ、と思う。

Posted by yae at 04:10 PM | Comments (0) | TrackBack