※何回か見たことが有る夢です
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旅館で働いている。実家が旅館を経営しているので、その手伝い。自分はまだ学生だ。
廊下から、ひとつの部屋に入る。奥の部屋から掛け軸を取って来ることが目的だ。
掛け軸を取リ出して、元の襖を開ける。と「やってしまった」と思う。襖の先に元の部屋がない。○で囲まれた「禁」いう文字が描かれた壁になってしまっている。
元々この建物は武家屋敷を移築したもので、掛け軸などを置いて有る部屋のさらにひとつ奥の部屋が殿様の寝室だった。そのため、ひとつ手前の使用人などが控えているこの部屋には、多くの仕掛けが有る。襖を開けたままにしておかなければいけなかったのに、入ったときに閉じてしまった。それで仕掛けが作動して、この部屋がまるごと地下に降りてしまったのだ。
元に戻るには、この部屋の襖を正しい順番に開かなくてはいけない。いや、開くだけではなく、一度開いたものを閉じてこちらを開いてからさらにまた開く、などの段取りがあるのだ。
その昔は、使用人たちは非常にシステマティックに働いていて、ある種のIDカードのようなものを懐に入れて行動していたという。部屋を移動するときはその札を決められた場所にかけてから入るとか、誰かに渡してから入るという仕組みが厳守されていて、テロ防止および、うっかり部屋を下に下げてしまった場合「誰がいつから居なくて、部屋がいつ下がったか」という条件が揃えば部屋を持ち上げたという(もちろん、テロに備えて武装した状態で)
しかし、現在はちょっと状況が異なる。この部屋の存在、およびその奥の部屋の存在と仕組みなどは、家族しか知らない。なぜなら、この部屋と奥の部屋を「部屋ごと金庫」として使っているからなのだ。何がどこにどう隠されていて、それにどれだけの価値があるものなのかは、今は祖母と父しか知らない。家族の中でも2名だけが知る仕組みであり、その仕組みを知っているのは母と私、これもまた2名だけという仕組みなのだ。
携帯を見る。もしやと思っていたが、完全に圏外だ。どういう構造かは知らないが、単に地下に降りるだけではないのかもしれない。もしくは相当に深いかだ。そもそもの目的は「不法侵入者とみなした」場合に数週間放置して酸欠ないしは餓死させるための部屋なのだから。天井や壁は今で言うトリックアートというのか、巧みに塗装されていて低くは見えないが、実は2mほどしか高さがない。
いずれ自力で戻るしかないだろう、と考えた。父母は仕事中、しかも父は会社員との兼業なので今は会社に居る。祖母は完全に隠居状態なので、いつどこに出かけるかわからないし、常にこの部屋のことを意識してはいないだろう。
開け方は、もちろんこの4名は知っている。というより他の人間は知らない。開け方の手段は口伝、しかも、一切の記録を禁じられている。
いくつかの記憶方法がある。
・川柳(あかさたな から始まる5つの川柳に開け方のヒントがある)
・子守唄の中に隠されている
・花札のいくつかの役の中に隠されている
私は全部を教えられていたが、花札は苦手なので「それは使わない」と自分で割り切っていた。子守唄と川柳は覚えているはずだ。
…。
まずい、川柳は全部思い出したが、意味を思い出せない。これはかなり高度に言葉が隠されているもので、元々のオリジナルの記憶法だったらしい。ただ「高度すぎる」「カルチャーが当時とは異なって思い出しにくい」ということでこの家オリジナルの子守唄が作られたのだそうだ。
歌を思い出す。「鶴とウサギとすっぽんと○○」が競争して誰が勝つか、という歌なのだが、○○が思い出せない。
「亀の背中をぴょんと跳ね 鶴の首をちょいと刎ね これはしめたと思ったウサギの耳を掴んで八つ裂きに 笑った○○が 血まみれで 獲物をまとめてたいらげた」
思い出せない。「○○にそんなことできるのか?」と子供心に思った、というのをヒントに思い出していくしかない。段取りは歌詞のまま進めばよかったはずだ。
ある襖の横にすっぽんの形をした置物がある。それを背中側に向けて真ん中側に進み、中心の畳をジャンプして強く踏みつける。次にその姿勢から顔を動かさず水平チョップの形で右腕を払う。その方向にある襖を一度開ける。顔が向いていたほうの襖を開ける。ここから○○から連想される言葉に準じて8回正しい順番で襖を開閉して、最初に踏みつけた畳をもう一度踏むというか、どすんと座る。
どすんと座る? なぜだった? 二つの点ではなく、面で畳みに体重がかかっていないと最後の起動スイッチが入らないからではなかったか? そうだ。そういうイメージのモノだ。生き物ではなかった! 臼! 臼だ! 「血まみれ」はダミーの言葉でそれに意味は無いのだった。正しいキーワードは臼と最後の「どすん」を「尻餅」と考え、餅作りを成立させるための「きね」を真ん中に入れて八文字。最後はしりもちではなくて、やはり「作るためのもの」である「もちごめ」 順番に並べて「うす きね もちごめ」 「あかさたな」はやがて使わなくなるから「あいうえお」で「あいう」までの3文字の位置にはいる言葉は正面を、それより下は右手が指したほうを開閉だった。そうだ思い出したぞ!
つまり
う-正面閉める
す-正面開ける
き-正面閉める
ね-右側閉める
も-右側開ける
ち-正面開ける
ご-右側閉める
め-右側開ける
違う…。これだと右側が開いたままだ。両方閉まっていないと駄目なはずなのに。この文字列の中にイレギュラーな要素があり、それを例外措置にすればよかった気がする。
あ!「ご」だけが濁音だ! 濁音は逆に扱う。つまり「ご」は正面!
う-正面閉める
す-正面開ける
き-正面閉める
ね-右側閉める
も-右側開ける
ち-正面開ける
ご-正面閉める
め-右側閉める
よし成立した!
さっそくトライすることに。手順通りにやり、できるだけ「どすん」と座る。
「かちり」と金属音がした。部屋が動いているのは分からない。が、到着すればすっぽんの置物のほうの襖が開くはずだ。まだ開かない。動いているのか居ないのか、全然分からない。途中で部屋が回転するらしい、と聞いたことがあるがいまもしかしたら回っているのだろうか。不安になり携帯を見る。圏外…バリ3!
しゅっ、という音がして、襖が開いた。助かった…。と、メールが複数着信。うわ彼女から「どこに居るの?」メール連続着弾。やばいやばいえーと「地下にある骨董屋に掛け軸を取りに行くように…雑談盛り上がりいま帰るところで」おかしいか? いやまあなんとかなるだろう。ウチ旅館なのは知ってるし。
Posted by yae at October 3, 2006 01:33 PM